【カオ転三次】TS^2ようじょの終末対策   作:タマヤ与太郎

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そんなわけで悪路王異界攻略戦の続きです。
この間ライドウのコドクノマレビトを読みまして、そうしたら次回あたりで終る予定の話がもう3話ぐらい伸びそうです……やりたいことに反映できそうな要素がたくさんあったから……

それと最初の方を読み返していたら割と致命的な齟齬に気付いたので幼女ネキのガイア連合参入時期を「第1回目オフ終わった後ぐらい」から「★ガイア連合大蔵省スレpart7」の数年後経った後ぐらい、という想定で一つ。七歳じゃなくなっちゃうので……


転生ようじょ、攻略す。②

 

「リンちゃん、大丈夫かなぁ……」

 

宮城、悪路王異界の外。メシア教やダークサマナーの介入を防ぐため、

または異界内部から漏れ出てくる討ち漏らしを討伐するために待機している面々に混じり、

専用デモニカ(ワカモスーツ)を纏った文はリンを案じていた。

まだ10歳にもならぬ身とはいえレベル15と言う一端のサマナーであり、

最前線には行けずともリンの側に居たい、という思いから待機部隊に志願した文であったが、

内部で奮闘しているのか討ち漏らしはほとんど無く、故に暇な時間が増え、

COMPで配信されている異界内部の動画を見つつもリンを案じているのだった。

なおその傍には渡世人スタイルの猫獣人(センリ)、ポチと黒い羽根を生やした忍者(覚醒カラス)、マシロ*1が控え、

文が契約している悪魔達(ミヨリ・アガシオン・ハトホル)も含め万全の防護態勢を整えている。

正直な所リンの指示よりこっそり異界の入り口の警護より文の警護の方が比重が重く指示されていた。

 

「姐さんなら心配はいりやせんでしょう。ノワール姐さん達もいらっしゃいますし、

 何よりこの宮城じゃ姐さんが一番お強いですからねぇ」

 

「ん。親分はつよい。文もお親分のつがいならもうすこしどっしりと構えておくべき」

 

「それはそうだけど……」

 

両脇から文のCOMPの配信映像を眺めながら言うポチとマシロ。

動物的な感性(実力主義)からリンに全幅の信頼を寄せている2人に対し、

リンの強さは分かってはいるが、それはそれとしてリン(恋人)が心配な文。

そんな3人をよそに、リンを映していた画面は異界最奥のお堂に到達した所で転換し、

無数の悪魔を蹴散らしつつも進む先生ネキ達の方を映し始めるのであった。

 

 

 

 

「わはははは! たーのしーい!」

 

「おい本当に大丈夫なのか!? いや状況じゃなくてこいつが!」

 

リンが異界最奥のお堂に到達した頃、先生ネキを先頭にした護衛*2組はリンの後を追うべく異界を進行していた。

先生ネキのシキガミであるヒトハ*3と8人のシキガミ達*4の援護射撃を受けた上で、

先生ネキは専用デモニカ「ヴァーダント」を纏い大暴れしていた。

大笑いしながら乱暴に振り回して居るようにしか見えないが、相手の防御をないかのごとくすり抜けて的確に急所を切り裂き、MAGへと返す。

歴戦のダークサマナー上がりという経歴も頷ける戦いぶりであった。

 

「……まあ女の子関わってないから平静だと思う」

 

「これで!?」

 

「幼女ネキと文ちゃんの触れ合いを見ている時は本当に気持ち悪いぞ?

 良かったなあいつの目の前でヴィクターさん出さなくて。

 アレの射程範囲は下は幼稚園児から、上は40台の熟女までイケるらしいからな。

 手こそ出さんがあいつがメイプルを見る視線には本当にねっとりしたものを感じるのが嫌だ。

 それでいて技術者としては極めて有能なのがタチ悪いんだよな……」

 

「君達も苦労しているんだな……」

 

少佐ニキの前で打ち漏らしの悪魔を殴り飛ばしながらウェルニキがぽつりと呟けば、

少佐ニキの横で援護射撃をしながらぼやくオラシオニキ。

そんな彼らに同情的な視線を送りつつも、少佐ニキは横に浮かんで追従するパワー(エダ)へと視線を向けた。

 

「それで……パワー、何か感じるか?」

 

「ん? そうだな……ちょっと懐かしいものを感じる気はするな。特に奥の方から」

 

「そうか……ここが十四代葛葉ライドウ所縁の異界であるのは間違いないのだろうな」

 

十四代葛葉ライドウ。メガテンシリーズの1つ、デビルサマナーシリーズにおいて二作の主役を務めたデビルサマナーである。

学ランに学帽、黒いマントに装備を隠し、COMPではなく封魔管を使う。

また超国家機関ヤタガラスのエージェントとして、また葛葉四天王の一角として、

日夜「大正二十年」の東京を守っていたデビルサマナーであった。

それはこの世界線においても変わらず、第二次大戦のころまでは生存しており、

最終的には大戦に乗じたメシア教の跳梁により追い詰められ、自害させられている。

このパワーはその当時ライドウと契約していた悪魔であり、悪魔合体によりパワーとなっているため、

厳密に言えば純正の天使では無い。

 

「ただなぁ……その気配を塗りつぶさん勢いですっげー強い憎悪を感じるんだよな……

 こいつらが天使を見ると殺意増し増しになるのそのせいだと思う」

 

「それは……葛葉ライドウが天使を憎んでいる、と言う事か?」

 

「いや、それはない……とは言わんが。

 あいつはあいつなりに納得ずくで腹を切った。帝都の、日本の民を守るためにな。

 不甲斐ない自分への怒りこそあれ、こんなに後を引く怒りを残す奴じゃねえよ。

 強いて言うなら……関係者、当時あいつと一緒に戦ってた仲魔がここの主に収まってる線のが濃いかね。

 特にここは悪路王の異界だ、該当しそうなやつを一人知ってるし……

 自害させられたことでバチクソキレ散らかしそうなやつも一人知ってる。

 最奥のお堂にたどり着ければもうすこし詳しく分かるかもしれないし、何とかたどり着こうぜ。

 あ、あの方(ヴィクター)は出すなよ? あたしの予想が正しければもう数段ブチキレるからな」

 

「――――――との事なので、すまないが頼む。私はレベルこそあるが戦闘能力は低いからな……

 精々援護にストーンを投げる程度の事はしよう」

 

「OK。ウェルニキ、先生ネキ、少しペースを上げられるか?」

 

「え? ペース上げていいなら駆け足できるぐらいには早めるよ! じゃ、レッツゴー!」

 

「おい先生ネキせめて後ろを見て言えーっ!」

 

オラシオニキの言葉に、話を聞いていたのかこちらを振り向きもせず即座に進軍速度を上げる先生ネキ、

そしてそれに突っ込みながらも同じく速度を上げるウェルニキ。

そして少佐ニキとオラシオニキは一瞬見つめ合った後、何かを諦めたような笑みでその後を追ったのだという。

 

 

 

「……ふむ」

 

異界へと突入した後、リンクニキはリンや少佐ニキ護衛班とは離れ、

マスターバイクを駆り一人異界の中を走り回っていた。これは悪魔達の密度が濃く大まかな概要しか探れなかったため、

機動力があり、単騎で多数を相手でき、シキガミもまた隠密に長けたリンクニキが名乗り出た事による。

その結果、最深部であろうお堂以外の外周部に関してはおおよその探査が済んでいた。

 

広さは中で軍団規模の戦闘が行えそうなほどに広く、遮蔽物もほとんどないためまず見つからずに移動は不可能。

その上で異様な殺意に満ちた悪魔達がそこら中にひしめき合っているため、低レベルの覚醒者ではお堂に近寄るのも危険。

ここまでは報告通りであり、調査班が近づけなかったお堂近辺には外縁部にいない魔獣系の悪魔、

イヌガミやヘアリージャックが確認された。それらもまた例外なく狂乱しており、同族同士ですら殺し合い、

しかし侵入者を見つければ協同して襲い掛かって来る。

 

「厄介だな……やはり蹴散らした上でお堂内部に突入するのが得策か」

 

「―――リンク」

 

縦横無尽に異界を駆けるマスターバイクの後ろに、ふわりと降り立つ影。

ボディスーツの様な装束*5を纏ったリンクニキのシキガミ、インパだ。

 

「インパか、どうだ?」

 

「ええ、建造物はこの異界最奥のお堂のみ……侵入口になりそうなものは皆無でした。

 壁もまた少なくとも私では破壊不可能、悪魔たちの攻撃を誘い命中させても煤すらつかぬ様子……

 そして先程リンやノワール達の進入を確認しました。入り口から入ってこい、と言う事のようですね」

 

「内部の様子は見えたか?」

 

「少しですが。少なくとも広間のような場所は見えましたが……外観通り、と思わぬ方は良いでしょう。

 見えた範囲に悪魔はいないようですが……この異界に満ちる憎悪のMAG、

 それをさらに濃密にしたような気配を感じました」

 

「分かった。先生ネキ達と合流後、俺達も突入するとしよう」

 

合流しようと踵を返した矢先、二人の前に複数のイヌガミが現れる。

リンクニキはインパに目配せし位置を入れ替わり、腰に吊ったCOMP*6を操作し、

その手の中に天使の羽を呼び出しては刀を抜くき、刀身に重ねる。

 

「――――――簡易剣合体(スクラビルド)

 

刀と羽根が光り、羽根が消えた後に残ったのは清浄な光を放つ刀。

スキル構成としては制作系スキルに優れたリンクニキが己のスキルを戦闘用に改良したスキルの一つ、簡易剣合体(スクラビルド)だ。

これは悪魔由来の素材を消費し武器に短時間その悪魔の属性を付与するスキルで、

破魔弱点のイヌガミに対し破魔属性を持つ天使の素材を使う事で特攻を与えている。

 

「先生ネキ達と合流する、行くぞ」

 

「はいっ!」

 

いうなりインパは即座に発進。リンクニキは刀を振りかぶり、イヌガミ達とすれ違うタイミングで刀を振るった。

 

「―――【回転斬り(利剣乱舞)】」

 

周囲を薙ぎ払うような一閃によりイヌガミ達はリンクニキらを追う事も出来ずに切り裂かれ、

完全にすれ違う頃にはMAGに返り、異界の空気へと溶けていった。

 

 

 

「お、お堂が見えて来たね! 少佐ニキ生きてる? 死んでてもうちの子が【リカーム】使えるからいいけど!

 ちょっと手足欠けてるぐらいなら死んでもリカバリー効くしね!」

 

「何で幼女ネキと言い先生ネキといい命に対して認識が軽すぎやしないか!?」

 

先生ネキさぁ……

でもまあ修羅勢の命に対する認識ってこんなもんじゃない?

死ななきゃ安い、生きてさえいればディアで治るしな

 

先頭で機械的に悪魔を蹴散らしながら前進しつつ世間話でもするかのように言う先生ネキに、

外見に似合わず非常に常識的なツッコミを入れながらストーンを投げる少佐ニキ。

そこに悪魔を引き潰しながらもやって来るリンクニキとインパ。

すぐに先生ネキに並び悪魔を蹴散らしながら、リンクニキは視線の先、リンが先行して進入したお堂を示す。

 

「周辺の調査の結果、異界の核はお堂の内部にあると推測される。

 入口は正面のみ、生半可な攻撃では傷もつかんほどに外壁も堅い。

 どのみちこのまま外で耐え凌ぐことも出来ん、俺達も突入するぞ。

 ウェルニキ、オラシオニキ、お堂に当てても構わん、埒を開けろ」

 

「了解。少しは肩もあったまってきたしね。ミカ、周りの足止めは頼むよ」

 

「任されたゾ!」

 

「分かった。メイプル、【機械神】!」

 

「了解!【全武装展開】!」

 

シキガミのミカに足止めを命じ、ウェルニキが足を止めて右腕を振りかぶれば、

オラシオニキの命令でメイプルがその全身を変形させ、戦闘機を身に纏ったような重武装を纏う。

 

「――――――【巨人の一撃(メギドラ)】」

 

「【攻撃開始(メギドラ)】――――――ッ!」

 

「おっと危ない、総員射線上より退避ーっ!」

 

轟、という爆音と共に放たれた2つの閃光は直線状の悪魔達を呑み込んで消し飛ばし、

お堂の扉に当たって霧散する。その後に残るのは、一直線に穿たれた悪魔達の空隙。

 

「今だ! 全員走れ! パワー! すまんが少佐ニキを頼むぞ!」

 

「あいよ!」

 

「おいベルトを掴むな! 腹に! 腹に食い込む……うぐっ」

 

リンクニキの号令一下、やいのやいのと言いながらも一行はお堂の正面、唯一の入り口の前へと到着。

迫る悪魔達を足止めしつつも扉を開け、どうにか全員が中へと滑り込むことに成功する。

あとに残されるのは、一行を標的として襲い掛かっていた悪魔達。

閉まる扉に殴りかかるでもなく扉が閉まるのを見送り、完全に締まると目の前の相手に襲い掛かり、

再び無差別な殺し合いを開始する。

 

また、このタイミングで配信も途切れ、中の様子を伺う事は不可能となった。

お堂の中で何が待つのか、この異界の主とは何者なのか、それを知るのは、中に侵入した一行のみぞ知る。

 

 

 

*1
外見としては世界樹の迷宮3のシノビ♀(姫カットに狐面の方)

*2
少佐ニキとその契約しているパワーの

*3
専用シキガミであるブルアカの風紀委員モブ

*4
先生ネキ制作のゲヘナ救急医学部モブ

*5
ゼルダBotWの「しのびシリーズ」一式

*6
リンクニキの物はゼルダTotKのプルアパッド型




そんなわけで悪路王異界攻略戦その2でした。
次回からお堂内部の探索開始。そしてコドクノマレビト読破による影響が出てきます。

□解説

・幼女ネキ
現在お堂内部。お堂の中は何故か配信カメラが移らなくなるので先生ネキの方に切り替わった感じ。

・マシロ
外見を大分悩んだけど人間態の外見を世界樹の迷宮の姫シノビにしました。
でも喋りはブルアカのシロコっぽい。

・リンクニキ&インパ
ようやくまともな戦闘描写が出せた半裸とそのシキガミ。
今回は破魔弱点のイヌガミ相手に武器に一時的に破魔属性を付与した上での利剣乱舞。
インパは探査・調査特化型なので実はあんまり殴り合いは強くない。

・先生ネキ
あははと笑いながら躊躇なく急所を一撃する系黒札。
連合参加前は大分シビアな環境で生きてきたので、
幼女ネキとはやや違うベクトルで自他の命への認識が軽い。
なお式神の名前は風紀委員モブが「ヒトハ」、
救急医学部モブ1号~8号が
「フツハ・ミツバ・ヨツバ・イツバ・ムツバ・ナツバ・ヤツバ・コノハ」。
先生ネキからはひーちゃんとかふっちゃんとか割と適当に呼ばれている。


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