【ヘキを】技術開発班ホビー部 Part12【貫け】
258:ワイリー
ふむ、ペガサスニキの神のカード制作、サイカネキのイベント開催*1、概ねうまく……行っとるのかこれ?
259:名無しの転生者
まあメシア教だのエジプト勢だの色々あったけどイベントとしては成功したんじゃないかあれ
在野のデュエリストの発掘にもなるし。俺は見てて楽しかったわ
260:名無しの転生者
ていうかほんとあれ、闇のデュエリストは出るわメシアとエジプトのオカルト合戦の中一般人が優勝するとか、
ホビー物の王道行った感じがしてたよな……
261:名無しの転生者
サイカネキが何もしてねえのになんかそれっぽくなってんの大層草なんすわ
確か在野のサマナーも参加してたよな?
262:ワイリー
彼奴らも魔法を悪用して色々やっておったようだが、主人公の運命力には勝てなかったという事じゃな、さもあらん
263:名無しの転生者
まあオカルト悪用して好き放題やってんのは俺らもだけどさあ
264:名無しの転生者
でも楽しいからな。楽しさはすべてに優先する
それに最近売り上げも結構伸びて来てて嬉しいんだわ
265:名無しの転生者
それな。自分のデザインした、あるいは制作にかかわった物を買ってもらって子供が喜んでるのは癒しになる
266:ワイリー
そう。作ったものが世に広まる喜び、そして正しく世に広がり遊ばれ、愛されるからこそ。
ワシのような暗躍したい勢も張り合いが出るという事じゃな
267:名無しの転生者
分からんではないがほどほどにしてくれな?
268:名無しの転生者
子供が泣くのは勘弁
269:ワイリー
当然じゃ。ワシらは『悪役ムーブをしたい』のであって『悪事を働きたい』のではないからな
実際サイカネキも優勝者である少年を助けたりしておったしな
……少年の性癖が歪まんかが心配だがの
270:名無しの転生者
まあ歪むでしょ。俺なら歪む
271:名無しの転生者
多感な時期にえっちなおねえさんと触れ合ったらまあ歪むよな
272:名無しの転生者
というかまあ、件の在野サマナーがサイカネキと同レベルのアレだったのもな……笑うよな……
273:ワイリー
そういえば皆の者、聞いておるか。少し前に連合に若い転生者が加わったという事を
274:名無しの転生者
無論よ、最近ロボ部に水をあけられてる*2が、我らホビ―部とて技術力では負けちゃあいねえ!
注文さえあれば……!
275:名無しの転生者
でもその子前にロボ部の仕事したロボ式神見て大はしゃぎしてたってロボ部の奴が言うてたぞ
魚沼の田舎ニキんとこのシキガミだったはず。何ならロボ部に頼むんじゃないか?
276:名無しの転生者
言うてはならんことを……!
278:ワイリー
だがその子供がロボ好きであれば我がホビーロボット系式神や玩具系武器を気に入るやもしれん
まずはテスターとしてゆっくりと沼に沈めてくれるわ!
279:名無しの転生者
あの子確か宮城で出張所建てたらしいぞ
すげーバリバリ依頼も修行もやってんなと思えばそう言う事だったか
280:ワイリー
……ふむ、出張所を建てたというなら腰を据えて活動する気のようじゃな
ならばモノにせよカネにせよ、支援すれば恩を売れるやもしれんな?
何より玩具の外見をしていれば携帯性も増す。
子供が持ち歩いても不審に思われないものなら喜ばれるのではないか?
281:名無しの転生者
なるほど、つまり俺のこの対魔ヨーヨーやデモニカの技術を応用したローラーシューズも!
282:名無しの転生者
各種サマナー向けアプリに対応した携帯ゲーム機なんかも!
283:名無しの転生者
破魔の魔法を付与したシャボン水で作った対魔シャボン玉セットも!
284:名無しの転生者
式神折り紙なんかもあるぞ!
285:名無しの転生者
……お前ら不良在庫押し付けんなよ?
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幼女ネキこと鵺原リンのシキガミ、ノワールの朝は早い。
大柄な自分の体に埋もれるようにして眠っているリンを起こさないように丁寧に引き剥がし、身を清めてからベッドを立つ。
小学校の時間割を見ながら教科書やノート、筆記用具を揃え、そのまま登校できるように準備を整える。
それが終われば朝食を作り始める。そうすると、台所に、
そうなるとリンの起床の時間だ。朝食を作り終えてテーブルに配膳し、フードカバーをかぶせる。
寝ぼけ顔でよたよたと歩いて来るリンを確保し、そのまま風呂場へと連行して洗い、着替えさせる。
あとは朝食を食べるリンと談笑しながら和やかな時間を過ごし、リンを送り出すだけだ。
リンを送り出した後は出張所の応対用カウンターに座り、来客を待つ。
最もできたばかり&リンが精力的に仕事をしていたのでほとんど人が訪れることもなく、
時折宮城支部の他の黒札や金札が訪れ簡易な補給をしていく程度。
その日も特に何か問題が起こるでもなく時間は過ぎ、もうすぐリンが帰ってくるだろう、という時、それは訪れた。
「あて先はガイア連合宮城支部●●町出張所様、うちですね。
送り主はガイア連合山梨支部、技術班ホビー部……ホビー部?」
目の前に山と積まれた段ボールにはてな、と首をかしげるノワール。技術班と言えば覚えがある。先に魚沼へ行った時、
そこの支部長であった黒札の式神を作ったのが技術班だったはずだ。
しかしあそこはロボ部であったはずだしまだ注文をしてはいないので、関わりは無いはずだが。
「とりあえずマスターが帰ってきたらお話してみましょう。何か注文されてたのかもしれないですし」
そしてリンが帰宅し、出張所に搬入された謎の段ボールの山に不審そうな顔をする。
「なんだこれ、宮城支部の皆が送ってくれるという支援物資か? 多くないか?」
「本部の方の技術班ホビー部さんから贈られて来たそうなんですが……
マスターが注文されたわけではないんですか? 送り先も間違ってなかったようなので受け取ったんですが……」
「知らんぞ。だいたいホビー部ってなんだホビー部って。む、手紙がついているな……何々」
―――拝啓、幼女ネキ様。この度は出張所開設おめでとうございます。
ホビー部という名に馴染みもないでしょうが、ロボ部の方からお名前を伺いまして、
心ばかりの支援物資を送らせていただきました。
ホビー、簡単に言えば玩具の事ですが。式神技術を応用し『実際に動く』プラモやフィギュア、
持ち歩いても不審に思われない対魔攻撃力を持った玩具、
実際にモンスターを召喚できるカードゲームやサマナー向けアプリをインストールしたゲーム機など、
これからの活動に役立つものと自負しております。
これからの活躍への投資と思っていただければ幸いです。
ホビー部 ワイリーニキ、所属ニキ一同
「ふむ、どうやらこの間の大はしゃぎが田舎ニキ経由で技術班に伝わったようだな。
その流れでこのホビー部とやらが将来への投資として送ってきたのがこのブツのようだ」
「すごいじゃないですかマスター! 期待されてるんですね!」
「まあ、悪い気はせんがな……どれ、開けてみるか」
言いながらもダンボールを端から開封していく。
―――回転エネルギーをMAGに変換し悪魔への打撃力に変える物理属性の対魔ヨーヨー。
―――聖水をベースに破魔系魔法を織り込み、シャボン玉として放出することで低レベルの破魔属性攻撃を行うシャボン水。
―――決まった折り方をすることで簡易な式神として使用可能な式神折り紙。
―――エネミーソナーなどの対悪魔戦闘向けアプリのインストールされた携帯ゲーム機*3(普通にゲーム機としても使用可能)。
その他、種々様々、悪く言えば雑多な対魔玩具を開け分類していくリンとノワールであったが、
あるものを目にした時リンの手が止まる。
「マスター?」
ノワールが硬直したリンの顔を覗き込む。その目はキラキラと輝いていた。
そう、かつて魚沼支部で【
リンの手元を見る。そこには1mほどの、玩具のパッケージに包まれたロボットのようなものが2体入っていた。
そのカブトムシ、クワガタムシを模したと思われるロボットは、箱に描かれた名前を見るに、
カブトムシ型が『メタルビートル』クワガタムシ型が『ヘッドシザーズ』と言うようだ。
「おぉ……メタビーにロクショウだ……本物のメダロット*4だ……」
「あ、そう言えばジュネスのおもちゃ売り場で見たような……あれよりは大きいですかね?」
リンは生まれてこの方ほとんど娯楽というものに触れずに過ごしてきたため、レン子ニキに依頼受注を禁じられるまでは、
出張所が出来てからも依頼や修行優先であまりそう言ったものに触れたことが無かった。
しかし前世でそれなりに趣味人であり、『ダンボール戦機』『メダロット』などのホビーロボット物を特に好んでいた。
そこにこのホビー部からのリアルメダロット(+α)の寄贈である。
リンのテンションはたちまち爆上がりとなり、矯めつ眇めつパッケージを眺めたり、頬擦りしたり、
その場で小躍りを始めたりなど、年相応の子供らしさが全開であった。
その後も「ブレザーメイツ」と書かれた♀型のメダロットや、原作に近い設定で実際に動く『LBX』と呼ばれる小型ロボット、
ノワールより少し小さいサイズの式神ロボット『アイリス』*5などが出てくるたび、
前世の記憶(丁度ドハマリしていた作品だったり推しキャラだったりしたらしい)を刺激され狂喜乱舞していたのだという。
少し後。ノワールがいつものように朝食を作っていると、リビングに1人の少女が入って来る。
ブラウンのロングヘアに蝶のような髪飾りを付けた、大人しそうな少女であった。
「おはようございます、ノワールさん。マスターはまだ?」
「もうすぐ起きてくると思いますよ、アイリス。……ほら」
アイリス。そう、彼女は人間ではない。先日ホビー部から贈られてきた支援物資の中の1つ、
ホビー部の『
本来はもっとメカメカしい外見であるが、変化スキルの一種を組み込まれており、
現代社会に紛れ込む用に人間と遜色ない姿に変身する*6ことができた。
元々戦闘よりは支援・事務能力に特化したシキガミであり、
現在は●●町支部の受付嬢兼作戦オペレーターとしてリンの第二のシキガミとして生活している。
「はらへった……めし……にく……むにゃ」
寝ぼけながら出て来たリンを見るとノワールは調理をアイリスに引き継ぎ、
リンの背を押しながら洗面所へと向かう。
「ああしているのを見ると普通の女の子なんですけどね……っと危ない、ウインナーが焦げちゃう」
危なげなく調理を終えて皿に盛りつけ、
あれからリンは物資の中に詰められていた普通のプラモやアニメのDVDなどにも興味を示し、
今では生前ほどではないがほどほどに遊ぶようになり、狂ったように修行や依頼に打ち込まなくなった。
(それでも他の黒札から見れば割と常軌を逸したペースで行ってはいる)
●●町支部も所属する黒札はリン1人なのは変わらず、
リンの専用シキガミであるノワール、オペレーターのアイリス、
アイリス指揮下のメダロット3機やアイリスが統括するドローンとして運用されるLBX*7など、
非人間戦力が豊富な支部として名をはせていく事となる。
そんなわけで五話でした。娯楽に触れてなかった幼女が娯楽にほどほどにハマってまあまあマシになったお話。
ホビー部の面々、特にワイリーニキらのあれこれは大分創作はいっております。
一応依頼禁止期間はこの話最後あたりで解除されている。
■解説
・幼女ネキ
割とホビー部のファインプレー。
・ノワール
幼女ネキのいろんな意味でのお世話係。
幼女ネキの事は大好きだがあまり強く進言したりはしないので、おもちゃ売り場とかで「こういうの興味ないのかな……」とは思っていたが口には出さなかった。
・アイリス
ワイリーニキ謹製の式神ロボット。
支援・管制特化型シキガミなので戦闘に出ることは少ない。
実質的に高級シキガミクラスのハイエンド仕様。(ノワールよりは劣る)
・メダロット
近距離戦闘型のヘッドシザース、
中・遠距離射撃型のメタルビートル、
支援・回復型のブレザーメイツ。
一応自我はあるが流暢な受け答えをするようなものではなく、
ざっくり言うと『メダロッターりんたろう!』のメダロット達ぐらいの自意識。
・LBX
アキレス・クノイチ・ハンター・ハカイオーなど。
サイズ故戦闘能力はそれ程ではないが、アイリスの操作によるドローンとして運用されている。