【カオ転三次】TS^2ようじょの終末対策   作:タマヤ与太郎

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そんなわけで67話、アメリカ編その6です。
実は今回感想を受けて生えてきた話。


転生ようじょ、渡米する。⑥

【俺のドリルが】ムラクモ計画関連スレ その26【天を衝く】

 

 

 

 

 

 

616:幼女

 

[画像]

(頭にたんこぶを作り正座の態勢で怒髪天のセリリに怒られている幼女ネキとラプンツェル、その横でおろおろしているシスター・メアリー)

 

 

617:名無しの転生者

 

今度は何したの幼女ネキ、メアリーちゃん喰っちゃった?

 

 

618:名無しの転生者

 

ラプンツェルさんも怒られてるのは珍しいな、イズナちゃん&アズサちゃんと幼女ネキが怒られてるのはよく見るが

 

 

619:幼女

 

こないだメアリーを洞天の別荘に泊まらせたんだが、その際私と嫁達のプロレス(意訳)をイズナ達と共に覗いていたようでな

その一部始終、特に私とラプンツェルのナニを目の当たりにしたことで性癖がひん曲がったんだそうだ

私もイズナ達が覗いているのは知ってたがメアリーも混じってたのはレベル低すぎてイズナ達の気配に紛れて分からんでな? 手加減抜きの全力でナニしてた光景はまあ一般人には刺激が強かろうなあ

具体的に言うとロリ攻めのロリおねとか攻めの方が小柄なふたなりモノで興奮するようになってしまったそうで

その事をラプンツェルに懺悔しに来たのがセリリにバレてなぜか私達2人が大目玉を喰らった

 

 

620:名無しの転生者

 

何この……何? どこから突っ込めば?

 

 

621:名無しの転生者

 

・何でイズナちゃん達が覗いてるのを知ってて放置してんの?

・メアリーちゃんの性癖完全にぶっ壊れてんじゃないのこれ?

・仮にも聖職者の性癖ぶっ壊しておいてなぜかもクソもねーだろ

 

ツッコミ所はこのぐらいか

 

 

622:名無しの転生者

 

冷静な分析助かる……んで被告人、釈明は?

 

 

623:幼女

 

イズナ達が覗いてるのは何時もの事だし……というか鍵かけても普通に穴開けて覗いてくるしなあ

乱入してくるわけでもないからもう放置した方がめんどくさくないかなって

 

 

624:名無しの転生者

 

幼女ネキさぁ……メアリーちゃんの事はどうよ?

 

 

625:幼女

 

別に性癖が広がったことは良い事ではないか? 単一の性癖だけに固執していてはオカズに困ろう

まあロリおねふたなりモノというのもまあまあニッチな性癖だとは思うが

それに別に生死にかかわる問題ではないし誤差だろう? せいしはかかった問題かもしれんが

コラテラルダメージというやつだな

 

 

626:★ミナミィ

 

その辺り何かあれば私の方で何とかしましょうか? 悪魔娼館あたりでそういう外見のを見繕うとかはできますけど*1

 

 

627:名無しの転生者

 

うわでた

 

 

628:幼女

 

まあ今の所それほど重度ではないようだし大丈夫だろう。ややニッチではあるが探せばある程度の性癖だしな

それとなくソッチ系サイトを紹介とかしてもいいかもしれんのでよさげな所を見繕ってもらうと助かる

 

 

629:★ミナミィ

 

お任せください! なんなら悪魔娼館あたりで撮影会をした写真集とかでも良さそうですね。DDSiteとかお勧めですよ!

 

 

630:名無しの転生者

 

なんか話が普通に進んでいる……DDSiteって何さ

 

 

631:名無しの転生者

 

あれ知らんのか、ガイアグループ系列のDL同人販売サイトだよ。俺もお世話になっております。書く方でな

黒札だと審査関係早くやってくれて助かるんだよな

 

 

632:名無しの転生者

 

別にエロ系に限らんでも同人関係が充実してるのは良いよな、何なら一般書籍も積極的に電子版出してくれるし

特に絶版TRPG系のさあ! 前世だと数万円ぐらいのプレミアついてるやつのサプリメントまでガッツリカバーしてくれてるからさあ!*2

TRPGじゃなくても絶版の名作漫画まで手広くカバーしてくれてるのは有り難い……

 

 

633:名無しの転生者

 

わかる

 

 

634:名無しの転生者

 

それな

 

 

635:名無しの転生者

 

実はあそこマッカも使えるから一部悪魔とか神族が利用してるとかなんとか

 

 

636:名無しの転生者

 

神もA〇azonとか使う時代だもんな……

 

 

637:幼女

 

DL〇iteか……生前はお世話になったなあ。今は正直そう言う本で欲求を満たそうという感情が湧かんでな、失念してた

私も終末に備えて名作漫画とかアニメとかゲームとか片っ端から購入してダウンロードしよう、そして孔雀明王格納庫のオーディオルームでスマ〇ラ大会を開くのだ

今度こそアイリスに勝つ……!

 

 

638:名無しの転生者

 

幼女ネキはリアルでいろんな欲求叶えてるもんな……

 

 

639:幼女

 

ともあれ後で日本語の勉強と称してタブレット端末をメアリーにくれてやろう

元々金札は渡してあるしポイントで好きな本でも買うといいとか言って置けば自分で好みの本を探してくれるはずだ

 

 

640:名無しの転生者

 

それはメアリーちゃんの性癖がどんどんドツボにハマっていくやつじゃない?

 

 

641:名無しの転生者

 

大丈夫? 第二のナマモノネキになったりしない?

ナマモノネキといえばDDSiteでちひろネキとかショタおじのナマモノ同人頒布しようとして騒動になったことがあったなあ(遠い目

思えばショタおじとかでやらかして懲りてねえやつが幼女ネキで懲りるわけがねえんだ

 

 

642:幼女

 

別に他の奴で書いてる分には私に被害はないからな、私や身内で書いて無ければ巻き藁にするほどでもないが

 

 

643:名無しの転生者

 

まあ流石に二度ブチ殺されて三度やる奴では……ないと思うんだがなあ。ナマモノネキも謎の嗅覚してるよな……

話を聞くに軽く調べて九割妄想で書いてるらしいじゃん、だいたい

 

 

644:名無しの転生者

 

それであの精度なんだから多分本霊がそっち系なのかもしれんなあ

……そう言えば素朴な疑問なんだが、幼女ネキって英語喋れんの? ナチュラルに海外渡航とかしてるけど

 

 

645:幼女

 

喋れんぞ。言語としては日本語しか喋れん。ノワール達には多言語理解とかそう言うスキルぶち込んでるから喋れているがな

私の場合は本霊であるテュポーンの『あらゆる種類の声を発する』伝承に由来する万能会話の権能だな

生物であれば向こうが何を言っているかは日本語として理解できるし、私が日本語を話せば相手に理解できる言語として伝わる

今の所外国人・動物・悪魔など自我を持つ生物メインだが、もう少し権能への理解が深まれば、あるいは植物のような明確な自我のないものや岩などの無生物にも通じるようになるかもしれん

 

 

646:名無しの転生者

 

あ、やっぱ権能クラスの能力*3使えてるんだ幼女ネキも。万能会話能力は便利でいいよなあ

 

 

647:幼女

 

実際楽でいいぞ、言葉の使い分けとかしないでいいからな

あとはまあ幾つか権能レベルまで引き上げているスキルもあると言えばある。特に電撃系や氷結系は元々得意な属性だからな

思えば突然ドラゴンロッドが伸びたのも、仙猿を祖に持つ血統故に発現した権能と言えるのかもしれんなあ

元々破壊神系統とは相性が良いんだが、最近己の血筋を自覚したせいかセイテンタイセイが使いやすくなってきていてな

 

 

648:名無しの転生者

 

自覚するってオカルト的にも結構大事だもんなぁ

 

 

649:名無しの転生者

 

スキルと言えば、幼女ネキってオーバーソウル*4使えるじゃん?

あれって前に見たのはヌエだけだったけど他のも使えたりするの?

 

 

650:幼女

 

使えるぞ、むしろ悪魔カードとして取り込んでるせいかヌエ以外の方がオーバーソウルはしやすいな

ヌエ・セイテンタイセイ・キングフロスト・スサノオ・マーメイド、基本マンキンでいう甲縛式OS*5として習得している

これを装備のような形で具現化させたり、全身に服のような形で纏ったりしている*6ぞ。ざっくり言えば装備として使うか悪魔変身の延長として使うかの違いだな

原作でも部分的に纏ったり全身を覆ったりなど使い分けているしそのような物だろう

なお全身纏いバージョンでも悪魔変身ではなく全身装備をしている、と言う感じなので人間用の霊装や武器も使えるぞ

というかオーバーソウルを習得したのはそのためでもあるがな。やはり悪魔変身時に霊装が使えんのは何かと不便だし、デモニカも使いたいしな

なおショタおじは別に持ち霊とかなしにその場で呼び出して黒雛とかやってたのですごいだろーとか見せに行ったら目の前でさらに上の事をやられて愕然としたものだ

なんなんだあのプリケツ童貞hいgfんgrtにhtんgtn

 

 

651:名無しの転生者

 

おっどうしたどうした

 

 

652:名無しの転生者

 

まあ確かにショタオジはプリケツで童貞だが事実を言ってやるな

 

 

653:名無しの転生者

 

あー、これ呪詛返し喰らってるな多分

思考入力してる時に呪詛返し喰らうと入力がバグるんだ

ソースは俺

 

 

654:幼女

 

どうもさっき地味にショタおじを恨んだのが呪詛になってDDS経由で本人に届いたらしくて呪詛返し喰らった

今、全身の骨に弁慶の泣き所打ったときみたいな痛みが走ってるぞ、堪えられる程度の痛みだが

私の呪殺耐性を貫通してくるとはさすがだな、やはりショタおじはショタおじか

 

 

655:名無しの転生者

 

あの、弁慶の泣き所打つと覚醒者でも悶絶するんだけど?

 

 

656:名無しの転生者

 

まあこの幼女全身の毛穴から熱湯注がれる様な痛みを素で堪えて逃げ回ってた化け物だし……

 

 

657:幼女

 

ははは、覚醒時と修行時におおよそあらゆる肉体的精神的苦痛を味わっているからな、痛いだけならどうとでもなる

 

 

658:名無しの転生者

 

普通はならないのよ?

 

 

659:名無しの転生者

 

修羅勢の人間離れ……

 

 

660:幼女

 

そういえばオーバーソウルといえば探求ネキとかハムネキも出来るようになってたっぽいんだよな

私のは悪魔変身能力ベースだがあっちは多分ペルソナ能力ベースなんだろう*7

本質的にペルソナと悪魔カードは互換可能らしいしな、やったことはないが

イズナやアズサ、ノワール辺りの隠し玉として後で覚えに行かせるのもいいかもしれんなあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……これを、俺に?」

 

「うむ、製造部に注文してたのが届いてな。お前にはやはりバットが似合う」

 

ある日、避難所のガイア連合割り当ての部屋に呼び出された広偉は、リンから1本のバットを渡されていた。

それは一見普通の金属バットのようだったが、グリップの中に何かが入っているような感覚、そしてバットに書かれた『悟史』の2字。

どこぞの野球少年の落とし物のようなブツに、広偉は胡乱な目でリンを見た。

 

「そんな目で見るな、気持ちはわかるが。ウチの製造部謹製の量産型霊装の改造品でな、『DX聖剣サトシカリバー』*8という。名前の由来は知らん。

 外見がバットなのは単に銃刀法対策だ。日本はアメリカほどぶっ壊れてないからな、武器を持ち歩くにも許可や理由やごまかしがいるのだ。

 ともあれ便利な逸品だぞ、グリップを軽くひねって見ろ」

 

言われて捻って見れば、クリアグリーンのUSBメモリのようなものが出てくる。

側面には旋風で象られたようなアルファベットの『C』のマーク。マークの上には小さく『CYCLONE』と記されている。

このUSBメモリには覚えがある。リンやイズナが時折使っている赤い銃「シュラウドマグナム」。それにこのUSBメモリを挿入していた、

色が違うものだったような気がするが……

 

「それはガイア連合で開発された属性付与アイテムの一種『ガイアメモリ』だ。それには衝撃系……風を操る魔法の力が篭もっている。

 元々そのサトシカリバーはグリップに施した仕込み芯を変えることで攻撃属性を変える機能があったんだが……

 それをさらに改造してな。私達も使っているこのガイアメモリを使える仕様にしたのだ。今の所一点ものだぞ? 『旋風(かぜ)を呼ぶ男』にはふさわしいメモリだろう」

 

「有り難ぇ……姐さんの期待に応えられるように、微力を尽くすよ」

 

「その意気だ。もうじき発動するエクソダス計画ではお前も最前線に立ってもらう。それまでに慣らしておけ」

 

深々と頭を下げる広偉にふふんと鼻を鳴らすリンだったが、不意に顔を上げ、窓の外に視線をやる。

 

「どうしたんだ、姐さん?」

 

「何かが来る。でかいな」

 

――――――ザッケンナコラー! ナンオラー!? ソマシャッテコラー!!

 

「クローンヤクザが威嚇しているという事は敵か? 面倒だな、今孔雀明王が出払っているというのに」

 

「あ、あれ威嚇だったのか……」

 

クローンヤクザの怒号が響く外を見れば、上空に浮かぶのは巨大な東洋龍の如き大蛇。

厄介事か、とリンはため息を一つつくと、窓から直接外に飛び出した。

 

 

 

リンがその場に着いた時には、宙を舞う大蛇がその鎌首を地面すれすれにまで降ろしていた。

周囲を見てみればネイティブアメリカンの出身らしい人外ハンターたちが集まり、大蛇の前に跪いている。

アナライズの結果は『龍神イグ Lv58』。リンは脳裏に何かが引っかかる感覚を覚えた。

 

「イグ……どっかで聞いたような……Ω、なんぞ知ってるか?」

 

「俺も特に……いや、確かこの辺のネイティブアメリカンの崇めてる祖霊(トーテム)が蛇って話は聞いたことあったかな……?」

 

2人して首を捻っていると、目の前にまでイグの頭が伸びてくる。

その目には知性の輝きを宿し、放たれる威圧感はツァトゥグァに匹敵しうる大悪魔であることを感じさせた。

 

『―――お前がここで最も強い者か』

 

「そうだが」

 

言いながらも、リンは体内でMAGを練り上げ、悪魔変身をしながら練り上げたMAGごと悪魔の力を外へと押し出すイメージで全身にMAGを纏う。

何時ものTシャツスパッツの上に展開されるのは、赤地に金の装飾が入った中華系の衣装。

その頭上には斉天大聖の緊箍児に似た光輪(ヘイロー)が浮かび、イグに勝るとも劣らない威圧感を周囲に撒き散らす。

これはリンが『人』のままデビルシフターの力をフルに使うために習得した技法『オーバーソウル(魔晶変化)』。

その中でもヌエの次に親和性の高いセイテンタイセイの力を用いた『甲縛式O.S.』であった。

 

「立ち話もなんだ、顔を貸せ。断るようなら今ここで叩き殺すが?」

 

真横で見ていた広偉曰く。『蛇がドン引きする顔初めて見た』とのことである。

 

 

 

 

「――――――なるほど、信者を救ってくれた礼を言いに来たと」

 

『そりゃ儂も舐められんように威圧感出した姿になったが、初手から殺意出すとか親の顔が見てみたいわい……』

 

「そりゃこんな脱出直前何てデリケートな時期に防衛戦力減ってるタイミングであんな図体で来られたら殺意ぐらい出すだろ。

 ……そして親か、遺影でよければあるが、見るか?」

 

『……すまん』

 

少し後。球場の一室ではOSをしたままのリンと鱗を持つ大男の姿に変わったイグがテーブルを挟んで向かい合っていた。

リンの後ろにはノワール達(三人娘+1)が、イグの後ろには蛇神(イグ)を祖霊とするネイティブアメリカンの人外ハンターが控えている。

 

『しかしだな、ここ暫くこの街近辺には結界が張られていて近寄れなんだのだぞ?

 あの鳥を象った天翔ける船。あれがなかったからこそここまで近寄れたのだ』

 

「あー、孔雀明王の結界か。毒を避けるだけかと思っていたら蛇除け効果もあったのか、面白いな。*9

 しかしイグか。イグ……なんか最近聞いた記憶があるような……ないような……あ、そうだ、トトロ! 出てこいトトロ!」

 

イグという名前になんとなく憶えのあったリンは記憶の底をさらうが、はたと何かに思い至り取り出した封魔管からトトロ……厳密にはツァトゥグァの劣化分霊を召喚する。

体長80cmほどの青い体毛を持ったタヌキのような子熊のような何かがテーブルの上に呼び出され、イグの方を見るなり渋い顔をした。

 

『……まあ、私がこの地にいるならお前もいるとは思っていたが……』

 

『お主はツァトゥグァか! ここで会ったが100年目、我が子らを奪われた恨み、今こそ晴らしてくれようか!』

 

イグもまたトトロ(ツァトゥグァ)を見るなりヒートアップし始め、にわかに剣呑な空気が漂い始める。

そんな2(にん)を他人事のように見つめながら、リンはとりあえずイグの顔面にグーを叩きこんだ。

 

 

 

「アイリス、解説」

 

「この間クトゥルフ神話について調べてたじゃないですか……まあ、やりますが。

 ツァトゥグァ神の住まうン・カイと、イグ神の住まうクン・ヤンは隣り合ってこそいますが、あまりお二方の仲は良好とは言えません。

 というのもイグ神の被造物である蛇人間の一部がかつてツァトゥグァ信仰に転んだという事がありまして……」

 

更に少しして。リンはアイリスから先程の件についての解説を受けていた。

ツァトゥグァと契約して以後、リンも多少はクトゥルフ神話についての知識は調べていた。

ツァトゥグァの住む領域、ン・カイの上に存在する地底世界クン・ヤン、青く輝く都ツァスと、赤く輝く廃墟ヨス。

そしてそこで信仰の中心となっているのはクトゥルーだけではなく蛇神イグもまた同じほどの信仰を集めている。

本来ルルイエで眠るクトゥルーよりはイグ信仰の方が強いようで、暦はイグの脱皮の周期、時間はイグが尾を打ち鳴らす感覚となっている程だ。

そしてイグは眷属として蛇人間と呼ばれる手足の付いた蛇のような生物を作ったが、彼らはいつしかツァトゥグァを信仰するようになり、手足と知恵を奪われ半ば滅ぼされたのだという。

 

「なるほど、だいたい分かった。信者を取られたのはまあ、ご愁傷様と言うしかないが、話し合いの場でいきなりいきり立つな」

 

『だからと言って殴る事はないじゃろうが!』*10

 

「何を言う、拳は大体の相手に通じる万能言語だぞ。思い切り殴れば大体の相手は大人しくなるからな」

 

「マスター、それ死んでません?」*11

 

鼻をさすりながら叫ぶイグに、悪びれもなく返すリン、そのあまりにもあまりなリアクションに頭を抱えるアイリス。

ツァトゥグァも心なしか申し訳なさそうな顔をしている気がする。

 

『……ともあれ、過去の因縁もありいきなり語気を荒げた事には謝罪しよう。

 我が信徒達を救ってくれたこと、感謝しておる。たとえお前にそういう認識がないにせよな』

 

「まあ実際物のついでではあったからな。それにお前の信者である以前に、私の舎弟が命を懸けて守り抜いた者達だ。無下にはせんさ。

 こっちも不用意に仲が悪い相手を呼び出した事は申し訳ないな。ともあれトトロ(ツァトゥグァ)は私の契約悪魔、仲良くしろとは言わんが、弁えてくれ。

 それに……あれだ。ガイア連合としてもお前とは仲良くやれると思っている。少し待て」

 

リンはCOMPを取り出すとぽちぽちといじり、どこかへと連絡をし始める。

 

「―――ちひろネキ*12、私だ。今アメリカにいるんだが……ほれ、例のクン・ヤンの件だ。

 上手く行けば鉱物資源の安定供給ができるかもしれんぞ。今イグが目の前にいてな」

 

その後も暫く画面の前の誰かと話すことしばし。リンはCOMPをイグたちの方に向ける。

イグたちに向けられた画面には、日本人らしいおさげ髪の女性が映っており、にこにこと人懐っこい笑みを浮かべていた。

 

『ええと、イグ神様でいらっしゃいますか? 私はガイア連合の千川ちひろと申します――――――』

 

 

 

 

そして、さらにもう暫しの交渉の結果、ツァトゥグァに続きイグとの協力体制をも結ぶことになった。

ガイア連合からはマッカやトリコ食材などの供物を捧げ、イグからはクン・ヤンの鉱物資源を提供する。おおよそそんな契約である。

また、地上の信徒であるネイティブアメリカン達を含む人外ハンター達への支援もガイア連合としてする事となり、

リン達が去った後は狩人ニキが窓口となり支援を続けていくことになったようだ。

 

『――――――まあ、噂のガイア連合と協力できるようになったのは良い事じゃが』

 

「供物もたくさん貰えるそうだな、良かったじゃないか」

 

そしてエクソダス計画を翌日に控えたある日、リンとイグは球場の一室でだらだらと過ごしていた。

計画においてリンが携わっているのは防衛と資材調達。防衛は大体クローンヤクザや人外ハンターで何とかなり、

あとは脱出するだけなので資材調達も必要なく、つまるところリンは暇を持て余していた。*13

 

『その上で信徒たちを見守るためにお主と契約することになったのもまあよかろう。

 あやつ(ツァトゥグァ)と同程度の低位の分霊ならばさほどの労力も要らぬしな』

 

「そのまま日本に連れていくがまあ良かろう? どうせ本霊はアメリカにいるままだろうしな」

 

『まあそれはいいんじゃが、しかしなあ……』

 

「なんだ、その姿が不満か? 日本では大人気の蛇の姿だぞ」

 

分霊を作り出す際、ツァトゥグァが中トトロの姿で作り出したのと同様、イグもまたリンのリクエストした姿で分霊を制作した。

全長がツァトゥグァ同様の80cmほど、胴体が膨れた蛇にしては大変奇妙な姿で、イグは蛇という表情が分からないはずの顔でも分かるほどの渋面を作っていた。

 

『お主がこの姿の写真をDDSとやらに乗せて以後、妙な信仰が届くときがあるんじゃが……』

 

「その姿の蛇は実在が怪しまれる程度には人間の目に触れんからな。珍しいもんを見たとありがたがっているんだろう。

 ちょっと運気でも上げてやればもっと信仰稼げるんじゃないか? ガチャ狂い共が喜んで信仰を捧げてくれよう」

 

胴体が膨れた蛇という姿。それは日本に古来から伝わるとある生物を指す姿でもある。

その名はそう――――――ツチノコ。

 

『人の世に欲は尽きまじ、というやつかのう……下手をすれば旧神どもより恐ろしいやもしれんな、今の人間は』

 

そう言って、イグは深々とため息を吐いた。

その後実際にちょっと運気が上がる程度の加護をサービスした結果、ガチャ狂い共からの信仰が爆増。

信徒から捧げられるそれとはやや方向性を異にするその信仰に、イグは大いに戸惑ったのだという。

 

どっとはらい。

 

 

*1
ただし中身はゴブリンとかそういうのである

*2
真メガテンTRPG20XX系の復刊待ってます

*3
この会話においての『権能』は『最速で出会った俺らのガイア連合活動記録』におけるそれ。ざっくりいうと無茶を通して道理を引っ込ませる

*4
悪魔変身能力を応用し、体外で物質として出力することで人間のまま悪魔変身能力をフル活用する技法

*5
極限まで効率化・先鋭化させ身に纏う形として展開したオーバーソウル

*6
例を挙げると原作のシルバのシルバーアームズやブロンのブルーネット等

*7
悪魔変身に使用する悪魔カードとペルソナカードは実質的に同一のモノらしい

*8
「ファッション無惨様のごちゃサマライフ 『メメントス探索はモルガナ抜きじゃ無理って話』」参照。グリップに仕込んだ芯を交換することで攻撃属性を変えられる便利アイテム

*9
孔雀は蛇などを食べることから孔雀明王などの権能に繋がったらしい

*10
それはそう

*11
リン「死んでも生き返らせればいいだろう」 アイリス「そういう問題じゃないと思いますが」

*12
ガイア連合の事務方のトップ、本霊がルキフグスとのうわさ

*13
暴力装置が暇なのは良い事ではある




そんなわけで67話でした。クン・ヤンの鉱物資源あったらロボ部とか喜びそうだなー、でもどうするかなと考えてて、レイさんの感想を受けてあ、じゃあイグも出そう、となったお話。

次回あたりからエクソダス計画発動です。


■解説

・幼女ネキ
神だろうが何だろうが割と躊躇なくグーで殴るようじょ。
ツァトゥグァに比べイグにはやや塩対応なのは蛇なのであんまり可愛くなかったから。
エルデンリングの蛇人とかだったら喜んで協力したかもしれない。

・イグ
避難民にいる蛇神信仰のネイティブアメリカンとかを助けてくれたお礼をしたかったけど、孔雀明王の結界が邪魔で近寄れなかった系神様。
クトゥルフ神話にあるまじき善良な神様らしいので、ツァトゥグァ同様話は通じる系神様と認識。
分霊のデータ的にはだいたい真Vのケツァルコアトル。
ガチャ狂い共から狂信スレスレの信仰MAGが送られてくるのが最近の悩み。

・シスター・メアリー
命は助かったけどその代わり性癖をぶっ壊されて割かしニッチな性癖に目覚めてしまった元メシアン。
後にDDSiteでそういう系の本を買いあさる事となり、
イズナ秘蔵の例のエロ同人を回し読みし秘密を共有する仲となる。

〇おまけ

リンのO.S.セイテンタイセイ発動時に出る緊箍児っぽいヘイローの図。

【挿絵表示】


緊箍児+牙+秘密結社コドクノマレビトの蛇3匹のマーク、みたいな感じ。
O.S.セイテンタイセイ(全身バージョン)の外見は「式姫Project」の「斉天大聖」(服装だけ)みたいな感じ。
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