【サブル島】ムラクモ計画関連スレ その27【落とそう?】
1289:幼女
なんかヤーポンDレベ撲滅協会のチャンネル登録数が爆上がりしたんだが、これ決起集会の動画の影響だろうか
それでなくとも普段上げてる動画の再生数もめっちゃ上がってんだが……
1290:名無しの転生者
まあそうだろうねえ、海外の人らにここまでやってるの珍しいよ?
そこまでやってる幼女ネキにお前たちもヒーローだ! なんて激励されたらまあテンション上がるのは分かる
1291:名無しの転生者
幼女ネキの事よく分かってない現地民でこれだもんな、正直俺も幼女ネキがここまで熱い奴だとは思ってなかったよ
1292:幼女
そうかぁ? 私は普通にいつも通りだが。努力に対する正当な評価をしているにすぎんぞ
Ωに頼り切りになるでもなく、数百人が大きな破綻なく私がたどり着くまで助け合い持たせていた
それに避難車両の移動型シェルターだって、あれ半分ぐらいは連合に金出させたからな?
というかそもそもが技術班で開発中だった奴を急遽完成までもっていかせたって感じだし
正当な努力には正当な報いを、これが私のモットーだからな
1293:名無しの転生者
幼女ネキの巻き藁やってる奴ら*1も割と真摯に努力してる方だと思うんだけど
1294:幼女
反省が足りん。そもそも山梨という恵まれた環境にいて私より弱いという時点で一考に値せんぞ
1295:名無しの転生者
それは……そうなんですが……
1296:名無しの転生者
巻き藁以外で真面目に努力してるやつらでも幼女ネキより弱い奴らが大半だと思うんですけど(名推理*2
1297:幼女
レベルの話じゃないぞ、精神性の話だ
1298:名無しの転生者
それでも幼女ネキよりつええ心の持ち主ってそう居らんからね? 自覚しよ?
1299:幼女
そうかぁ? まあそのへんはいいや。とりあえず今途中途中で避難民をピックアップしながら進行中だ
出た当初は過激派のペ天使共もそれなりにいたが、今はプルートの勢力圏を東進してるからかマシン悪魔が多くなってきたな
たまに邪鬼ウェンディゴとか出てくるが、まあいいとこ高くてレベル30ぐらいなのでクローンヤクザだとてこずるぐらいだな
1300:名無しの転生者
レベル30を雑魚って言うのもなんともな……まあ幼女ネキんとこは大半修羅の領域に突入してんだろうけど
みちぅとツクヨちゃんって今どのぐらいレベル上がってんの?
1301:幼女
ミチルが32、ツクヨが30だな。武装錬金を使っているのもあって雑魚散らし程度なら出来るようになっているぞ
アメリカに来てから5ぐらいは上がっているか? 悪路王異界よりは楽! と言っていたが
1302:名無しの転生者
そう言えばイズナちゃんに悪路王異界に連れ込まれてパワーレベリングしてたらしいよなあの子ら……
1303:先生
そりゃあ外周じゃなくてスカアハ’sブートキャンプ(Very Easy)突っ込んでたもんよ、そりゃレベルも上がるよ
通常レベル30~40ぐらいからのアレをイズナちゃんの頼みで(ミチルちゃんツクヨちゃん用に)若干難易度緩和した奴だったらしいけど、
まあほんとイズナちゃんああいうとこ幼女ネキの子供だよね*3
1304:名無しの転生者
外周部じゃなくてお堂の中に連れ込まれてたのかよ……あの子たち確か来た当初はレベル一桁だったよな?
1305:幼女
まあおかげで度胸はついたようだしよかろうさ
まあそんなこんなでエンカウントする敵がさほど強く無いので割と暇でな。暇つぶしに新技の開発をしている
1306:名無しの転生者
今度は何開発してんの?
1307:幼女
ワールドトリガー*4のトリガー*5系を自前のMAGで出来ないかなとやっている
術理を構築できればそこからアイテムやスキルカードに落とし込んでトリガーを再現できんかなーと思ってな
まだ未完成らしいが、分霊システムを人間に応用したトリオン体構築システムを北海道で作っている*6と小耳に挟んでな?
実用レベルに達したら私も使わせてもらおうと思ってそれに応用できそうなトリガー技術を開発しているところだ
こないだ星杖ニキにスパチャ貰ったので嬉しくてな、テンション上がってちょっと開発始めちゃったというのが発端だが
1308:名無しの転生者
星杖ニキ?
1309:先生
星杖ニキね。山梨で修行してた修羅勢で今はあっちこっち旅してまわっているとか
見た目がワールドトリガーのヴィザ翁なナイスシルバーだよ、ワートリの事はよく知らないそうだけど
幼女ネキらが中華戦線言ってる時に起こったゴタゴタを片付けてくれてね、確かあの後幼女ネキとやりあったんだっけ?
1310:幼女
うむ、どうも元々クズノハ系列の家系だったそうでな、普段は温和な老紳士だがリンクニキや先生ネキを越える剣の達人だ
あの時も結局2・3時間ほどやり合ってたが決着つかずでな。今頃はまた腕を上げているだろう……
私もいずれは葛葉ライドウを名乗るつもりの身だ、いずれ一本取りたいものだな。結局手数と火力で千日手にはなっていたが、勝ち筋が見えん相手は久しぶりだった*7
るるネキとはまた違うベクトルの強者だな。私もああありたいものだ
1311:名無しの転生者
うへえ、幼女ネキ相手に数時間千日手とかほんと強いんだな……
まあ彼の事は大体わかった。トリガーの開発はどのぐらい進んでんの?
1312:幼女
まあ基本的なところは大体出来ているな。というかMAGを武器として形成するのは人魚ネキなんかも良くやってるが既にある技術だし*8
スコーピオン*9の変形や弧月*10のオプショントリガー*11にてこずったぐらいか? 幻踊*12は楽だったが旋空*13がなかなか……まあできることはできたぞ
イズナが知識ゼロの所から生駒旋空*14ぶっぱしてて笑ったが。コツさえつかめば結構簡単で楽しいな
1313:名無しの転生者
イズナちゃんほんと天才肌だよなぁ……
1314:幼女
ともあれ、近接トリガーとそのオプションは出来てるぞ。あとは弾系トリガー*15も一応
それをアイテムとしてのトリガーに落とし込むのは先生ネキがやるって言ってた
トリオン体にはなれないけどな、北海道で研究してるのが完成したら打診してみるか
1315:名無しの転生者
幼女ネキも大概色んなもの作ってるよな……
1316:幼女
あ、武器の能力込みだからトリガーとしての実用化は程遠いがこんなのも出来たぞ
[動画]
(赤口葛葉を鞘に納めた状態で天体図のような円環が周囲に展開、直後その軌道上にいる悪魔が両断される)
1317:名無しの転生者
ブラックトリガァーッ!?*16
1318:名無しの転生者
このようじょついに星の杖*17まで再現しよった……
1319:幼女
そうは言うがな、これ赤口葛葉のフツヌシの力も併用してるから独力じゃないんだぞ?
フツヌシの剣を『加速』『強化』を付加したレールに乗せて走らせる、という技だが
まあレールとブレード展開でちょっと疲れるから乱発はできんがな。攻撃範囲内の全てを無差別にたたっ斬る技だし
1320:名無しの転生者
そりゃこんな初見殺し技を連打されても困る
というかこれだけやって「ちょっと」疲れる程度なのかよ……
というか幼女ネキがちょっと疲れる程度って普通に奴なら1発撃てるかも怪しいのでは?
幼女ネキ生体マグネタイトの保有量バカみたいに多いし
1321:名無しの転生者
まあなんだかんだ順調そうなのは何よりだ
これミチルちゃん達にも教えてんの?
1322:幼女
一応な。主に開発しているのは私とイズナだが、アズサやミチルとツクヨにも一応使わせてはいるぞ
弾系トリガーをシュラウドマグナムの弾丸に乗せる感じで使うと楽だと言っていた。あいつらは射手より銃手向きなのかもしれん
私としてはミチルやツクヨが率直に一般人視点の感想を聞かせてくれるから新鮮でいいな
それでなくともミチルはあの4人の中ではリーダーと目しているからそういう視点で物を語ってくれたりもするし
1323:名無しの転生者
へえ? 随分買ってんのねみちぅの事
1324:幼女
ミチルは弱いが、弱いなりに足りないところを埋め合わせるべくよく物を考えているからな
あれだ、ワートリで言う修*18みたいな立ち位置に近い。イズナは天才だが、あれは挫折を知らん
なまじ私譲りの霊能と才覚を持っているから人並み以上にだいたいの事が出来てしまうからな
その点ミチルは基本ビビリで警戒心が強いからよく周りを観察しよく考えている
そしていざという時は自分が盾になる事もいとわんクソ度胸もある、その点は狼王も褒めていたよ
そう言う奴は強くなるぞ、私の経験上な
1325:名無しの転生者
あー、確かになまじ才能あっても根性ない転生者より現地民の方が覚悟決まってる分実際戦うと強かったりするもんな
ビビリってことは最悪の事態に備えているともとれるし
1326:名無しの転生者
歴戦の猛者の幼女ネキが言うんならひょっとするかもなあ
少なくとも装備は修羅勢御用達の一級品で、レベルだって修羅の領域に入ったところだろ?
それなら宮城の一般現地民の中でもトップクラスって事になるわけで*19
1327:名無しの転生者
まあ普段見てるのが先生ネキや幼女ネキだから感覚狂うけど、あの子らも強いんだよな普通に
1328:名無しの転生者
その上で幼女ネキの下で揉まれてんだからまあ下手な転生者よりは強くなるかもな
1329:幼女
そしてゆくゆくはあいつらの中の誰かがイズナの嫁にでもなってくれれば言うことはないんだがな、わりとまじめに
1330:名無しの転生者
あ、まだ諦めてなかったんだあれ
1331:名無しの転生者
大丈夫? そろそろ外堀埋まりそうじゃない?
1332:幼女
まだ……! まだ大丈夫なはずだ……
こないだツクヨを先頭に立てて四人でかかればいけるんじゃないかみたいな話してたけどセリリに怒られてたからな!
1333:名無しの転生者
それ大丈夫じゃなくない? というかツクヨちゃんは幼女ネキ的にどうなのよ
1334:幼女
性格・身長・スタイルすべてがド真ん中なので寝ぼけてる時に誘われたらやばいかもしれん
1335:名無しの転生者
……これはもうだめかもわからんね
1336:名無しの転生者
10年後ぐらいの鵺原家の家系図こんがらがったあみだくじみたいになってそう
1337:幼女
まあ少なくとも子が6・7人産まれることは確定はしてるからどっちみちあみだくじかもはしれんが……
どうにかイズナが夢から覚めてくれれば……!
1338:名無しの転生者
幼女ネキ、人間諦めが肝心という言葉もあるよ?
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「ちっこじんさいさい、ちっこじんさいさい、なわばりあらしにゃ……あ、リン様だ」
アメリカの地を行く避難車両。その中の通路をミチルは歩いていたが……不意に足を止める。
視線の先に、ナマズに手足をつけたようなシキガミ、ナマズオの集団と共に円陣を組むリンの姿を見たからだ。
リンはナマズオ達と円陣を組み、中腰になって力を溜め、その後背と手を上に伸ばしゆらゆらと揺れる妙な踊りを踊っていた。*20
たまにやっているが黒札特有の儀式かなんかなのだろうか?*21
ミチルはリンの事を師匠だと思っている。実際佐渡でそのNINJAっぷりに惚れ込んだイズナの親であり、
忍者としての戦い方こそ他の者に教わったが、その他の戦闘術や『螺旋丸』を代表とした術はリンから教わっている。
愛読している少年漫画『かまぼこ突風伝』*22の主人公の必殺技にも似たこの螺旋丸はミチルにとっては憧れの技であったし、
イズナに巻き込まれて悪路王異界に
幼馴染であるツクヨも含めて有形無形の多大な支援を受けており、頭どころか全身平伏して上がらない程の恩がある。
(でもなんというか、妙に買われてる気がする……)
ミチルは自分の事を弱く臆病な狸だと思っている。イズナに巻き込まれて何のかんのとガイア連合式でレベル30を超え、
ツクヨと共にリンの言う所の『修羅勢』の仲間入りをしたらしい。ようやく入り縁に踏み込んだ程度らしいが。
押しかけ弟子である以上粗略に扱われることも覚悟はしていたが、なぜか異様に買われている。
今着ている霊装はリンがかつて着ていた一級品の霊装であり、銃器も弾丸も黒札の使う高品質なものだ。
この前などイズナやアズサの持っているような目玉が飛び出るような値段らしいデモニカなる強化服を渡されそうになり、そのあまりの厚遇ぶりに思わず固辞。
結局イズナ達に追いつける程度の武装は持ってもらわねば困る、と新開発の装備のテストとして装備を渡された。
厚遇されていて悪い気はしないが、そもそもの自己評価が低い上、人間の漫画に傾倒する変わり者、といじめられたこともあるため、
ミチルはなぜそこまで手厚く扱ってくれるのか、と内心不思議がっているのであった。
ぶつぶつとつぶやきつつも顔を上げれば、そこには丸々とした乳があった。否、目の前の人物の乳が丁度ミチルの目の前に来ていた。
「うわわわっ!? す、すいません今退きます!」
「いや、別にそこまで恐縮しなくていいけど……えーと、ミチルだったわよねあんた」
ミチルの目前にいたのは、はだけた巫女服を纏った狐耳の女性。ミチルの友人イズナの母親にしてリンの妻の1人、ウカノミタマだ。
彼女自身の言う所ではリンの妻の中では一番立場が低いらしいが、それでも豊穣神として権能を振るう歴とした神だ。
レベルも自分よりはるかに高い50に達しているらしく、こうして向かい合っているだけで漏れ出る気配に身が縮みそうになる。
「ひゃ、ひゃいっ! うかのみたまさまななななんでしょうかぁっ」
「うーん突っつきたくなる先生ネキの気持ちも分かる気がするわね……まあそれは置いといて。
さっき口ずさんでた唄、あれ
「ほう、地蟲か、ほんとにいたんだな」
「うっひゃあリン様までぇっ!?」
「……このふにゃふにゃ声、先生ネキではないが癖になるな」
ウカノミタマの問いかけに独特なイントネーションのふにゃふにゃボイスで慌てているところにリンが現れ、さらにうろたえるミチル。
それを見ていたリンとウカノミタマの脳裏には、音を鳴らすとうねうね動くアレが連想されていたとか、いなかったとか。
「お、お騒がせしましたぁ……」
「構わん構わん、面白かったしな」
「ちょっと新鮮な反応ではあったわよね」
少しして、孔雀明王内部、談話室。まだふにゃふにゃしてはいるものの落ち着いてきたミチルの隣で、ウカノミタマとその膝に乗ったリンは笑い合う。
先生ネキが嗜虐心をそそられる、と言うのも分かるほどにミチルのリアクションは面白い。
だがそれでは聞きたい事を聞くことはできぬ、とリンはいたずら心を押さえつけ、再びミチルに問いかけた。
「でだ、地蟲の事だが……お前は親無し子だったらしいというのは前に聞いたが。
ということはだ、親に代わってお前を育てたのが地蟲、と言う事になるのか?」
「あ、はい、そうです。何だったかなぁ……崖崩れで巣穴が埋まって、それで両親が死んで……
それで、私だけ生き残ったところを、佐渡の地蟲の群れに入れてもらったの。
ツクヨともその時からの付き合いかなぁ。私やツクヨの魔法の基礎はその時に教わったんだ。
長老ほど使いこなせるわけじゃないけど、地蟲の術もいくらかは使えるよ。あんま強く無いけど……」
地蟲。陽仙とも呼ばれる地霊の一種で、ネズミやモグラなどの、小さな動物の魂が寄り集まった存在である。
ウカノミタマ曰く、豚の頭に手足を着けたような形の者達で、人にはあまり関わらないが穏やかな気性を持つ。
今では人の領域が広がったのもありめっきり姿を見なくなったそうだが、自然を多く残す佐渡にはまだ生き残りがいたようだ。
ミチルの身の上話を聞いて、リンの目つきが変わる。どこか遠くを見ているような、何かを思い出しているような。
そんな表情で、リンはぽつりと呟く。
「……そうか、お前もか」
「ふぇ? お前もって……リン様も? ……そっか、だから大人の人がいなかったんだ……」
まあな、と返し、リンはぽつりぽつりと自分の過去を話す。特段秘密にしていたわけではないが、
喧伝して触れ回るようなことでもない、リンの原点。
それを受けて目を見開き、目尻に涙を浮かべながら、ミチルもまたぽつぽつと口を開いた。
「それで……捨てられてた漫画拾って、それが『かまぼこ突風伝』で、そこから忍者大好きになって……
狸仲間には馬鹿にされたり、いじめられたりしたけど……それでもいつか、本物の忍者になってやるんだって、そう思ってたの」
「……で、イズナやリンに会ったわけね。良かったじゃない。こいつ真面目に努力してる子には優しいわよ?
あたしも大分やらかしたけど、まあイズナを孕む前にはまあまあ普通くらいには接してくれてたし」
「リン様やイズナ達にはほんと、感謝しても仕切れない、です。でも、イズナやアズサの方が全然強いし……
何でここまでしてくれるのかなって、不思議に思ったりも……」
「まあ、潜在的な才能であればイズナには及ぶまいがな。お前は強くなるぞ、私が保証する」
瞠目するミチル。実の所リンとしては「イズナの友達になってくれればなあ」とお目付け役という体で傍に置いており、
その装備も中国の時に着たブルアカのミチルコス霊装を
リンとしてもイズナやアズサと仲良くしてくれることは嬉しいし、何より弱い故によく考え周りを見ている洞察力や分析力、
またいざという時の勇気を買って四人組のリーダー格としているのはリンが掲示板で語った通りの事である。
ただその事を面と向かって言うと恐縮しそうなので言わず、日々ミチルを悩ませていたりするのだが。
「お前は弱い。弱いが、それ故によく周りを見ている。そしてよく考えている。そして弱い現在に甘んじてもいない。
そう言う奴は強くなるぞ? 私自身そうだったし……そうやって強くなってきた奴を何人も見て来た。
イズナは強いが……あれは挫折を知らん。私が過保護なのもあるが、大きな失敗をあいつはしたことがない。
そう言う奴は、そうなったときが脆い。だからまあ……苦労はするだろうが、支えてやってくれ。友人としてな」
「は、はいっ! どこまでできるか、分かんないですけど……」
「出来る所まででいい。お前の事は狼王も高く買っている、そこは誇っていいさ」
そう言いつつ、リンは飛雷神の術で呼び寄せた何かをミチルの前に置く。
それは何かのグリップ部分のような物体で、手に持ってみれば意外と軽い。
そしてそこからは何がしかの術式の気配を感じる。霊装の類のようだ。
「あの、リン様、これって……?」
「この間から私が開発していた技があったろう? あれは霊装に搭載する術式として落とし込むためのものでな。
それの術式『トリガー』を先生ネキが霊装『トリガーホルダー』に搭載した試作品だ。使って使用感を聞かせろ、ツクヨの分もある」
ついでのように放り投げられたもう1本の『トリガーホルダー』を取り落としそうになりながら受け取り、ミチルはひきつった笑顔でリンを見た。
「リン様、あのですね、核鉄とか言う奴だけでも割と超一級の霊装だと思うんですが……」
「そうか? まあ、基本的なものはあれと同じだ。起動すると搭載した術式・霊装が使用可能になる展開型霊装という区分のものになるな。
一応量産前提のものだ、試作品とは言え十全に動くだろう。
「そ、その、お値段とかは、どのくらいに……?」
「知らん。円に直したらどのぐらいになるんだろうな、お前のその装備も家一軒ぐらいは建つらしいが、まあはした金だろう」*23
「――――――ヒュッ」
息が詰まり、ミチルの意識が一瞬彼方へと飛ぶ。これなのだ。リンは基本自分や身内のために金をかけることを一切厭わない。
必要であれば家どころか城が買える程の大金をポンと出すし、なんだったら今ミチルが着ている
そしてそれは娘のイズナ、妻であるノワールやウカノミタマ達、あまつさえ娘の友人に過ぎない自分達にすら一切の遠慮なく色々と与えてくれる。
強く可愛い装備はとても嬉しい。嬉しいのだが……根が小市民であるミチルには割と重い。主に金額的な意味で。責任的な意味でも。
無論修理も毎度きっちりやってもらっているが、その度にいくら飛んでいるのかなど、気にはなるが知りたくはない。
かつてミチルとツクヨ用に専用デモニカを与えよう、と言う話になり固辞したが、いっそあの時貰っていれば良かったかも……
遠ざかる意識の中、ミチルはそう思ったのであった。
どっとはらい。
そんなわけで72話、みちぅメイン回でした。
星杖ニキを見て以来トリガー出したかったのでやらかしました。本作のコンセプトはやりたいことをやる、なのでヨシ!
■解説
・幼女ネキ
トリガーを開発したようじょ。当人はトリガーを使うより自分で術式組んで使う方が得意。
星杖ニキの事は一蔵さん(カジオーネキの旦那)と同じぐらいに尊敬している。
基本的に努力する者には支援を惜しまないので、ビビリながらもよく考えよく物を見ているみちぅにはかなり好感触。
結果みちぅの胃が痛んでいる。
・ミチル
幼女ネキからポンポン(みちぅ基準で)伝説級の代物を渡されて気が遠くなったり胃が痛くなったりしているタヌキ。
デモニカを固辞した結果色々新装備が回って来て割と胃が痛い。
自分がイズナの嫁候補なのは知らないが、セリリに怒られなければそのままツクヨごとリンに食われそうだったのでは? 死ぬのでは? と戦々恐々している。
(イズナに引きずられて流れでリンの夜の生活を覗いているため、
自分よりはるかに強いリンの嫁達が割となすすべなく食い散らかされているのは知っている)
・地蟲
元ネタはジャンプでやっていた「みえるひと」に登場する霊の一種。
メガテン的な種族は地霊。
佐渡に住んでいる一族がミチルとツクヨを拾い我が子のように育てていた。
別に死別したわけではないので今でも佐渡で元気にやっている。