あとガンブレ4買いました。めっちゃたのしい……これを待っていたんだ……
【年末の】地方防衛スレ(宮城) その76【例の祭典】
638:幼女
あーびっくりした。折れはせんにしてもミカに『折るね☆』とかやられると金玉が縮みあがるな。まあ私は金玉ないが、生物学的に
639:名無しの転生者
のっけから下ネタ止めなさいよ女の子が。と言うか幼女ネキの自業自得じゃん
640:幼女
いや私のせいじゃないだろ、イズナが色々送って来てミカと一緒に微笑ましく見てたら最後の1枚がイズナ・アズサ・ツクヨのいかがわしい写真でな
何とか説得は出来たし理解しても貰ったがいやー肝が縮んだな!
641:名無しの転生者
それも幼女ネキの普段の行いとか教育のせいだから結局幼女ネキのせいでは?
642:名無しの転生者
それはそう
親の夜のプロレス(意訳)覗き放題とか歪んだ性知識を植え付けられて当然じゃんね
643:名無しの転生者
と言うかあの子のその辺どうなってんの? アピールは数限りなくしてるみたいだけど、そういう雰囲気がないというか
644:幼女
アレは性知識はあるがそういう行為に関しての認識はあんまり理解しとらんところがあるからなぁ
ナニをどうすれば子供ができるというのは知ってはいるが、交わるというのがどういうことなのか、子を孕むという事がどういうことなのか
そういう知識というか認識をいまいち理解できておらん節がある
だからあいつにとっては『こうすると喜んでくれる!』と服をはだけて見てたり私の子を孕もうとしたりしているが、
その行為がどういうことなのか、と言う事には理解が及んでいないところがあるのだよな。その辺りまだまだお子様だ
なのでまー時間を稼ぎ続けてあれに真っ当な、とは言わんが、その辺りの知識や理解が及ぶようになればあるいは、と言う感じであろうかな
悲しいかな私ではその辺り反面教師にしかならんのでセリリとかミチルとかミネルヴァとかその辺に全てを託すことにした
645:名無しの転生者
一応は色々考えてはいたのか。まー、実際0歳だしなあの子。悪路王異界前後の生まれだから生後半年ぐらいだっけ?
まあ俺らも色々手は尽くすから頑張ってな……
646:幼女
すまんな、ほんと頼む。なおミカとの面会は終わったが私は実はまだ新潟だ
魚沼から長岡へと来ている。シスター桜子んとこだな
647:名無しの転生者
あー、一神教調和派。そう言えば幼女ネキがあれこれ援助してるって言ってたもんな
648:名無しの転生者
確か田舎ニキ経由で送られてきた物資を宮城支部からの援助として送ったりもしてんだっけ?
田舎ニキんとこは現地民のトップが現地名家当主とメシア教の直接的な被害者だもんなぁ……
それで1回抗争になりかけたもんな*1
649:幼女
うむ。実際シスター桜子は事態の解決に尽力したし、石もて追われる謂れはないと思うんだが……その辺りは感情的な問題だからな、無理もない
私程すっぱり割り切れているのもそうはおるまい、時間が解決してくれるとは思うのだがな……
まあそんな感じで物資の援助にきたのと、折角新潟に来たんだからお誕生日プレゼントのお礼をせねばな
それに、ミカからも長岡の一神教調和派の所に行ってくれんかと頼まれてもいるのだ
650:名無しの転生者
へ? なんでまた? ミカちゃんは調和派関係ないだろ? いや天使人間だし完全に無関係って訳でもなかろうが
651:幼女
ミカはアズサのプロトタイプである天使人間だというのは話したと思うが……実の所、その更にプロトタイプ、最初期型の天使人間というべきやつがいてな
ミカが密航出来たというのも、そいつが自分が密航しようと準備していた席を譲ってくれたからなのだ。そいつが今シスター桜子んとこで世話になってるらしい*2
こんなやつだな
[画像]
(ブルーアーカイブの『下江コハル』によく似た少女の画像)
652:名無しの転生者
コハルちゃん!?!?!?
653:名無しの転生者
『エッチなのは駄目! 死刑!』とかいいながらも自分がエロ本パチって読んでるムッツリスケベのコハルちゃん!?!?!?
654:幼女
うむ、席を譲ってくれただけではなく、ミカがリンチにされかけた所を救ってもくれたようでな、
それはつまりアズサの家族を救ってくれたという事だ。私としても一言礼を言わねば筋が通るまいよ
まあ当人もそのすぐ後に救出されたらしいんだが。救出したのは例の仮面の聖咎執行人共らしいのでなんとも複雑な気分だが……
あいつらはあいつらでヨォーヨを助けてくれたりもしたし、迷えるイズナに道を示してくれたりもした。少し見直さねばならんようだな
655:名無しの転生者
おお……関係者が続々と……ほんと良かったなぁ……
シスター桜子の所なら信用が置けるだろうしな
656:幼女
まーパンジャンがどうのと言ってたらしいので割とニアミスしてたらしいんだけどな。助かって何よりだ
ミカに関してはアズサも知ってたが、コハルは全く知らんかったらしいからな。それもあってシスター桜子んとこに顔出しに行くことにしたのだ
日向も元気でやっているという事を私から伝えるんも重要だろうよ
657:名無しの転生者
いいんじゃないの、日向ちゃんは幼女ネキ自ら呼び寄せた子だもんな
658:名無しの転生者
なんだかんだ平和に過ごしてるみたいだし、最近だとシスター・メアリーが増えたから学校に行ってる日も多くなったんだっけ?
まだ高校3年だしな、人並みの青春は送るべきよ。幸いにして宮城は平和だしな
659:幼女
うむ。なんだかんだでシスター・メアリーもレベル10ぐらいにはなったしな。近くにはピン婆の孤児院もあるし、日向がいないあいだの留守ぐらいは守れよう
螺旋丸と波動拳は会得してるし、日向のおさがりとは言え零零式もあるからな。実は結構強いんだぞ
660:名無しの転生者
そっか、上手くやってるかメアリーちゃん。良かったねぇ……
661:幼女
あとは狼王や百鬼夜行もおるしな。それに最近百鬼夜行は新メンバーも増えたんだぞ、悪魔だが
[画像]
(黒いジャケットに白のロングヘア、狼耳の少女。背後には狼王が立ち、仲睦まじい様子で映っている)
662:名無しの転生者
んんん????? 何だこの子……? 外見はアークナイツのラップランドだよなこれ
663:名無しの転生者
でも狼王と仲よさそうと言うか……狼王と仲良さげで白い狼……なあ幼女ネキ、もしや?
664:幼女
うむ、狼王の嫁、ブランカだな。アメリカ遠征の時に奪還した狼王とブランカの遺骸を用いてシキガミ化させた
なお狼王了承済み。アメリカにいた時に持ちかけてな。一応シキガミ化させる時に本人?本狼?の了承も得ているぞ
ラップランドになったのはまあ……当人の希望と言うか、願望と言うか? あのバカ猫のせいと言うのも若干あるが
元々人間楽しそうだよね、とかは思ってたらしい。それもあって人間⇔狼形態の移行能力が生えたとあのバカ猫*3は言うてたが
665:名無しの転生者
当人の希望ならまあ……そう言えば性格的にはどうよ? ラップランドって結構ハジけてるし
まあノワールさんとかもだが外見元と完全イコールって訳じゃないけどさ
666:幼女
性格は天真爛漫な感じだな、イズナに近い。でもイズナ程お子様でもないのでイズナが成長したらこんな感じかなー、って具合だろうかな
今はちょくちょく農業異界や悪路王異界でレベル上げに励んでいる
この写真だと人間体だが、狼モードで大型犬ぐらいに縮小した狼王と仲睦まじく過ごしていることが多い
狼王共々百鬼夜行の奴らとも仲良くやってるようだぞ。ポチとかマシロとかメスのメンバーも多いからな
667:名無しの転生者
あの辺は悪魔だし、何より幼女ネキが連れて来た奴らだしな。幼女ネキの肝入りとあれば否やはあるまいよ
668:幼女
……そういえばこいつら馬(セキトバ)、狼(狼王)、猫(ポチ)、鳥(マシロ)だな、その上で百鬼夜行では最精鋭だ
こいつらを纏めて私直属の百鬼夜行精鋭部隊『ブレーメン』とでもしておくか。まあほんとはロバ・犬・猫・ニワトリではあるが種類的には似たようなもんだろ
669:名無しの転生者
UMAに狼王ロボに渡世人スタイルの化け猫にニンジャめいたカラス、随分物騒なブレーメンの音楽隊だな……
670:名無しの転生者
まあでも幼女ネキが楽しそうならいいんじゃないか
宮城としても戦力が増えるのは良い事だしな
671:幼女
なんならイズナ達の事も見守ってくれているからなあ
基本ミチルをお目付け役としているが、なんのかんのと変なことにならんように見ててくれるからありがたい限りだ
こうして自主性というのは培われて行くのだなあ、さっきみたいな変な方向に突っ走る事もままあるが
672:名無しの転生者
子供はあっという間に育つからねえ
っつーか幼女ネキも子供なんだからもうちょっと遊んだっていいんだぞ?
割と層も暑くなってきてるから、幼女ネキばっかりに頼り切りって事もなくなってきてるしな
673:名無しの転生者
んだんだ。瞬間火力でレベル100越えという驚異の数値を発揮するリンクニキとかもいるしな
674:幼女
でもそのためにリンクニキ全裸になるだろ、*4流石にそう言うのは最後の手段にせねばな……そういえばなんか最近専用武器式神の製作費着手し始めたそうだが
ヘパイストスも協力して割ととんでもねえもんが出来上がりそうだぞ
675:名無しの転生者
おお、ついにリンクニキも専用武器の制作に着手したか
676:名無しの転生者
やっぱマスターソードとか作ってんのかな? 普段は確か刀使ってんだよな、自分で打った奴
677:名無しの転生者
武器式神って事はファイちゃんとか入るのかな、インパさんと喧嘩せんと良いが
678:幼女
参式斬艦刀*5らしいぞ。等身大武器だから霊式斬艦刀*6のほうかもしれんが
リンクニキ最大の弱点が手数の少なさだからな、*7斬艦刀を使えばテクニカルに戦う事も出来るかもしれん
インパもいるからサポートも万全だし
679:名無しの転生者
おお、アレかぁ。まあ外見がリンクってだけで別にマスターソードにこだわる必要はないもんな
680:名無しの転生者
なあ、もしかしてリンクニキって……あれをやる気なのか?
681:名無しの転生者
いや、流石に……だがやりかねんな……
682:幼女
??? 何のことかよく分からんな。そう言えばコハルへのお土産には一応ヘイローとガイア銃持ってくつもりなんだが、他に何持ってった方が良いだろうか?
やっぱコハルだしエロ本だろうか。いやでも外見と名前がコハルってだけだしやめといた方が良いか
683:名無しの転生者
やめなさいマジで、それはw
シスター桜子にあのサクラコ様の苦渋をガロンで飲んだような顔をさせる気かw
684:幼女
だよなー。まあガイア連合製装備ってだけでもいい手土産にはなろう
685:名無しの転生者
そういえばコハルちゃんで先生ネキが反応せんな、ペルソナ使いか分かんないけどやっぱ接触禁止喰らってんの?
686:幼女
だな。『ペルソナ使いじゃねえなら会いに行っても良いよねぇ!? まだ接触禁止喰らってないしさぁ!』と暴走したので処した
一神教調和派にあの変態は劇物過ぎるからな。日向だってヘイロー作ってもらった時に気持ち悪くなりそうだったからその場で処しておいたぐらいだし
687:名無しの転生者
ぶれねえ奴だなほんとにさ……
|
|
|
|
|
|
「おっすシスター桜子、久しぶりだな」
「リンさん、お待ちしておりました。お誕生日おめでとうございます」
新潟県長岡市、一神教調和派新潟支部。その門前で、ノワールとラプンツェルを伴い、リンは桜子と向かい合っていた。
ミカからの申し出を受けての来訪ではあるが、常からの援助、そしてリン自ら桜子を通じて部下であり日向を宮城に迎え入れる等、調和派としてだけではなく桜子とリンの繋がりは意外にも深い。
メシアン被害者である魚沼支部のほむらや現地名家のまとめ役である静からこそ嫌われているが、事件当時の尽力は魚沼支部長である田舎ニキも知っている。
そしてリンもまたその事を認め評価しているため、リンは桜子へと何くれとなく手厚い援助を行っていた。
「プレゼントもありがとうな、ぶどうジュース美味しかったぞ。ワインは飲めんからなぁ、私は。
日向もメアリーも元気でやっている。イズナやアズサ、後はその友達の面倒を何かと見てくれていて有り難い限りだ。
日向の怪力もすっかり制御下に置けるようになっている。今までのように暴走することもあるまい」
「それは何よりです。日向さんのあの力は、私では何もしてあげられませんでしたから……」
「そう気に病むこともない。行ってしまえば本人の心の持ちようの問題だ。外部からやるなら少々の荒療治が必要だったしな……
今は問題なく過ごせている、それでいいだろう。」
「……そうですね。さて、立ち話も何ですから中へどうぞ。先程美味しいと言っていただいたジュースもありますよ」
桜子に連れられ、門を潜り建物に入るリン。すれ違う者達が一礼を返す中、リンはポツリと口を開く。
「皆に慕われているようだな、良い事だ。シスター桜子の人徳と言うものだろうな。日向からもあんたの悪い話は聞いたことがない」
「何かと気遣ってくれているのです。至らないところばかりですから……」
「それでも、シスターフッド全員があんたについてメシア教を抜けた。その決断はあんたへの敬愛故だろうさ。少しは誇っても罰は当たらんよ」
「……そうでしょうか」
「そう言う謙虚な所もあんたの美徳だとは思うがな」
雑談をしながらも廊下を行き、応接間に通される。ごく自然にノワールの膝の上に乗るリンを微笑ましく眺め、桜子は3人へそれぞれ飲み物を出す。
リンはジュースを啜りながらちらちらと周囲を見回し、今まで通って来た内装や応接間の配置などの設計が宮城支部、日向の住む教会と同じことに気付く。
「おおよそ造りは宮城支部と変わらんのだな。というか宮城の調和派支部を立てる時にここの設計を丸写ししたらしいが。
1人で住むにはやや広すぎる、とたまにこぼしていたが……今はアズサにミネルヴァ、メアリーもいるしな。
それに雑用用のナマズオもいるし、イズナたちがたまり場にしてるようだからまあ立てた甲斐もあるというものだ」
「その節は本当にありがとうございました。まさか調和派の誘致だけではなく、私達シスターフッドから人員が欲しいと強く希望されるとは」
「田舎ニキからちょっと難しい立場らしいというのは聞いていたからな。どうにか努力に報いたいと思っていたのだ。
それに家の一軒ぐらい大したことでもないし、何より私にも得のある事だ、WIN-WINというやつだな」*8
「そ、そうですか……」
やや頬をひきつらせた笑みを浮かべる桜子。家の一軒程度、とは言うものの、この教会と同程度の規模の教会を作るとなればそう言うの金がかかるのは自明。
聞けば、教会を建てた際の資金はリンのポケットマネーから出ているのだという。この少女、やはりスケールが違う。
桜子は一つ咳払いをして気を取り直すと、本題を切り出す。今回リンが訪れた本来の目的に言及するためだ。
「……こほん。それで、今日はコハルさんに面会をしに来られたとか?」
コハル、フルネームを下江コハル。それは一神教調和派で保護されている少女の名であり、アズサ、そしてミカの更にプロトタイプにあたる最初期型の天使人間である。
ミカが脱出した際、暴徒に囲まれた所を救い、自分が密航するために用意していた枠をミカに譲り、その後紆余曲折有り調和派へと身を寄せていた。
ミカからすればコハルは命の恩人でもあり、新潟で再会して後は何かと気にかけていた。それもあり、今回リンに会ってやってほしい、と頼んだのである。
「うむ。まあ顔を見て、あとは一言二言話すだけのつもりではあるがな。コハルに関してはアズサも知らんかったぐらいに縁遠いのかもしれんが……
それでも、アズサが気にかけていたミカを救ってくれた恩。そしてアズサの姉妹親戚とも言えるその存在を無視してはおけん。
保護されているのがあんたの所となればなおの事な。田舎ニキを筆頭に新潟のニキ達に不心得者はおらなんだろうが……
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いという連中に理屈は通じん。が、私がバックについていると知れば、大抵の黒札は考えを改めようというものだ」
「マスターも中々問答無用だと思いますけど……」
うむうむと頷くリンに入るノワールのツッコミ。そうかぁ? と首を傾げるリンを見て、桜子はくすりと微笑む。
この少女は基本的に努力を是とし、当人の認識において正しく努力をしているならば助力を厭わない。
漏れ伝わる話だけでも度肝を抜かれる破天荒な逸話に事欠かない少女だが、それでも日向から悪い話を聞かないのは、この少女の善性ゆえだろう。
「コハルさんは今依頼で出かけていますので、それまで少しお待ちください。じきに戻るとは思いますが……」
「何、急に押し掛けたのは私の方だ。そのぐらいは待つさ」
そこから談笑することしばし。応接間の扉がノックされ桜子が応じると、1人の少女が入って来る。
色素の薄い髪をツインテールに結った、釣り目の少女。ややサイズの大きい黒のセーラー服に、腰と側頭部からは黒い羽が伸びている。
リンはその姿に覚えがある。「ブルーアーカイブ」の「下江コハル」そのままの姿であり、聞いていたコハルの容姿とも合致していた。
「さ、桜子様……コハル、戻りました。お客様が呼んでるって、言われたんですけど……」
「お帰りなさいコハルさん。さ、こちらへ。ガイア連合の黒札、リンさんが、是非コハルさんにお会いしたいと」
「宮城支部幹部、鵺原リンだ。幼女ネキと言えば多少は知れた名だと思うが」
「えっ」
コハルの視線が、桜子とリンの間を何度も往復する。さもあらん、指揮系統上、一神教調和派は霊山同盟支部の下部組織にあたり、
その一支部の構成員とすれば黒札など雲の上の存在に等しい。その黒札がわざわざ自分を訪ねてきており、その名はいろんな意味で有名な幼女ネキ。
これはコハルでなくとも混乱するのも仕方がないだろう。
「えっと、その、あの……なんの、ごようでしょうか」
「そう硬くなるな。敬語も要らん。別に何かしらを咎めに来たわけではない。ミカに会ってやってほしい、と頼まれてな。
無論、それでけではないが。私個人としても、お前には礼を言いたかった所だ」
「お礼……? ミカ様に、頼まれて? よくわかんないけど……」
まだ警戒しているのか、桜子の背から顔を覗かせながら呟くコハル。そんなコハルに鷹揚に頷きながら、リンは口を開く。
「お前は中国のメシア教の施設から脱走した後、暴徒に囲まれたミカを救い、用意していた席をミカに譲ったそうだな。
もしかしたら桜子らから聞いているかもしれんが……お前の発展形にあたる天使人間、「アリウス5」白洲アズサを私は手元で保護している。
ミカの事はアズサも知っていたが生きているとは思ってなかったそうでな。お前のおかげでアズサの家族を死なせずに済んだ。ありがとう」
「待って待って! 頭上げて! そっちの2人も何とか言ってあげてよ!? 自分のご主人様が私みたいなのに頭下げてるのよ!?」
そう言って頭を下げるリンに、コハルは慌てる。ガイア連合の黒札と言えば本当に雲の上の相手だ。そのリンが真剣に腰を折り頭を下げている図は、控えめに言って非常に心臓に悪い。
お付きの人らしき2人はそれをにこにこと眺めているだけで、あちらが頭を下げた事に眉を顰めるでもなければ、こちらに頭を下げさせたことに怒りを現わしているでもない。
「マスターは本当にあなたに感謝している、と言う事です。アズサちゃんは私達にとっても家族同然、その姉にも等しいミカさんを救ってくれたのならば、それはマスターにとって敬意を表すべき相手と言う事ですから」
「ノワールの言う通りですよ、コハルさん。それに遡ればあなたはアズサさんの最初期の試作型ともいえる方です。ならばアズサさんにとって親戚も同然。
そんなあなたが無事であったことは、マスターも私達も嬉しい事なんです。そう言う事ですよね、マスター?」
コハルの問いに2人が答えれば、リンは頭を上げ、再びその強い意志を秘めた瞳でコハルを見やる。
「まあそう言う事だな。今は勇気が出ずに来れていないが、いずれお前にも会いに来たいと言っていた。会う事があれば仲良くしてやってくれ」
「何か聞いてた話と大分違う……もっとこう、とんでもない暴れん坊みたいな感じの人かと」*9
「……間違ってはいませんからねえ。自分で殴るべきと決めたなら相手が誰であれ躊躇なく殴り飛ばす方ですし……」
「おいラプンツェル、私を何だと思ってるんだ。理由もなく暴力は振るわんぞ。理由があれば相手が心折れるまでやるが」「そういう所ですよマスター?」
リンの言葉にコハルが訝し気に感想をもらせば、視線を外しながら遠い目で呟くラプンツェル。
それに対して立ち上がろうとするリンをノワールがあれこれと宥めている様を、コハルは若干引きながらも見つめていた。
「――――――とまあ、おおよそ目的は果たしたな。お前が元気であると知れたし、アズサや日向、メアリーの近況も伝える事が出来た。
……あ、そうだ。土産があるのを忘れていた。受け取ってくれ。こっちがシスター桜子の、こっちはコハルのだ」
リンはCOMPを弄り、2つの小箱を実体化させる。小箱にはそれぞれ『わっぴー』*10『エ駄死』*11と書いてあり、
『わっぴー』を桜子に、『エ駄死』をコハルの方へと押し出す。
「あの、リンさん、『わっぴー』とは……?」*12
「エ駄死って何、何の略!? エッチなのは駄目死刑って事!? 何で知ってんの!?」*13
「開けて見ろ」「聞きなさいよ!?」「わっぴー……わっぴーとは……?」
2人のツッコミをないものかのようにスルーし、リンは2人に開封を促す。なおノワールとラプンツェルは頭を抱えていた。
数分押し問答をしていたが、リンがそれについて答える気がないと分かると、揃って小さくため息を吐き、箱を開ける。
桜子の方の箱には、派手ではないが品の良いデザインをした髪飾り、コハルの方には何らかのスキルカードが入っていた。
「これは……?」
「私からの贈り物だ。つけて見てくれ。コハルは……じっとしていろ」
リンが指でスキルカードを示してからコハルを指せば、カードがコハルの中へ光となって取り込まれ、直後その頭上に小さな4つの羽で象られた二重丸が浮かぶ。
それを見てサクラコが髪飾りをつければ、その頭上には円の縁に二羽の鳥が留まったデザインの光輪が浮かんだ。
「ガイア連合が開発した霊装、ヘイローだ。*14流石に時間がなかったのでお前たちの分だけだが……ま、後で届けさせよう。
物理耐性と身体能力の強化、まあ腐ることはあるまいよ。一応ミカにも同じものを渡してある。
ああ、お代は無論いらんぞ。こいつの開発者が喜んで作って押し付けてきた奴だからな。やつもお前たちの力になれれば本望だろう」
「有難うございます。本当によくしてくださって……」
「謙遜するなシスター桜子。私はただ努力に報いているだけだ。日向には世話になっているし、その上役であるあんたにはこのぐらいしないとな。
コハルもだ。お前の発揮した善性が、お前自身も含めて私の娘にも等しいアズサの家族を救った。胸を張ってくれ。
静もほむらも、時間はかかるだろうがいずれは理解する日も来るはずだ。だから、どうかそのまま、清く、正しくあってくれ」
リンの言葉に、頷く2人。そこからまた談笑することしばし。コハルがようやく桜子の後ろから出て椅子に座ったところで、おずおずと挙手をした。
「ね、え、黒札さん……じゃない、リン。この『ヘイロー』、わざわざ作ってくれたのよね? 作ってくれた人にお礼が言いたいんだけど……って、何その顔」
コハルの言葉に対し、リンがしたのは苦虫を噛み潰したような渋面だった。*15見ればノワールは頭を抱えているし、ラプンツェルはあらぬ方を向いて天に祈っている。
しばしの沈黙の後、リンは絞り出す様に口を開いた。
「…………分かった。諸事情あって会わせることはできんが喜んでいたと伝えておこう」*16
「??? よく分かんないけど……お願いね!」
「まあ、これだけのものを作れるというなら重要人物でしょうし、致し方ありませんね。そうだ、動画を撮りますので、持っていってくださいますか?」
(……これは先生ネキの奴また七孔噴血するな)
そんなこんなで、リンによるアズサ関係者への面会行脚は成功のうちに幕を閉じた。
なお、余談であるが。この後桜子とコハルによる先生ネキへのお礼動画が撮影されリンに渡されたのだが、
それを見た先生ネキが尊さと興奮のあまり、四回転半しながら吹っ飛んだ挙句七孔どころか全身の毛穴を含むあらゆる部分から血を噴出して死ぬという壮絶な怪死を遂げ、
『こいつ生き返らせた方が良いか?』『いやもう暫く死なせといたほうが良いんじゃないか、死体のままなら気持ち悪くないし』という宮城支部の面々による大分ひどいやり取りがなされたのだという。
どっとはらい。
そんなわけでミカとコハルが出てからずっと書きたかった新潟編でした。
はやく終末後のあれこれに言及する話も書きてえ……! スイーツ部とか……!
■解説
・幼女ネキ
今回比較的真面目だったようじょ。コハルに関しては結構評価している。
基本的に(ようじょ判定において)正しい事をしているなら評価するので、調和派に関しては本当にかなり高評価している。
箱に書かれた「わっぴー」「エ駄死」については識別用につけてたが消すの忘れてたという話。
・コハル
ようじょ達はアズサの従姉ぐらいの認識をされている。
この後ようじょの性遍歴を小耳に挟んでエ駄死した。
・ブランカ
前からやりたかったシキガミ(イヌガミ)化をついに果たせました。
白狼の女キャラって本当に少ないので人間体のチョイスで大分迷ってた。
次点でブルアカのシロコか東方の椛。
基本的に大人っぽくなったイズナぐらいの性格。人間体よりは狼体でロボと過ごしていることが多い。
・先生ネキ
元々桜子用のヘイローは用意してたけど、ミカに会ってからコハルがいると聞いて爆速でヘイロー仕上げてきた変態。
なお新潟へ行くことそのものは止められてないけど接触禁止令出ている面々と接触すると処される。
腐っても宮城技術班の幹部待遇なので最終的に蘇生はしてもらえた。