大海原の気高き碧い猛獣   作:布施鉱平

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原作改変、してるよ!


青春してるな、おまえらッ!!

 ようやく体が全快した俺は、フィッシャー・タイガーに礼を言い、魚人島を離れることにした。

 

 その際に話したのだが、やはりタイガーは太陽の海賊団を結成することにしたようだ。

 

 不殺(ころさず)を信条とし、奴隷の解放や人攫い屋の撲滅を目標として活動していくつもりらしい。

 

 素晴らしいことだ。

 

 助けが必要になったらいつでも呼んでくれッ! と電伝虫(魚人街でも売っていた)を渡し、俺とタイガーは握手を交わした。

 

 その際、アーロンが何か言いたげな顔をしていたので、強引に彼の手を取って強く握りしめ、再戦はいつでも受け付けるぞッ! と笑顔で告げておいた。

 

 彼が悪の道に進まないことを祈ろう。

 

 進んだらボコるが。

 

 さて、帰路であるが、実はいつものように天駆で空を駆けてではなく、今回は船で海を渡っている。

 

 なぜかというと、何人かの同道者がいるからだ。

 

 マリージョアから逃げ出す際、タイガーがちゃんとコーティングを施されていた船を奪っていたため、奴隷だった人たちも一緒に魚人街に来ていた。

 

 その中で故郷に帰ることを選んだ人たちは、タイガーが責任を持って連れて行ってくれるそうだが、故郷に帰れない人、故郷がすでに無い人などもいる。

 

 そういった帰る場所のない人たちを、俺がオハラの学者たちを連れて行った北の海(ノースブルー)の島に連れて行くことにしたのだ。

 

 そしてその中には、どこかで聞いたことがあるような名前の人物が含まれていた。

 

 ギルド・テゾーロという男と、その恋人であるステラという女性だ。

 

 たぶん、原作のどこかに出てきたんじゃないかと思う。

 

 テゾーロはなんか雰囲気がある男だし、ステラさんはとても綺麗な女性だ。

 

 俺は原作についてもコミックをサラッと流し読みした程度の知識しかないので、彼らがどういう存在なのかは分からない。

 

 だが、今俺の目の前にいる彼らは、互いをとても大事に想い合い、そして慈しみ合っているように見える。

 

 そのテゾーロだが、なんと俺に修行をつけてくれと頼み込んできた。

 

 なんでも、ステラさんとともに奴隷から解放されたテゾーロは、恋人と平穏な日々を過ごすため、どこかに隠れ住もうと思っていたらしい。

 

 だが、それに待ったをかけたのが、当のステラさんだった。

 

 彼女はテゾーロの夢を知っていた。

 

 そして、その夢はすでに自分の夢でもあるのだとテゾーロに告げたのだ。

 

 俺が完治するまでの一ヶ月半、二人は真剣に話し合い、夢を追うことに決めたそうだ。

 

 だがその夢を叶える為には、力が必要だ。

 

 奪うための力ではない。

 

 守るための力だ。

 

 今度こそ、命を懸けてでもステラさんを守り抜くという覚悟が、テゾーロの瞳には宿っていた。

 

 もちろん、俺はそれを受け入れた。

 

 マイト・ガイである俺に、全力で生きようとする人の手助けをしない、なんて選択肢はないからな!

 

 今は何もない二人だが、お互いに支え合い、助け合っていけば、必ず夢を叶えられるだろう。

 

 …………俺も早く、ロビンに会いたいな。

 

 …………

 

 よしッ! 風に任せてチンタラ進んでなんかいられないッ!

 

 バタ足で船を押していくぜッ!

 

 うぉおおおおおおッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 到着ッ!

 

 いやぁ、疲れたが、いい修行になった。

 

 やはり水中は負荷が掛かるから修行に最適だな!

 

 テゾーロは能力者じゃないし、水の中で修行をつけるのもいいかもしれない。

 

 よし、テゾーロには緑の全身タイツじゃなくて、全身鎖かたびらを着せよう。

 

 ……お、高速で近づいてくるこの気配は、ロビンだな。

 

 おーい、ロビン! 戻るのが遅くなってすまなっごふぅっ!?

 

 ……う、うぅむ、いいタックルだったぞ、ロビン。

 

 けど急にどうし…………

 

 

 …………

 

 

 ……うん、そうだな、すまない。

 

 心配かけた。

 

 

 大丈夫だ、どこにも怪我なんかしていない(今は)。

 

 

 ……ああ、もう、いきなり置いていったりしない。

 

 

 約束だ。

 

 

 俺が約束を守ることは、知っているだろう?

 

 

 だから泣くな。

 

 

 せっかくの可愛い顔が台無しだぞ?

 

 

 いや、泣いたら可愛くないって訳じゃなくて……

 

 

 ……うん……うん……そうだな。

 

 

 これからいっぱい、一緒に修行(せいしゅん)しような。

 

 

 ああ、次からは、ちゃんとロビンも連れて行く。

 

 

 ただし、最低でも天駆を使いこなせるようになって、黒色・八門遁甲を第三生門までノーリスクで開けるようになったらな。

 

 

 できるさ。

 

 

 なんたってロビンは、俺の自慢の弟子だからなッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……ロビンは俺にしがみついたまま寝てしまった。

 

 どうやら、俺のことが心配で満足に眠れていなかったようだ。

 

 ……初めてこの島に来た日のことを思い出すな。

 

 あの時も俺は、涙の痕を残しながら眠るロビンを見て、自分の弱さを思い知ったんだ。

 

 今回も、全く一緒だな。

 

 あの頃よりはずいぶんと強くなったが、それでもまだまだ、俺は弱い。

 

 上には上がいるということを、マリージョアの襲撃で改めて思い知らされた。

 

 あの時、赤犬を一瞬とはいえ圧倒できたのは、限界を超えた第六景門を開いたおかげだ。

 

 もし他に勢力が残っていたら……例えばもうひとり中将クラスの戦力があの場にいたなら、俺は終わっていただろう。

 

 今回は運が良かっただけだ。

 

 強さを求めるものが、運に頼っていてはいけない。

 

 俺はもっともっと、強くなる必要がある。

 

 守りたいものを守り抜くためにも。

 

 憧れであるマイト・ガイの背に追いつくためにも。

 

 そしてもちろん、ロビンを悲しませないためにも。

 

 

 ……俺はしがみついたままスヤスヤと眠るロビンの頭を撫でながら、今一度、そう強く決意したのだった。

 

 






…………なんか、この話で終わってもいいような感じの終わり方だったな。

まあ、たぶん続きを書くけど。


あと、感想に懸賞金の「500,000,051ベリー」ってなんなの、という質問があったので、ここに書いときます。

一つは、感想の中にも書かれていた、頭の5と最後の51で『CoCo壱(ココイチ)』です。
マイト・ガイの好物が激辛カレーとカレーうどんだからね!

あとは、原作でのガイとカカシの対戦成績が50勝51敗なので、それも掛かっていたりします。

それだけっ!
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