さて、拠点である
なぜなら、ハンコックちゃんたちを女ヶ島に送り届けなければならないからだ。
攫われていた人たちを海賊から救い出した後、俺はロビンに後のことを任せていたのだが、俺が飛び出したすぐ後、ロビンたちは海軍の船に遭遇したらしい。
そして、その船に乗っていた海軍本部中将に事情を説明したところ、
「うむ、なら帰る場所のある者は、わしが責任を持って送り届けておいてやろうッ!」
と、拉致被害者の人たちを引き受けてくれたそうだ。
そして、海賊によって故郷を破壊されてしまった人たちや、ハンコックたちのように海軍とはあまり関わり合いになりたくない人たちは、ロビンと共に
ちなみにその中将、やたらガタイが良くて声もでかい、モンキー・D・ガープという名前の男だったらしい。
…………
……マジか。
俺はその名前をロビンから聞かされたとき、冷や汗が止まらなかった。
ガープと言えば、現作時の老齢だった状態においてなお、作中でも屈指の強者として描かれていた人物である。
つまり現時点において言うならば、間違いなくこの世界でも最強クラスの人間だろう。
ロビンはおろか、たとえ俺が全力を出したとしても勝てるような相手ではない。
…………この世界ではロビンが指名手配されて無くて、ほんとに良かった。
サウロがどういう説明をしてくれたのか、オハラの一件は政府の中では終わった案件として見做されているらしく、学者たちも全員死亡したと思われているようなのだ。
当然、その中には八歳にして博士号を取得していたロビンも含まれており、『悪魔の子』として懸賞金がかけられることも無かった。
……しかし、遭遇したのがガープだったのも幸いだったな。
海賊とか人攫い屋と裏で繋がっている海兵もいるだろうし、逆に正義感が突出した海兵だった場合には、すでに九蛇海賊団の団員であるハンコックたちが見逃されなかった可能性が高い。
ロビンの人を見る目は確かだから、そういった相手に当たった場合、その場で戦闘に発展した可能性だってあった。
ガープの度量の大きさというか、大らかさに救われた形だな。
この恩は、いずれ返さないといけないだろう。
何がいいか…………
…………フーシャ村に行ってルフィを鍛えるか?
……いや、ルフィは海賊になるだろうし、それがガープへの恩返しとして適当かどうか……
…………
……まあ、おいおい考えよう。
とりあえずは、ハンコックちゃんたちを故郷の女ヶ島に返すのが先だ。
女ヶ島に到着した。
道中は特に事件や事故に遭遇しなかったため、船上でロビンを鍛えていたのだが、途中からはハンコックちゃんたち三姉妹も修行に加わった。
そこで分かったことは、やはりハンコックちゃん────いや、ハンコックは天才だということだ。
特に蹴り技に対しての理解度というか適性が非常に高い。
アマゾン・リリーの戦士として教育を受けた下地もあるのだろうが、ほんの数回教えただけで木の葉旋風をマスターし、しかも自分独自の動きに工夫する余裕すら持っていた。
うぅむ……ロビンがリー枠だとするならば、ハンコックはネジ枠だな。
しかも、柔拳では無く剛拳を主体にした戦い方なので、俺の教えとの相性がすこぶるいい。
このまま驕ること無く修行を続けていけば、例えメロメロの実の能力が無かったとしても、原作以上の力を手に入れることが可能だろう。
実に鍛えがいがある素質の持ち主だ。
もちろん、俺の一番弟子であるロビンとて負けてはいない。
俺がハンコックを褒めたことで奮起したのか、なんとこの船旅での修行中に黒色・八門遁甲の第二休門を開くことに成功したのだ。
努力は素質を上回る。
そして気力は実力を超える。
それを目の当たりにした俺の目からは、自然と涙が流れ落ちていた。
ロビンの
これが喜ばずにいられようか。
俺は休門を開いた反動で甲板に座り込んでいるロビンを抱き上げると、そのままクルクルと回転しながら大げさに褒めまくった。
ロビンは顔を赤くして照れながらも、嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
……さて、話は大きく脱線してしまったが、そんなこんなで現在俺とロビンは女ヶ島にいる。
本来はハンコックを送り届けてそれで終わり、のつもりだったのだが、少々予定が変更になった。
まずはハンコックを含む女ヶ島の皆さんに引き留められたこと。
俺が惚れられた、とかそういう話ではもちろんない。
ハンコックが俺の事を「とんでもなく強い男」だと紹介してくれたのだが、ここは誇りある女戦士の島だ。
強いと聞いては黙っていられないらしく、俺は次から次へ勝負を挑まれ、ほとんど全員と闘う事になった。
中にはかなりの強者も含まれていたが、ロビンも見ている手前情けない戦いは出来ない。
結果として、なんとか黒色・八門遁甲に頼ること無く、全ての戦いに勝利して終わることが出来た。
で、俺の戦い方や体術に興味を持った女ヶ島の人たちに引き留められることになった、という訳である。
俺は少し悩んだ末、ある条件を付けて女ヶ島の戦士たちに修行をつけることを約束した。
その条件とは────しばらくロビンを女ヶ島に滞在させることである。
ロビンの実力は、能力と黒色・八門遁甲込みで、この島では中の上辺りだろう。
つまり、同格の実力者や、格上の実力者が大勢いる環境なのである。
彼女たちと切磋琢磨すれば、ロビンの実力は飛躍的に伸びるに違いない。
そして俺は、この女ヶ島と
俺一人がめっちゃ大変だが、それこそ望むところである。
とりあえず、ロビンを預かって貰う期間は三年ほどと想定し、俺はその三年の間に自身の骨格を黒色化させることに挑戦するつもりだ。
もし出来なかったら……そうだな…………マスク・D・サスケの恰好でもして、ドフラミンゴの開催するオークションを軒並み襲撃でもしてやるかな!
自分ルールだッ!!
よし、そうと決まれば善は急げだッ!
さっそく武装色を骨に浸透させるぜッ!!
うぉぉぉおおおおおおおおおおッ!!!!
さすがに未来の女帝を全身緑タイツにするつもりはないよ。
もちろん、女ヶ島を東京キン○ダムにするつもりもない。