大海原の気高き碧い猛獣   作:布施鉱平

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またヤバいことになってきた。


考えるなッ!! 感じろッ!!

 

 

 

 ────ダイナミック・エントリー!

 

 

 からの壊岩升(かいがんしょう) そして木の葉旋風!

 

 

 

 

 

 

 …………ちなみに、今のは俺じゃなくてロビンね。

 

 俺は今、早々に自分の担当である二隻の船に乗っていた海賊どもを叩き伏せ、船が別々に流れていかないようにロープで繋いだ後、絶賛後方師匠ヅラでロビンの戦いを見学中だ。

 

 いやぁ、しっかしロビンもすっかり俺の教えた戦い方が板に付いたなぁ。

 

 ダイナミック・エントリー(飛び蹴り)で一人を蹴り飛ばし、その反動を利用してもう一人の懐に入り込んで壊岩升(肘打ち)、そして流れるような木の葉旋風(回し蹴り)でさらに一人を甲板に沈めてみせた。

 

 それと同時に、舵を取っていた一人を、ハナハナの実の能力で生やした手足によってパロ・スペシャル(相手の背後から両足を引っ掛けるとともに腕も締め上げる関節技)で固め、そのまま肩関節と股関節を破壊、と。

 

 うんうん、体術と能力を同時に使いこなせてるし、今のところ100点満点だ! さすがは俺の弟子!

 

 ……お、追加で船室から出てきたヤツらの中に、ちょっと強いのが混じってるな。

 

 今のロビンと比べると、単純な戦闘力なら大体1.2ロビンくらいか。

 

 タイマンなら技術でなんとかなりそうだけど、周りにいる三人もそれぞれ0.6ロビンくらいはあるな。

 

 合計すると3.0ロビンになるが、さて……?

 

 ……あ、全員の股の間に腕を生やして、拳を突き上げた。

 

 そして四人は死んだ。(男として)

 

 アレなぁ……初見だと、見聞色で予測でもしない限り、躱すのほぼ不可能なんだよなぁ……

 

 修行の成果で能力の発動速度も向上していて、生やしてから攻撃までがほとんどノータイムだからなぁ……

 

 俺も初めに喰らいそうになったときは、股間がヒュンってなったもの。

 

 でも的確な判断かつ迅速な行動だったから、120点をあげよう!

 

 さて、これで全滅かな。

 

 見聞色で確認してみても、他に敵性反応はなし。

 

 よし、それじゃあ捕まってた人たちを、元いた場所に返してあげるか!

 

 はい並んで並んで~。

 

 船は三隻あるから、それぞれ故郷の近い人たちで固まって乗って貰うからね~。

 

 君は? 北の方? じゃあ一番の船ね。

 

 君は東? 東の南より? じゃあ三番ね~。

 

 君は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……さて、大体分け終わったな、あと三人か。

 

 で、君は……あ、三人とも姉妹なのね。

 

 じゃあ君たちは……凪の海(カームベルト)? 

 

 えっ、女ヶ島……?

 

 あ、ふぅん……(察し)

 

 

 …………

 

 

 …………

 

 

 …………

 

 

 …………ハンコックだこの子……

 

 

 なるほど……なるほどね、今はそういう時期か。

 

 ということは、確かハンコックが天竜人の奴隷になってた期間が四年間だから、四年後にはフィッシャー・タイガーのマリージョア襲撃があるってことだ。

 

 なんで原作うろ覚えな俺がその辺のことを覚えてるかっていうと、ハンコックも好みだったからです。

 

 背が高くて、髪が黒くて、胸とお尻が大きい女性が好きなんだ、俺は。

 

 あとはしっかりと『自分』を持っている人ならなおよし。

 

 まあ、俺の女性の好みはとりあえずおいといて……

 

 ハンコックをここで救えたのは問題ない。

 

 むしろよくやったと自分を褒めてやるべきだろう。

 グッジョブ、俺!

 

 マイト・ガイの名にかけて決意した以上、手に届く範囲で助けられる人を助ける、という信念を曲げるつもりはない。

 

 例えそのせいで原作が崩れようと、結果としてより多くの不幸が生み出されようと、目の前で助けを求めている人を見捨てる理由にはならないからだ。

 

 で、ここで問題になるのが、四年後のフィッシャ・ータイガーによるマリージョア襲撃を、俺が助けるかどうかだ。

 

 放っておいても、フィッシャー・タイガーは奴隷解放を成功させるかも知れない。

 

 だが、それは所詮『かも知れない』なのだ。

 

 俺がこの世界に生まれ落ちた時点で、世界には少なからぬ影響が起きているはず。

 

 そして俺がこれまでに行動してきた結果によって、その影響は、歪みは、更に大きなものになっているはずだ。

 

 俺が白ひげ海賊団と(よしみ)を結んだことしかり、ミホーク(カカシ)と頻繁に戦っていることしかり、ロビンだけでなくオハラの学者たちも助けたことしかり……

 

 そういったいくつもの歪みが積み重なった結果、すでにこの世界は原作とは全く別の未来を歩み始めている可能性が高い。

 

 だからフィッシャー・タイガーのマリージョア襲撃が成功を約束されたものではないのと同様に、もしかしたら、そもそもフィッシャー・タイガーの襲撃自体が起こらない可能性だってあるのだ。

 

 うぅむむむむむむ………っ

 

 

 …………

 

 

 …………

 

 

 やめた!

 

 難しい事考えるのやめた!

 

 そもそも『どうなるか分からない』ってことを考えるだけ無駄なのだ。

 

 つまり、俺は今この瞬間、自分の心に問いかけ、そうするべきだと思うことをやればいい!

 

 今までだってそうやってきた!

 

 心の中のマイト・ガイに従ってきた!

 

 どうする、マイト・ガイ! お前の心はなんと言っている!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(四年後を待つ必要は無いッ! 今だッ! 今すぐマリージョアを襲撃して、奴隷を解放するんだッ!! 天竜人どもをぶん殴ってこいッ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マジかッ!!

 

 

 







結局この作品でもハンコックは助けてしまった。

……私には無理だ……ハンコックを見捨てるなんて、無理なんだ……

そしてなぜかマリージョアを襲撃することになってしまった。

マジか……
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