あ、あと、この作品の主人公はマイト・ガイ本人ではなく、あくまでもマイト・ガイに憧れている頭のおかしい日本人だと言うことを念頭に読むようにしてください。
────ダイナミック・エントリィイイイイッ!!(ヤケクソ)
オラァン! お前天竜人だなッ!? 奴隷どこだよッ! 奴隷ッ! オォンッ!? オウッ、そうか! 分かった! じゃあ寝とけッ、木の葉旋風ッ!(手加減) オイッ、そこのお前! お前も天竜人だなッ!? 奴隷どこだよッ! 奴隷ッ! なにィッ!? 無礼だえェッ!? だえだえ言ってんじゃねェオラァッ! 剛力旋風ッ!
そこのオマエェッ! なに逃げようとしてんだオラァッ! 奴隷だよッ! 奴隷どこだよッ! アァンッ!? うちは奴隷を置いてないだァ!? あ、じゃあいいです。そこで静かにしててください。 オマエェエッ! いま目が合っただルルォオゥッ! さっさと奴隷の居場所を吐くんだヨォォッ! ────────
……よし、少し冷静になった。
いま俺は、夜のマリージョアにいる。
ハンコックちゃんたちを助けたその後、変なテンションになってしまった俺は、そのままの勢いでマリージョアを襲撃。
手当たり次第に天竜人を捕まえては奴隷の場所を聞き出し、殴って気絶させ、また捕まえて尋問しては殴って気絶させを繰り返し、できる限り大勢の奴隷を助け出すことに成功した。
指名手配されるんじゃないかって?
大丈夫。
こんなこともあろうかと、トビが着けてたグルグルマスクを作っておいたから。
特徴的な緑のタイツも、海賊から奪ったマントを上から羽織ってるから大丈夫……なはず。
まあ、もうやってしまった以上、心配しても仕方が無い。
それに俺は俺の心に従ったんだ、どうなっても後悔はない。
後悔をするくらいなら、最初からやったりしないしな。
いざという時も、ロビンに後のことは任せてあるから問題ない。
…………泣かせてしまったけどな。
…………
……さて、後はどうやって逃げるかだが……一応、手は考えてある。
えーと……お、いたいた、そこのでかくて赤い魚人のだんな、ちょっといい?
多分これから海軍の大将とかが来ると思うんだけどさ、なんとか俺が抑え込んどくから、その隙に皆を連れて逃げてくれない?
…………なんで魚人のおれに頼むのかって?
それは、あんたの目が死んでないからだよ。
そしてあんたの目が腐ってないからだ。
確かに、あんたの目には怒りがある。
憎しみがある。
それは天竜人に向けられたものかも知れないし、全ての人間に向けられたものかも知れない。
だが、それ以上に熱いものが宿っているのが、俺には分かる。
それは自由への渇望、逆境に対する反骨精神、そして折れることのない矜持だ。
俺はその、矜持を信じる。
奴隷として扱われてなお、決して折れることのなかった、あんたの人としての矜持を信じるッ!
……さあ、行ってくれ。
猶予はあまりないだろう。
俺はこれから一騒ぎ起こして、海軍を引きつけておく。
たぶんドデカい戦闘音が聞こえるだろうから、それを合図に逃げてくれ。
……俺の名前?
そうだな…………マスク・ド・サスケ、とでも呼んでもらおうか。
本名は、次に会ったときにちゃんと名乗るよ。
約束だ。
…………
…………
よし、それじゃあ、行きますかね!
マイト・ガイ改め、マスク・ド・サスケ、一世一代の大暴れだッ!
このマリージョアの地に住まう、神を
赤犬が来たッ!!
ナンデッ!?アカイヌナンデッ!?
お前、もうこの頃には大将だったんッ!?
それともコレもバタフライエフェクトかッ!?
……いや、落ち着け、俺。
よく考えれば、来たのが赤犬だったことは、俺にとって
最悪なのは黄猿が来ること。
速さを信条とする俺にとって、光の速度で移動する黄猿は天敵以外の何物でも無い。
それに比べ、赤犬は破壊力と攻撃範囲こそ凄まじいものの、速さに関してはそれほどでもないはずだ。
そして俺の今回の勝利条件は、赤犬を倒す事ではなく、出来るだけ時間を稼いだ後にこの場所から逃げ切ること。
天竜人の住居があるせいで全力で戦えない(はずの)赤犬が相手なら、それも可能なはずだ。
よしよし、勝利への道筋が見えてきたぞッ!
……って、オイこら赤犬ッ!
なに流星火山放ってんだッ!?
おま、ここ、マリージョアぞッ!?
天竜人どものお住まいぞッ!?
正気かおいッ!
溶けてるじゃないかッ!
お家が原型もなく溶けてるじゃないかッ!
あぶっ、あぶなっ! あっつッ!
お前、どう考えても絶対俺より爪痕残してるからなッ!?
後でセンゴクさんに怒られても…………いない? ……っ!? うしろっ……グアァァッ!!
…………
…………
…………
……ハァ、ハァッ……今のは、ちょっと、ヤバかったな……っ
……そうか、辺り一面に、溶岩を撒き散らしたのは……熱と溶岩に残留する覇気で自分の気配を誤魔化つつ、溶岩の中を高速移動することで、俺に奇襲を掛けるためか……っ
素早い相手にも、ちゃんと対抗する手段を持ってんだなっ、さすがは……うぐっ、大将ってところか……
……マズいな、今の攻撃で、脇腹を少し抉られた……っ
脚じゃなかっただけマシだが、あまり長くは、持ちこたえられそうにない、な……
しかも、また溶岩に潜ったか……
……ふーっ…………
…………集中しろ、マイト・ガイ。
視覚に頼るな。
アイツの斬撃を、目だけで追えたか?
そうじゃないだろう。
感覚を研ぎ澄ませ。
見聞色を研ぎ澄ませッ。
見えないなら、いっそ目を瞑ってしまえッ!
恐怖に負けるなッ!!
自分を信じろッ、努力を信じろッッ!!!!
…………
…………第六景門、開ッ
…………
…………そこぉッ!!
────覚えておけ、俺の名はマィ……スク・ド・サスケ。
天竜人が許されぬ悪事を働いたとき、俺は再び、姿を現すだろう。
その時まで、この勝負は預けておくぞ、赤犬…………
去りゆく俺の背に、赤犬の放った憎々しげな「サスケェ……!」という声が突き刺さった。
ある意味、赤犬に「サスケェ!」と言わせたいだけの回だった。