「ん…ふわぁ…朝…」
まだ眠い目を擦りながら私は起きた。窓から差し込む朝日が眩しい。
「あ、起きた?おはよう」
声がした方に目を向けるとパタンとパソコンを閉じてこっちを見ている翡翠君がいた。
「おはよう…」
「まだ眠いよね。今は6時半。朝食は7時15分からだからもうちょっと寝ててもいいよ」
「ううん、起きる…」
意識が落ちそうなのを堪えながら、私は頑張って起きていた。
「…はあ、まったく…」
ポスン。
「…?………!?」
「ホラ、寝ろ」
「あっ…あの…」
ベッドに移動した翡翠君に引っ張られたかと思うといつの間にか彼の太ももの上に置かれていた。所謂ひざ枕というやつだ。
「文句は言わせない。うとうとした状態で食べても味を感じないよ。しっかり二度寝してシャキっとする!」
柔らかい…あったかい…顔が熱い…恥ずかしい…こんなの寝れないよ…
「…顔赤いけど、熱でもある?」
「誰のせいだと…!」
絶対わかってやってるよね…!?明らかに嘘の目してたもん…!
「まあ、寝てほしいのは事実だからさ。早く寝ちゃいな?」
「ぐぬぬ…」
…さっきの言葉が本心なだけに拒否しづらい。でもさっきのことが蘇って寝れないよ~!そんなことを悩みながら無理やり私は目を瞑った。
「…慣れないことはするもんじゃないな」
眠そうな彼女を無理やり寝かせたが、正直こっちもちょっと恥ずかしかった。
「なんでこんなことしたんだ俺…」
どうしてこんな行動をしたのか。俺にもわからない。でも取り敢えず、今は彼女を起こさないようにゆっくりしていよう。
コンコン
「ん?はい」
少ししたあと、部屋の扉がノックされた。
『あ、翡翠君?アイちゃん起きてる?』
「寝てますね。もう時間ですか?」
『うん。そろそろみんな集まってくるから起こしてあげて』
「わかりました。5分くらいで行くと思うので先に行っててください。
『OK、じゃああとはよろしくね』
「よし、アイちゃん、時間だよ」
「…はい…」
「あれ、寝れなかった?」
「…わざとだよね?」
「いや?最後ら辺は本心だよ」
「じゃあ途中まではからかってたってことだよね!?」
「あはは、まあまあ落ち着いて。取り敢えず朝ごはん食べに行こっか」
「ぐぬぬ…」
なんとか彼女の気を逸らしながら俺は部屋を出た。最近は朝に部屋を出ることがなかったので窓から差している陽の光が眩しい。
「さ、こっちだよ」
彼女の手を取り廊下を歩いていく。普段はまずこっちの道すら通らないので、一瞬本当にこっちで合っているかわからなくなる。でも微かに聞こえる彼らの話し声を頼りに歩いていく。
ガチャリと声がする扉を開ける。
「あ!翡翠お兄ちゃんだ!」
「翡翠兄ちゃん!この後また遊んでよ!」
「よお翡翠。今日はどうして出てきたんだ?」
三者三様、様々な声が俺に掛けられる。あまり大人数と話すのは得意ではない。
「はいはい、話は後で聞くから。今日は紹介する人がいるから取り敢えずみんな座ろう?ね?」
そう言うとみんな席に着いてくれた。ふと後ろをみるとアイちゃんが怯えていた。いきなり大人数が来ても困るよね。
「大丈夫。みんな優しいから。挨拶できる?」
「…」フルフル
「うーん…じゃあ僕が替わりに紹介するよ。彼女は星野アイちゃん。これから僕たちと一緒に生活する子だよ。よろしくしてあげてね」
「「「はーい!」」」
仕方ない。みんなと打ち解けるのはまた後にしよう。そうして俺たちは食卓についた。
「それじゃあ朝食を食べようか。みんな、手を合わせて」
「「「いただきます」」」
「アイちゃん、そろそろ離れて」
「嫌」
「なんで離れてくれないの?」
「反動が来てるから」
「ッスゥ~…」
食事と簡単な質問タイムが終わり俺が自室に戻ろうとするといつの間にかアイちゃんが付いてきており、部屋に入るや否や抱き着いて離れなかった。どうしてこうなった…まだ会って1日も経ってないよ?どこでこんな親密度稼いだの?
「ふう…後でかまってあげるから一回離れて?」
「ヤ!」
なんで今幼児退行したのかな?…いや今も5歳だったわ、年相応だったわ。あまりにも他の子と違って大人びてたから一瞬間違えそうになった。
「…どうしたら離れてくれる?」
「私が満足するか代わりになるものくれたらいいよ」
「うーん…」
正直代わりになるものがないんだよなぁ…流石にこの状態で職員さんに会うのも気が引けるし…
…ここは一つ、腹を括るか。
「OK、じゃあこうしよう。これから先、僕の人生の時間を全部あげるよ。その代わり、これから僕の言う事に従う事。それでいい?」
「!!具体的には!?」
「食いつき凄いね…まあ具体的には出来るだけアイちゃんの言う事を叶えてあげる。どう?」
「うん!それでいい!」
よし、交渉成立。どうせすぐ忘れるでしょ。子供だし。
「じゃあ離れてね~」
「はーい!…ウフフ、これはもう告白と言っても過言ではないね…!」
「何か言った?」
「なんでもないよ!これから覚悟しておいてよね♡」
何故かすごくまずい気がしたが気にしないでおこう。そう思いながら僕は椅子に座ってPCを開ける。起動する前の黒い画面にアイちゃんの瞳に黒星がうっすら見えたような気もするが、気のせいだと思い僕は作業を始めた。
遅れてすいませんでした。夏休みに入ってから部活、部活、勉強、部活で死ぬほど時間がありませんでした。このことを友達に言ったらシバかれました。そして一つ。言わせて。
翡翠お前マジで何歳だよォ!?!?