推しの色はエメラルド   作:気分屋トモヤマ

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前の話の最後に書きました。翡翠お前何歳だよと。だからこうしよう。

キングクリムゾンッ!(訳 精神年齢合わないから飛ばします)


アイドル(偶像)の原点

AM 6:30

 

「んん…」

 

「アイ、起きて、朝だよ」

 

「あと30分…」

 

「30分だと朝ごはん食べられなくなるけど、いいの?」

 

「それはやだ…」

 

「……今起きたら髪梳かしてあげ「はい起きます!」全く現金なんだから…」

 

俺たちは中学生になった。アイは12歳、俺は13歳だ。部屋は最初分けていたが気付いたらベッドに潜り込んできているため仕方なく同じ部屋になった(職員の人は『まあ翡翠君なら大丈夫でしょ』とか言ってた。それでいいのか?)。

 

「ホラ起きたよ翡翠君!早く梳かして!」

 

「はいはい…」

 

我ながらめんどくさいことを言ったと思いながら櫛を取り髪に手を掛ける。…いい匂いにサラサラとした質感のいい髪。どんなケアをしたらこうなるんだ。

 

「~♪」

 

「ご機嫌だね。そんなにコレ良い?」

 

「控えめに言って最高です」

 

「そう。ちなみに今日の授業は覚えてる?」

 

「えっとね~…美家体音道学だっけ?」

 

「何その副教科オンパレード。国数社理英美ね」

 

「あっはは!そうだったそうだった」

 

「もう…今日漢字のテストでしょ。対策プリント作っといたから朝の時間にやっとくんだよ?」

 

「いつもありがと~」

 

そんな他愛のない会話をしながら梳かしていく。優しく、素早く、丁寧に。

 

「……はいおしまい。僕は先に朝食食べておくからアイはちゃんと着替えるんだよ?」

 

「翡翠君が着替えさしてくれたりとk「頼むから恥じらいを覚えてくれ女子中学生」はーい…」

 

釘を差しながら部屋を出る。アイは全くと言っていい程に恥じらいがない。この前なんか俺が部屋に居るのに着替えようとしてたし…何が『翡翠君なら良いよ』だ。もう中学生なんだからしっかりとしてほしい。……こっちだって一応男子中学生なわけだし。

 

「あれ、翡翠君?」

 

曲がり角を曲がると職員さんと出会い、珍しいものを見る目をする。まあそうだろうね。

 

「おはようございます。後藤さん」

 

「はいおはよう。翡翠君今日何かあったっけ?」

 

「いえ、ただの気まぐれですよ」

 

「そっか。まあいいことだ。帰りたくなったらいつでも帰ってきなよ?」

 

「はい、ありがとうございます。ではこれで」

 

そう言って職員さんと別れる。ここの人たちは優しいから基本的にはこっちに任せてくれる。ありがたいことだ。

 

「…あ、そういえば今日の授業知らないや。まあなんとかなるか」

 

そんなことを呟きながら俺は廊下を歩いていった。

 


 

「むう…やっぱりガード堅いなぁ」

 

私は着替えながらふと呟く。昔からそうだ。あの時告白されてから私は目一杯アピールし続けた。際どい姿で誘惑したり着替え中に部屋に入ったりスキンシップを増やしたりと、できる事はなんでもやった。

 

「でも一度も照れた様子も見せてくれないもんなぁ…」

 

彼は何をやってもほとんど無反応か軽く流すだけだった。唯一私がみんなの前で抱き着いた時もちょっと慌てるだけで全然照れてなかったし…

 

「私意識されてないのかな…」

 

……仕方ない。こんな事考えても翡翠君が振り向いてくれるわけでもないしね。そう切り替えながら荷物を持って部屋を出た。

 

「あ、斎藤さん、。おはよ〜」

 

「おはようアイちゃん。あと私後藤ね?」

 

「あれぇ?」

 

職員さんと他愛のない会話をする。正直言って他人の名前は覚えられない。翡翠君は絶対間違えるわけないけど他の人は頭に残らないんだよね。

 

そんなことを考えながら顔を洗って慣れた足どりで食堂の扉を開けると、朝食を食べ終わった翡翠君が居た。しかしそこで一つのことに気付く。

 

「あれ、制服?」

 

そう、先程は気づかなかったが彼は制服を着ていたのだ。黒いズボンにポロシャツとブレザーで一目でわかった。

 

「うん。気まぐれだけどね」

 

「!!じゃあじゃあ、今日一緒に登校しよっ!ねっ!?ねっ!?」

 

「はいはい、言うと思った。僕はもう食べ終わったから玄関で待ってるね」

 

「わーい!」

 

今日は久しぶりの一緒の登校だ!私はウキウキしながら朝ごはんを食べ終え、すぐに玄関に走っていくと靴を履いて座っている翡翠君が居た。

 

「ごめん!待った?」

 

「いや、大丈夫。それじゃあ行こうか」

 

「よし、それじゃレッツゴー!」

 

「いってきまーす」

 

久しぶりの登校に私はウキウキしながら歩いていった。

 

 

 

 

 

 

AM 7:30

 

「アイ、ちゃんと勉強するんだよ?」

 

「わかってるよ~」

 

アイは昔から勉強が苦手だ。本人曰く『勉強はなんて言うか…キラキラしてなくて頭に残らないんだよね!』らしい。キラキラって何だよ。そう思いながらアイの方を向く。笑っていて、楽しそうで、幸せそうだった。

 

「…ねえアイ、今幸せ?」

 

ふと、そんな言葉が出ていた。自らの思考に関係なく、反射で言っていた。

 

「そりゃ勿論幸せだよ!なんたって久しぶりに翡翠君と登校出来るんだもん!」

 

即答。当たり前のことを言うかのように発せられた言葉。彼女の本当の気持ち。その言葉を聞いただけで、嬉しくなった。言葉が中々出てこなかった。

 

「──そっか」

 

「うん!!」

 

ようやく絞り出した声に、彼女は完璧な笑顔で返してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

AM 7:50

 

「じゃあ、また放課後に」

 

「う〜…またね…」

 

別れを惜しみながら昇降口で翡翠君と別れた。もうちょっと長く居たかったけど、放課後に会えるから我慢我慢!

 

「アイ〜!おはよ!」

 

「あ、翔子!」

 

「もう、橙子だよ!」

 

「あれぇ?」

 

掛けられた声に笑顔を()()()()()。クラスメイトの葉子と話しながら教室に向かって行きドアを開ける。

 

「みんなおはよ~!」

 

「アイちゃんおはよ~」

 

「おはよう」

 

「今日も可愛い…」

「女神…」

「付き合いたい…」

 

声が聞こえる。視線が向けられる。みんなが私を見ている。これでいい。今日も私を見てもらうために、私を見てくれる()のために、今日も私は仮面()付ける(吐く)

 

「今日も一日、よろしくね!!」

 

光り輝く一番星は今日もまた皆を照らす。




どうも、熱中症で体調を崩した挙句味覚を失った作者です。ここでちょっと一つ小話を。
・翡翠は元々五感のどれか一つを失っている予定だった。
今回味覚を失って改めて五感の大切を知りました。翡翠の設定を固めている内に「流石に可哀想になってきたな…」となったので外しました。良かったね翡翠君!その代わりアイの愛が重くなったよ!しかも重くなったせいで扱いが面倒になったよ!(血涙)
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