推しの色はエメラルド   作:気分屋トモヤマ

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とあるインタビューの音声データ──

──先生、本日はインタビューよろしくお願いいたします!

はい、よろしくお願いします。

──では早速質問ですが今回の作品はいつもの先生の作風とは異なったもので人生で最高の出来とおっしゃっておりましたが具体的にはどう最高なのでしょうか?

そうですね……この作品は僕が学生時代の頃からコツコツ書き上げて出来た作品で個人の感情を細かに描いた所とかですかね。まあ他にもありますけど。

──学生の頃から!?つまり……約20年以上掛けて書いていたということでしょうか!?

そうなりますね。彼女は……それほどまでに昔から輝いていましたから。

──愛されてますね〜。奥さん大変じゃないですか?

逆にこっちが振り回されてますよ……まあそれがいいんですけど。

──なるほど〜。それでは最後にこの作品を読むであろう読者の方々に一言お願いします。

そうですね……

この話は、ある程度実話を元にした普通の一人の少女のお話です。どうか一つの本という認識ではなく一つ人生談として読んでいただければ幸いです。


青年とアイドル

一階分で20段もある階段に辟易しながら登っていく。体力がない俺にとっては登るのもキツイ。なんで2年生が3階なんだよ。大人しく2階にしとけよ。心の中でそんな悪態を吐きながら一歩ずつ歩を進める。

 

「はぁ……子供にこの高さは酷でしょ……」

 

なんとか息を切らしながらも登りきる。3階に着くと同学年の喧騒が耳に入る。普段聞かないその声達を喧しく思いながらスルーし教室へ歩く。

 

「おはよう」

 

「「「!!」」」

 

ドアを開け、挨拶をする。その瞬間クラスの皆から目線が向けられ教室内は静寂に包まれる。……正直気まずい。普段来ない奴が来たから当たり前の反応だが流石に色々クるものがある。

 

「……」

 

そのまま自分の席に向かう…がここでとある問題に気づく。机が違う。中に教科書が入っている。

 

「(……席替えしたのか。面倒だな)」

 

「あ……黒石君の席なら窓際の一番端だよ……」

 

「あ、そうなの。ありがとうね…加納さん」

 

「あっ……ぅんっ……!」

 

顔を赤くしながら声を掛けてきた女の子…加納さんは離れていく。彼女は他人と話すのが苦手だったと記憶している。他人から見れば損しているのだろうがまあそれも自由なのだから改善してあげようとも思わない。

 

「よっ黒石!今日はなんで来たんだ?テストはねぇぞ?」

 

「おお日野、今日は気まぐれ。特にやることもなかったから」

 

「そうか!ちなみに今日体育あるぞ!」

 

「うげぇ…休もう」

 

「そういうなよ~」

 

このクラスで唯一の友達である日野と駄弁る。彼は裏表なく気さくな態度で誰とでも仲良くしているので好感が持てる。そんなことを思っているとチャイムが鳴り、先生が入ってくる。

 

「おーしそろそろ席に着け~……って翡翠君!よく来たね!何ヶ月ぶり?」

 

「二ヶ月ぶりですね。今日は気まぐれです」

 

「そうか!気まぐれでも先生は嬉しいぞ!」

 

先生は笑いながら教卓の前に立って話し始める。今日もどうせ同じだと思いつつも俺は真面目に話を聞くのだった。

 


 

そんなこんなでボーっと授業を聞いているといつの間にか昼休みになっていた。いつ昼飯を食べたのだろうか。そんなことも気づかないくらいにはボーっとしていた。

 

「ふー……」

 

やることがない。気まぐれで来たはいいものの特にやりたいこともないのでどうしようか悩む。外で遊ぶのはめんどくさい。勉強もする必要もない。早速手詰まりである。

 

「……図書室でも行くか」

 

なんとか案を捻りだし、席を立ち向かおうとする……はずだった。しかし──

 

「どこいくのっ☆」

 

目の前に立ちふさがった一番星の生まれ変わり(星野アイ)に止められた。

 

「やあアイ。ここ……二年生、しかも教室内だけどなんでいるんだい?」

 

「そんなの翡翠君に会いたかったからに決まってるでしょっ!」

 

「理由になってないなぁ……そういえば朝のテスト、どうだった?」

 

「勿論、手ごたえあり!」

 

「それは良かった」

 

定期的に行われる漢字のテスト。前に0点の答案用紙を見つけた時にこれはどうにかしなければと思い作成した対策プリントを俺は渡している。最初は自主的に勉強させるために作成していたが今ではコレを朝に作って渡すのが恒例となっている。

 

「あ、そうだ聞いてよ翡翠君!クラスの男子がね!?」

 

ふと思い出したようにアイがクラスメイトについて愚痴を言い始める。曰く最近クラスの男子達の視線が少々おかしいらしい。視線が集まるのはいつものことらしいが最近はどうやらじっくり観察されているような感覚を覚えるらしい。まあアイは贔屓目無しに見ても顔が整っており皆の視線を集めるのは仕方ないとも言える。しかも本人も()()()集めるようにしてるし。更に言えば中学生ともなれば絶賛思春期の真っ最中。そういう視線になってしまうのも正直頷ける。

 

「うーん……仕方ないんじゃない?アイは綺麗なんだし自分からも集めてるでしょ?」

 

「!綺麗!?綺麗……綺麗かぁ……!えへへ///」

 

「おーい戻ってこーい。そろそろチャイム鳴るよ~」

 

自分の世界に入りかけているアイを引き戻す。一度アイは世界に入るとしばらく出てこないので早めに戻す。

 

「ハッ!何の話してたっけ?」

 

「クラスの男子の視線がうんたらかんたらの話」

 

「あーまあもういいや!話聞いてくれてありがと翡翠君!じゃあ放課後校門で待ってるね!」

 

「あ…うん、またね」

 

話の内容など忘れたかのようにアイは去っていった。笑顔で走り去っていくその姿が流れ星のように見えた。

 

「お…おい、黒石……?」

 

「ん?君は……」

 

突然背後から話しかけられ振り向く。えーっと彼はクラスメイトの……確か……

 

「後藤君…だっけ?」

 

「佐藤だ。いや今はそんなことどうでもいい。俺は今、冷静さを欠こうとしている」

 

普通はクラスメイトに名前を間違えられたら怒ると思うのだが……何をそんなに焦っているんだ?

 

「一体どうしたの?何か重要な事でもあったの?」

 

「最重要案件だよ!なんで普段学校に居ないお前があの星野アイと楽しく会話してんだよ!!」

 

()()??そんなに有名だったの?アイって」

 

「さらっと呼び捨てかよ!いいか?星野アイと言えば我が○○中学一の美少女!才色兼備で人当たりもよし!言うなれば完璧で究極のアイドルなんだよ!」

 

「アイドルねぇ……ん?才色兼備?アイが?」

 

あのアイが?小学校の頃テスト前になると泣きながら『勉強教えて!!』と懇願してくるあのアイが??

 

「ああ!毎回テストでは成績上位!授業態度も真面目で先生からの評価も良いんだぞ?」

 

「えぇ……」(困惑)

 

信じられない。いくら勉強を教えているからといって流石に毎回上位は…信じられん。恐らく頑張ってはいるのだろうが…やっぱり信じられん。

 

「更にはなぁ……」

 

「……」

 

それから昼休み終了のチャイムが鳴るまで延々とアイの話を聞かされ、心の中で放課後アイを絶対問い詰めると決めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「綺麗……綺麗……うへへへ///」




更新遅くなって申し訳ねぇ…部活と学業が本当に忙しくて…あとアイの小、中学時代のイメージが無かったので翡翠バフ込みも入れると本当に描写難しい…あと現在時系列は秋頃です。
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