最後の授業のチャイムが鳴り、授業が終了する。先生への挨拶を終えると掃除になる。
「アイちゃん、一緒に帰ろ!」
「あーごめん!今日は一緒に帰る約束してる人いるからまた明日でもいい?」
「OK。じゃあまた明日ね!」
「うん、バイバイ!」
取り敢えず笑顔を向けて対応する。翡翠君との約束が最優先。
「よし、掃除終わりっ!じゃあ私帰るね!」
「あっアイさんちょっと待っ……」
めんどくさい掃除をさっさと終わらせて校門前にダッシュする。途中誰かから声を掛けられた気がするけど明日聞けばいいよね!
「あっ翡翠くーん!!」
「やあアイィィィ!?」
翡翠君が見える。抑えられない。止まらない。私は彼に目一杯の力を込めて飛びつく。
「」
「〜♪」
そのまま倒れた彼に構わず頬ずりをする。はぁ〜幸せ。これこそが天国。これだけで1週間は完璧だよ。
「ァ…アイィ……!一旦離れて……!いや離れろ……!」
「ん〜もうちょっとだk「部屋から追い出されたい?」すぐどきます!」
追い出されるのは本当にマズイ。小学生になった時部屋を変えられそうになった所を無理やりゴネてなんとか今まで一緒の部屋にしてたんだから。今更別々なんか死んでもゴメンだね。
「まったく……はぁ、帰ろう。さっきは幸い見てた人はいなかったけど次見られたら終わる。さっさと帰って部屋でお話するよ」
「はーい♡」
抱きつかれながらもなんとか施設に帰ってきた俺は取り敢えずアイを引っぺがし手を洗いに行く。
「なんか前より疲れた気がしたよ……」
「私は楽しかったから問題無し!」
こっちは大変疲れているんですが???問題大アリだよ?
「……ねぇ翡翠君」
「ん?どうしたの?」
ふとアイの雰囲気が変わる。普段の明るい雰囲気から一変し、目が据わる。その眼差しに危機感を覚え警戒する。
「私ってさ、傍から見ても可愛いじゃん?」
「フム」
「翡翠君もさ、凄くかっこいいじゃん?」
「……フム?」
「だからさ……
これから学校で『学校一顔が整ったカップル』として活d「目潰し(水)!」ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!イッ↑タイ↓メガァァァ↑!」
前言撤回。危機感なんて微塵もなかった。ただアイがアホなことほざいているだけだった。
「うぅ……ひどいよ翡翠君」
「自業自得だ。反省しなさい」
許せアイ、これで(多分)最後だから。メソメソ泣くアイをスルーしながら部屋に向かう。
「フー……疲れた」
登下校での長距離移動、50段以上はある階段、同年代との会話、習う必要もないつまらない授業。悪いところを挙げたらキリがない。椅子にドサッと座りながら思案する。
「ま、最悪ある程度の出席取れば問題ないかなぁ」
当たり前だがいくら中学校だろうと流石に出席が少ないとダメである。現在は出席はギリギリで義務教育のおかげでなんとかなっているがそろそろ何とかしないと不味い。具体的には高校とか就職とかの未来の進路で結構躓く。
コンコン
「ん、どうぞ」
「……」
普段されないノックに少し違和感を覚えつつも許可すると入ってきたのは下を向いて黙ったアイだった。
「アイ?どうしたの?」
「……」
「…アイ?」
「……」
反応ナシかぁ……これはマズイ……昔からアイは気分が落ち込むと黙り込んでしまう悪癖がある。こういう時は大体めんどくさいことが原因である。つまりここで俺が取る行動はただ一つ。
「ほら、おいで」
「……」
物理的にも精神的にも一度受け入れることである。両手を広げて受け入れる体制を取るとアイはそのまま流されるように胸にポスっと倒れ込んだ。うーん……これは結構重症だね……
「少しづつでいいよ。話してみて」
「…怖かったの」
「怖い?」
「さっきね、職員の人に言われたの。『翡翠君は繊細なんだから迷惑掛けちゃ駄目だよ』って…」
何だそれ。繊細?俺が?誰がそんなことアイに吹き込んだんだ〆るぞ。
「それで……もしも私のせいで翡翠君がいなくなっちゃったらって思ったら……足が動かなくなって……寒くなってきて……」
拒否反応。アイは人から嫌われる、もしくは失う事を非常に恐れる傾向がある。所謂トラウマというやつだ。最近は起きてなかったから失念していた……
「大丈夫……安心して……
「本当に…?絶対いなくならない……?」
「大丈夫だよ。絶対にね……」
苦しい。これが間違った方法だというのはわかっている。ただ自分より悲しんでいるのが許せなくて、自分を
「…えへへ」
偽りの安心でアイは抱き着く力を少し弱める。一先ずは大丈夫のようだ。
「ごめん……ごめん……」
ひっそりと、絶対に聞こえない声で懺悔する。一人のエゴで人生を狂わせてしまった一つの星へ。
「…えへへ♥」
黒き星はまた深く沈み、白き星は更に濁る。
遅くなって申し訳ねえ……次回はおまけ話だから早めに書くので許して……10日以内には投稿できるよう頑張るので……何卒……!
現時点での二人
黒石翡翠、13歳。年齢を重ねるたび瞳が濁っていくヤツ。内容を読めばお察しだがほぼ不登校。しかし地頭はいいのでギリ。彼を止める者がいなければ彼は落ちるとこまで堕ちてしまうだろう。
星野アイ、現在12歳。年齢を重ねるたび愛が重くなっていくヤツ。もう原作のアイと違い歪んでいるが愛を確認済みのため色々と強い。彼女が止まらない限りもう元の彼女には戻れないだろう。