本部のトリオン怪物   作:Ψ( 'ω'* )

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連続投稿もIF。
Bad Endです!!!引き返すなら今です!!



本編はもーちょい待っててくだせえ꜂( ꜄.ω.)꜄


IF 永遠に醒めぬ夢を得る※Bad End

生憎私のSEは乍自らの過去は視れないのだ。視れるのは生きてる人達の過去だけのポンコツだ。悠一くんの未来視なんて凄いものは視れない、養父さんの様に弧月を巧みに使いこなす事も出来ない。他人見れば贅沢過ぎる程恵まれているのだろう。

 

けれど、私の人生で助けられなかった人達は山程居る。手からどんどん零れ落ちていく。掴もうとしてもすり抜けていく人すら大勢だ。

 

最上さんが黒トリガーになった時私の心は壊れてしまった。人とは距離を置き養父さんと暮らすのを辞め新設されたボーダーの寮に住み始めた。一日の殆どをトリオン体で過ごし出来るだけ仕事をして同世代とは距離を置いた。

 

学校でも必要最低限しか人と話さず友達と呼べる人は誰一人として居ない。稀に小南が話し掛けに来るが適当にあしらって兎に角仕事、仕事、仕事。誰とも仲良くしたく無かった。

 

近界への憎しみだけを育てて、それ以外を遮断した。私の生きる価値は多くの近界を殺すことだけ。その為なら幾らでも一人になってやる。周りになんと言われようとも私は一向に構わない。

 

そんなある日仕事の一環で関西にスカウトへ行ってきた。その内の一人『隠岐孝二』に私と部隊を組みたいと言われた。当然断ったが。こんな愛想のない女の何処が良いのだろう。理解不能だ。

 

スカウトから帰り数ヶ月が経ったある日改めて彼から一緒に部隊を組みたいと頼まれた。再び断ろうと口を開くが言葉を発することは無かった。『貴女に尽くしたいだけなんです』と。酷い口説き文句だ。私は近界を殺すだけの憎しみを持った人形みたいなものなのに。

 

真剣そのものの目を向けられ、これは折れないと悟る。今ここで再び断ったとしても今後ずっと付き纏われそう。それならばさっさと部隊を組んだ方が良いのだろう。一呼吸置き言葉を紡ぐ。

 

「一つだけ約束して」

 

「はい!なんなりと」

 

「どんな状況であっても死なない事」

 

「スイさんを置いて死んだりしませんよ。安心したってください」

 

「・・・・・・・・・じゃあオペレーター探さないと」

 

「忍田本部長には許可はもろてます!沢村さんがオペレーターになってくれはります」

 

こうして二人だけの部隊が結成された。B級ランク戦もあっという間に一位になりA級試験も突破。晴れてA級部隊となり遠征へも部隊で度々行く事もあった。

 

私の何が良いのか孝二はいつも嬉しそうで隣でニコニコしていた。休憩時間には好き好きオーラ全開で抱き着かれ甘やかされた。そして玉子焼きが好きだと知るやいなや毎日玉子焼きを作って来てくれた。どうせ玉子焼きかゼリー系のものしか食べられないから美味しく頂いた。

 

それから数ヶ月後近界がやって来た。しかも私の家族を殺した『角付き』。私が対戦する事になったのは大当たりもいい所。大本命だよ。私の家族を殺した当人が目の前に居る。

 

「トリガーON。風刃」

 

結論から言おう。倒しはしたが、それ以上は止めてと悠一くんからストップが掛かった。SEで悪い未来でも見たのだろう。縛って本部基地へと連れて行こうとした瞬間相手の仲間の窓と言う技で逃げられた。こんな事ならもっと痛め付ければ良かったな。

 

それから数日後悠一くんから話が有るらしく本部の屋上でそれを聞く。

 

「・・・話って何?悠一くん」

 

「今から言う言葉を、心して聞いて。スイちゃんの『弟』が生きていた」

 

「─────・・・は?」

 

「生きていたんだよ。信じられない事に。会えば分かる」

 

私の人生って本当に空っぽだったなぁ。復讐心に囚われて本来得れる物を捨ててまで何がしたかったんだろう。近界民を殺すとかほざいてさ。弟が近界民に育てられた?何それ。生きてた事実でさえ知らなかったのに。

 

話を聞き終えると私は無言のまま部屋に籠った。

馬鹿みたい。

これまで頑張って来たことって全部無駄だったの?存在意義さえ今は迷走してる。いいや、やる気が失せた。何もしたくないのだ。何も頑張りたくないし何も感じない。これじゃあ寝て起きるだけのただの人形だ。

 

迷惑を掛けてしまう前に消えてしまいたい。姉なのに弟を甘やかす事も叱ることも褒める事も他愛ない話で笑い合う事も出来ない。情緒が不安定になり目の前で嘔吐してしまう私をどうか許さないで。

 

「スイさーん。ここ数日何も食わんと部屋に引きこもっとりますよね?せめて玉子焼きだけでも食うてください、ね?」

 

「・・・・・・・・・・・・要らない」

 

「・・・・・・・・・そうですか。ほなお散歩行きましょ?気分転換にもええですし」

 

「・・・・・・・・・うん。シャワーして着替えてくる」

 

「ほなここで待っとりますわ」

 

「・・・うん」

 

準備を終えた後、ショッピングや猫カフェ等色々と見回った。今どきはそういうのが流行ってるんだね、興味無いや。全部どうでもいい。今となっては。

 

帰りの電車を待つ間ふと電車に轢かれたらと考えてみた。私が産まれた所為で両親と妹は死に弟は近界民に攫われ向こうで育てられてしまった。私が居たばかりに旧ボーダーにだって迷惑を掛けたことだってある。沢村さんにだって。悠一くんも困らせてしまって。

 

それならいっその事今私が死んでしまえば今よりは大分楽になるだろう。こんなトリオンしか取り柄のないゴミの様な人の形をした人形なんて居ない方がいい。間違いない。

ここまで尽くしてくれた孝二にも最後の最後に迷惑掛けるけど、ごめん。

 

これで最後だから。

 

「好きを返せなくてごめんね」

 

「え?何を言うてはるんです?俺は尽くしたいだけですから返事は求めとりませんよ。部隊を作ってくれて二人で居れるだけで幸せです」

 

「・・・・・・・・・ごめんね」

 

「そんなに謝らんといてくださいよ。スイさん何か変ですわ。やっぱ俺の玉子焼き食わんからと違います?」

 

「玉子焼きか、孝二の玉子焼きは養父さんのより何倍も美味しかったな」

 

「ははっ、そら男冥利に着きますわ。そんなら帰ったら腹いっぱい玉子焼き食べましょ」

 

最後の言葉には何も答えず一人線路の方へと足を運ぶ。そろそろ来る頃かな。『二人』には最大のトラウマを植え付けるかもしれないけどもう生きたくないんだ。生への執着が無いの。

 

「・・・スイさん待ってください。俺も前の方行き────・・・」

 

「隠岐くん!!今すぐスイちゃんの腕を引いて!!!」

 

「・・・え?迅さん何でここに居るん?」

 

「その話は後回し!スイちゃんはここで死ぬ気だ!!」

 

「!?スイさん!!」

 

「あーあ、やっぱり視えてたんだ。数分前に考えてた事なのに流石悠一くん。でもね、もう遅いよ。未来は変わらない」

 

ドンッ

 

「・・・とっくに汚れた私はもう居ない方がいいんだよ」

 

ここ最近そんな夢ばかり見てた。死ぬ事は実現しないだろうとも考えてた。でも、今日そのチャンスがあった、ただそれだけの事。

 

「スイさん!!!」

 

「スイちゃん!!!」

 

嗚呼・・・痛い・・・こんなに痛いのは死にかけてたあの時以来か。随分と長い年月まで生きてしまったものだ。最初からこうすれば良かったのにズルズルと生き延びて。何がしたかったんだろうね。でもやっと人生の幕を閉じれる。

 

これ以上悩まなくて、これ以上助けられないことも無く、これ以上復讐心に囚われず、これ以上誰にも迷惑を掛ける事も無いんだ。家族の元には行けないだろうけど、それでも構わない。深い眠りに着けるのなら。

 

・・・痛さも無くなってきた。そろそろ意識も薄れてきたらしい。願わくば自身が二度と生まれ変わりません様に。

 

 

 

 

 

 

 

 

side隠岐

 

嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嫌や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や!!!スイさんが目の前で死んだなんて嘘や。信じたない。せやけどスイさんの様な白髪の女性はご年配を覗いて早々居らん。見渡しても見当たらん。つまりはそういう事で。

 

俺が連れ出したからアカンかったんや。せめてバイクで後ろ乗せて欲しいて頼んだら良かった、そしたら一人で死なせる事もなかった筈やのに。せやけどそれやとスイさんとの約束破ってまうし。あああああ!!!スイさん何でや!!!せめて俺に一緒に死んでって言うてくれたら。否、何としてでも生きて・・・依存して貰えたら良かったのに。

 

 

side隠岐終

 

 

 

 

 

 

 

転生してしまった。二度と生まれない様にと願ったのに。

 

「姉ちゃん。大好きー!!」

 

「姉さん。大好きだ」

 

「あらあら、二人とも翡翠ちゃんと仲良しなのね〜」

 

「うんうん、仲良いのはいい事だ」

 

「私も二人の事大好きだよ」

 

ただ違う点が有るとすれば現在十歳で両親も弟も妹も生きていて養父さん達と知り合ってない点だ。こんな平穏な日々が愛おしい。ずっと、こうしていたかったのだ。

 

夢、なんだろうな。私が視ているのは。幸せな夢。都合のいい夢。それでもいいんだ。もう縛るものは何も無い。ここには後悔も悲しみも罪悪感も復讐心もなくあるのはただの愛。

 

飢えていた温もりが、ここにはある。

それで良い、それが良い、それ以上は初っ端から何も求めてない。

 

この夢ならどうか永遠に続きますように。

 

 

 

 

 

Bad End




「・・・ハッ!良かった・・・スイちゃんはもうこの未来に行かないんだった。久々に夢でだけどこの未来を見るだなんて、もしかして俺余程疲れてる?」

独り言を呟き窓から空を見上げるとまだ月が輝き草木も眠っていた。変な時間に起きてしまったらしく玉狛支部の非番の人達は殆ど寝ていた。一枚羽織を着込んでコップに暖かいミルクを注ぐ。遊真と自身の二つ。彼奴はトリオン体で眠らなくていい体質らしいからちょっとだけ話に付き合って貰おう。

偶には戦い以外のことでもさ。

「あれ?迅さんどーしたの?」

「いやぁ実は目が覚めちまってさ。少し話に付き合ってよ遊真」

「珍しいですな。いいよ」





─────


閲覧ありがとうございました(o*。_。)o
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