以下どうでもいいかもしれない家族構成。
後に設定としていつかまとめておきたい。
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簡易設定家族編
父→藍玉、母→琥珀
弟→蒼玉、妹→瑠璃(この二人は双子)
実は弟は生きているがSE発現前なので翡翠はこの事実を知らない。
弟はワートリ人物の中に居て名前が違う・・・というここ(小説内)だけのトンデモ設定となっている。今後小出ししていきたい的な。
という訳でやって来ましたお好み焼きかげうら。見事に食べたいものが割れた。居酒屋ならたこわさも肉も焼き飯もコロッケも焼きうどんもだし巻き玉子も頼もうと思えば出てくるのに。
好物と今食べたい物が皆違っていた。和食が食べたかった諏訪さんと洋食が食べたかった堤さんは大人の対応で年下優先で好きなものを選べと言ってくれ、笹森は中華料理、おサノは回転寿司。
私は特にこれと言って無かった。皆と食べると何でも楽しいから何でもいい。と伝えたら諏訪さんと堤さんは目頭を押さえ笹森はそれを不思議そうに眺めながら確かに誰かと一緒に食べると美味しいですよねと賛同しおサノは嬉しそうに抱き着いて来た。
結果くじ引きで幾つか候補を入れ諏訪さんが引いた料理を食べに行く事となりここへと決定したのだ。誰も選んでないのにお好み焼きになるだなんてこれもある意味運命かな。
「スイちゃん先輩一緒にアイス食べよ〜」
「おいおい、ちゃんと飯食った後にしろよ」
「はぁーい」
「あれ?諏訪隊や。こんばんは」
「あっ、ホンマや。ども」
「こんばんは〜。スイさん隣ええですか?」
「聞く前に座っとるやん」
「良いよ〜」
注文を眺めていたら生駒隊が隣の席に座った。なんなら隠岐は隣に座った。一緒にメニュー眺めたし注文も一緒にした。スタンダードなお好み焼きを選んだけど私焼くの禁止されてるんだ。誰が見ててもどんなに手順が正しかろうとダークマターしか作れないから。
好きでこうなったんじゃないやい。SEの影響だったらまだ納得できるけど素だよこれ、泣いた。でも代わりに隠岐が焼いてくれる事となった。流石関西人と言うべきか上手い。
あっという間に綺麗にお好み焼きが完成した。ソースのいい匂いが堪らない。仕上げの鰹節が踊っている。
「はい、あーん」
「あーん」
ぱくり
「どうです?」
「美味しい」
「そら良かったです」
私が餌付けされている時に水上も生駒さんは今日の戦闘について諏訪さんに質問責めしていた。主に私の弧月使用について。普段は射手の構成なのにと。
私に聞くんじゃないのね。口を開いても次々にお好み焼きを運ばれるので答える余裕はないけどさ。
「元々弾トリガーが出来る前は弧月使いだったんだよ。旧ボーダー時代から此奴は居たし。忍田本部長直伝であるのは間違いねぇよ」
「つまり、柏木さんは太刀川さんの姉弟子になるっちゅーわけですよね?」
「そうだな」
「ただでさえ射手として鬼強やのに弧月でも強いてバグやろ」
「諏訪さん、俺ヒスイ先輩についてもっと知りたいです」
「俺も俺もー!柏木さんって、諏訪さんから見てどんな人なんスか!?」
「あ?・・・そうだな。スイ、あの過去については言っていいのか?」
親指を立ててOKサインを出す。今では過去の一つとして思える様になって来た出来事だから大丈夫。約三年前なら語りたくも無かっただろうけど。時間と仲間のお陰で過去の心の傷も癒された。
自らは語ることは無いけど、教えて欲しいと頼まれたらそれはもう全然いいよ。スカウト組や笹森は特に知らないだろうし。
何で養父さんの苗字を名乗らず柏木のままなのかも謎だろうからね。残された物がそれしか無かったのだ。
「親指立ててるスイさんも可愛ええですね♡」
「おめーが次々にお好み焼き口に運ぶから話せねぇだけだろうが。・・・こほん、先ずはざっくり話すぞ。俺目線だからなある程度の穴は許せ。出会いは約三年前、堤とおサノとの出会いもその辺だな。ボーダー入隊してすぐの時実力発揮テストの時だ。当初はより人も少なかったからな」
side諏訪
第一位印象は笑わない奴だった。ボーダーは少なからずそう言った奴も居たが仕事の一環としてだろうと思っていた。現実はもっと過酷だった訳だが。
真面目で質問されれば大抵の事は返答したが、自らの過去に付いてだけは誰にも話そうとしなかった。誰にも触れられたくない話は有るのだろうと当初は気にも止めてなかった。
印象が変わったのが数ヶ月後のB級に上がって隊として直ぐの防衛任務の時だ。仲良くなった堤と隊を組んでオペレーターにおサノが就き本格的に諏訪隊として活動し始めた時だな。
そん時に臨時で諏訪隊として共に防衛任務に参加したのがスイだった。既に構成は射手だったがまだ弧月を扱っててな。合成弾も弾の種類もそんななかった時代だ。
只管に強かった。連携も悪く無かった。だが自分を犠牲にしようとした戦い方が目立ってな。このままじゃいつか潰れてしまうと思った訳だ。
気付いたらウチにと誘っていた。当然最初は断られた。どの部隊にも入る気は無い、と。加古や二宮にも誘われが断られたと二人は愚痴ってた。
だが俺はどうしても諦める訳には行かなかった。ここで諦めてしまえばスイは少なからず心か体が壊れる。そんな雰囲気の奴を放って置ける筈ないだろう。
それからスイが居る日は遊びに誘ったり(毎回断られたが)お勧めの本を勝手に押し付けたり(本の感想はしてくれた)して無理矢理出会う機会を増やした。その一ヶ月後、初めてスイから口を開いた。
「諏訪さんて暇なんですか?」ってな。
暇じゃねぇよ、受験終えてこれから大学の準備期間なんだわ。色々と忙しいに決まってんだろ。寧ろお前は働き過ぎじゃねぇか、中高一貫校とは言え殆どトリオン体で過ごして学校もそこそこに仕事詰めで。
生意気な口調とは裏腹に呆れも戸惑いもなくただ単にその目には光が無く、何も映さず濁っていて尚更放っては置けず。有無を言わさずそのまま腕を掴み隊室へと連れて強引にもてなした。
おサノと堤と一緒にな。
そうでもしなきゃ、ふらっと要らん仕事を自ら増やそうとするからな。休憩も必要だろ。
「何故私はもてなされて・・・?」
「良いから食え」
「あ、はい」
そう言って手を伸ばしたのはゼリーだった。好きなのかと聞くといいえと返答され、珍しくその続きを語り出した。
食い物はここ二年程だし巻き玉子とゼリー状のものしか喉を通らず胃も受け付けないと。
そんな状態でよくホイホイと動けるもんだな。否、トリオン体だからなのはそうだが。それでも栄養は足りてても他の部分が足りないだろう。上手く言えねぇけど。
「やっぱお前ウチに来い」
「お断りします」
光のない瞳でこちらの方を見つめ、そう即答される。理由も言わず結論だけって二宮かよ。いや、下手したら二宮より言葉が少ないのでは。
「おめーのその断る理由を聞かせろ」
「・・・必要以上に関わりたくない。それだけです。これ以上を聞きたいなら『養父さんや城戸司令』にでも聞いてください。ゼリーご馳走様でした」
そう言い隊室から出て行ってしまった。自らは語りたくないのだろう。気持ちは汲むがそこまで言わせて聞かない等それこそ今更だよな。
それにしても養父の忍田さんは兎も角城戸司令の名が上がるとは。ボーダー設立時既に居たと太刀川は言ってたしその前から交流が有ったのかもしれない。
流石に司令に聞くのは一隊員として引けるので忍田さんに聞くことにした。思い返せば此処がスイを引き入れるか諦めるかの分かれ目だった。
後日アポを取り忍田さんの元へと向かう。何故か堤とおサノも着いてきた。二人も気になるらしい。多分これを聞いてしまえば余計引き下がれなくなるだろう。
だが、覚悟は決まった。
否が応でもウチの隊に入れる。
「いらっしゃい。おや、全員で来てくれたんだね。まあ座ってくれ。スイ・・・嗚呼失礼。柏木翡翠隊員についてだったね。私と柏木隊員が養子と養父というのは周知の事実だろうけど、その経緯に至った経緯から話すのが合理的かな」
長いので、話をまとめると以下の通りだ。
①家族全員がとある一人の角付き近界民に襲われ唯一逃げ切ったスイが怪我だらけで倒れていた所を忍田さんが保護し病院へと連れて行った。
②その時はまだ髪が黒く検査する時に瞳孔も調べた時は両眼とも翡翠色だったとのこと。異変が起きたのはスイが意識を取り戻し家族の死を認知してしまった時でショックで髪は真白になり片眼も朱くなった。
③それと同時に現在のSEが覚醒した。後のスタアメーカーの参考となる生物特定(超技能)と見た事のある人達の過去を視ることの出来る過去視(超感覚)だ。遡れば遡る程明確に視えてしまう。
④そんなスイを放って置ける筈もなく養子縁組を申し出る。しかしまだ大学生だった忍田さんは親に反対される。親が養子縁組して年の離れた妹としてと話していたがそれを押し切って翌年病院から退院したスイを引き取る。
⑤旧ボーダーに既に所属していたのでそこに居たメンバーでスイを育てる事になった。そして大分元気を取り戻し後から入った小南や迅達と仲良くなり迅と恋人になった。
⑥旧ボーダー時代色々有って(この辺は話すと長くなるので省略)家族も同然の旧ボーダーのメンバーが半分(十人)亡くなった。そこからは知っての通りだし巻き玉子やゼリー状の食べ物しか食べられなくなった。そして人付き合いも最低限に減り過労働をする様になってしまった。後迅と別れた。
因みに辛うじてだし巻き玉子が食べられるのは忍田さんがスイに初めて作った料理で何も口にしようとしなかったスイに一口でもと食べさせたら暖かくて美味しかったかららしい。
「これは私の個人的な感情だが柏木隊員にはもっと色んな人と関わって欲しいんだ。出来れば何処かの隊に入ってもらって。隊長にならなくてもいい、笑い合える仲間を増やして欲しいんだ。おっと、語り過ぎてしまったね。何か質問は有るかい?柏木隊員についてなら出来る限り答えよう」
「じゃあ、一つだけ・・・柏木隊員は麻雀した事有るんすか?」
「麻雀?そうだな、一応ルールは知ってるレベルだろう。私の後ろで見てた事は有るが打った事はない」
「あざす。おめー等行くぞ。お邪魔しました」
「お邪魔しましたー」
「お話ありがとうございました」
(諏訪隊か・・・案外スイと相性が良いかもしれないな。話を聞きに来た隊員は彼等だけだ。そう言えば一人、似た様な事聞いて来たスイの同級生が居たな。流石にボーダーの子じゃ無いから詳しくは話せないと言わざる終えなかったけど。やはりスイ、君は色んな人達と関わりを持って欲しい。親心として心配なんだ)
「ねぇ何で麻雀なの?」
「確かに。趣味聞くなら本の方がまだ良かったんじゃないんですか?」
「いいやそれは無しだな。麻雀にしたのは対して知らない遊びだからこそだ」
部隊に入りたくない、嫌だ。と言うより親しくなってその人物がもう亡くなるのが嫌なのだろう。それで辛うじて生きてる。心をすり減らして生きてるって最早生きる屍だろ。
親族や友達を亡くした人ならこの組織に多数存在するが二度もそうなるのは滅多に無い尚且つそれが両方近界民なんてそうある話では無い。
文字の上では十人と言う数字でしかないだろうが家族として過ごした、それも一度家族を失った後それも小せぇ頃のだ。よく壊れなかったと言うべきだろうか。
そこの所真面目過ぎなんだよ。だから遊びを教えるんだ。
side諏訪終
「・・・そんな感じで今に至る。これ以上はまた次の機会だな」
「そんな過去が・・・柏木さん苦労しとったんやなぁ」
「一つ聞きたいんですけど、スイ先輩はどうやって普通の食生活に戻ったんですか?」
「あ?・・・居酒屋に連れてった」
「い、居酒屋・・・」
「いきなり主食はハードル高ぇからな。居酒屋ならだし巻き玉子もそうだが枝豆とか冷奴とか軽いもんも有るだろ?そっから慣らした」
「諏訪さんて案外面倒見良いですよね。お陰で今が楽しいですよ。ありがとうございます」
「スイお前また・・・くそ、最近涙腺が緩い・・・」
また目頭押さえてる。涙腺緩いね。事実を言っただけじゃん。お礼しただけでこうって。何処か照れくさくなる。
「スイちゃん先輩アイス食べよー」
「うん、どれがいい?」
「えっとねー・・・」
「まあ、それとは別に近界民に黒い部分抱えてたけどな。性格大分丸くなったわ」
「表情筋はそこまで戻らなかったみたいだけど。昔の写真見せてもらったけどそれとはまた別人みたいだよ」
口角は上がるんだけどね、昔程は上がらないかな。上げようと思えば上がるけど翌日頬の筋肉痛凄いんだ。生活には困らないからその辺はとうに諦めた。
アイスが到着しおサノと一緒に食べ始める。食後のアイスって良いよね。おやつとして食べるのとはまた別に。アイス一緒に食べてる理由?知らない。おサノが食べたいって言ったからかな。
それにしても隠岐どうしたのかな。普段ならもっと話し掛けて来るのに。お好み焼き口に運んでる途中に急に黙って。・・・あ、そっか。悠一くんと付き合ってたからかな。それは事実だから仕方ない。
(迅さんとホンマに付き合うてたなんてなぁ。今は別れとるからええわ。でも、それ以降誰とも付き合うとらんとなると・・・スイさんと付き合う難易度高ない?学校やと荒船先輩が近くに居るしボーダーやと出水くんが近くに居るし、迅さんかて未練有るやろ。そんな中でスイさんと結ばれる確率てどないやろな)
「・・・」
「隠岐どないしてん。柏木さんについてもっと知りたいわーて何時もなら言うとるのに」
「アレやろ。迅さんと柏木さんが付き合うてはった過去さらりと言っとったから」
「あ〜、それでハードル高いとか何とか考えとるんとちゃう?」
「はは、先輩等堪忍して欲しいわ。そんなん違いますて。恋敵多いとは思っとりますけど」
色恋系の過去は見ないようにしてるんだけどよく絡む人は不用意にも見えてしまうんだよね・・・。
避けては通れない、か。次の遠征までちょっとだけ余裕あるから少し考えるくらいはした方が良いのかもしれない。
最優先は次のB級ランク戦で1位を取ることで優先的にはかなり低いけど、沢村さんを見てるともどかしく感じてしまうしそうならないように、かな。
沢村さんなら養父さんのことを任せたいので早くくっ付いて欲しい。何より私にも隔てなく優しいから結構好きだよ、人として。鈍感な養父をよろしくお願いします。
「柏木さんは隠岐の事どう思っとる?やっぱりモテモテなイケメン?それとも女の子泣かせてそう?」
「世話を焼いてくれる可愛い後輩、ですかね」
「確かに後輩やけど・・・現実は非常やな・・・」
「なんと言うべきかな、緑川が悠一くんを慕ってる感じ。近いと言えば」
「あ〜・・・ドンマイ隠岐」
「違います、緑川くんは憧れやけど俺はスイさんのことが・・・」
「・・・うん、知ってる。今後次第かもね。おサノ次プリン食べよう」
「うん、食べたーい」
(スイは今までは隠岐含め他人の恋愛的好意を意識して受け止めることが出来る状況では無かったし、まぁ、頑張れよ隠岐)
閲覧ありがとうございました(('ェ'o)┓ペコ