リンの双子の兄は、静岡の猛獣に振り回される   作:ロシアよ永遠に

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やはり双子だけあって、リンと同じ東山奈央さんのイメージがあるみたいですね
自分としても暗殺教室の渚くんに声を重ねたりしてます
そして男性声優が中村悠一さんでした
やっぱり近年では五条悟のイメージがあるのでしょうか?
ケンにスカート履かせて『志摩リンでぃっす!』やらせたい?


第二十三話『エビ作戦ヲ遂行セヨ』

「そう言えばジオスポットだけどよ、シマシマ兄妹が行ってきたのが中伊豆の浄蓮の滝と葛城山、アタシらが城山の一箇所。全部は無理だけどある程度は回っときたいよな」

 

「「おい、しれっと変な名字にするな」」

 

「堂ヶ島のトンボロは明後日行くんだったっけ?」

 

「あぁ、昼頃が丁度いいらしいぞ」

 

「なぁあおいちゃん。トンボロってなんなん?」

 

「豚トロの仲間やで」

 

「へぇ〜、どんな味するん?」

 

仲の良い犬山姉妹。傍から見れば、何も知らぬ妹に姉が優しく教えているようにも見える。

だが、

 

「息をするように嘘を教えるイヌコ……そもそもトンボロを知らないこと自体が嘘のチビイヌコ……これがホラ吹き姉妹の騙し合いだ」

 

「お、恐ろしいね、アキちゃん……」

 

「深読みし過ぎだ」

 

「俺も最初はトンボロって聞いて、調べるまで食べ物って言うイメージがあったからな……まさかしぜ……」

 

「ケン君、ちょっとしぃ~しとこか」

 

どうやらあかりがホラを信じているようで、いまネタバラシするのは詰まらないのか、やたら黒い笑みを浮かべたあおいにケンは黙らされる。

かつてここまで彼女から圧を感じたことがあったろうか?ホラに掛ける熱意か。

何にせよそれ以上ケンは言葉を発することができず、文字通り押し黙るしかなかった。

 

「んじゃ、次はキャンプの買い出しに行くぞ〜!」

 

『お〜!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全国展開するスーパーで、大まかな夕飯の食材の買い出しを終えたメンバーは、次いで近場にある干物屋を訪れていた。

木で建てられた味のある店内は、正に干物の老舗!というイメージカラー通りに、さまざまな海産物の干物が並べられていた。

 

「なでしこちゃん……!これが……!」

 

「うん……!地金目鯛の干物……!」

 

二人が見つめる先には立派な地金目鯛が、おそらく天日に干されたことで旨味が凝縮されたであろう姿となって店舗に並べられていた。

今回のキャンプめしのコンセプトは、ご当地グルメを味わう。わさびもそうだが、干物もまた伊豆の名産品だ。今日の晩御飯の当番はなでしことあおい。二人で相談し、何を作るか互いの意見を練り合わせ、地金目鯛の干物を使ったキャンプめしを画策しているだけにここは外せない。

 

「今日はこれを使って、久しぶりのキャンプご飯!作るよ!」

 

『おぉ〜!!』

 

「晩御飯が楽しみですね〜」

 

さて、翌日の朝食当番を担っている唯一の男は……

 

「……うむ、これにするか」

 

とある干物がピッタリとピースにハマったのか、直感のまま購入に移っていた。

 

「なぁなぁケン君、何買うたん〜?」

 

料理担当ではなくて手持ち無沙汰だからか、キョロキョロ店内を見て回っていたあかりがケンの購入物が気になったのか、トテトテと駆け寄ってきた。

 

「明日の朝ご飯の材料だよ」

 

「え〜?干物で朝ご飯?はんごーすいはんでもするのん?」

 

「ふっ……!まだまだ甘いな、犬山妹よ。干物のコンセプトは何も和食だけに留まらない……!なぜなら世界にはドライフルーツやドライトマト、干物と近しい処理をされた食材はごまんとある!故に魚の干物とて、和食という縛りに当てはめる必要などないのだよ……!」

 

「うわ〜……なんやきざったらしいて腹立つわ〜」

 

容赦ない口撃に、ケンの心にダメージが入る。

なんだかんだで互いの顔を知らなかった時は、年の割に少しオマセなあかりが、姉の同級の男友達という存在にどのような意欲を向けるか分からず、あおいもそうだが、千明もヒヤヒヤものだった。

だが『志摩リン団子量産事件』の際に互いを知って以来、あかりはケンを『年上の何か面白いお兄さん』と受け取り、『ケン君』と読んでそれなりに仲良くしている。現に先述のように軽い口撃を言えるほどには打ち解けていた。

だがあおいは思った。

あかりはケンを『男バージョンの千明』のように、半ば玩具に見ている気がする、と……。

 

「ごくっ……!」

 

そんな店内に、特大の固唾を飲み込む音が木霊した……気がした。

果たしてその主は、野クル顧問の鳥羽先生。その眼鏡が光る視線の先。

 

「くぅ〜っ!!」

 

そこには地元客だろう男性が、焼いた干物を肴に酒で喉を焼く姿。

グビ姉こと鳥羽美波

禁酒生活一ヶ月弱。

生徒が伊豆に行くまでキャン禁(キャンプ禁止)とするのと並行し、千明の要請で美波も同じ期間は禁酒生活を送っていたのだ。その間は炭酸水で舌や喉を誤魔化していたのだが……。

目の前でそんな……まるでご飯になでしこ作の大和煮(クリキャンの朝飯)、トーストにコーンポタージュのような、鉄板の組み合わせを見せつけられては……!

 

「ぁ……ぁ……!!」

 

まるで肉に飢えたゾンビのごとく……

フラフラと酒という存在に引き寄せられ、このまま一緒にどんちゃん騒ぎしかねない鳥羽先生。

その服の裾をがっちり掴み、それを制す者……

 

「先生、お酒はまだ駄目です」

 

あおいだ。

ここでグビ姉モードを発動させてしまってはドライバーが居なくなってしまい、キャンプ場へ行くことは出来なくなる。

そうならないよう、あおいは鳥羽先生の禁断症状を発せぬよう、見張っていたりする。

 

そんな顧問をじっと見つめる6つの双眼……

 

「わかってるな、シマシマ兄妹。エビ作戦だ」

 

「「いつまでその呼び方をするんだメガネ」」

 

エビ作戦……

それはこの伊豆キャンを最高のものに昇華させる為に欠かせない重要な作戦。別名 オペレーション・AB

 

 

 

 

 

 

時は遡る

 

一週間前 放課後の本栖高校 図書室 

 

「3人とも聞いてくれ……!」

 

千明に図書室へと呼び出された志摩兄妹と恵那は、物々しい雰囲気で話し出した部長に神妙な面持ちで聞き入る。その彼女の姿は、どこか秘密組織の司令に見えなくもない。

 

「伊豆キャン一日目の夕飯担当はなでしことイヌコ。メニューは伊豆地金目鯛を使った何かを作るらしい……。翌日の朝食担当はシマケンに一任して、その日の夕飯はアタシら三人という手はずになっている。したがって二人の誕生祝いはこの時に決行する予定。ここまでは抜かりないな?」

 

『お、おす』

 

普段の彼女らしからぬ圧に、思わず言葉に詰まってしまう三人。

 

「そこでメニューについてだが……下田は伊勢海老の有名な産地と聞く……。伊勢海老は金目鯛と並んで縁起物……。私はどうしてもアイツらに伊勢海老料理を作ってやりたい……!」

 

伊勢海老といえば、誰もが知る高級食材。それを誕生日が来る二人の友人に振る舞いたい……!そんな熱い思いを吐露した千明。

嗚呼、なんと友の情に厚い部長なのだろうか……!そんな感動が芽生える三人。

 

「だが……金目鯛も伊勢海老も高級食材……両方買ってしまえば明らかに予算オーバーだ……!そこで私は考えた……!

 

 

 

先生に禁酒をさせて、余った金で伊勢海老を買わせよう、と!!」

 

(((げ、ゲス案だ……!!)))

 

そこはやはり千明。ただで感動などさせてはくれないのが彼女だ。

 

「コードネームはエビ作戦。覚えておけよ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(さて……どうやって先生を唆すかだが)

 

子細の練り合わせをしていなかったのか、どうやって鳥羽先生を誘導するか悩む千明。

 

「すいません、この伊勢海老の干物をください」

 

(((って!思いっ切り買ってるし!!)))

 

未だ何のアクションも起こしていないのに作戦通りに進んでしまったことにア然とする三人。

そこに会計を終えて、ご機嫌に鼻歌を歌いながらやってきた鳥羽先生がそっと小声で話しかけてくる。

 

「斉藤さんから聞きましたよ?伊勢海老料理の話」

 

どうやら既に恵那が鳥羽先生に根回しをしていたらしい。こんな時の彼女の行動力と素直さには大助かりである。

 

「やるなぁ恵那」

 

「恵那……おそろしい子……!」

 

「ていうか、最初から素直に頼めば良かったじゃん」

 

なんだかんだで3人の取り越し苦労だったようで……

かくして千明曰くエビ作戦?は恵那の策により、野クルは伊勢海老の干物を手に入れ、成功と相成ったのである。

番外編を書くにあたり、こーゆーのを読みたい!っていうリクエストを募集します!

  • 未来の子供達のほのぼの生活
  • ケンとなでしこのいちゃいちゃ
  • お兄ちゃんはおしまい!(意味深)
  • いつメンのキャンプ
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