問題児達と最強のオタクが異世界から来るそうですよ?   作:炎龍王アキラ

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1章のエピローグとなります。今回のゲストはこの方!


??? 「???です。名前は今は明かせませんがよろしくお願いします」


と言うわけで???さんです。今は名前は分かりませんがこの話を読み終えたら分かります。
質問は後書きにて質問します。後オリキャラ?もう一人出します。
取り敢えず本編どうぞ!


14話 感動の再会だそうですよ!

 

 

悟 「ここか」

 

 

ペルセウスとの決闘から3日後。悟は今平原に来ている。辺り一面爽やかな平原に。何故ここに来ているか。それは俺が企んでいるサプライズのために必要だからだ。ここにあるのは囁告篇帙(ラジエル)で調査済みだ。

 

 

悟 「悪いなミズキ、ついて来てもらって」

 

 

ミズキ 「構いません。しかしよろしいので?もう直ぐ打ち上げなのでは?」

 

 

悟 「折角の打ち上げだ。更に盛り上げたいんでな」

 

 

そう言い悟は平原の中心の位置で止まる。

 

 

ミズキ 「悟様、ここに一体何が?」

 

 

悟 「正確にはあるじゃなくて、いるだな」

 

 

ミズキ 「?それは一体」

 

 

悟 「まあ見てな」

 

 

悟 「『封解主(ミカエル)』"(ラータイブ)"」

 

 

悟は封解主(ミカエル)を使い空間に穴を開ける。すると開けた空間から禍々しい気配が漂い始めた。

 

 

ミズキ 「!?これは一体!?」

 

 

悟 「呪いの影響だ。……いたな」

 

 

悟は空間の中を探し、1人の女性を見つける。女性の髪は老婆のように白く、体には鱗が生え、瞳は光を失っていた。

 

 

ミズキ 「悟様、彼女は」

 

 

悟 「聞いたことはあるだろ。レティシアには妹がいたと。彼女がレティシアの妹だ」

 

 

ミズキ 「!?では彼女はもしやラミア=ドラクレアですか?」

 

 

悟 「ああ。囁告篇帙(ラジエル)で確認したから間違いない」

 

 

ミズキ 「悟様の目的はこの方でしたか。しかし彼女は見たところ眠りについているようですが」

 

 

悟 「彼女はレティシアが受けるはずだった呪いを受け、最終的には幾億の魔神に匹敵する恩恵(のろい)を受けたんだ。その代償がこの姿だ。」

 

 

ミズキ 「そういうことでしたか。しかし何故自らを封印など」

 

 

悟 「受けた呪いの中に子喰らいの呪いってのがあったらしい。子を身籠れば食い殺せずには居られないっていうクソみたいな呪いだ。それが王族には致命的だったんだ。加えてレティシアが魔王になってた事で吸血鬼が二代続いて魔王に落ちたという評判を作りたくなかったんだろうな。」

 

 

ミズキ 「なんとも虫唾が走る話ですね。しかしどのようにして彼女を助けるのですか?」

 

 

悟 「ここから先は極秘にしてくれ。ゼウスと数人しか知らねぇ、正真正銘俺の切り札、それも最後のだ。これを出す事はほぼ無い」

 

 

そう言うと悟は呼ぶ。悟の切り札、その精霊を。

 

 

悟 「『< >(アイン)』"限界突破(リミットオーバー)"」

 

 

悟 「『< >(アイン)』  "(セレス)"」

 

 

その瞬間空間に桜が舞い散った。桜の花びらがラミアに触れた瞬間、ラミアの体が光った。

 

 

ミズキ 「悟様!?一体何が起こって」

 

 

悟 「問題ない。見てれば分かる」

 

 

数秒が経ち、やがて光が収まった。目を開けるとそこには先程の女性とは似つかない、金髪をたなびかせ、雪の様に白い肌を持つ女性がいた。

 

 

悟 「ラミアの恩恵の代償、子喰らいの呪いを消した」

 

 

ミズキは驚きを隠せなかった。恩恵の代償とは自身に恩恵が宿っている限りどうする事も出来ない、それが普通だからだ。恩恵ごと消すならまだしも、恩恵の代償だけを消すなど不可能だ。

そんなミズキに悟が説明する。

 

 

悟 「これが俺の最後の切り札< >(アイン)だ。本来は蕾の精霊が顕現して触れたものを無に還す。だが< >(アイン)限界突破(リミットオーバー)の形態の一つ(セレス)の能力で消す物を俺の意思で限定的にも消す事が出来る」

 

 

ミズキ 「………それはもしや」

 

 

ミズキはある一つの可能性に至った。それこそゲームが成り立たなくなる可能性を。

 

 

悟 「お察しの通り、ギフトゲームのルールの一部も消す事が可能だ。ま、絶対にやらんがな。それこそ勝利条件が仲間を殺す事なんかじゃない限りな」

 

 

そこはミズキも疑っていない。何せゲームにおいて何があっても手を抜かないのが悟だと理解しているからだ。それ故にルールを捻じ曲げる事などしないだろう。

 

 

悟 「取り敢えず雷霆の庭に運ぶか。ついでに打ち上げのための料理も作るか。ミズキ、看病を頼んでも良いか?報酬にスイーツ作るから」

 

 

ミズキ 「お任せください!」

 

 

普段はクールなミズキだが悟のスイーツの事となるとそうでもない。

そうして悟とミズキはラミアを抱えて雷霆の庭に向かった。

 

 

 

        〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

   

 

ラミア   「…………ん、んん。ここは一体?」

 

 

ラミアがベッドで目を覚ました時いたのは知らない場所だった。

 

 

ラミア 「どこかのホームでしょうか?いやしかし私は最後に自分を封印したはず。……!?な、何故」

 

 

今いる場所を把握しようと周りを見渡し、自分の腕を見た時違和感に気づいた。

 

 

ラミア 「わ、私の腕が戻っている!?鱗が生えていたはず!?」

 

 

ベッドの横にある机の上に置いてある鏡を見る。そこには封印する前の老婆みたいな白髪ではなく敬愛する姉と同じ金髪の髪が映っていた。

長年見ていなかった本来の自分の姿を見て数秒硬直していた。

 

 

ラミア 「………う、嘘。も、元の姿に戻って、でも一体何故!?」

 

 

ミズキ 「目が覚めましたか」

 

 

声のした方を向くと水色の髪をした女性が立っていた。

 

 

ラミア 「あ、あなたは?」

 

 

ミズキ 「申し遅れました。雷霆の庭所属、ミズキ=オルタンシアと申します」

 

 

ラミア 「雷霆の庭って、あの二桁最強の!?て事は私を戻してくれたのはゼウス様と言う事ですか?」

 

 

ミズキ 「いえ。貴方様を戻したのは別の方です。その方はゼウス様の大親友です」

 

 

ラミア 「ぜ、ゼウス様の大親友ですか!?一体その方は?」

 

 

ミズキ 「二階堂 悟様。この雷霆の庭においてゼウス様と同等には私達が慕っている方です」

 

 

ラミアは心底驚いている。ゼウスの大親友というとこにも驚いているが、雷霆の庭のメンバーが主神であるゼウスと同等に慕っているというのは異常なほどであるからだ。

 

 

ラミア 「そ、その二階堂様は一体どちらに?」

 

 

ミズキ 「今でしたらキッチンにいらっしゃいます。今日は悟様のコミュニティで打ち上げをするのでそのための料理を作っていらっしゃいます」

 

 

ラミア 「二階堂様は雷霆の庭の所属では無いのですか?」

 

 

ミズキ 「悟様はノーネームの所属です。ただしラミア様の姉、レティシア=ドラクレア様もそこに所属していますが」

 

 

ラミア 「お姉様が所属しているのですか!?」

 

 

ミズキ 「ええ。悟様はレティシア様へのサプライズとしてラミア様を救ったと仰っていました。最も本音はラミア様の事を考えてでしょうが」

 

 

ラミア 「私の事……ですか?」

 

 

ミズキ 「悟様も時々素直では無いですから。ラミア様の呪いの事も詳しかったですし、その時は本気で怒っていました」

 

 

ラミア 「ですが、何故会ったことのない私の事を」

 

 

ミズキ 「そこについては本人に聞いてみるのが良いかと。キッチンはこの部屋を出て右に進めばあるので。私はこれで」

 

 

そう言うとミズキは部屋から出ていく。ラミアは少し悩んだがお礼も兼ねて会いに行くことにした。

 

 

 

歩いて数分するとキッチンについた。そこでは悟が料理をしていた。ラミアに気づいたようで声をかけてくる。

 

 

悟 「おっ、もう起きたのか。気分はどうだ?」

 

 

ラミア 「お陰様で快調です。貴方様が二階堂様でしょうか?」

 

 

悟 「おう。俺が二階堂 悟だ。気軽に悟で良いが」

 

 

ラミア 「いえせめて悟様と」

 

 

悟 「まあいいか」

 

 

ラミア 「改めて、私の姿を戻してくださりありがとうございました。もう二度と戻れないと思っていましたので」

 

 

悟 「気にするな。それに姉妹が離れ離れなのは辛いだろうしな。それとそろそろノーネームに帰るんだが、一緒に来てもらっても良いか?」

 

 

ラミア 「勿論です。ですが私がお姉様に会っても良いんでしょうか?」

 

 

悟 「そんなの良いに決まってる。それにラミアも会いたいんだろ」

 

 

ラミア 「それは勿論です!」

 

 

悟 「なら良いじゃねぇか。レティシアもずっとラミアを探してたぞ。妹に会いたい一心でな」

 

 

ラミア 「お姉様が……分かりました」

 

 

悟 「じゃあ行くか。後申し訳ないが、行く時にフードを被ってもらって良いか?一応サプライズってことにしたいからな」

 

 

ラミア 「分かりました」

 

 

そうしてラミアと悟は雷霆の庭を出て、ノーネームのホームに向かった。

 

 

 

             〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

十六夜•飛鳥•耀 「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん」」」

 

 

黒ウサギ•ジン 「「え?」」

 

 

飛鳥 「え? じゃないわよ。だって今回のゲームで活躍したのって私達だけじゃない? 貴方達はホントにくっ付いてきただけだったもの」

 

 

耀 「うん。私なんて見えない相手に吹っ飛ばされたし」

 

 

十六夜 「つーか挑戦権持ってきたの俺と悟だろ?だから所有権は2:2:3:3で良いだろ」

 

 

黒ウサギ 「何を言っちゃってんでございますかこの人達!?」

 

 

最早ツッコミが追いつかず黒ウサギは混乱する、同様にジンも混乱する。

 

 

飛鳥 「そういえば悟君はどうしたの?」

 

 

十六夜 「ゲームが終わってからなんかやる事あるからってどっか行った。後打ち上げまでホーム空けるとも」

 

 

飛鳥 「まあ、そのうち帰って来るでしょう」

 

 

十六夜達が悟について話している中、当事者であるレティシアは冷静だった。

 

 

レティシア 「んっ………ふ、む。そうだな。今回の件で、私は皆に恩義を感じている。コミュニティに帰れたことに、この上なく感動している。だが、親しき仲にも礼儀あり、コミュニティの同士にもそれを忘れてはならない。君達が家政婦をしろというのなら、喜んでやろうじゃないか」

 

 

黒ウサギ 「レ、レティシア様!?」

 

 

黒ウサギの焦りは今までにないくらいだ、尊敬していた先輩をメイドとして扱わなければならないことになるなんて

 

 

飛鳥 「私、ずっと金髪の使用人に憧れていたのよ。私の家の使用人ったらみんな華も無い可愛げの無い人達ばかりだったんだもの。これからよろしく、レティシア」

 

 

レティシア 「よろしく……いや、主従なのだから『よろしくお願いします』の方がいいかな?」

 

 

耀 「使い勝手がいいのを使えばいいよ」

 

 

レティシア 「そ、そうか。……いや、そうですか? んん、そうでございますか?」

 

 

十六夜 「黒ウサギの真似はやめとけ」

 

 

ヤハハと笑う十六夜。意外と和やかな四人を見て、黒ウサギは力無く肩を落としながらうなだれるのであった。

そんな時悟がドアを開けて入って来た。隣にはフードを被った人物がいる。

 

 

悟 「戻った。お、レティシアは起きたのか」

 

 

レティシア 「ああ。お陰様で調子はいいよ」

 

 

十六夜 「何してたんだ?それに隣のやつは誰だ?」

 

 

悟 「まあちょいと野暮用をな。隣のやつは新しいメンバーだ」

 

 

黒ウサギ 「新しいメンバーですか?」

 

 

悟 「ああ。自己紹介頼んでいいか?」

 

 

悟がそう言うとフードの人物はフードを外す。フードを外すとそこにはレティシアに似た金髪を持ち、紅い瞳を持った女性がいた。

 

 

ラミア 「ラミア=ドラクレアです。今日からノーネームに入ることになりました。よろしくお願いします」

 

 

十六夜 「ドラクレア?そいつは」

 

 

黒ウサギ 「レティシア様と同じです!?」

 

 

飛鳥 「それって」

 

 

各々が驚きを示す中、1人ラミアに飛びつくものがいた。レティシアだ。

 

 

黒ウサギ 「レ、レティシア様!?」

 

 

普段はこの様な事をしないレティシアだからこそ黒ウサギも驚いている。

しかしそんな驚きも今のレティシアに気にする余裕などない。

 

 

レティシア 「……ラミア……なのか?」

 

 

ラミア 「……はい。お姉様。貴方の妹のラミア=ドラクレアです」

 

 

レティシア 「ラミア……よかった!また会えて」

 

 

ラミア 「お姉様!……お姉様!」

 

 

二人の姉妹の感動の再会である。黒ウサギはもちろん、飛鳥や耀も泣いている。

 

 

悟 「(あんま姉妹の感動シーンに水差したくねぇし、まだ作る料理もあるからな)」

 

 

そう思いながら悟は部屋を去っていった。

 

 

 

        〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

耀 「あれ?悟は?」

 

 

飛鳥 「本当ね。いつの間にか居なくなってるわ」

 

 

十六夜 「まあ悟の事だ。恐らく長年離れ離れだった姉妹の感動の再会に水を差したくないとかだろう」

 

 

黒ウサギ 「しかし一体悟さんは何故ラミア様の事を知っていたのでしょうか?」

 

 

レティシア 「そこは確かに不思議だな」

 

 

ラミア 「そうですね」

 

 

黒ウサギ 「レティシア様、ラミア様!?お話はもうよろしいので?」

 

 

レティシア 「ああ。これからはいつでも会えるしな」

 

 

ラミア 「ええ。それに黒ウサギさんの言う事も気になりますしね」

 

 

レティシア 「私もラミアを長年探し続けていたが、手掛かりは全く見つかっていなかったんだ」

 

 

ラミア 「私が自分自身を封印していましたから無理もありません。それに封印場所も誰にも言わなかったのですが」

 

 

十六夜 「となると雷霆の庭も知らないってことか」

 

 

ラミア 「そのはずです」

 

 

飛鳥 「まあこれに関しては本人に聞けば良いんじゃないの?」

 

 

十六夜 「そうだな。基本悟は恩恵を隠してるって訳では無さそうだしな」

 

 

耀 「そうしたらいい。それよりさっきからいい匂いが漂ってくる」

 

 

飛鳥 「これは今日の打ち上げも期待できそうね」

 

 

黒ウサギ 「YES!楽しみなのですよ」

 

 

レティシア 「むぅ。そう言うのはメイドの仕事なのでは?」

 

 

十六夜 「こればっかりは相手が悪いかもな。食ってみれば分かるぞ」

 

 

ラミア 「と言うかお姉様、メイドをやるのですか?」

 

 

レティシア 「ああ。彼らに助けてもらった恩返しでな」

 

 

ラミア 「でしたら私もやります」

 

 

レティシア 「無理にやる必要はないぞ?」

 

 

ラミア 「元々メイドには多少興味がありましたから」

 

 

飛鳥 「ならラミアもメイドさんよろしくね」

 

 

ラミア 「お任せ下さい。メイドの仕事こなしてみせます」

 

 

そんな話をしながら打ち上げをするために十六夜達は外へ向かった。

 

 

 

            〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

その日の夜、白夜叉も合流して、ノーネームのメンバー全員は水樹の貯水池付近に集まり、ささやかながら料理が並んだ長机を囲んでいた。

 

 

飛鳥 「だけど、どうして屋外の歓迎会なのかしら?」

 

 

耀 「うん。私も思った」

 

 

十六夜 「黒ウサギなりに精一杯のサプライズってところじゃねえか?」

 

 

悟 「そんな感じだろうな」

 

 

飛鳥 「無理しなくていいって言ったのに……馬鹿な娘ね」

 

 

耀 「そうだね」

 

 

飛鳥の苦笑に耀も苦笑で返す。

 

 

黒ウサギ 「それでは本日の大イベントが始まります!みなさん、箱庭の天幕に注目してください!」

 

 

黒ウサギに言われて天幕を見ると大量の流れ星が流れていた。

 

 

黒ウサギ 「この流星群を起こしたのは他でもありません。我々の新たな同士、異世界からの四人がこの流星群の切っ掛けを作ったのです」

 

 

十六夜•飛鳥•耀 「「「え?」」」

 

 

黒ウサギ 「箱庭の世界は天動説のように、全てのルールが此処、箱庭の都市を中心に回っております。先日、同士が倒した“ペルセウス”のコミュニティは、敗北の為に“サウザンドアイズ”を追放されたのです。そして彼らは、あの星々からも旗を降ろすことになりました」

 

 

十六夜達三人は驚愕し、完全に絶句した。悟は元々知っていたからか、驚きもせず料理を作り続けていた。

 

 

飛鳥 「……なっ……まさか、あの星空から星座を無くすというの!?」

 

 

刹那、一際大きな光が星空を満たした。そこにあったはずのペルセウス座は、流星群と共に跡形もなく消滅していたのだ。

ここ数日で様々な奇跡を目の当たりにした彼らだが、今度の奇跡は規模が違う。

言葉を失った三人とは裏腹に、黒ウサギは進行を続ける。

 

 

黒ウサギ 「今夜の流星群は“サウザンドアイズ”から“ノーネーム”への、コミュニティ再出発に対する祝福も兼ねております。星に願いをかけるもよし、皆で鑑賞するもよし、今日は一杯騒ぎましょう♪」

 

 

飛鳥の驚きに黒ウサギは笑みを浮かべて返す。嬉々として杯を掲げる黒ウサギと悟、子供達。だが三人はそれどころではない。

 

 

飛鳥 「星座の存在さえ思うがままにするなんて………ではあの星々の彼方まで、その全てが、箱庭を盛り上げる為の舞台装置という事なの?」

 

 

耀 「そういうこと………かな?」

 

 

その絶大ともいえる力を見上げ、二人は茫然としている。が、十六夜だけは、流星群を見ながら感慨深くため息を吐いていた。

 

 

十六夜 「………アルゴルの星が食変光星じゃないところまでは分かったんだがな。まさかこの星空の全てが箱庭の為だけに作られているとは思わなかったぜ………」

 

 

星空を見上げ、先ほどまでペルセウス座が輝いていた場所を見る。  星の位置を自由に遊び、ソラの彼方まで支配するような絶大な何かが、この箱庭にはあるのだ。

感動を補充するように眼を細めると、元気な声が十六夜を訪ねる。 

 

 

黒ウサギ 「ふっふーん。驚きました?」

 

 

黒ウサギがピョンと跳んで十六夜の元に来る。十六夜は両手を広げて頷いた。

 

 

十六夜 「やられた、とは思ってる。世界の果てといい水平に廻る太陽といい………色々と馬鹿げたものを見たつもりだったが、まだこれだけのショーが残ってたなんてな。おかげ様、いい個人的な目標もできた」

 

 

黒ウサギ 「おや?なんでございます?」

 

 

コミュニティの目標ではなく、十六夜個人の目標。黒ウサギでなくとも興味があるに違いない。

十六夜は消えたペルセウス座の位置を指さし、

 

 

十六夜 「あそこに、俺達の旗を飾る。………どうだ?  面白そうだろ?」

 

 

今度は黒ウサギが絶句する。しかし途端に弾けるような笑い声を上げた。

 

 

黒ウサギ 「それは………とてもロマンが御座います」

 

 

十六夜 「だろ?」

 

 

黒ウサギ 「はい ♪」

 

 

満面の笑顔で返すが、その道のりはまだまだ険しい。奪われた物を全て奪い返し、その上でコミュニティを更に盛り上げなければならないのだから。

だが他の三人も反対はしないだろう。そんな予感が十六夜にはあった。

 

 

"家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い"それだけの対価を支払った彼らの新しい生活は、まだ始まったばかりなのだから。

 

 

 

悟 「お、二人ともここにいたのか」

 

 

白夜叉 「なんだ黒ウサギ、もしかして相引きか?」

 

 

黒ウサギ 「違います!」

 

 

十六夜 「ああ。黒ウサギは相引きするならさ……」

 

 

黒ウサギ 「何言っちゃてるんですかこの問題児様!?」

 

 

黒ウサギは慌てて十六夜を止める。しかしその顔は真っ赤に染まっている。

そんな時悟のコールカードが鳴った。

 

 

悟 「こちら悟」

 

 

ゼウス 「悟、すまん」

 

 

悟 「ゼウスか。何があったんだ?」

 

 

ゼウス 「………さっき、うちに……朱里が来た」

 

 

悟 「……まじで?」

 

 

ゼウス 「まじ。そんで悟がノーネームにいることバレた」

 

 

悟 「そこは頑張れよゼウスーーー!!」

 

 

ゼウス 「仕方ねぇだろ!あいつ基本的にはお前の言う事しか聞かねえし!」

 

 

悟 「まあそうなんだが」

 

 

ゼウス 「まあそう言うわけだから後任せた」

 

 

悟 「非常に不本意だがわかった」

 

 

悟はゼウスとの通話を終えた。それと同時に黒髪に水色の目をした女の子が目の前に現れた。

 

 

??? 「悟、久しい」

 

 

悟 「ああ。にしてもほんとに突然すぎだろ朱里」

 

 

朱里 「しばらく悟に会えなかったから」

 

 

悟 「それは悪かったが」

 

 

朱里 「悟、今はノーネームにいる?」

 

 

悟 「ああ」

 

 

朱里 「なら我も入る」

 

 

悟 「そうなるよな。はあーー。黒ウサギ、こいつ入れてもいいか?」

 

 

黒ウサギ 「構いませんが、その子は一体?」

 

 

白夜叉 「少なくとも私もこの娘が近づいて来たのに気づけんかった」

 

 

悟 「それは仕方ねぇよ。何て言ったって朱里は全盛期の白夜叉より強いからな」

 

 

白夜叉 「な、それは本当なのか主様!?」

 

 

朱里 「悟、何故白夜王がここにいる?」

 

 

悟 「白夜叉が今俺に隷属しているからだ。後本当だ白夜叉」

 

 

その返答に黒ウサギと白夜叉は驚愕する。それも当然だろう。白夜叉の全盛期の時の強さはそれこそ計り知れない。敗北をし、霊格が縮小してようやく箱庭席次十番となったのだ。

ゼウスよりも強い白夜叉のさらに上をこの少女は行くという。

まあ性格には強いと言うのは表現が違う気はするが。

 

 

悟 「取り敢えず自己紹介しておけ」

 

 

朱里 「分かった」

 

 

そう言うと朱里は前に出る。

 

 

朱里 「我の名前は朱里。元の名前は退廃の風(エンド•エンプティネス)

 

 

白夜叉•黒ウサギ 「「なっ!?」」

 

 

白夜叉と黒ウサギはこれ以上無いほどの驚愕を見せる。それもそうだろう。箱庭の世界に住む人にとってその名前を知らない人の方が少ない。

“魔王”を天災たらしめるそのものだからだ。

 

 

白夜叉 「ありえん!退廃の風(エンド•エンプティネス)は天災であるが故に知性は無かったはず。それがしかも擬人化するだと」

 

 

朱里 「我もそこは知らない」

 

 

黒ウサギ 「ど、どう言う事ですか?」

 

 

朱里 「我は元からこの姿だった。言ってしまえば我は退廃の風(エンド•エンプティネス)の性質を持った人間の様なもの」

 

 

白夜叉 「一応聞くが色は」

 

 

朱里 「我の髪の色通り」

 

 

白夜叉 「やはりか」

 

 

十六夜 「気になったんだが色って何だ?」

 

 

白夜叉 「退廃の風(エンド•エンプティネス)には色が存在している。黒が1番強く、白が1番弱い。つまりこやつは1番強いやつという事だ」

 

 

十六夜 「へぇ。そいつは面白ぇな。全盛期の白夜叉以上か」

 

 

白夜叉 「と言うかおんしはタイムリミットまでは出てこないのでは」

 

 

朱里 「それはまた別の個体。それが本来の退廃の風(エンド•エンプティネス)。私は別に存在していても無差別に霊格を退廃させたりしない」

 

 

白夜叉 「驚きすぎて言葉が出んわ」

 

 

朱里 「それに我は悟がいる限りそんな事しない」

 

 

黒ウサギ 「そ、そう言えば何故悟さんにそこまで執着してらっしゃるんですか?」

 

 

朱里 「悟は特別。我が唯一霊格を退廃させられなかった」

 

 

黒ウサギ•白夜叉 「「!?」」

 

 

悟 「こればっかりは俺も何でか知らねぇんだよな。ゼウスも知らねぇし」

 

 

朱里 「だから我は悟に興味を持った。悟と行動していくうちに悟は我の唯一無二の存在になった。だから我は悟の言うことは何でも聞く」

 

 

白夜叉 「主様は天性のたらしだの」

 

 

黒ウサギ 「全くです」

 

 

悟 「ってわけでしばらく会えて無かったのもあって流石に追い返すのは忍びないからノーネームに入れてもらえねぇか?」

 

 

黒ウサギ 「勿論です!むしろこちらからお願いしたいくらいです!」

 

 

悟 「だそうだ朱里。取り敢えず基本的には俺と行動な」

 

 

朱里 「ん。ありがとう月のウサギ」

 

 

黒ウサギ 「は、はい。それと黒ウサギのことは黒ウサギとお呼びください」

 

 

朱里 「ん、分かった。よろしく黒ウサギ」

 

 

黒ウサギ 「はい!」

 

 

 

こうしてノーネームに新しくレティシア、ラミア、朱里の三名が入った。勿論レティシア達に朱里を紹介した時には白夜叉同様に驚いていた。

この時悟には十六夜同様の確信があった。

 

 

悟 「(この世界は面白くなりそうだ。颯お前も面白おかしくそっちの世界を楽しめよ)」

 

 

ここにはいない親友もきっと転生先の世界を楽しんでいるであろうという事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?
自分で書いていてはちゃめちゃだなと思いますが完結目指して頑張っていきたいと思います。


ラミア 「あの私への質問は?」


そうでした。では今回の件を通じて悟君をどう思いましたか?


ラミア 「感謝しかありません。姉様に再び会えましたから」


では異性としては?


ラミア 「そ……それは(照れ)」


これは脈アリですね。それではまた次回!
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