問題児達と最強のオタクが異世界から来るそうですよ?   作:炎龍王アキラ

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本編17話目、2章3話目です!今回はゲストは無しです。


まずは謝罪を。投稿が約1年半空いてしまい誠に申し訳ありませんでしたぁぁ!!
理由は様々ありますが、今後はそれぞれの作品を月2話ずつ投稿orダンまちと問題児作品を3話ずつ投稿を心がけていきたいと思います。



では大変お待たせ致しました。本編スタートです!


17話  全能神がサラマンドラにお邪魔するようですよ!

兵士に付き添って入ってくるのは燃え滾るような深紅の髪をたなびかせ、金色の瞳では全てを見透かすかのような威圧感を兼ね備えている男と、水色の髪にアメジストの瞳のメイド服の女性。

箱庭最強コミュニティ『雷霆の庭』主神『全能神』ゼウスと『神秘(ミスティクス)』ミズキ・オルタンシアがそこにはいた。

 

 

 

ゼウス 「よぉ、悟。お前のとこのコミュニティは血気盛んだな。ここに着いて直ぐにやらかすとは思わなかったぜ」

 

 

悟 「やったのはウチで一番の戦闘狂(十六夜)と箱庭の貴族(黒ウサギ)だ。まぁ黒ウサギも巻き込まれた側ではあるがな」

 

 

元の原因は飛鳥達がこの火龍生誕祭を隠していた黒ウサギたちへの意趣返しという形で家出をしたことだしな。

しかもあんなメッセージ付きだからそりゃ普段温厚?な黒ウサギも怒り狂うというものだ。

 

 

悟 「つぅかお前こそどうしてここに降りてきた?今まで『雷霆の庭』が下層に降りてくるのはほとんど無かったんじゃねぇか?」

 

 

ゼウス 「そんなもんお前がこの火龍生誕祭に来るから面白そうなことになると思って降りてきただけだ」

 

 

悟 「そんなことのためにわざわざミズキまで連れてきたのかよ。まぁお前が下層に降りるためには手段が限られてるから仕方ねぇか」

 

 

本来三桁以上の物が下層に来るためには忉利天の使用が必要不可欠だ。三桁以上に座す強力な神霊たちが本来の姿のまま下界に顕現すれば、その存在だけで天地を揺るがす災害となりかねないため、その余波を軽減するために造られ、星辰体(アストラル)と物質体(マテリアル)を相互可逆させ環境に合わせた最善の姿で神霊や星霊を顕現させる必要がある。そのために必要なのが忉利天だ。

 

 

忉利天とは天軍を出撃させるために用意された現世と天界を繋ぐ門。この天門以外の方法で下層に降りる事は原則として禁じられており、天軍の所属コミュニティ以外の者が使用する際には帝釈天の許可が必要となる。

 

 

しかし、例外が存在する。それは天門と同じ性質を持つ恩恵(ギフト)の存在だ。それこそがミズキの持つ恩恵(ギフト)。ここでは詳細は省くが、ミズキの恩恵(ギフト)の能力の一つに天門と同じ性質を持つ『次元間移動(ディメンションワープ)』がある。これは下層ー上層間を移動できるだけでなく、別世界への移動も可能とする。それこそ箱庭から十六夜や飛鳥がいた世界に転移することも可能だ。

まぁこれはミズキの恩恵(ギフト)のほんの一部に過ぎないのだが。本質はもっと別の物だからだ。

 

 

話がそれてしまったが、ミズキはその特異な恩恵(ギフト)を持っているため独自に下層に行くことを許可されている。今回ゼウスが下層にこれたのはミズキの恩恵(ギフト)を使ったのだろう。

 

 

ゼウス 「悪いな、サラマンドラ。アポなしで来ちまってな」

 

 

マンドラ 「い、いえ」

 

 

ゼウスがサラマンドラ頭首たるサンドラに謝罪をする。だが、肝心のサンドラは緊張からかビクビクと怯えている。

怯えているサンドラに代わって兄のマンドラが対応をする。しかし、彼の頬にも少量の汗が流れ落ちている。

 

 

まぁ無理もない。上層、それもよりによって来訪してきたのが箱庭最強コミュニティ『雷霆の庭』主神にして箱庭席次第11番『全能神』ゼウスだ。箱庭最強種の一角『生来の神霊』の中でも最強。箱庭庭席次第10番の白夜叉が現在弱体化しているのや、一桁の階層というイレギュラーを除けば現在の『箱庭最強』。それこそが目の前にいるゼウスという神だ。

 

 

ゼウス 「まぁ本題に入ろうか。今回魔王が襲来するという事は聞いている」

 

 

白夜叉によってもたらされたサウザンドアイズからの情報で初めて知った魔王襲来の情報を既に知っているというゼウス。そこからは『雷霆の庭』の情報取集能力の高さが伺える。

 

 

ゼウス 「はっきりと言うが、今回俺とミズキは魔王討伐には動かない。それを伝えるためにここに来た」

 

 

マンドラ 「なっ!?」

 

 

マンドラを含めたサラマンドラの兵士達からの驚愕の声が止まらない。「魔王襲来の兆しあり」という不穏な報告の後に見えた『雷霆の庭』という希望。それが無くなったのだから。

白夜叉がいるとはいえ魔王とはそれだけ箱庭で恐れられている存在。それ故、2人とはいっても箱庭最強コミュニティという称号はそれほど重い。

 

 

マンドラ 「な、何故ですかゼウス様!?」

 

 

ゼウス 「まぁ、理由としては俺が出るまでもないってことだ。悟がいるだけでも戦力過剰だぞ?それに十六夜とやらもかなりできるらしいからな。そんな中に俺やミズキが入ったらもうヤバいだろ」

 

 

実際にゼウスとミズキが入ったら戦力過剰にも程があるんだよな。

 

 

ゼウス 「まぁ別に討伐に動かないだけだ。住人たちの避難とかは手伝ってやる。今回俺らがいるのはイレギュラーだからな。折角新しい階層支配者も生まれたってのに俺らが動いたら貴重な経験が積めないだろ?

魔王襲来なんて中々経験できることではねぇからな。それにこれを突破出来たら階層支配者として伸びるだろうしな」

 

 

ゼウスはマンドラを見ながら自身の意思を伝える。これは……気づいてるな。まぁこの先のことも考えるとサンドラの経験を積むのは必須だからな。ゼウスの行動はかなり理にかなっている。

いずれ訪れる厄(・)災(・)に備えるためにはここでの過剰な手助けはナンセンスだ。

 

 

悟 「了解。ミズキも悪いな。俺のせいで余計な仕事増やしちまった」

 

 

ミズキ 「いえ。いつものことですから」

 

 

悟 「今度そっち行ったときにゼウスの分の菓子はミズキの方に分配しとくな」

 

 

ゼウス 「俺がとばっちり受けるのかよ!?」

 

 

悟 「当たり前だ。俺が理由とは言え、お前がここに来るためにミズキが追加の仕事をしなきゃいけないんだからよ」

 

 

実際、こいつがよく書類仕事をサボったりするせいで雷霆の庭の仕事が滞るのは日常茶飯事になりつつある。そのたびにアリスがゼウスを探して仕事をさせるということになる。そして仕事の量が山積みになったら俺にヘルプを求めてくるまでが一連の流れになる。

 

 

しかし魔(・)王(・)襲(・)来(・)な(・)ん(・)て(・)中(・)々(・)経(・)験(・)で(・)き(・)る(・)こ(・)と(・)で(・)は(・)な(・)い(・)ねぇ。普通は魔王襲来というとサラマンドラみたいに細心の注意を払ったうえで被害をどのように抑えるかと考えるものだ。魔王とはまさに厄災そのもの。そんな魔王襲来をあくまでも経験としか見ていないのは流石二桁最強というべきだ。

 

 

悟 「(まぁゼウスの強さは俺がよく知ってるからな)」

 

 

サウザンドアイズの支店で見せた白夜叉の実力よりも文字通り次(・)元(・)が(・)違(・)う(・)。力を制限されて4桁の能力まで落とされている今の白夜叉ではゼウスには手も足も出ない。それほどまでにゼウスという男は強い。今の白夜叉に勝てるやつ出なければゼウスの相手にもならないという事だ。

 

 

ゼウス 「ちっ、しゃあないか。とりあえず要件も終わったし俺らはここらで退出するわ。頑張れよ、サラマンドラにノーネーム」

 

 

ミズキ 「それでは失礼いたします。悟様。スイーツを楽しみにしております」

 

 

要件が終わり頭首の部屋を出ていくゼウス。ミズキもそれに続いて部屋を退出していく。残されたメンツは様々な反応をしている。

 

サラマンドラは唐突に来訪したゼウスの魔王襲来に手を貸さないと言われて絶望してる兵士、対象的に自分たちでもなんとかしてやると熱意を燃やす兵士。状況をうまく吞み込めていないサンドラに険しい表情を浮かべるマンドラ。

 

ノーネームはこの状況を面白く思い笑みを浮かべている十六夜。慌てている黒ウサギ。サンドラ同様に状況を呑み込めていないジン。

 

そして呆れた表情を浮かべる俺と白夜叉。そして俺の背中に引っ付いている朱里。白夜叉も俺らが参戦することまでは予想通りではあったがゼウスの来訪は完全に予想外だったらしい。まぁ無理もないが。

 

そうして様々な心境のまま俺たちノーネームと白夜叉はサラマンドラの拠点を後にするのだった。

 

 

 

 

 

ーーーーーー境界壁の展望台・サウザンドアイズ旧支店

 

 

店員 「お風呂へ駆け足ッ!! 今すぐです!」

 

 

サラマンドラの拠点から移動していた俺、十六夜、黒ウサギ、ジン、朱里、白夜叉。白夜叉から「魔王について話し合いをしたいのでサウザンドアイズの旧支店についてきてくれ」との事だったので向かい店に着いたところで別行動をしていた飛鳥とレティシアを発見した。割烹着姿のいつもの店員に丁度お風呂に案内(強制)されようとしているところだった。普段の優雅な飛鳥とは違い、服はところどころ破けそうなくらいボロボロになっており、髪にも汚れが付着している。

 

 

悟 「飛鳥達も丁度帰りか。やけにボロボロだがどうかしたのか?」

 

 

飛鳥 「なんてことないわ。少しはしゃぎすぎた結果よ」

 

 

悟 「丁度風呂に案内されるところなのか。なら黒ウサギ達も飛鳥達と一緒に入ってきたらどうだ?俺と十六夜も風呂に入るつもりだからな」

 

黒ウサギ 「そうですね。誰かさん達のせいで走りまわされましたからね」

 

白夜叉 「丁度よいし入るとするかの」

 

朱里 「ん。我も入る」

 

そうして男子組と女子組に分かれてそれぞれお風呂に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お風呂を入り終えた俺と十六夜、ジンは用意された来賓室で飲み物を飲み、くつろぎながら談笑していた。飲み物は俺のギフトカードから出したものだ。それぞれ、コーヒー牛乳(悟)、フルーツ牛乳(十六夜)、イチゴ牛乳(ジン)である。

 

 

十六夜 「そんで、悟は今回の騒動でどう動くつもりなんだ?」

 

 

唐突に十六夜が今回の魔王襲来についてどう動くのかと尋ねてくる。

 

 

悟 「どう動くと言ってもな。今の時点で言えることとしては面白そうな事が起こったら首を突っ込むとしか言いようがないな」

 

 

いつ魔王が来るか、どんな恩恵を持っているか、何人構成なのか等の情報を知ってはいるがそれを教えてはつまらないしな。

 

 

悟 「とはいっても基本的には今回はサポートに徹することになりそうだがな。どうせ十六夜の事だ。魔王と相対したら真っ先に戦おうとするだろ?」

 

 

十六夜 「そりゃそうだろ。魔王なんて面白そうなもの俺が逃すわけないだろ」

 

 

ジン 「本来は魔王の存在を面白がる人なんていないはずなんですがね……」

 

 

俺らに常識を求めるのは間違ってるぞジン。まぁ十六夜も俺も一般常識等は持ち合わせてはいるがそれよりも面白い出来事や人物には目がないというだけだ。特に十六夜は退屈な世界から来たらしいからそういうのは俺よりも飢えているからな。

 

 

十六夜 「そうは言うけどよ御チビ様よ、こちとらあのペルセウスのボンボン坊ちゃんの時は消化不良だったんだから魔王って聞いたら心躍らずにはいられねぇんだよ。次の奴は俺を楽しませてくれるといいんだけどよ」

 

 

そうは言うが今の十六夜の戦闘力は見ただけでも六桁の敵では相手にもならないし、五桁の奴らも基本的には勝てる気がする。そもそも十六夜の恩恵が反則だからな。並みの相手では勝負にもならない。権能ですら概念的な攻撃は無効化される。加えて十六夜が自分自身の意思で恩恵の能力を使えるようになったら四桁でも勝つことが出来る可能性がある。それこそゼウスの相手にはなると思う。

 

弱点を上げるとするなら無効化するのはあくまでも概念的な攻撃という事なので物理を伴う攻撃なら普通にダメージを負うという事だ。そのため武術に精通している相手となると十六夜の天才的なセンスを用いても苦戦を強いられる可能性がある。

 

 

今のノーネームの中で俺を除けば最強候補の一人だ。コミュニティの最強候補は今現状四人。そのうちの一人は黒ウサギである。この二人が直接対決をした場合、恐らく6:4くらいの勝率で十六夜が有利だろう。黒ウサギの切り札である疑似神格・金剛杵(ヴァジュラ・レプリカ)や疑似神格・梵釈槍(ブラフマーストラ・レプリカ)を使ったとしても十六夜はその二つについている絶対的とも言える効果すらも無効化してしまう。

 

 

しかしそうはいっても黒ウサギも箱庭の貴族と呼ばれる月のウサギだからこそ、身体能力のスペックがかなり高い。今(・)の(・)十(・)六(・)夜(・)ならその二つを武器として高水準で扱うことが出来るのなら勝てる可能性はある。

ただ、本人の性格がそこまで戦い向きではないとは思うが。

 

 

ちなみに後の二人はラミアとレティシアである。白夜叉はまだノーネームに移籍していないので除外する。朱里に至ってはそもそも戦闘という次元で測ることが出来ないので白夜叉同様に除外とする。

 

ラミアは救出する際に<>(アイン)で恩恵の代償と子喰らいの呪いを消している。“全能の逆説”のパラドックスゲームによって霊格を封じらているがゆえに今は実力が落ちているがそれでも四桁ほどの実力を有している。特定の条件下においては全盛期の能力を取り戻すことが可能なのだが現状の本人の能力ということでは四桁クラスとなる。

 

 

レティシアも神格を失ったことで弱体化をしているが吸血鬼の純血と今までの経験からも弱体化した尚その実力は六桁、五桁下位程度では相手にもならないし五桁上位の相手とも勝負することが出来るだろう。

ただし現状の実力を考えると他3人に比べると少し劣る面がある。

 

 

悟 「(魔王襲来とはいえこの4人がいるに加えて俺も入れるとなるとマジで過剰戦力にもほどがあるんだよな)」

 

 

そもそも襲来してくる魔王は戦闘が得意とはお世辞にも言えない。勿論間違っても六桁や七桁の相手で勝つことが出来ない程ではあるし、その性質上五桁のコミュニティでも苦戦する可能性は十分にある。だが襲来してくる人数は3人という少人数。これで俺や朱里、ゼウスにミズキまで積極的に戦闘に参加してはそれは最早ゲームではなくただの蹂躙に過ぎない。それ故今回はサポートに回った方が良い。

 

 

悟 「(さて、どう立ち回ろうかね)」

 

 

 

今回の魔王襲来においてどう立ち回るかを考えながら十六夜達と談笑し、女性陣のお風呂上り待った。

 




改めて執筆が遅くなりましたことをここに謝罪いたします。今後とも『問題児達と最強のオタクが異世界から来るそうですよ?』を読んでいただけると幸いです。

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