オルコット家の執事さん   作:フジノ

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初投稿です。


N:0

 

 インフィニット・ストラトス、またはISと呼ばれるそれは、人類を大きく変えた。

 元は宇宙での活動を想定されて作られたものだったらしいが、既存のどんな兵器をも上回る力を有していたことから、各国で主力武器となる。

 しかしそんなISには唯一にして最大の欠点が存在した。

 それは、「ISは女にしか操れない」と言うものである。さすがはMADE IN NIPPONと言うべきか。

 ともかく、強力な兵器を操れるのは女性のみで、各国の軍も要職を女性が担当する風潮が生まれ、それはいつしか女尊男卑へと変わっていった。男にとって生きづらい世の中の完成である。

 

 さて、先程「ISは女にしか操れない」と言ったが、つい先日例外が誕生し、世界的に大きな波紋を呼んだ。

 男でありながら、ISを動かす存在が現れたのだ。

 その者の名は『織斑一夏』と言うらしい。

 第一の故郷日本をはじめ、アメリカやフランス、ドイツ、我がイギリスや他の国でも蜂の巣を突いたかの様に、右に左にの大慌てで、10代の若者を中心に2人目、3人目はいないか検査が実施された。

 

 その結果……

 

「まさかこの様な事態になるとは……お嬢様にはご迷惑をおかけし、誠に申し訳なく存じます」

 

 見事その2人目が発見された。

 ただし、それは他でもない私、『御影雪兎』であった。

 何処か他人事で、自分には関係ないだろうと思っていた。仕事や、家の事を任されていたので、寧ろ適正などない方が良いとさえ考えていた。

 当然国は大慌てである。

 人類で2人目の男性IS操縦者だ。

 しかも、IS操縦者の中で最強の称号と言われる歴代ブリュンヒルデの血縁の者でも無ければ、国の要職に就く者の血縁でも無い。せいぜいが、国の代表候補生の使用人と言う立場である。

 一部の人間の間では実験材料として使いたいと言う思惑があったが、それを我が主人が阻止して下さり、さらにはIS学園へ通える様に尽力して下さったのだ。

 当主としての役目もあり、代表候補生としての役目もありながら、こうして自分を助けて下さったお嬢様には、感謝の念に堪えない。

 

「迷惑だなんて思っていませんわ。それに、大切な執事をIS学園に連れて行けるのは僥倖というもの。ユキト、学園でも私に尽くしてくださいまし」

「もちろんです、お嬢様」

 

 そんな温かいお言葉を掛けてくださるのは、我が主人で、オルコット家の現当主であるセシリア様だ。

 昔の名残で、人目がない時は『お嬢様』と。人前では『セシリア様』と言う様に、簡単にではあるが使い分けている。

 そんなお嬢様に、今日も紅茶と、そして手作りのクッキーをお出しする。クッキーは毎日ではないが、時折こうして作ったものを食べていただいているのだ。

 準備が終われば自分もお嬢様の向かいの席に着く。

 本来ならば主人と同じ席に着く使用人なんてあってはならないが、こうして2人の時は同じ卓でお茶や食事をする事になっていた。

 

「お茶を淹れるのはとても上手になりましたわね……クッキーの方は…….ふふっ、やっぱり普通ですわ」

「お厳しいですね」

 

 そう言いつつ、お嬢様の表情は何処か満足気だ。

 この普通という評価は、クッキーを作る様になってからずっと変わらない。

 まだまだ頑張らねば、そう思いながら、自分もクッキーに手を伸ばす……ちゃんと美味しい。

 スコーンやケーキ等、他のお菓子の時は素直に美味しいと言って下さるが、何故かクッキーだけはいつも普通とおっしゃる。

 正直よくわからないが、お嬢様が満足ならばそれで良い。

 

「ところでユキト、もう準備はできておりますの?」

「もちろんです。荷物から航空券の手配等、諸々済ませております」

「そう。でしたら出発の日まで、基礎理論から学習を進めましょうか」

「はい。御指導ご鞭撻のほど、お願い申し上げます、お嬢様」

 

 入寮日が決められており、IS学園のある日本への出発までまだ時間はある。その間に少しでもと、こうしてお嬢様直々に指導をしていただける事になった。

 これもまた執事としては失格かもしれないが、勉強を見てくださっている時のお嬢様はどこか楽し気なので、私は大人しく勉強に励む事にした。

 これからの学生生活、学園でもお嬢様のおそばに仕えることが出来る喜びはあるが、同時男性のIS操縦者の登場による波乱が起きそうな予感もしている。

 願わくば、お嬢様に何も害が及ばないで欲しいものだ。

 

 




Dr.STONEを読んだり、ISの二次小説を読んだりしてたらふと思いついて書き殴ったお話です。
二次創作含めて小説を書き慣れていなかったり、日本語がめちゃくちゃかもですが、お付き合いくださると幸いです。
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