モンスターハンター 蝕霞の禍神   作:EpoMeta

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第16話 「瀑撃竜の生態」

 ゾルバトギリ群峰の周囲に位置する湿地帯「濁淵の湖沼」の奥には噴火口に水が溜まり成立した大きな湖が存在する。それは群峰の上部から流れる沢や地中からの湧水を水源とし、またここから流れ出る川が他の湿地にも流れ込む更なる水源となっている。

 この豊富な水を背景とする大きな生態系の中には、ビアドンのような草食種や、ヌマスマシ、ムザベランマといった甲虫種、ダクキイレやメイストキンといった瘴胞種が生息し、さらにワラルミドー、ラセツギリガといった小型モンスターを捕食する大型モンスターが生息する。その生態系の頂点に位置する最上位捕食者が「瀑撃竜」マグダレスと呼ばれる魚竜種の大型モンスターである。

 

 マグダレスは現状、濁淵の湖沼の湖においてのみ生息が確認されている。骨格の類似点から魚竜種に分類されているが、鰭のように発達した四肢、四肢に比し大きく発達した胴体や尾部などは最早魚類と言っても差し支えない程水中生活にのみ適応した形態を取っている。肺呼吸を行うが、その空気貯蔵量は他の魚竜種とは一線を画す莫大なものである。口腔の内側には酸素を産生する能力を持つ瘴胞種「ミズヒゲゴケ」が群生しており、これがさらなる水中生活の長期化にも耐える秘密である。体躯も非常に大柄。ゾルバトギリ群峰において確認されているモンスターの中でも、「黴灰竜」モルドゥギラスや「鎧羅竜」デルドゥーガなどがとりわけ大柄な身体を持つが、マグダレスはそれらよりもなお巨大であり、超大型モンスターにも比肩しかねない。これも水中生活により、陸上以上の大型化が可能だった、ということだろう。

 だが、あまりに水中生活に特化した進化を遂げた代償として、陸上に上がることはできない。辛うじて浅瀬での行動は何とか可能であるが、陸上生活を送ることは不可能である。最も、現在のゾルバトギリ群峰の環境下において、後述する生態もあり、陸上生活が不可能であることは問題となっていない。

 

 マグダレス最大の特徴として、体内に卓越して発達した発電器官を有することが挙げられる。その発電力は絶大であり、空気の絶縁性さえ破断するほどの雷電を、単独で形成することができる。その莫大な発電力から体を保護するために全身は非常に分厚い脂肪に覆われている。この脂肪量もマグダレスの巨体の秘密の一つだ。マグダレスはこの脂肪により放電を行っても、自己の臓器への致命的な影響を免れているのである。その発電量であるが、並の小型モンスターならその電撃が直撃した場合即死、大型モンスターであっても瀕死の重傷を負いかねないほど危険なものである。

 興味深いことに、マグダレスは常に微弱な電気を発生させ、それを用いて周囲の環境を探っている。その探知範囲は広く、常に暗いゾルバトギリ群峰、しかも濁った水質の湖においては非常に有用な能力である。浅瀬に着水した小型モンスターの衝撃を、飛竜一頭分程度の深さから探知することができるその察知能力は非常に危険であり、現地に住むシェヴルー達からも恐れられている。数年に一度程度のペースで、不運にもシェヴルー達が犠牲になることがある。

 マグダレスはその発電量から身体機能を防御するために、分厚い脂肪を全身に纏っている。しかし、脂肪の比重は水より軽い。我々人間が水に浮かぶことができるのも、ひとえに脂肪が浮き代わりとなってくれるからだ。あまりにも脂肪量の多いマグダレスは、そのままでは水に浮かぶことはできても沈むことはできない。沈むことができなければ、満足に水中生活を営むことはできないだろう。その問題を解決するために、マグダレスは濁淵の湖沼の水中に含まれるゾルバタイト鉱石などの鉱物を積極的に摂取し「錘」としている。湖沼の水中には様々な鉱物の微細な粒子が漂っており、水質も汚染されている。だが、マグダレスはそれを逆手に取り、自らの行動をより自由化するための手段としている。無論、生態系の頂点に位置するマグダレスは生体濃縮が進んでおり、その上さらに毒性の好物を好んで摂取するため、人間及び他の生物にとっても極めて有害なものとなっている。稀に湖の岸辺にマグダレスの死骸が漂着することがあるが、好んで摂食しようとするモンスターはいない。マグダレスの肉の毒性を認識しているからである。それでもなお、愚かにもマグダレスの肉を喰らおうとするモンスターがしばしば現れるが、大概はその毒性にやられしばらく苦しみ続けるが、最悪死に至る場合もある。シェヴルー達の間

でも、決して手を付けてはならないとされている。

 マグダレスは自らを沈める錘として摂取した鉱物を、ただ錘として利用するだけにはとどまらない。金属のその通電性を活かし、自ら発電した電撃を効率よく伝える伝導体として活用するのだ。マグダレスが狩りを行う際、口から大量の水を放出するのだが、その水流の中には無数の微細な鉱物が含まれている。マグダレスは水流ブレスを吐きながら発電することでブレス内の鉱物に通電、指向性を持たせた雷撃を放つのである。常に微細な電流をセンサーとして利用し周囲を探知しているマグダレスの狙いは正確であり、ワラルミドーほどの大型モンスターなら一撃で命中させ仕留めることも可能である。その射程も広く、水面に顔を出した状態から、飛行する飛竜にさえ届くほどである。

 

 マグダレスは肉食を主とした雑食性の生物である。主にワラルミドーやスロインツァ、ラセツギリガなどの大型モンスターを好んで捕食している。ワラルミドーやラセツギリガは水中に潜ってきたところを探知し、高速で泳いで逃さず捕食する。水中生活に特化したマグダレスは、ゾルバトギリ群峰に生息する大型モンスターの中で最も泳ぎが上手いと言っても過言ではない。放電しながら襲い来るマグダレスは、その電撃で獲物を麻痺させ動きを奪い、巨大な口で一呑みにするのである。

 一方で、スロインツァのように常に陸上に生息するモンスターに対してはその狩りの方法は大きく異なる。電流を用いて周囲を観察するマグダレスであるが、陸上までを探知することはできない。そのため微細電流を岸辺の監視に集中するだけでなく、肉眼を用いた直接確認を行い獲物を識別する。沿岸にスロインツァの姿を認めると、水流ブレスと共に雷撃を放つ。運悪く初撃は外れてしまった。衝撃に気づいたスロインツァは湖の水面に向き直り、襲撃者マグダレスの存在を認めると、態勢を整え咆哮する。水面を高速で泳ぐマグダレスは、小規模な電撃を細かく放ち、スロインツァを追い詰めようとする。その電撃をスロインツァは小刻みなステップで辛くも躱す。がしかし、息もつかせぬ電撃の連射がスロインツァの脚を捉えた。電撃により足が麻痺し、スロインツァの動きが遅くなる。その僅かな隙をマグダレスは見逃さない。稲光を伴う必殺の電撃砲を口腔から放ち、スロインツァを一撃で絶命させる。電撃の直撃を受け、浅瀬に倒れ伏すスロインツァ。纏った甲殻の隙間からは黒煙が吹きあがっている。電撃はスロインツァの肉に熱を与え、その一部を焼いてしまったようだ。動きを止めたスロインツァにマグダレスが迫る。自らの腹部が地面につくほどの浅瀬では、マグダレスは這い寄るばかりの動作しかできず、非常に緩慢だ。ようやくの思いでスロインツァに元にたどり着いたマグダレスは、その口を大きく開きスロインツァの首元にかぶりつく。そのままゆっくりと向きを転換し、湖の中へと戻っていった。おそらく、外敵のいない水中でゆっくりと捕食するのだろう。

 

 これらの生態から、マグダレスは「深淵の雷光」と呼ばれ恐れられている。ここまでが我々調査隊が現地において確認できたマグダレスの痕跡やシェヴルー達への聞き込みをまとめたものである。我々が水中生活に特化したマグダレスの水中内での様子を観察するにはいくつかの障害があった。

 まず、湖沼自体の水質汚染の状況である。全体が均一というわけではなく、その汚染状況にはムラがあったが、ゾルバトギリ群峰における大気の瘴気量と比較し、およそ二倍の瘴気量を観測できた。この汚染された水に潜り、調査を行うには現在調査隊が利用している防護用簡易装衣では非常に短時間の調査ですら危うい。呼吸器を覆うその装衣を用いて水中での活動を行う行為そのものも運動を妨げ危険である。

 そして、現地に住むシェヴルー達による反対である。濁淵の湖沼に住むシェヴルー達の中には、マグダレスにより命を奪われる者もいる。そうした危険なモンスターの調査に人員を割くことはできない。また、我々調査隊への協力も、群れへのリスクを考えると困難である、ということである。

 だがしかし、蝕霞症候群の解明のためには、ゾルバトギリ群峰における様々な生物類型の蝕霞への適応を調査することが重要なファクターである。湖のシェヴルー達の長であるアクティらとの綿密な話し合いの末、極めて限定的であるが我々調査隊による湖への調査が許可された。

 

 悪天候の多いゾルバトギリ群峰にしては珍しく落ち着いた天候のある日、湖の上に一隻の小舟が漂っていた。私エリンと湖のシェヴルー達の幹部クラスが二人、そして調査隊の名うてのハンター、シオンが乗っていた。彼女は顔回りにミズヒゲゴケを用いた水中探索用簡易装衣を装着しており、腰回りには瘴胞菌樹の菌糸を用いた命綱が巻かれている。

『危険を感じた時にこの命綱を二回引っ張って合図してください。私たちが引き揚げますが、何分すぐにとはいきません。気を付けて』

 幹部シェヴルーがシオンに合図の仕方を伝える。仮面越しの視線にシオンは無言で答える。

「戦うことが目的ではなく、目的はあくまで観察です。マグダレスが水中でどのように生活しているのかを見てください。ですが、未知のモンスターゆえ、どうしても命の保証はできません。どうか無理はなさらず、ご無事で」

 私もシオンにそう伝える。いかに過酷な環境下で強大なモンスターを相手取るハンターと言えども、危険な任務だ。その上、マグダレスの調査がイコールで蝕霞症候群の解明に繋がらないかもしれない。だがしかし、調査隊の他のハンターでは務まらない、彼女にしかできない任務である。

 数度、深呼吸を行い呼吸のリズムを整えると、シオンは静かに湖の中へと飛び込んだ。命綱がするすると水面へと降りていく。この時点で、マグダレスは縄張りに侵入したシオンに気づいているはずだ。固唾を呑んで、シオンからの合図を私たちは待つしかない。

 私はシオンを待つ間、同乗する幹部シェヴルー達に話しかけた。

「貴方達も、ここまでマグダレスに接近した経験は?」

『私たちもここまで湖に船を出したことはありません。非常に危険ですから。今回のことはあくまで特例中の特例です』

「申し訳ございません、皆様のおかげです。後でアクティにもお礼を言わなくては」

『そうですね、無事に帰りましょう』

 濁淵の湖沼に住むシェヴルー達にとっても、この最も大きい湖即ちマグダレスの縄張りは非常に危険であり、近づくことはまずない。水面を滑るように移動する甲虫種「ヌマスマシ」の脚で靴を作り自分も同様に水面を滑ろうとして失敗したシェヴルーの話「ヌマスマシ長者」は、湖の恐怖を伝える教訓話としてシェヴルー達に語り継がれている。それもあり、シェヴルー達が基本的に湖に近寄ることはない。そんな危険地帯に足を踏み入れることができたのは、蝕霞症候群の脅威と、何よりシェヴルー達の善意である。その善意に対し、我々は蝕霞症候群の解明という成果を以て応えなければならない。

 湖面を含め、周囲に注意していると船縁の命綱が不意に動いた。水中に潜るシオンからの合図だ。幹部シェヴルーが力強く命綱を引き揚げる。やや時間差があり、湖面の水がバチバチと震え始める。櫂を漕ぐシェヴルーの手にも力が込められていた。力強くシェヴルーが引き揚げた命綱の先端にシオンはいた。全身が弛緩したその弱々しい姿は普段の彼女からは想像できないが、それでも手にしたランスを握りしめ放さないのは流石である。

「早く、ここから逃げないと……」

「大丈夫、無理しないで!今すぐにここから離れるわ!だから落ち着いて」

 シオンを落ち着かせると、私も櫂を手に取り湖の岸へと船を急がせる。幹部シェヴルーの一人は櫂を漕ぎ、もう一人は船の舵を取りながら、甲虫種ムザベランマの翅から作られた短剣をいつでも引き抜ける状態に保っている。我々が逃げるその状況でも、湖面の水の震えは止まらず、さらに勢いを増す。雷電を受けた湖沼の金属分が複雑な文様を水中に作り出し、次第にその文様は湖中から次第に水面に迫っている。

『……来る!マグダレスだ!』

 舵取りのシェヴルーが叫ぶやいなや、湖面に水飛沫が走る。大口を開けたマグダレスが同時に二体も水面に顔を出した。空気までビリビリと張りつめている。それを確認した我々はマグダレスたちからできる限り離れる。が、様子がおかしい。一体のマグダレスは水面からほとんど動かずもう一体のマグダレスがその周囲を回遊している。周回するように水面に背びれを出しながら泳いでいるマグダレスは、周囲の外敵、即ち我々を警戒しており、大気もバリバリと張りつめている。だが、ある程度一定の距離を取るとマグダレスは追跡をやめ、あまり動かないマグダレスの方へと戻っていく。我々はその一定以上の距離を取りながら、マグダレスの様子を観察する。一体のマグダレスから中々離れようとしないもう一体のマグダレス。それは一方がもう一方を守っているようだ。しばらくの後、中心にいたマグダレスが水中へと潜っていった。もう一体のマグダレスは変わらずに周囲を警戒している。

「何か、殻のようなものが、マグダレスから……」

「殻?もしかしたら、もしかするのかも」

 落ち着きを取り戻したシオンがゆっくりと口を開く。彼女は水中で殻のようなものがマグダレスから出てきたのを見たという。より離れようとするシェヴルーたちを一度留め、一定の距離を保ちながら観察を続けるように私は彼らに伝えた。

『マグダレスだ!だが様子がおかしいな』

『上に乗っかっているのは、アレは何だ』

 さらにしばらくの後、水中に潜っていたもう一体のマグダレスが水面に姿を現した。その様子は湖沼の生態系の頂点に立つ魚竜にしては疲弊した様子が見て取れる。よく目を凝らして見ると、今浮かび上がったマグダレスの頭部には何かが乗っかっているようだ。私は胸元から望遠鏡を取り出すとそのピントを合わせる。

「あれは、マグダレスの幼生?とても小さいわ」

 浮かび上がったマグダレスの頭部に乗っていたのは非常に小さいが、マグダレスと同じような外見をした生物、マグダレスの幼生と断言してもいいだろう。弱り切りわずかにうごめくばかりの様子から推測すると、今生まれたばかりなのだろう。周囲を警戒していたマグダレスが浮かび上がったマグダレスに近づき、その頭上の幼生の様子をうかがう。幼生は息も絶え絶えな様子で痙攣を繰り返すばかりだ。二体のマグダレスはその様子を見て顔を見合わせる。頭上に幼生を乗せたマグダレスは少し力を込めたようだ。それに合わせて幼生の痙攣がより一層大きくなると、開いた口から水を吐き出した。一通り水を吐き出した幼生は、周囲を見回すと、その口を大きく開いて咆哮する。文字通りこの世に産声を上げたのである。

『小さい体にしちゃ大きな声だなぁ』

 舵を取るシェヴルーが呟く。水面は一層荒れており、バチバチとした大気の状態がより顕在化しており、弾かれた水飛沫さえ通電しているように錯覚させた。疲弊しているように見えるとはいえ、マグダレスは非常に気が立っているようだ。これ以上の接触は危険であると判断し、我々は急いで湖から離れた。

 

 シオンによる目撃情報やその後の観察から推測するに、我々が湖面で遭遇したのは、マグダレスの出産の様子であろう。二体のマグダレスの成体は両親であり、周囲を警戒していたのがオス、その中心にいたのがメスであろう。生態系の頂点に立つマグダレスはおそらく少産少死の生き物だ。そのため、出産という生存リスクに大きく関わるタイミングでは、母体や産まれる子供を守る必要がある。おそらく、母体となるマグダレスはその体内に卵を格納し、孵化するまで保護しているのだろう。卵生と胎生の中間のような特殊な出産方法だ。外敵の少ない水中で出産を行うことが、出産時における安全性を確保することに繋がると思われる。出産時には父親のマグダレスが母親のマグダレスの周囲を警護する役割を持ち、自らの探知能力を最大にし周囲を警戒し、外敵が現れた場合は排除を行う。そして母親のマグダレスは水中で出産を行うのだ。

 水中におけるマグダレスの出産は、まず体内にある産卵管から割れた卵の殻が排出される。おそらくは母親のマグダレスが圧力を加えることで殻を割っているのだろうが、もしかしたら、自力で殻を割る幼生もいるのかもしれない。殻が割れた状態になると、母親のマグダレスはさらに産卵管に圧力をかけ、幼生のマグダレスを体外へと出産する。産卵管から姿を現したマグダレスの幼生は、そのまま水中へと投げ出される。だがしかし、マグダレスはもちろんのこと、魚竜種は魚類のようにえら呼吸を行うのではなく、肺呼吸を行う生物である。水中に投げ出された幼生は、そのままだと水の中で呼吸ができず溺れてしまう。そのため、母親のマグダレスは幼生のマグダレスを一度水面に出し、空気が吸える状態にするのである。

 多くの幼生はおそらくこの時点で大気を吸い、初めての肺呼吸を行うのだろうが、一部、呼吸が上手くいかない幼生もいるようである。こうした場合、母親のマグダレスは微弱な電気により幼生に刺激を与え、上手く呼吸ができるようにサポートするようだ。こうして無事にこの世に生まれ落ちたマグダレスは、両親の庇護を受けながら成長していくのであろう。

 

 マグダレスの生態には未だ謎が多い。がしかし、生息域がゾルバトギリ群峰における他のモンスターと比較しても非常に偏っており、個体数自体もそこまで多くないと予測される。シェヴルー達への聞き込みでも、複数体のマグダレスを観察したのは、今回我々が同行した調査が初めてだという。だが、今回のマグダレスの出産を目にした私個人の推論だが、マグダレスは人間に近い高い知能を持っており、自身が発生させる電気信号を用いた同族間での意思疎通ネットワークを有し、個体の出現頻度や場所を調整しているのではないだろうか。マグダレスの生息する湖は大きいだけでなく、非常に深いものだという。陸地のモンスターにいたずらに姿をさらし、不要な危険に同族を晒すよりは、そうした危険を避け、水底でひっそりと暮らしているのかもしれない。何にせよ、水中におけるマグダレスの生活についてはほぼ未解明と言って過言ではない。今後シェヴルー達とも協力し、調査を続けていくことが期待される。ゾルバトギリ群峰における生態上位者は様々な形で特有の瘴気や蝕霞症候群に対応している。これらを研究し解明することが、蝕霞症候群の原因究明と治療法の確立に役立つはずである。

 

―続―

 

マグダレス

種族:魚竜種(魚竜目 無脚魚竜亜目 瀑撃竜上科 マグダレス科)

別名:瀑撃竜(ばくげきりゅう)

危険度:☆5

異名:深淵の雷光

 

生態・特徴

 ゾルバトギリ群峰における大型モンスターの中でも抜きんでた巨体を持つ魚竜種大型モンスター。完全にヒレとして発達した四肢、泳ぐための強靭な尻尾など、完全に水棲生活に特化した進化を遂げていることが特徴。体内には非常に発達した発電器官を備えており、これを用いて周囲を警戒を行う。その発電力から身体を守るために脂肪が発達している。水棲生活を送るために水中に存在する鉱物成分を積極的に摂取する生態を持つ。体内に溜め込んだ鉱物成分と共に吐き出すことで、非常に高い指向性を持つ雷電放射「電撃ブレス」により獲物を感電させ、行動不能にする。

 

素材

 ・瀑撃竜のヒレ

   マグダレスの発達したヒレ。肉厚で骨格も太い。

 ・瀑撃竜の皮下脂肪

   マグダレスの全身にある豊富な脂肪。食用には向かない。

 ・瀑撃竜の発電板

   マグダレスの体内にある発電器官の一部。筋肉と骨が密接に絡み合っている。

 ・瀑撃竜の鱗

   マグダレスの全身を覆う鱗。耐水性、撥水性に優れ強度も高い。

 ・青藍の卵殻

   マグダレスの卵の殻。あまり固くはなく独特の質感。

 ・瀑撃竜の藍玉

   マグダレスの体内で稀に生成されるという宝玉。

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