プラント・クエタ
月面基地での攻防戦が、ティターンズ有利勝利で終わった頃、デリングを総司令官とする、ベネリット軍主力と、ジャマイカン・ダニンガン中佐率いるティターンズ第二艦隊との戦いは、今の所ティターンズ有利に運んでいた…
表向きは…
司令部
「ティターンズ軍、我が軍の後退に合わせて、追撃して来ます」
「構わん、このまま引きつけろ。もっとプラントクエタに近づけさせろ」
プラントクエタの司令部では、現在自軍がティターンズ軍に押されているにも関わらず、皆冷静に、そして粛々と業務に当たっており、そして司令官であるデリングも、冷静であった。
そして
「ティターンズ部隊、第二防衛ラインまで到達」
「…そろそろですな?」
オペレーターから、そう報告が入ると、参謀のラジャンがそう聞いた。
すると
「あぁ...」
デリングは、表情ひとつ変えず、ただそう一言述べた。
その頃
ティターンズ第二艦隊
旗艦:ゼネラル・ジャミトフ
「ふん、ゴミが…噂の魔女狩り部隊を有しているとは言え、所詮はただの企業の部隊、我々ティターンズの敵では無いな」
旗艦である、ゼネラル・ジャミトフにて指揮を取る、ジャマイカンは敵がティターンズを前に、ただ後退して行くだけしかして来ない、この状況を見て勝利を確信した。
「よし、一気に畳み掛ける。予備戦力も前線に投入し、我が艦隊もプラントクエタに向けて全速前進だ。陸戦要員は施設占拠に向けて、対白兵戦用意!」
「了解です。全艦、全速前進、プラントクエタの第二防衛ライン付近は、フロント開発のために用いられた多くの小惑星がある。座礁しないよう、気をつけて進め!」
そしてジャマイカンの指示の元、ティターンズ艦隊は、先程MS部隊が突破した、第二防衛ラインであった、資源衛星帯へ向けて、援護の長距離射撃を行いながら、進撃を開始した。
だが、この時ジャマイカンは知らなかった、自分が罠に嵌められていた事を…
戦闘宙域
「…どうも妙だ」
「ライラ中尉、どうなさいましたか?」
「…戦闘開始直後から、敵の攻撃には積極性が無い…それに、例の魔女狩り部隊が弱すぎる…本当に奴らは、この程度なのか?」
その頃、ガルバルディβを操り、前線で戦う、ライラ・ミラ・ライラ中尉は、先ほどから何処か違和感を感じていた。
それは、ドミニコス隊の隊章をつけたMSが、思ったほどの実力がない事、そして押せば退き、此方が退けば攻撃を仕掛けてくる、そんな敵部隊の動きにどうも違和感を感じられずにはいなかったのだ。
「…もしかして、何かあるかもしれない…司令部に連絡はつくか!?」
「いいえ、ミノフスキー粒子が濃すぎて、MSから直接通信は無理です」
「ちっ、仕方ない。一回母艦に帰るぞ!嫌な予感がする…」
そう言うとライラ中尉は、急ぎ母艦である、アレキサンドリア級クロアチアに、補給を口実に一時退却しようとした。
だが、時すでに遅かった
プラントクエタ司令部
「そろそろ…」
「5.4.3.2.1…今」
ラジャンに続くように、デリングがカウントダウンを行い、そしてゼロになった瞬間
どがぁあああーーーーん!!
轟音と閃光と共に、第二防衛ラインが引かれていた、小惑星帯を形成していた小惑星が次々と爆破、そして爆発によって発生した小惑星の破片や、爆発のショックによって弾き飛ばされた小惑星が、ちょうど小惑星帯に侵入して来たティターンズ艦隊や、戦場で戦っている全てのMS部隊に襲いかかった。
「成功しましたな…」
「あぁ…」
安心した様子でそう言ったラジャンに、デリングはあいも変わらず無表情でそう言った。
実は今の今まで、デリングの考案した、ティターンズ艦隊撃退の為の作戦通りであった。
巨大な小惑星を中心に作られた、ベネリットの開発拠点であるプラントクエタ、その宙域は開発の為に、多くの資源確保の為に移動して来た小惑星帯や、核となる小惑星開発の際発生したデブリや、小惑星の破片が多数点在しており、そして更には小惑星を改造して作られた開発拠点と言う事から、大量の爆薬も貯蔵してあった。
その為、デリングは事前にティターンズ艦隊の数から、敵が戦力を分散せず、戦力を集中させ攻略作戦に臨むと看破し、更にその進路や敵将であるジャマイカンの性格を読み取り、進行ポイント上にある小惑星帯に、クエタからのパーメットリンクによる通信が切れたと同時にタイマーが作動する起爆装置を搭載した、大量の爆弾を設置して待ち構えていたのだ。
そして、ジャマイカン率いるティターンズ部隊相手に、敵にバレない程度に偽装撤退を行い、艦隊が資源衛星帯に、MS部隊を第三防衛ラインへと誘い込み、そしてその結果が今の状況となっている。
「しかし、巻き込まれてしまった我が軍のMSは…勿体無い事をしましたな」
「何、機体などまた作れば良い…」
ちなみにその代償として、囮として使われた、AIによって動かされていた幾つかのMSと老朽化して廃船間近の戦闘艦などを多く失ったが、現在それ以上の戦力を、ティターンズ艦隊に与える事が出来た為、勿体なさそうにそう言って来たラジャンに、デリングはそう言った。
その頃
旗艦:ゼネラル・ジャミトフ
ブリッジ
「アレキサンドリア級重巡洋艦クロアチア
サラミス級巡洋艦セルビア、ボヘミア、ブルガリア撃沈!
アレキサンドリア級重巡洋艦ヴェネチア
サラミス級巡洋艦ミラノ、ナポリ大破、艦内で死傷者多数!」
「アレキサンドリア級重巡洋艦エルアラメインより緊急伝令!ワレ、航行不能、麾下ノ艦隊モ被害甚大、後方へ撤退スル!」
「司令、先の爆発により、我が艦にも被害が及んでいます。第三MS発進デッキ破損、左舷対空砲、主砲と共に沈黙」
「そ、そんなバカな…まさか、敵がこんな手を使うとは…」
自分が罠に嵌められた事、そしてそれにより艦隊の半分近くが戦闘不能になってしまったショック、そして次々と入ってくる被害状況に呆然としてしまった。
「ジャマイカン司令!最早これ以上の作戦続行は不可能です。直ちに撤退の命令を!」
そんなジャマイカンに、艦長は毅然とした態度で撤退を具申した。
「しかし…いや…」
それに対してジャマイカンは、それでも攻勢続行を命令しようとした。
だが、ここでこれ以上の攻勢ら最早成功の確率は限りなく低いが、それでも攻勢を行い、艦隊を喪失した場合の、バスク派での自分の立場
そして今、艦隊の半数を温存した上で撤退した場合の、自分の派閥での立場を天秤に乗せ考えた。
そしてその結果
「撤退だ!前線のMS部隊にも撤退を知らせろ!急いでこの宙域から撤退するぞ!」
「は、はい!」
ジャマイカン中佐は、これ以上の戦力損失を防ぐ為に、作戦の中止と撤退を決断した。
だがその時
「後方より、MS部隊!!なっ、ドミニコス隊です!」
「なんだと!?」
デリングが前もって小惑星帯に潜ませていた、ペギルペンデで編成された、本物のドミニコス隊が、撤退しようとしていたティターンズ艦隊の背後を襲った。
「クソ!!忌々しいスペーシアンめ!!出撃できる部隊はあるか!?」
「第二格納庫で待機中の、スカーレット隊が行けます!」
「十分だ、スカーレット隊を出撃させろ!!なんとしても、きゃつらを叩き潰し、退路を確保するのだ!!」
「了解、スカーレット隊発進せよ!」
それに対してジャマイカン中佐は、旗艦防衛用に待機させて置いた、マラサイとハイザックカスタムと、最新鋭の機体で編成された、スカーレット隊を出撃させた。
「敵が来たか…各機、敵の防空部隊が上がって来た。ティターンズは侮れん!油断して落とされるんじゃないぞ!」
「「「コビー」」」
出撃して来た、スカーレット隊のMSを視認した、ケナンジは配下のドミニコス隊にそう述べた。
「レコア、新人の君にはなかなかにハードな戦いになるが、ついてこられるか?」
「問題ありませんケナンジ隊長」
『なら良い、くれぐれも油断するなよ』
「コビー」
そして今回、ドミニコス隊としては初陣となる、レコア・ロンドにケナンジが、励ますようにそう声をかけると同時に、先にスカーレット隊がドミニコス隊へと攻撃を開始。
しかし
「当たるか!」
「ドミニコスを舐めるなよ!!」
ドミニコス隊のペギルペンデは、その攻撃を容易く交わすと、一気に散開し、小惑星帯の中へと入り込んで行った。
多くの小惑星でひしめいている為、狙撃など上手く出来訳はないので、スカーレット隊も、すぐさまドミニコスを追って、小惑星帯の更に中へと入って行った。
だが
「そこだ!!」
「これでどうだ!」
その瞬間、ドミニコス隊のMSは、小惑星ひしめく中を、巧みに移動しながら、スカーレット隊のMSの背後や死角から攻撃を行い、次々と撃墜。
「もらった!」
その中で、レコアが操るペギルペンデも、スカーレット隊のマラサイを、ビームサーベルでの接近戦で撃墜
そして気づけば、スカーレット隊の戦力は、隊長機であるマラサイだけになってしまい、そのマラサイも。
「確かに、腕は悪くなかったらしいが…ガンダムに比べればな!!」
ケナンジが操るペギルペンデのビームサーベルに貫かれて破壊された。
「それに、これでも俺たちドミニコスは悪環境での戦いは、慣れているからな」
正直、スカーレット隊も決して弱くはなかったが、やはり長年魔女狩りと称して、性能だけなら最強クラスと言っても差し支えない、ガンダム相手に、あらゆる宇宙の環境で戦って来た、ドミニコス隊相手では、分が悪く、まんまと小惑星帯へと誘い込まれてしまったスカーレット隊は、1分も立たずに全滅してしまった。
旗艦:ゼネラル・ジャミトフ
「スカーレット隊、全滅!」
「な、なんだと!?ぜ、全滅!?マラサイとハイザックカスタム…我が軍の最新のMSで編成された、スカーレット隊が…まだ1分も経っていないんだぞ…」
そして、スカーレット隊が1分も立たずに全滅と言う報を聞いた、ジャマイカン中佐は、そのあまりにも酷い報告に腰を抜かし、更に目眩を起こし、司令官椅子に力無く座り込んだ。
「ドミニコス隊、本艦へ急速接近!!」
そして追い打ちをかけるように、スカーレット隊を、撃滅したドミニコス隊が、ジャマイカンの乗るゼネラル・ジャミトフに襲い掛かろうと、向かって来た。
「た、対空防御!!他のMS部隊は何をしているか!?」
「スカーレット隊を除く他の戦力は、前線に投入されております。更に、前線戦力もベネリット軍相手に退却戦を行うのに手間取っており、こちらに引き返すまでには、まだ時間がかかります!」
なんとかドミニコス隊の行手を阻もうとそう聞いたが、スカーレット隊を除く予備戦力は、全て先程の構成に注ぎ込んでしまった事が裏目に出てしまい、もはやゼネラル・ジャミトフ周辺には、まともなMSの戦力は無く、対空防御を行うのがやっとであった。さ
「クソ、悪い予感は当たるものだね!」
そして、そんな前線では母艦である、アレキサンドリア級クロアチアを失いながらも、味方の撤退支援の為、ライラ中尉率いる部隊が殿を担っていた。
「中尉、緊急事態です!我が艦隊の旗艦、ジェネラル・ジャミトフが敵の攻撃を受けているとの事です!」
「そうかい、でも援護はできる状態じゃないね!」
勝利目前と思っておきながらの、罠に嵌り大混乱となっているこの状況に、自分達の部隊を含め、明らかに士気が低下している上、次々とやって来る、温存されていたベネリットのセキュリティフォースを相手にするのに、ライラ中尉であっても手一杯の状況であった。
「あれが旗艦だな!一気に決めるぞ、レコア!」
「はい!」
そして対空防御網の中、ケナンジ率いるドミニコス隊は、その弾幕を潜り抜け、ついには。
「これで、チェックメイトだ!!」
メインブリッジ前に立ちはだかると、ケナンジのベギルペンデはビームライフルを、メインブリッジ目掛けて構えた。
「うぁああああーーーっ!!!」
その瞬間、この場にいた誰もが、それこそ、ジャマイカンですらも死を覚悟した。
しかしその時
「な、なんだ!!」
突如ドミニコス隊の背後から、ビームの雨が降り注いだ。
「右から…新手か!」
突然の事で、僚機の一つが破壊されたが、すぐさまドミニコス隊は体制を立て直し、攻撃された方向を見ると、"ジムに似ているようで何処か違う機体"に率いられた2機のマラサイが、こちらに接近していた。
旗艦:ゼネラル・ジャミトフ
「な、なんだ…なにが起こった!!」
なんとか助かった事による安心感を感じながらも、なぜ助かったのかの疑問で、ジャマイカン中佐は、すかさずオペレーター聞いた。
『ゼネラル・ジャミトフ、聞こえるか?こちら第3艦隊旗艦アレキサンドリア所属のユウ・カジマ中尉!これより我が艦隊は、麾下の艦隊及び部隊の撤退を援護する!』
レーザー通信で、カディ・キンゼー司令官率いる第3艦隊所属の、ユウ・カジマ中尉と名乗る人物から、そうメッセージが入った。
「機体照合確認!間違いありません!第三艦隊、カディ・キンゼー司令官直轄部隊のマラサイ2機と、試作MSペイルライダーです!!み、味方です!助かった!!」
「そうか…」
そのメッセージを聞いたのち、オペレーターは急ぎ機体を照合、そして照合結果が、味方だと分かった瞬間、安心のあまり思わず大声でそう述べ、それを聞いた艦長はそう一言述べた。
「やれやれ、まさかドミニコス隊を相手にするなんて、少し厳しすぎやしないか」
「しっかりしてください、フィリップ中尉、戦いはこれからなんですから」
「フィリップ、文句は後だ。今は目の前の敵を倒すぞ」
ゼネラル・ジャミトフを救ったMS小隊で、マラサイを操る二人のパイロット、フィリップ・ヒューズ中尉、サマナ・フュリス少尉、そして実験機として与えられたペイルライダーを操る、隊長のユウ・カジマ中尉の計3人はそう言いながら、ドミニコス隊へ向けて突撃した。
「二人は援護射撃を頼む、敵に突っ込むのは俺がやる」
「了解です中尉」
「死ぬんじゃねぇぞ、ユウ」
そして、フィリップ、フュリスの二人が操るマラサイは、ある程度敵との距離を取りつつ、フェダーイン・ライフルで援護射撃を行い、そしてその合間を縫って、ユウの乗るペイルライダーは、ドミニコス隊の懐に入るべく、スラスターを噴かし突撃した。
「クソ、この!!」
「堕ちろ!」
それに対して、ドミニコス隊が操るベギルペンデは、一斉に乱入者である3人に攻撃を開始したが、ユウが操るペイルライダーは、その攻撃を容易く避けた。
そして
「そろそろだな…フィリップ、フュリス、"HADES"を使う、俺に近づくな」
後少しで、ドミニコス隊のMSと接近戦を行える位置に到達すると同時に、ユウはこのペイルライダーに積まれている、あるシステムを起動した。
『H・A・D・E・S』
HADES…
それはティターンズに協力する研究所が開発した、反自律OSであり、膨大な演算処理を行い、システムが演算した最適解を強制的にパイロットにフィードバックさせ、高い反応速度を発揮させるOSである。
その反応速度、そしてそのシステムの性質上、並のパイロットでは扱えず、今の所、まともに扱えるのは、パイロットとして並外れた力を持つ、ユウ・カジマのみである。
そして、今そのシステムは起動され、ペイルライダーのバイザーは、青緑色から、まるで血の色のような赤色に代わり、禍々しいオーラを纏い、リミッターが解除され、真っ赤なスラスターの炎を噴かしながら、ドミニコス隊へと一気に攻撃を仕掛けた。
「な、なんだあの機動性は」
「信じられん!こんな!!ウァアーーーーッ!!!!」
そしてユウが操るペイルライダーは、兵装であるビームガトリング砲で、次々とドミニコスのMSを破壊した。
たが
「はぁっ!!
「このっ!!」
やはり司令官として積極的に出撃はしなくなったとはいえ、ドミニコス隊のエースであったらケナンジが操るベギルペンデは、ペイルライダーの攻撃を紙一重で避けた。
「くっ、この反応速度と強さ…嫌だ嫌だ、ガンダムを思い出しちゃうな…」
16年前、ヴァナディース事変の際戦った、ガンダムを思わず思い出してしまったケハンジは、コックピットの中でそう呟くと、ビームサーベルを抜くと、ペイルライダーが放つビームガトリングの弾幕の中を潜り抜け、懐に入ろうと突撃
「なるほど、なら…」
同時に、ユウが操るペイルライダーも、ビームガトリングをパージすると、ビームサーベルを両手で抜くと、ケナンジの機体に斬りかかり、両者のビームサーベルは、ぶつかり閃光を放った。
「本当に…やるねぇ、敵じゃなかったらうちに欲しいくらいだ、だけど!」
そして両者のビームサーベルがぶつかり合い、拮抗している中、ケナンジは、ペイルライダーに蹴りを入れ、突き放そうとした。
「なに!?ぐぁあ!」
しかしその前に、ペイルライダーの頭部バルカン砲が火を吹き、ケナンジのベギルペンデを怯ませ、そしてその一瞬を狙い、ビームサーベルを振り下ろそうとした。
「まだだ!!」
だがすぐにスラスターを全開にし、その攻撃を間一髪乗り切った。
「はぁはぁはぁはぁ…寿命が縮まった…」
本当に間一髪だったようで、ケナンジは息を荒くして、そう言った。
すると
「うん、攻撃に行っていたティターンズのMS部隊が戻って来たな…」
ケナンジ操るベギルペンデとユウが操るペイルライダーが、次元が違う、誰にも割り込めない戦いをしている間に、ティターンズのMS部隊が、ついにここまで戻って来ていた。
「引き際だな…レコア、信号弾を打ち上げろ、すぐに撤退するぞ」
「よろしいのですか?敵をみすみす…」
「どうせ敵には、もうこれ以上戦える力は無い。ここで下手に追い詰め、犠牲を出すよりかはマシだ」
「了解です…」
そしてその光景を見て、ケナンジはすぐに撤退を決意し、レコアの機体に撤退信号を上げさせると、敵への警戒を怠らずに、急ぎ小惑星帯の奥深くへと退いていった。
「大丈夫か、ユウ?」
「あぁ、それにしてもドミニコス隊…あれほどのパイロットがいるとは…やはり侮れないな…」
そして、敵が撤退しHADESをシャットダウンさせたユウに、フィリップがそう聞くと、ユウは肺に溜まっていた息を吐き、そう呟いた。
こうして、ジャマイカン中佐率いるティターンズ艦隊は、カディ・キンゼー司令官が裂いた、艦隊の援護の元、なんとか撤退する事は出来たが、艦隊の半数の艦船を戦闘不要にし、更にMS部隊にも少なくない損害を与えてしまった上に、独断で始めたプラントクエタ攻略は失敗という結末を迎え、作戦指揮を行ったジャマイカン中佐は、宇宙要塞ゼダンの門に到着するまで、血の気がなくなり、顔は青ざめ、まるで死人のような顔であったと言う。
ユウ・カジマが操るペイルライダー相手に善戦するケナンジ隊長…
少し強化しすぎですかね