ウマ娘達との出会い   作:ダシマ

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エアグルーヴ(中編)

 

 中庭にてエアグルーヴは一人考えていた。

 

エアグルーヴ「…天下のトレセン学園でトレーナーの質はあの程度か。これでは信頼のおけるパートナーなど到底…」

 

 グルーヴはそう言ってトレーナーを見下すような発言をしていた。

 

 そして一方で、大助は誰かと電話をしていた。

 

大助「…ああ。まあ、そういうこった」

 

*****

 

 そしてエアグルーヴの元トレーナーはというと、

 

「あのクソガキ!! いい気になりやがって!!」

「お、おい! 落ち着けよ…」

 

 その日の夜、仲間と共に飲みに行っていたが、元トレーナーはグルーヴに対して怒りを爆発させていた。

 

「まあ、分かるぜ…」

「あいつ、本当に生意気だよな…」

「けど、母親があのレジェンドウマ娘だから…」

元トレーナー「このままじゃ虫の居所が収まらねぇ!!」

 

 とにかく元トレーナーは怒りが収まらなかった。

 

「何する気だよ!」

「やめろって!!」

元トレーナー「うるせえ!! お前たちは悔しくないのかよ!! 家が金持ちでウマ娘って言うだけであんな偉そうにしやがってよ!!」

 

 元トレーナーの暴言は他の客にも聞こえていた。

 

元トレーナー「エアグルーヴ…! オレをコケにしてただで済むと思うなよ…!!」

 

**********************

 

 それからというもの、大助は何事もなかったかのように仕事をしていて、この日は紬も来ていた。小学6年生である。

 

ミスターシービー「紬もトレセン学園に入学するんだ」

紬「はい、やっぱりお父さんの仕事に興味もあったので…」

 

 と、話をしていたが…。

 

「荒垣トレーナー!!」

 

 ウマ娘たちが現れた。

 

大助「ノックぐらいしろ」

「す、すみません!! でも大変なんです!!」

大助「ルドルフが揉めたのか?」

「ルドルフもそうなんですけど…」

大助「ハァ…」

 

 大助は移動した。

 

大助「紬を見ててくれ」

ミスターシービー「オッケー」

紬「……」

 

 そして現場にかけつけるとそこにはルドルフ、グルーヴ、そして元トレーナーである伊郷がいたが、

 

大助「何の騒ぎだ」

「伊郷トレーナーが、生徒会室に細工をして…」

大助「……?」

 

 大助がのぞき込むと、本棚が無惨に倒されて、中の本が散乱していたのだ。

 

大助「相当恨まれてるみてぇだな」

エアグルーヴ「そんな呑気な事を言っている場合ではない!!」

 

 エアグルーヴが伊郷をにらみつけた。

 

エアグルーヴ「私に文句があれば、私自身に言えばよかったじゃないか! 先輩たちを巻き込みおって!」

伊郷「黙れ!! どうせ聞かなかっただろう!! どこまでもコケにしやがって!! お前が偉そうにしてられるのは母親のお陰だ! 勘違いするな!!!」

エアグルーヴ「…ハァ」

 

 伊郷がそう叫ぶと、他のトレーナー達は何とも言えない顔をしていた。確かにその通りだった。だが、それに対してグルーヴは呆れたようにため息をついた。

 

伊郷「…グルーヴ。お前にTSで頂点に立つのは無理だ」

エアグルーヴ「何だと?」

伊郷「そりゃそうさ。お前のその性格の悪さは他のトレーナーも知ってるんだ。TSはトレーナーがいなければ参加は出来ない。分かるか? もうお前には契約してくれるトレーナーはいないんだよ」

大助「……」

 

 伊郷の言葉に大助は目を細めた。

 

エアグルーヴ「フン。何を言い出すかと思えば。貴様のようなトレーナーなどこの学園には必要ない! とっとと荷物をまとめて出ていけ!」

大助「おい、エアグルーヴだったか?」

「!?」

 

 大助が前に出て皆驚くと、グルーヴも振り向いた。

 

エアグルーヴ「なんだ! 今取り込み中だ! 引っ込んで…」

 

 

 

 

 パァン!!!!!!

 

 

 

 

 頬が叩かれる音が響き渡り、皆沈黙した。そして平手打ちされたグルーヴも何が起きたか一瞬だけ理解できず、理解できた頃には無意識に叩かれた方の頬を抑え、大助を見つめる。顔こそ無表情だったがその顔は鬼よりも恐ろしいものだった。

 

大助「…これでちったァ目が覚めたか? あ?」

エアグルーヴ「なっ…!!」

 

 大助がエアグルーヴを平手打ちしたことに皆驚きが隠せなかった。もっとも女性で生徒を平手打ちすること自体が前代未聞だったが、それもレジェンドの娘となればまた衝撃的だった。

 

大助「黙って聞いてれば、舐めた事ばかり言いやがってこのクソガキが。思いあがってんじゃねーぞ」

 

 大助がそう言うと、グルーヴが睨みつけた。

 

エアグルーヴ「き、貴様! こんな事をしてただで済むと思って…」

大助「あ゛ぁ゛!!? 誰が喋って良いつったよ!!」

 

 口の減らないグルーヴに大助は恫喝した。伊郷もルドルフも言葉を失ってたし、見ていたギャラリーの大半が半泣きになっていた。

 

大助「お前も色々勘違いしてるみてぇだな」

エアグルーヴ「か、勘違いだと!?」

大助「伊郷も言ったがな。お前がそうやって偉そうにしてられるのは母親が偉いからだ! それを自分の手柄のように振舞ってんじゃねえ!」

エアグルーヴ「き、貴様に何が分かるというのだ!」

大助「母親の威光を盾に好き勝手やってるバカ娘だって事しかわかってねーよ」

エアグルーヴ「なっ…!!」

 

 大助の言葉にエアグルーヴも頭に血が上った。

 

大助「だってそうだろう。そうじゃなきゃ目上の人間にあんな態度が出来るか。どうせトレーナーも自分の思い通りに動かなきゃ気が済まねーんだろ」

エアグルーヴ「当たり前だ! 満足についていけるような奴じゃなきゃ勝てるものも勝てん!」

 

 グルーヴの言葉に大助はため息をついた。

 

大助「…こりゃあ相当甘やかしたみたいだな。お前の母親もその周りも」

エアグルーヴ「…次言ってみろ。いくらトレーナーとて容赦しないぞ」

シンボリルドルフ「それは私も承認しかねるぞ。グルーヴ」

 

 グルーヴが圧をかけると、ルドルフが圧をかけた。

 

エアグルーヴ「……!」

シンボリルドルフ「君も分かっている筈だ。いかなる理由があろうと、ウマ娘が人間に危害を加えるのは禁忌。君の理想をもう一度思い出してみろ」

 

 ルドルフの言葉にグルーヴは俯いた。

 

「そこまでです」

 

 増田も現れた。

 

シンボリルドルフ「増田トレーナー…」

増田「まず、荒垣トレーナーとエアグルーヴさんは僕と一緒に理事長室に来てください。それから伊郷トレーナーはこの後取り調べを行いますので、後に来られるたづなさんの指示に従うように」

伊郷「チッ…!!」

シンボリルドルフ「増田トレーナー…」

増田「ルドルフさんは他の方と待機をしてください。ここからは大人が中心となって話をしなければいけませんので。行きますよ」

大助「…ああ」

 

 そう言って増田は大助とグルーヴを連れて行った…。

 

 

つづく

 

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