ウマ娘達との出会い   作:ダシマ

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★マークは追加キャラです(DLCみたいな感じですね)

…元々判明していたウマ娘が72名だった頃に構想していました。
(ナリタトップロードやメジロブライト実装前)

その為、後続のテイオーとタキオンの話に出ていたマーチャンは一旦削除しました。
ですが、必ずあなたの心の中に…。


★アストンマーチャン

 

 修業の為にトレセン学園に入学した一丈字飛鳥。転校してわずか数日で濃い日々を過ごしていた。

 

 転校初日にトレセン学園屈指の問題児と呼ばれているゴールドシップと共に騒動を起こし、その後行われた選抜レースにおいて、新人であるウオッカを大勝させた。

 

 そして何よりも飛鳥自身も走者として注目を集められていた。

 

 果たして、飛鳥の運命や如何に…。

 

*************

 

 時は遡り、選抜レース直前の事だった。ウオッカ達1年生は合同で練習をしていたのだが…。

 

「ウ、ウオッカなんか強くなってない…?」

「うん…。何か前よりも体力がついてるというか…」

 

 ウオッカの急激な成長に他のウマ娘達が困惑し、トレーナー達の注目もウオッカに集まっていた。

 

ウオッカ(飛鳥とのトレーニングがこんなに効果的だったなんて…。これ、下手なトレーナーよりも飛鳥に見て貰った方が良いんじゃねーか?)

 

 ウオッカも成長を実感していた。飛鳥は正規のトレーナーではないので、トゥインクル・シリーズに出ることは不可能だと分かってはいたものの、現時点で一番信頼できるトレーナーは飛鳥だった。

 

 そんな中、一人のウマ娘がじっとウオッカを見つめていたが、ウオッカが気づくことはなかった。

 

***

 

 そんなある日の事。ウオッカは飛鳥と昼食を取っていたが、ゴールドシップもいた。

 

ウオッカ「飛鳥! お前が組んでくれたトレーニングのお陰で絶好調だぜ!」

飛鳥「そりゃ良かったけど、調子に乗って痛い目に遭わないようにな」

ウオッカ「わーってるって。そんなダセー真似なんかしねぇよ」

 

 飛鳥とウオッカがそう話しているのをゴールドシップ(通称ゴルシ)は険しい顔をして見つめていた。

 

飛鳥「…どうしたの?」

ゴールドシップ「やっぱり若い子がいいのね!?」

飛鳥「どうした急に」

 

 突如修羅場にしようとしてきたゴールドシップに飛鳥とウオッカが困惑していた。

 

ウオッカ「…先輩達の間で噂になってたけど、本当にヤベェな。ゴルシ」

ゴールドシップ「おいコラ。先輩だぞ? ゴルシ様と呼べ!」

飛鳥「先輩でも様はつけないだろ」

 

 と、和気藹々(?)としていた。

 

ウオッカ「正直な所飛鳥にトレーニングを見て貰った方が、もっと強くなれるような気がするんだ」

飛鳥「おいおい。オレもやることあるし、ちゃんとトレーナーを見つけな?」

ゴールドシップ「もうこの際だからアタシらでチームを組むってのはどうだ?」

飛鳥「焼きそばの売り子なら手伝わないからな」

ゴールドシップ「お前も修業の相手探してるんだろ?」

飛鳥「…そう言われると辛いなぁ」

 

 ゴールドシップの言葉に飛鳥は困惑した。確かに話題にはなっているが、練習相手になってくれって言って相手してくれるとは限らないし、エアグルーヴも副会長の仕事がある為あまり負担をかけられない状態だった。

 

ウオッカ「ていうかゴルシこそトレーナーはいいのかよ?」

ゴールドシップ「あー…今は良いや。お前らと遊んでる方が面白ぇから」

 

 ゴールドシップの言葉に飛鳥は何とも言えない気持ちになった。そう、ゴルシは昨年の宝塚記念で元トレーナーと大喧嘩して追放されたのだ。ゴルシもその事を思い出して不機嫌そうにしていた。

 

飛鳥「…そう」

ゴールドシップ「もうこの際だからアタシらで伝説作ろうぜ?」

飛鳥「転校初日のあれだけじゃ不満か?」

 

 ゴルシの言葉に飛鳥は皮肉を込めて言い放ったが、ゴルシとしては不満そうにしていた。

 

ゴールドシップ「何言ってんだ。それを言うならあの日こそが伝説の始まりで、これからじゃねーか」

ウオッカ「そう考えたらお前ら2人と一緒にトレーニングしてた方が、目立つかもな…」

飛鳥「それでいいのか…」

ウオッカ「そりゃあ、無茶ぶりは困るけどただレースに勝つだけじゃ、普通のウマ娘と変わらねぇ! こうなんか…もっとカッコよさを追い詰めないといけねーんだ!」

 

 と、ウオッカは熱心に語り始めると、飛鳥とゴルシが少し引き気味になっていた。

 

ゴールドシップ「いやー…若いなぁ」

飛鳥「奇遇だな。オレも同じこと考えてたよ…」

ウオッカ「とにかく今度の選抜レースでも勝って、皆の記憶に残るようなレースをするんだ!」

飛鳥「そりゃいい心掛けだ」

ウオッカ「だからトレーニング頼むぜ!」

飛鳥「……」

ゴールドシップ「おい、こっち向け」

 

 ウオッカの言葉に飛鳥は気まずそうに視線をそらしたが、ゴルシに突っ込まれた。そんな3人をまた一人のウマ娘が見ていた。

 

***

 

 そして選抜レース後…。

 

「カンパーイ!!」

 

 飛鳥、ゴルシ、ウオッカの3人がトレセン学園のとある教室で乾杯をしていた。ジュースにピザがある。

 

飛鳥「まあ、選抜レース1着おめでとう」

ウオッカ「ありがとな! ホントに飛鳥のお陰だ!」

ゴールドシップ「おいおい。アタシも協力してやったの忘れてんじゃねーぞ? あと、このパーティの金出してるのもアタシだし」

ウオッカ「分かった分かった。ゴルシもありがとう」

 

 拗ねるゴルシをなだめるウオッカ。

 

飛鳥「で、スカウトもたくさん来てるけどいい人見つかりそうか?」

ウオッカ「いや、それが全然だ」

 

 飛鳥の言葉にウオッカが首を横に振った。

 

ウオッカ「何て言うか薄っぺらいんだよ。G1を目指そうとか年間ウマ娘を目指そうとか…」

ゴールドシップ「いっつも思うけど、それトレーナーの要望だよな」

飛鳥「まあG1や年間ウマ娘にさせると、査定も大きくなるしな…」

 

 飛鳥が苦笑いした。そう、G1や年間ウマ娘といった大きなタイトルを取ると、そのウマ娘を育成したトレーナーにも大きな利益となるのだ。だから有望なウマ娘を担当にしたいという気持ちがあるが、ウマ娘にはウマ娘の都合もあるので、なかなか難しい所だ。

 

ゴールドシップ「何つーか。もうちょっと上手い事言えって話だよな。お前の言う事なんでも聞くから担当ウマ娘になってくれとか」

飛鳥「いや、それプライドなさすぎるから」

 

 ゴルシの言葉に飛鳥は困惑していた。

 

飛鳥「…にしても、オレもウオッカを指導した事でまた学園で有名になっちまったよ」

ゴールドシップ「勝ったんだから当然だろ」

飛鳥「まあねぇ…。ていうか、結構核心つくね」

ウオッカ「こうなったらアレだ。オレが納得するまでトレーニングに付き合ってくれ!」

飛鳥「え」

ウオッカ「どうせデビューするなら圧倒的な実力を持ってデビューした方がカッコいいしな!」

飛鳥「そう…」

 

 ウオッカの言葉に飛鳥は困惑していた。

 

ウオッカ「そんでもって、オレの走りで皆を魅了する!」

ゴールドシップ「今のうちにグッズとか作っとくか? ウオッカちゃん人形とか」

ウオッカ「…ちゃんはやめてくれ」

「マーちゃん人形を出したいですので、そんな事されたら困ります」

飛鳥「…ん?」

 

 3人がある方向を見ると、1人のウマ娘がいた。

 

ウオッカ「マーチャン!!」

飛鳥「あれ? 知り合い?」

ウオッカ「ああ…。オレの同期なんだ」

「アストンマーチャンです。宜しくね~」

 

 マーチャンがのほほんと挨拶をすると、ゴルシがガン飛ばした。

 

ゴールドシップ「おうおう。さっきの発言は一体どういう了見だ。おん?」

飛鳥「やめろゴルシ!!」

 

 ゴルシがガンを飛ばしても全く臆さないマーチャン。

 

アストンマーチャン「マスコットになるのはマーチャンです。だから人形を売るのはマーチャンに勝ってからにしてください」

 

 マーチャンがそう言うと、飛鳥とゴルシがウオッカを見た。

 

ウオッカ「いや、別にマスコットになりてー訳じゃねーから!!」

アストンマーチャン「ウオッカがいるのでどうしようか迷ってましたが…」

ウオッカ「いや、話聞いて!!?」

飛鳥「前からずっとうちの事見てたよね。どうしたの?」

 

 するとアストンマーチャンが飛鳥を見た。

 

アストンマーチャン「あなたのチームに入りたいです」

飛鳥「え?」

ゴールドシップ・ウオッカ「は?」

 

 マーチャンの言葉に3人は面食らった。

 

飛鳥「…いや、オレトレーナーじゃないんだけど」

アストンマーチャン「でも、ウオッカを鍛えて勝たせましたよね?」

飛鳥「ウオッカの努力の結果です」

ゴールドシップ「あと、アタシの支援」

アストンマーチャン「あなたの事も知ってます。練習相手を探しているんでしょう?」

飛鳥「まあ、一応2人いるから…」

アストンマーチャン「マーチャン。短距離できますよ?」

飛鳥「!」

 

 マーチャンの言葉に飛鳥は反応した。というのも、ウオッカもゴルシも短距離は得意ではなかったのだが、飛鳥はどちらかというと短距離とマイルの方が得意だったのだ。飛鳥としては練習相手にしたかったが…。

 

ウオッカ「いやいや。マーチャンも選抜レース勝ってスカウト受けてたよな? いなかったのか?」

アストンマーチャン「全くいませんでした。皆G1や年間ウマ娘の事ばかりで、私の事を理解してくれませんでした」

 

 マーチャンの言葉に飛鳥達は驚いた。さっき自分達もそんな話をしていたので、本当にトレーナーは自分の事しか考えてないんだなと思い始めた。

 

アストンマーチャン「それにマーちゃんは確信しています。貴方達がこれからも皆の注目を集める事を」

 

 マーチャンの言葉と目に飛鳥は彼女から何かを感じ取った。

 

ゴールドシップ「分かる奴だな」

アストンマーチャン「そしてその注目が集まる事によって、マーチャンは恐らく埋もれてしまいます。今もウオッカの影に隠れています」

ウオッカ「いや、そんな事は…」

アストンマーチャン「そうなんです。あなたには…一丈字トレーナーやゴールドシップさんがいるでしょう?」

「!」

アストンマーチャン「マーちゃん一人では勝てないのです。だから…」

飛鳥「…オレ達の所に来て、目的を果たそうとしている。そう言いたいんだな?」

アストンマーチャン「その通りです。必要があれば勝負も…」

飛鳥「一つ聞きたい事がある。お前の夢は何だ?」

 

 飛鳥が真剣な表情をしてマーチャンに問うと、

 

アストンマーチャン「マーチャンの夢はマスコットになる事です」

 

 マーチャンの言葉にウオッカとゴルシは理解できなさそうだったが、飛鳥は真剣な表情で聞いていた。

 

飛鳥「…詳しく聞かせて貰えるかな」

アストンマーチャン「はい」

 

 飛鳥の言葉にマーチャンはそう返事した。

 

アストンマーチャン「マーちゃんはマーちゃんの事が大好きなのです。それはもう自分の人形を作る程でした」

ゴールドシップ「ナルシストなのか?」

飛鳥「黙ってろ」

 

アストンマーチャン「トレセン学園に入ったのは、デビューしてレースに勝って、マーチャンのグッズをいっぱい作る為です」

ウオッカ「そんな理由で!?」

アストンマーチャン「ウオッカもカッコ良いウマ娘になる為にトレセン学園に入ってるから、お互い様です」

 

 マーチャンの言葉にウオッカは気まずそうに視線をそらした。

 

ゴールドシップ「まあ、言いたい事は分かったけど、そこまでする必要あんのか?」

 

 ゴルシの言葉に飛鳥は意味深な反応をすると、マーチャンは目を閉じた。

 

アストンマーチャン「証を残したいのです」

ゴールドシップ「証?」

アストンマーチャン「マーちゃんの家は病院で、沢山の患者さんも見てきました。勿論、亡くなった患者さんもいて、その患者さんが亡くなって悲しんでいる遺族の方も見てきました」

 

 マーチャンの話が急に重くなってきたのでゴルシが困惑していたが、飛鳥がきちんと聞くように諫めた。

 

アストンマーチャン「人もウマ娘もいつか死にます。死ぬことは悲しいですが、それ以上に忘れ去られる事の方が悲しいです。人生を否定されているようで」

 

 マーチャンの言葉にゴルシもウオッカも真面目に話を聞いた。

 

アストンマーチャン「だからマーちゃんは決めてるのです。一人でも多くマーちゃんの事を知って貰って、いつかは世界中を股にかける『ウルトラスーパーマスコット』になると」

 

 マーチャンの話を聞いて飛鳥は真剣に聞いていたが、ゴルシとウオッカは感激していた。

 

アストンマーチャン「だからトレーナーも普通の人じゃダメなんです。ちゃんと瞳にマーちゃんを映してくれる人じゃないと」

飛鳥「…それがオレだと?」

アストンマーチャン「ええ。ウオッカの走りもそうですが、今のあなたはとても良い目をしているので確信しています」

 

 マーチャンの言葉に飛鳥はどうするか考えていたが、

 

飛鳥「…マーチャン」

アストンマーチャン「はい」

飛鳥「チームの件はアレだけど、トレーニングを見るのはいいよ」

アストンマーチャン「本当ですか!?」

飛鳥「何個か約束してほしい事がある」

アストンマーチャン「はい」

 

 飛鳥の言葉にアストンマーチャンが頷いた。

 

飛鳥「一つ目。無茶をしない事。いきなり夢を叶えるなんてのは無理だから、ゆっくりやろう」

アストンマーチャン「はい」

飛鳥「二つ目。学業ときちんと両立させる事。レースも大事だけどこっちも大事だからね」

アストンマーチャン「はい」

飛鳥「三つ目。いずれ正規のトレーナーを見つける事。トゥインクル・シリーズに出るには重要だよ」

アストンマーチャン「はい」

飛鳥「四つ目」

ゴールドシップ「どんだけあんだよ」

飛鳥「結構重要なの。四つ目は練習は毎日見れるとは限らないから、それには容赦する事」

アストンマーチャン「はい」

飛鳥「そして最後。これが一番重要だ」

 

 飛鳥がアストンマーチャンを見つめる。

 

飛鳥「どんな事があっても、生きる事から逃げない事」

アストンマーチャン「……!」

 

 飛鳥の言葉にマーチャンの目が大きく開いたが、飛鳥の目を見てマーチャンは口角を上げた。

 

アストンマーチャン「…はい!」

 

 飛鳥の言葉が嬉しかったのか、これまでの相槌よりもはるかに明るかった。

 

 こうしてマーチャンも仲間になった訳だが…。

 

 

****

 

「驚愕! まさか4人も担当ウマ娘を作るとは思っていなかったぞ!?」

「いや、正規のトレーナーではないんですけどね…」

 

 理事長室にて飛鳥は理事長である秋川やよいと話をしていたが、ゴルシ、ウオッカ、マーチャン、そしてスカーレットがいた。

 

ゴールドシップ「ウオッカの件で実績上げてんだから、トレーナー室くらいやったらどうなんだよ」

 

 ゴルシの言葉に飛鳥は困惑していた。というのも、人数が流石に多くなってきたのでゴルシが部室みたいなのが欲しいと言い出して、理事長に直談判してきた。飛鳥はダメだろうなと思いながらついてきたが…。

 

やよい「うむ! 寧ろ先日の選抜レースにて、他のトレーナーやウマ娘に大きな刺激をもたらしているので、その褒美を上げようと思っていたのだ! 数日待ってくれ!!」

飛鳥「」

 

 やよいからまさかのOKが出て飛鳥は困惑していた。

 

アストンマーチャン「うふふ…。これでウルトラスーパーマスコット計画が一歩進みました…」

飛鳥「計画って…」

 

 

 本当にこれからどうなるんだろうと飛鳥は思った。

 

 

おしまい

 

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