ウマ娘達との出会い   作:ダシマ

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トウカイテイオー

 

 ウオッカの育成が評価され、飛鳥は理事長である秋川やよいからトレーナー室を与えられることになったが…。

 

やよい「今思ったのだが、一丈字くんみたいに隠れた才能を持っている生徒がいるかもしれぬ!」

 

 理事長室でやよいが突如思いついたように言い放った。たづなはまた何かしようと考えていたが、確かに飛鳥の力量ぶりを見るとそう思わざるを得なかった。

 

やよい「よし! 決めたぞ! 生徒向けに大会を開催するッ!!」

たづな「せ、生徒向け…!?」

 

 そしてすぐさま全校集会にてその事が発表された。

 

やよい「TSシリーズとは異なり、トレーナーはトレーナー科を中心とした学生諸君にやって貰う!! ウマ娘に関してはデビュー済でも未デビューでも可能だ! どんどん参加してくれたまえ!!」

 

 と、そう言い放つも生徒達は困惑するばかりだった。勿論飛鳥も例外ではなかった…。

 

******

 

ウオッカ「飛鳥! オレと出ようぜ!」

ダイワスカーレット「何言ってんのよ! アタシと出るのよ!」

ウオッカ「はあ!? 真似すんなよ!!」

ダイワスカーレット「アンタが割り込んできたんでしょうが!」

 

 放課後、トレーナー室にてウオッカとスカーレットから学生向けの大会『ダシマカップ』に出場しないかと誘われていた。彼女達はまだジュニア級で主なTSシリーズには出走できないので、腕試しと行きたかったのだ。

 

飛鳥「…まあ、担当ウマ娘に制限はないから人数は問題ないけど」

ゴールドシップ「お前なら出来るだろ」

飛鳥「簡単に言ってくれるよ」

 

 ゴルシの軽口に飛鳥が皮肉を込めて突っ込むと、ある人物がやってきた。

 

「ここだね!? 一丈字飛鳥っていう子がいるのは!」

飛鳥「あれ…?」

ウオッカ「テイオー!」

 

 トウカイテイオーというウマ娘が現れた。彼女を見てウオッカやスカーレットは驚いていたが、飛鳥は困り顔だった。

 

飛鳥「…何か用?」

トウカイテイオー「決まってるよ。僕も君のチームに入りに来たんだよ」

「はあ!?」

 

 テイオーの言葉に皆が驚いた。

 

飛鳥「もしかしてアレか…?」

トウカイテイオー「そうだよ…」

 

 さかのぼる事、先日レースの出来事だった。エアグルーヴやシンボリルドルフと一緒にテイオーの選抜レースを観戦していた。テイオーの実力は本物で、2着のウマ娘に対して4バ身も離して勝利を掴んだ。

 

飛鳥「あれがトウカイテイオー…」

シンボリルドルフ「ああ」

エアグルーヴ「昨年の新人賞を取ったウマ娘。実力は申し分ないが…」

 

「凄かったぞテイオー!!」

トウカイテイオー「えへへっ! 僕なら当然だよ!」

 

 と、余裕そうにしていた。

 

エアグルーヴ「…ああやってすぐに調子に乗るのが玉に瑕だがな」

飛鳥「ですね…」

 

 飛鳥もテイオーの態度に引っかかっていたのか、困った顔をした。するとテイオーがルドルフ達にいるのに気づいて手を振った。

 

トウカイテイオー「あ! カイチョーだ! おーい!!」

 

 と、テイオーが手を振ると、ルドルフが苦笑いしながら手を振った。すると飛鳥の存在に気づいたのか眉間にしわを寄せた。

 

飛鳥「こっちを見てきましたね」

エアグルーヴ「会長に懐いてるからな…。で、お前からしてみてテイオーを育成したいと思うか?」

 

 グルーヴの言葉に飛鳥はテイオーをふと見やると、申し訳なさそうにした。

 

飛鳥「…実力は確かに本物ですが、私は育成したいと思いません。いらないです」

シンボリルドルフ「!」

 

 飛鳥がそう言うとルドルフの目が開いた。

 

シンボリルドルフ「ふむ、それは何故だ?」

飛鳥「確かに実力は本物なんですよ。けちのつけようがないほどに…。だからこそ育て甲斐がないんですよ」

 

 飛鳥の言葉にルドルフとグルーヴは何も言い返せなかった。やっぱりそうだよな…と言わんばかりに。

 

飛鳥「それに見た感じだとかなりの自信家で、人の忠告もあまり聞かなさそうですし…。正直課題はレース以外の所にありそうですね。今のままじゃ誰がトレーナーをやっても同じところで躓きます」

 

 飛鳥の言葉にルドルフは苦笑いした。

 

シンボリルドルフ「…飛鳥くん」

飛鳥「すみませんね…」

シンボリルドルフ「いいや。その逆だ」

飛鳥「え?」

 

 飛鳥がルドルフを見ると、ルドルフが笑みを浮かべた。

 

シンボリルドルフ「流石アメリカの三冠クラシックウマ娘を育成しただけある。よく見ているな」

エアグルーヴ「会長…」

シンボリルドルフ「君の言った通りだ。テイオーは確かに実力は群を抜いていて、いつかは皐月賞、日本ダービー、菊花賞を制覇して『クラシック三冠』するというのが夢だと言っている。だが、それを果たすにはやはりトレーナーときちんと信頼関係を築いていかないといけないからな」

 

 ルドルフが苦笑いした。

 

シンボリルドルフ「私もかつて一人で何でもかんでもやろうとして、今のトレーナーに叱咤された。トレーナーとウマ娘、どちらかが独りよがりになってはいけないのだ。テイオーにはそれにきちんと気づいて欲しい…」

エアグルーヴ「……」

 

***

 

 という事があったのだが、その後テイオーがルドルフやグルーヴに何の話をしていたのかしつこく聞いて、飛鳥がもし自分がトレーナーだったら『いらない』とグルーヴが喋ったのだ。

 

飛鳥「で、ここに来たって事か。他のチームじゃダメなの?」

トウカイテイオー「いいや。それこそ君じゃなきゃダメなんだ」

 

 するとテイオーがトレーナーに対して指をさした。

 

トウカイテイオー「僕の事『いらない』って言ったの、取り消させてやる!!」

飛鳥「……」

 

 テイオーの言葉に飛鳥は困惑するも…。

 

「私からもお願いできないだろうか」

飛鳥「ルドルフさん!」

トウカイテイオー「会長!!」

 

 シンボリルドルフが現れた。

 

シンボリルドルフ「飛鳥くん。4人もいて忙しいだろうが、君ならテイオーを任せられる。トレーナーと担当ウマ娘との信頼関係を築く事の大切さを教えてやって貰えないだろうか」

飛鳥「……」

 

 飛鳥は困惑していた。

 

シンボリルドルフ「…会長という立場がある以上、あまり肩入れは出来ないがこちらが頼むんだ。出来る限りの事は協力させて貰おう」

飛鳥「そ、それは有り難いですが…」

ゴールドシップ「おう。それじゃ部費よこせ」

シンボリルドルフ「飛鳥くんに頼むんだ。君の申し出は受け入れられない」

トウカイテイオー「そうだよゴルシ!」

 

 まあ、そんなこんなでトウカイテイオーが加入する事となった。

 

飛鳥「はー…。忙しい事になった」

ウオッカ「まあ、オレ達も頑張るからよ」

飛鳥「まあ、大会に出る傍らでトレーナー見つけてくれ…」

 

 

つづく

 

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