ダシマカップが開催された。
ルールは以下のとおりである。
1次予選、2次予選を行い、各予選の上位8名が本選進出。
スケジュール
1次予選:4月~6月
2次予選:9月~11月
本選:1月の3日間
飛鳥「結構本格的だな…」
ちなみに何らかの理由でトレーナーが脱退する事になった場合は、代理を立てればOKとする。
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種目は芝・ダートの短距離、マイル、中距離、長距離の8種類。ちなみにダートの長距離では国内最大で2,600mあります。
飛鳥「金盃杯だね…」
ダイワスカーレット「少ないけど、やる意味あるの?」
飛鳥「海外には結構あるから、海外向けだね…。さて、今5人いるけどどの種目に出るか決めた?」
トウカイテイオー「僕、芝の長距離!」
ウオッカ「オレは芝のマイル!」
ダイワスカーレット「芝のマイルよ。トリプルティアラ(桜花賞、オークス、秋華賞)目指してるから!」
飛鳥「またでっかく出たね…。ゴルシは?」
ゴールドシップ「じゃあ長距離」
飛鳥「じゃあってなんだ…。まあ、申し分ないけど」
そんなこんなで大会に出走した飛鳥達。ウオッカ、スカーレット、ともかく、ゴルシとテイオーも実力者揃いだった。
「あいつ4人も担当ウマ娘いるのかよ!!」
「超能力でインチキしてるんじゃないか…?」
「まあ、インチキ出来たとしても大変だろうな…」
時折ヤジも聞こえてきたが、飛鳥が訴訟をちらつかせたので、何とかなった。
トウカイテイオー「ふふん! やっぱり僕が1番だねー」
飛鳥「テイオー。そういう所だぞ…」
部室で飛鳥達がミーティングをしていたが、トップを独占している事が分かって、テイオーが鼻を鳴らして調子に乗っていた。そんなテイオーに対して飛鳥は呆れていた。
ウオッカ「それにしたって他のチームは弱すぎるぜ…」
ダイワスカーレット「こら! まあ、それもそうだし…アンタ、やっぱり凄いわね…」
飛鳥「そう?」
4人分の練習をしっかり見ていて、メニューもしっかり考えられていて、改めて飛鳥の力量を感じていた。
飛鳥「まあ、スカーレットが何だかんだやってくれるから助かってるよ」
ウオッカ「なー。文句言わなきゃもう少し楽になるのに」
ダイワスカーレット「う、うるさいわね!」
実際にスカーレットは時折飛鳥の作るメニューに文句を言ったりしているが、飛鳥がきちんと理由を説明をしていたのだ。まあ、それでも納得しない場合は…。
飛鳥「聞くけど、やろうと思えばできるんだな?」
ダイワスカーレット「ど、どういう意味よ!」
飛鳥「出来ないからやらないってのはナシだからな?」
ダイワスカーレット「出来るわよ! やってやろうじゃないのよ!!」
飛鳥(チョロいなこいつ…)
実際にチョロいのはスカーレット、ウオッカ、テイオーの3人である。ゴルシはというと…。
ゴールドシップ「練習はあたしのやりたいようにやる!」
飛鳥「分かった。なら、もし負けたら謝れ」
ゴールドシップ「分かりました!」
「それでいいの!!?」
現在無敗である…。ちなみにゴルシの前のトレーナーは結構ガチガチに命令を聞かせようとしていたので、嫌気がさしていたとか…。
ウオッカ「でも5人も担当してしんどくないのか?」
飛鳥「まあ、1人に比べたら仕事量も増えるから疲れるよ。アシスタントみたいなのがいたら助かるけど…」
「それなら私がやってやろう。一丈字飛鳥くん」
「え?」
一人のウマ娘が現れた。
ダイワスカーレット「タキオンさん!」
飛鳥「アグネスタキオン…」
アグネスタキオン。マッドサイエンティスト気質でつかみどころのない性格をしているが、あのシンボリルドルフをハナ差まで迫った実績を持っている実力者である。
飛鳥「チーム加入ですか? もう4人もいるので…」
アグネスタキオン「ああ。私はレースには参加しないよ」
「え?」
アグネスタキオン「寧ろ一丈字飛鳥くん。君のデータを取りたくてね」
飛鳥「オレのデータを…?」
アグネスタキオン「その通り。君は人間でありながら我々ウマ娘と同等の速さを持っている」
飛鳥「いや、あれは超能力で…」
アグネスタキオン「私達も超能力を持っているようなものだ。気にしないよ」
タキオンの笑みに飛鳥は思わず困惑した。正気の沙汰ではないと肌で感じ取っていたからなのか…。
アグネスタキオン「私の研究の為にも君の力を是非借りたい。勿論交換条件も出そう。4人も担当ウマ娘がいて、仕事が大変そうだね」
飛鳥「ええ、それはまあ…」
アグネスタキオン「デスクワークばかりやっていて、走りの方の脚が落ちているのではないのかね?」
飛鳥「落ちてますね」
ウオッカ「あっさり認めるのかよ!!」
アグネスタキオン「ふぅン。それじゃ私と一度手合わせ願おうか」
「!?」
こうして急遽、飛鳥とタキオンの決闘が始まった。ルドルフに申請してレース場を貸して貰えることになったが、ルドルフも立ち会っていた。
トウカイテイオー「あれ!? どうしてカイチョーも!」
シンボリルドルフ「ああ…。彼女…アグネスタキオンは選抜レースを何度も不参加し、授業も碌に出ていない。このままだと強制退学になる」
「!?」
シンボリルドルフ「だが、実力は間違いなく本物なのだ。このまま退学させるのは実に惜しい…」
実際にタキオンがレースをすると聞いて他の生徒や正規トレーナー達が集まっていた。
「アグネスタキオンがレースをするだって…!?」
「こんなの見るしかないだろう!」
「名家に生まれた異端児…。どんなレースを見せてくれるのか…」
「ところで相手の奴は、人間…だよな?」
そしてターフの上に飛鳥とタキオンが立っていたが、2人ともジャージだった。
アグネスタキオン「キミの力…見せて貰おうか」
飛鳥「御手合せ、願います」
レフェリーはルドルフが務めた。
シンボリルドルフ「位置について、よーい…始め!!」
ルドルフの言葉に飛鳥とタキオンが走り出した。すると初っ端から体中がしびれる迫力を放っていた…。
逃げを選んだ飛鳥がリードを奪っていたが、タキオンは余裕をもってついてきていた。
飛鳥(…後ろからでも感じ取れる。この人は間違いなく本物だ!)
一気に最終直線に差し掛かると、タキオンの目が変わり、飛鳥もそれを察知した。
飛鳥(来る!)
飛鳥がそう思った次の瞬間、タキオンが飛鳥を抜かしていた。
「!?」
アグネスタキオン「君の力はそんなものではない筈だ! 見せてみろ!」
そう言ってタキオンが挑発すると、飛鳥の顔つきも変わり、タキオンに迫る。観客たちは皆息をのんでいた。
飛鳥「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
飛鳥の顔つきも荒々しくなり、猛スピードを放ってタキオンと距離を縮めていく。するとタキオンは高笑いした。
アグネスタキオン(そうだ! もっと見せたまえ! 私に可能性を――――――)
そして決着がついた。飛鳥がもう少しの所でタキオンが先にゴールを割った…。
シンボリルドルフ「勝者! アグネスタキオン!」
ルドルフが勝者の名前を上げると、歓声が上がった。
「さ、流石だ…」
「名門出は伊達じゃなかったのか…」
「ていうか…相手の奴本当に人間なんだよな…!?」
「ていうかあいつ…ゴルシのトレーナーじゃないか!?」
飛鳥「ハァ…ハァ…」
飛鳥が両膝をターフにつけて息を切らしていた。
ダイワスカーレット「やっぱりタキオンさんは凄いわ!」
トウカイテイオー「ていうか飛鳥、あそこまで走れるの!? 人間だよね!?」
ゴールドシップ「知らなかったのか?」
ウオッカ「もう超能力があるとか関係ないよな…」
そしてタキオンが飛鳥に近づいた。
アグネスタキオン「立てるかい?」
飛鳥「ええ…御見それ致しました。私の完敗です」
飛鳥が首を横に振りながら、自身の敗北を認めた。
アグネスタキオン「…どうやら君はモルモットという枠を超えてるようだね」
飛鳥「え?」
アグネスタキオン「こっちの話さ。それよりもチーム加入の件だが、悪い話じゃないだろう。現に私は君に勝っているから…練習相手にもなるし、データも取れる筈だ」
タキオンの言葉に飛鳥は考えた。
飛鳥「…確か交換条件があると言いましたね」
アグネスタキオン「何でも言ってみるがいい。ある程度は頑張ってみよう」
飛鳥「授業出てください」
飛鳥の言葉にタキオンも流石にぽかんとしていた。
飛鳥「ルドルフさんから授業に出ていないとお話は伺っています。出て貰わないと何かあった時にスカーレット達に迷惑がかかるので」
飛鳥の言葉にタキオンは高笑いすると、飛鳥は困惑した。
アグネスタキオン「君は本当に面白い奴だ! 一本取られたよ! まあいい…。本来なら無駄な授業は出たくはないが、それくらいならお安い御用さ。宜しく頼むよ」
こうしてタキオンもチームに加入した。
飛鳥「まあ、そういう訳でタキオンさんには補佐をやって貰う事にするから」
「お、おう…」
ダイワスカーレット「タキオンさんにやらせてる仕事、アタシにも共有しなさいよね!」
飛鳥「レースに集中して」
おしまい