ウマ娘達との出会い   作:ダシマ

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ヒシアマゾン(前編)

 

 ウイニングチケットとダシマカップに出走する事になったテツマ。

 

テツマ「あんたの好きにやってくれ」

ウイニングチケット「えっ!?」

 

 練習メニューを用意するように言われたテツマだったが、好きにやるように言われたチケット。

 

ウイニングチケット「ど、どうして!?」

テツマ「逆に聞くぜ。キャリアもあんたの方が上で、こっちはトレーナーを始めて1か月も経ってない。一体何ができるってんだ?」

ウイニングチケット「そ、それは…」

 

 テツマの言葉にチケットは困惑した。

 

テツマ「まずはあんたの走りを見せてくれ」

ウイニングチケット「わ、分かったけど…その前に1個だけいい?」

テツマ「何だい? 敬語を使えってか?」

ウイニングチケット「…名前で呼んでくれる? あんたじゃなくて」

テツマ「分かりました。チケット先輩」

ウイニングチケット「チケットでいいし、ため口で良いよ。なんかよそよそしいから…」

 

 そしてまた、チームを組んだことをネイチャの耳にも届いた…。

 

ナイスネイチャ「チケゾー先輩なら…まぁ…」

ツインターボ「ネイチャ! このままでいいのか!?」

ナイスネイチャ「いや、それはそうなんだけど…」

 

 テツマから『傷つくのが怖いなら勝負の世界から降りろ』と言われ、ずっと迷っていたネイチャだったが、親友であるターボたちからこのままでいいのかと言われていた。

 

ツインターボ「それならネイチャが勝てるようにターボがトレーニングするぞ!」

ナイスネイチャ「イクノ。なんかない?」

 

 ターボに任せるとはちゃめちゃな事を起こしそうだったので、多少実績あるイクノディクタスに頼むことにした。

 

イクノディクタス「分かりました。出来るだけの事はやってみましょう」

マチカネタンホイザ「私も手伝うよ~」

 

 しかし、これで終わりではなかった…。

 

********

 

「縹テツマってのはどいつだい!?」

 

 一人のウマ娘がテツマ達の教室にやってきた。だが、テツマは気に留める様子もなかった。

 

太一「こちらの方です」

ヒシアマゾン「そうか!」

 

 そう言ってヒシアマゾンがテツマの所に来たが、本当に気にも留めなかった。

 

ヒシアマゾン「うちの後輩が世話になったね」

テツマ「後輩…?」

ヒシアマゾン「チケットと一緒にいた2人のウマ娘を覚えてるか? あれはうちの寮の生徒なんだよ。アタシはヒシアマゾン。美浦寮の寮長だ」

テツマ「…で、その寮長が一体何の用だ?」

ヒシアマゾン「あんたにちょいと話があってね。時間は空いてるかい?」

テツマ「生憎だがダシマカップで色々忙しいもんでね。期待には答えられねぇな」

 

 しかしこの後、チケットによって時間を空けられ、空き教室で話をする事となった。

 

ウイニングチケット「もー! ダメだよ! 変な事言ったら」

テツマ「恩を買おうとしてるのを止めただけだぜ」

ヒシアマゾン「やっぱりそうだったのか…」

テツマ「ああ。あんたらにはそれよりもやるべき事があるだろう」

 

 テツマがヒシアマゾンを見てそう言った。

 

テツマ「結果的にあの2人は元気でやってるんだろう?」

ヒシアマゾン「ああ。あの子達は逞しいからね」

テツマ「ならもうそれでいいだろう」

 

 テツマは腕を組みながらそう言うと、ネイチャ達が近くを通りかかって陰から様子を見ていた。

 

ヒシアマゾン「な、なんかやけにあっさりしてるね…」

テツマ「まあな。で、話は終わりか?」

 

 やけに自分に興味を持たないテツマにヒシアマゾンはむすっとすると、チケットは困惑した様子でテツマを見ていた。

 

ヒシアマゾン「そういえばダシマカップに出てるそうだね!」

テツマ「ああ。だが、基本的にはもうこいつに任せてる」

ウイニングチケット「練習メニューも自分で作れって」

ヒシアマゾン「な、何だって!?」

 

 チケットの言葉にヒシアマが反応した。

 

ヒシアマゾン「あんた、練習メニューを作ってないのかい!?」

テツマ「ああ。そもそもこいつの事も良く知らねぇし、G1も勝ってんだ。トレーナーを初めて1か月も経ってねェ奴が考えたメニューをやるより、TSシリーズのトレーナーの元でやってた練習メニューか自分で考えたメニューでやって方が良いだろう」

ヒシアマゾン「それじゃあんたが成長しないだろう!」

テツマ「それに、もう一つ理由がある」

「!?」

 

 テツマがヒシアマゾンを見つめた。

 

テツマ「敗北をオレのせいにさせない為だ」

チケット・ヒシアマ「!」

テツマ「敗北は自分の責任だ。考えた練習メニューが悪かったから負けた。きちんと指導しなかったから負けた。そんな奴の末路なんて腐る程見てきたからな。自分じゃどうする事も出来ねぇから他人に当たるしか出来ねぇあの姿は、あまりにも無様だ」

 

 テツマの発言と表情からチケットとヒシアマは闇を感じ取っていた。

 

テツマ「まあ、そういうこった。契約解除してぇなら構わねぇぜ。考えを改めるつもりはねぇからな」

ウイニングチケット「いや、それはしないけど。練習メニューの組み方くらいは勉強した方が良いと思うよ…」

テツマ「よほどの事がない限りは出さねぇよ」

 

 するとヒシアマは目を閉じて腕を組んだ。

 

テツマ「まあ、そういうこった。もうこれっきりだ」

ヒシアマゾン「話してみて思ったんだが、つくづくほっとけない奴だねぇ…」

テツマ「オレよりも野放しにしない方が良い奴は沢山いるぜ。トレーナー科のバカ息子共とかな」

ウイニングチケット「バカ息子って…」

ヒシアマゾン「よし、決めた! アタシもダシマカップに参加する!」

「!?」

 

 ヒシアマの言葉に皆が驚いた。

 

テツマ「そうかい」

ヒシアマゾン「あんたのチームに入るよ!」

テツマ「…オレを監視しようってか?」

ヒシアマゾン「それもあるが、基本的にはウマ娘達に任せてくれるんだろう? それならアタシとしても好都合だ! 腕試しがしたい所だったんだよ!」

テツマ「トレーナーはどうしたんだ」

ヒシアマゾン「ああ。トレ公は去年移籍したから今はフリーなんだよ。ずっと寮長の仕事をしていたけれど…久々に燃え上がりそうだよ!」

 

 ヒシアマゾンの言葉にテツマは一息ついた。

 

ヒシアマゾン「そういう事だからチケゾー! よろしく頼むよ!」

ウイニングチケット「あ、うん。アタシは大歓迎だよ!」

 

 とまあ、仲間が増えることになったが、テツマは出口を見ていた。

 

ヒシアマゾン「どうしたんだい?」

テツマ「いや…。さっきからネズミがウロチョロしてるもんでな」

ウイニングチケット「ネズミ?」

「ターボ、ネズミじゃないもん!!」

 

 ツインターボが飛び出すと、ネイチャ達も現れた。

 

 

つづく

 

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