悪魔の孫は時の王者となって世界最強   作:MTHR

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 この小説ではお久し振りです。番外編の執筆や仕事が急がしくて書き進めるのが遅れてました。……って、いつもの事ですね(汗)。
 今回のサブタイトルはナンバーワン戦隊ゴジュウジャー11話の「解き放て野生!野獣使いが笛を吹く」からです。

 それはそうと…仮面ライダーゼッツ、超カッコいい!


ep.6 解き放て野望!二人の入間が殴り合う

「始まったかぁ……」

 

 仮面をつけた女──プレアデスは、スクリーンに映る映像を見ながら、小さく呟いた。仮面に隠れたその目には、言い表しがたい程の強い感情が見え隠れしている。

 その時、プレアデスはある気配を感知して、そこに視線を向ける。

 

「……で?コソコソ嗅ぎ回ってたみたいだけど、プライバシーの侵害なんじゃないですか?鳴海荘吉さん?」

「…生憎、探偵ってのはそう言うやつも多くてな」

 

 プレアデスの視線の先にある暗闇から現れた男──鳴海荘吉は、帽子を被り直しながらそう告げると、鋭い眼差しでプレアデスを睨む。

 

「聞かせてもらおう。お前の目的はなんだ?」

「目的、ですかぁ……そんなの一つだけですよぉ」

 

 そう呟いたあと、プレアデスは肩を震わせ、声を高らかにして笑い始めた。

 

「好きなんだよ!貴方達のような偽善者の仮面ライダーを貶めるのが!!正義の使者とか言いながら、願いを叶えるなんて戯れ言に簡単に騙されて醜く争うのが!!!」

「……少々おいたが過ぎるな、lady」

 

 プレアデスの言葉に、荘吉は表情を険しくさせる。その威圧感は、常人にはとても堪えられない物だが、プレアデスは柳に風と受け流しながら、懐をまさぐった。

 

「それはそっちでしょ。まだ私の目的が完遂できていない以上、口封じさせてもらいます」

 

 そう言いながら、プレアデスは懐から、荘吉に見せつけるように何かを取り出した。

 

 

ベイクマグナム!

 

 

 赤黒い怪物の大顎を模したようなデザインの無骨な銃──“ベイクマグナム”と、掌に収まるほどのお菓子の箱を模したような生き物──“ゴチゾウ”を見せつけたプレアデスは、チョコチップクッキーのゴチゾウ──“ブレイクッキーゴチゾウ”を、ベイクマグナムに装填する。

 

 

セット

 

 

 ベイクマグナムにゴチゾウをセットし、ジャッキを3回噛ませる。

 

 

チェンジング!

 

 

「……で、これを言うのが作法なんだっけ?それくらいは合わせてあげる──変身

 

 

ファイヤー!!

 

 

 ベイクマグナムのトリガーを引き、銃口からマグナムの銃身を模したエネルギーが射出され、縦横無尽に宙を舞った直後に大顎を開きながらプレアデスへと覆い被さる。そして、エネルギーが大顎を開いたと同時に離れると、プレアデスの周りをオーブントースターのヒーター状を模したエネルギーケージが囲いながら加熱し始め、上から流れてくるチョコチップが入った液体状のクッキー生地が黒いライダースーツに身を包んだ彼女を覆う。

 そして、焼き菓子のように全身を覆う生地が焼き上がった直後、それらが砕けるようにしてアーマーに変化する。

 

 

ビヨンドバイオロジー!!

 

ベイク!!!

 

 

 そこに立っていたのは、チョコチップクッキーを生かした砂漠迷彩のようなミリタリー色の強い姿が特徴的で、全体のシルエットは刺々しく、装甲は黄土色に焦茶が混ざった暗めかつ複雑なカラーリングで、凶暴性や凄みを感じさせる外観となっている姿をした仮面の戦士。

 

「仮面ライダー…ベイク」

 

 【仮面ライダーベイク】となったプレアデスが、軽く首を回しながらゆっくりと歩き出すのを見て、荘吉は被っていた白い帽子をゆっくりと外す。

 

「ガイアメモリは裏の仕事でしか使わないと決めていたが……やむを得ん」

 

 そう言うと、荘吉はロストドライバーを取り出して腰に当て、ベルトとして装着する。そして、骸骨を象った『S』というイニシャルが描かれた黒いメモリを取り出すと、そのメモリ──“スカルメモリ”のボタンを押した。

 

 

SKULL!

 

 

「変身」

 

 荘吉はスカルメモリをロストドライバーに装填すると、スロットをL字になるように展開した。

 

 

SKULL!!

 

 

 荘吉の体が風に包まれ、全身が黒い鎧に包まれる。

 額には「S」字の傷模様が刻まれた骸骨を模した銀色の頭部を持ち、胸骨のような意匠のある黒いボディに、白いマフラーを首に巻いた戦士。

 姿を変えた荘吉は、額のS字を隠すように、手に取っていた白い帽子を深く被ると、ベイクに向けて右手を向けた。

 

「……さぁ、お前の罪を…数えろ」

 

 荘吉──【仮面ライダースカル】はそう告げると、“スカルマグナム”と呼ばれる漆黒の銃を取り出し、ベイクマグナムから銃弾を放ち続けるベイクとの戦闘を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バトルコートに降り立った白入間と青入間はオーロラカーテンに飲み込まれ、いつの間ににか草木が生い茂る草原に立っていた。

 

「こんなことで解決するなんて思ってない……でも、敵なら殺そうとする君のやり方はやっぱり間違ってると思う!だから、僕が止める!!」

 

 腰にガッチャードライバーを巻き付けた青入間は、その手にガッチャートルネードを手にすると、構えた。最初は変身でなく、生身でやる気なのだろう。

 

「……君の言いたいことは分かった。けど、僕は正しいとか間違いとか、そんな簡単な生き方が出来ないんだよね……」

 

 それを見て、白入間もジクウドライバーを腰に巻くと、宝物庫から、掌に握り込める程の小さなあるものを取り出す。すると、それが光を放ち、その大きさと形状を変化させながら、白入間の手に収まった。

 

「刀……!?」

 

 それは、鞘に収められた黒と青の日本刀だった。刀身を納めている鞘は両端と中央が青く、その間が黒くなっている。白入間が鞘から刀を抜くと、宝石のような煌めきを放つ刀身と、鍔に当たる部分に埋め込まれている青い宝玉が露になった。

 

「まだ試作段階の未完成品だけど、君にはこれを使う価値がある」

「ッ!」

 

 その刀に目を見開いていた青入間だが、白入間の言葉ですぐに気を取り直してガッチャートルネードを構えると、白入間も刀を逆手に持ち、姿勢を低くして構える。

 

 沈黙が続く。

 

 その時、入間達から離れた位置にある小山の上にあった小石が、音を立てて転がり落ちた。

 

「「はぁああああああああっ!!!!!!!」」

 

 その瞬間、白と青の入間は同時に飛び出す。

 

 青入間は走りながらガッチャートルネードから矢を放つ。白入間は逆手に持った刀でそれらを切り飛ばしながら青入間に迫ると、その刀を振り下ろし、青入間は咄嗟に横に転がってその刃から逃れる。

 だが、白入間はすぐに刀を順手に持ち変えて振り上げる事で青入間を切り裂こうとするが、それは直前で間に入ったガッチャートルネードによって防がれた。

 

 

100(ワンハンドレッド)!フルバレット!!

 

 

「はっ!」

「うわぁッ!?」

 

 しかし、白入間はコンマ一秒の隙に“ホークガトリンガー”を取り出し、凄まじいスピードで地面にスライドさせることでリボルマガジンを10回転させ、百発のオレンジの鷹型の光弾を発射する。自動追尾機能を持つ銃弾だが、白入間には差程当てる気がないのか、半分以上が地面や見当違いな場所に当たり、青入間は素早い身のこなしでかわしつつ、ガッチャートルネードで弾き、なんとかそれを回避していく。

 銃弾が止み、青入間が顔を上げると、そこには既に白入間の姿はなかった。

 

「ふっ!」

「ッ!ガハッ!!?」

 

 その瞬間、一瞬にして青入間の背後に回った白入間の蹴りが脇腹に炸裂し、青入間は地面を転がっていく。そして、白入間は刀を上段に振り下ろすが、青入間は咄嗟に白入間の手の甲を蹴って剣の軌道をズラすと、もう片方の足で白入間の腹部を蹴りつける。

 

「……っ!ふんっ!!」

「うわぁああっ!!??」

 

 白入間はその蹴りを片手で受け止め、逆にしっかりとその靴を掴んだ瞬間、青入間を勢いよく投げ飛ばす。なんとか受け身を取って着地する青入間だが、顔を上げた瞬間にはまたもや一瞬にして接近した白入間が右手に持った刀を振りかぶっているのを見て、青入間は咄嗟に両手でガッチャートルネードを握り締め、思いっきり振り抜いた。

 

 鋭い金属音と火花が散り、二人の入間は剣戟を開始する。

 しばらく一進一退の攻防を続けているかと思われたが、やがて青入間の表情に焦りが浮かび、青入間の体がジリジリと後ろに下がっていく。

 

(強い……!)

 

 青入間は冷や汗をかく。

 青入間も、相当な戦闘と訓練を積み重ね、相応に実力をつけているつもりだった。

 白入間の剣術は、あまりにもデタラメな我流のものだ。シグナムと模擬戦を続けていた青入間からすれば、剣の技術は雲泥の差とも言える。

 だが、強い。

 人外の力で振るわれる刃はそれだけで人をアッサリと切り殺せるだけの殺傷力を持ち、その鋭い直感と洞察力で自分の攻撃は見切られて、優れた反射神経と瞬発力でかわされ、逆にその隙を狙って自分が危うく攻撃されそうになる始末だ。

 

「“変化(チェルーシル)”!!!」

「っ!くっ!!」

 

 現状を打破すべく、青入間は魔術で地面を隆起させ、白入間は大きく後ろに跳んで難を逃れると、青入間はホッパー1とスチームライナーのカードを取り出し、その二枚をガッチャードライバーに装填する。

 

 

HOPPER1!

STEAMLINER!

 

 

「変身!」

 

 

ガッチャーンコ!

 

スチームホッパー!!

 

 

 背後に出現した二枚のカードが合体し、青入間の体が矢印の渦に包まれ、仮面ライダーガッチャード・スチームホッパーとなった。

 

 それを見て、白入間はジオウライドウォッチのベゼルを回してジクウドライバーに装填。ベルトのロックを外し、回転させた。

 

 

ジオウ!

 

 

「変身」

 

 

ライダータイム!

 

仮面ライダー!ジオウ!!

 

 

 背後に出現した時計の針と共に世界が回転し、「ライダー」の文字が顔に張り付くことで、白入間は仮面ライダージオウに変身した瞬間、再び刀を構えると、ガッチャードもエクスガッチャリバーを手にして走り出す。

 

「はぁっ!!!」

「ぐっ!?」

 

 ジオウとガッチャードの攻防戦が始まり、互いに鍔迫り合いの態勢となる。しかし、優勢なのはジオウだ。

 

「それなら……!」

 

 

クロスオン!

 

 

 ジオウの腹部を蹴って距離を取ったガッチャードはエクスガッチャリバーを変形させると、ガッチャードライバーに接続し、【エックスレックス】のケミーカードを装填する。

 

 

グレイトフルエンシェント!!

 

ガッチャーンコ!X!!

 

X-REX!!スゥーパァーー!!!

 

 

 深紅の頭部の中心に金色のXが刻まれ、電子模様のようなラインが走っている深紅のT-レックスを模したアーマーを装着した姿をした【仮面ライダースーパーガッチャード・クロスエックスレックス】に変身し、分離させたエクスガッチャリバーによる斬撃や、強靭な両脚から繰り出される爪の一撃でジオウを攻撃する。

 しかし、ジオウは刀の鞘でそれを防ぐ。

 

「それなら、この機能だね……!」

 

 ジオウはガッチャードのパワーアップを前に、手にしていた刀を鞘に収刀する。

 

『FLUT FORM』

 

 剣から音声が鳴り、ジオウが刀を抜刀しながら剣を振り抜く居合いを行うと、鞘の長さからはどう考えても収まりきらない程の()()()()()()()が、スーパーガッチャードに襲い掛かった。

 スーパーガッチャードは地面を横に転がることで回避するが、地面に深く刻み込まれた斬撃の跡と、その辺りの地面を濡らしている水溜まりを見て、スーパーガッチャードはジオウの手元を見た。

 

「刀身が、水に……!?」

 

 そう、鞘から抜き放たれた刀の刀身は、宝石のような煌めきを放つ刃ではなく、透き通るように純度の高い水に変化し、まるで意思を持つようにユラユラと不規則な形で存在していたのだ。

 

 仮面ライダーや魔導師も、各々が用いている武器やデバイスの形状を変化させて別の武器に変えることは出来る。だが、ジオウの刀に起きたのは、刀身そのものが液体に変化するという物だ。こんなデタラメな変形など、ガッチャードは聞いたこともない。

 

「来ないなら、こっちから行くよ」

 

 スーパーガッチャードが驚愕して固まっている隙に、ジオウはディケイドウォッチを取り出し、起動と同時に、ベルトに装填し、ドライバーを回転させる。

 

 

ディ・ディ・ディ・ディケイド!

 

アーマータイム!

 

KAMEN RIDE!ワーオッ!

ディケイド!ディケイド!ディーケーイードーッ!

 

 

 ディケイドアーマーに変身したジオウは、新たにライドヘイセイバーを装備し、ヘイセイバーの針を動かした。

 

 

ヘイ!ドラーイブ!

 

ドラーイブ!デュアルタイムブレーク!

 

 

 ジオウがライドヘイセイバーを振るうと、“マックスフレア”、“ファンキースパイク”、“ミッドナイトシャドー”のタイヤ型エネルギーを飛び、スーパーガッチャードを強襲する。スーパーガッチャードは素早い身のこなしで回避していく。すると、ジオウは刀を振り抜くと、宙を漂っていた水の刀身が四散し、まるで意思を持つように四方八方からスーパーガッチャードに襲いかった。

 

「くっ、うぁっ!?」

 

 何度か避けようとするが、タイヤ型エネルギーの間を縫うように襲い来る水の刃に、スーパーガッチャードは火花を散らして後退する。

 

 スーパーガッチャードは水の刃を弾こうと腕を振るい爪型のエネルギーを放つが、手と接触した水は水飛沫を上げながら弾け、水滴が集まると同時に、再び水の刃を形成してスーパーガッチャードに襲い掛かる。

 何とかそれを回避したスーパーガッチャードは、水の刃が当たった地面が深く切り裂かれている光景を目にした。

 

「水なのに……なにこの威力!?」

 

 スーパーガッチャードは思わず声を上げる。超高圧の水の切断力は、鋼鉄すら容易く切断することが出来る。だが、ジオウの刀から放たれる水の刃は、どう見てもそれ以上の切断力があるだろう。

 

 ジオウが持つ刀は、刀身を水に変えて自在に操ることが出来る。水に変化させた刀身を操るだけでなく、その刀身に自在に圧力をかけることで、水になった刀身の一部を自在に水の刃に変えることが出来るのだ。

 

「負けるもんか!!」

 

 

ガッチャーイグナイター!

 

ターボオン!!

 

ガッチャーンコ!ファイヤー!!

 

スチームホッパー!!アチー!!!

 

 

 スーパーガッチャードはエクスガッチャリバーを外してガッチャーイグナイターをガッチャードライバーに装着すると、ファイヤーガッチャードに変身し、ファイヤードッカーンから炎を噴き出し、目にも止まらぬ速度でジオウを翻弄し、何度も攻撃を加える。

 

「そう来るか……それなら!!」

 

 

ヘイ!キバ!

 

 

 立ち上がったジオウはライドヘイセイバーの針を動かしてから地面に突き刺し、刀を逆手に持って構えると、柄の頭の部分が変形し、そこから薬莢のような物が飛び出した。

 それを見て、ファイヤーガッチャードは目を見開いた。何故なら、ミッドチルダで活動している彼にとって、その薬莢や、薬莢が飛び出る動作は、見覚えがありすぎるからだ。

 

「アレって……カートリッジ!?」

 

 魔力の弾薬を炸裂させて一時的に爆発的な魔力を得る『カートリッジシステム』。それは元々シグナム達ベルカ式魔導師が生み出し、ミッド式にも普及するようになった物だ。

 しかし、そのシステムを組み込めるのは、ガッチャードの知る限りではデバイスの製作と管理が出来る『デバイスマスター』の資格を持つ【シャリオ・フィニーノ】くらいだ。そして、シャーリーが白入間にデバイスを渡したなんて聞いたこともない。

 

 ファイヤーガッチャードは混乱しながらも、相手がなにかを仕掛けてくると察して、何かさせる前に攻撃を仕掛けようとジオウに接近する。しかし、ジオウが動き出すのが先だった。

 

『MEERESSTURM!!』

 

「っ!?わぶっ!!!」

 

 ジオウが刀を地面に突き刺すと、刀から大量の水が溢れだし、ジオウの半径一キロ圏内を包み込む程の水のドームを作り出し、ジオウに接近していたファイヤーガッチャードはその水に飲み込まれる。

 

「はぁっ!」

「うわぁあああああっ!!?」

 

 そして、ジオウが刀を振り上げると、周囲を覆っていた水が渦潮となって高速回転を始め、水の中に飲み込んだファイヤーガッチャードを振り回す。まるで洗濯機の中に放り込まれたように振り回されるファイヤーガッチャードを見て、ジオウはライドヘイセイバーを地面から引き抜いた。

 

 

キバ!デュアルタイムブレーク!

 

 

 水の渦に突き刺したヘイセイバーから、コウモリ型のエネルギーの群れが飛び出し、渦の勢いにのってファイヤーガッチャードを強襲する。

 水の竜巻に体をネジ切られるよう感覚に陥りながら、コウモリエネルギーに蹂躙されたファイヤーガッチャードは爆発を起こし、地面に墜落した。

 

「まだ……まだ!!」

 

 

TENLINER!

 

 

 ファイヤーガッチャードは、スチームライナーのカードを【テンライナー】に再錬成し、ガッチャードライバーに装填すると、背後のカードから飛び出したテンライナーが小型化し、ファイヤーガッチャードはそれをガッチャーイグナイターと付け替える。

 

 

ライナーオン!

 

ガッチャーンコ!!

 

出発進行!

 

アイアンガッチャード!!

 

シュポポポーン!!!

 

 

 【仮面ライダーアイアンガッチャード】に変身し、機関車のようにジオウに突撃する。ジオウは水の刃を飛ばして攻撃するが、強固なアイアンガッチャードの装甲に阻まれる。

 

「はぁっ!」

「ぐふっ!?」

 

 両腕の“ヘビーエクスプレッシャー”を叩き付けられたジオウは火花を散らして吹き飛び、地面を転がる。

 

「流石に、未完成品じゃあここまでかな……」

 

 ジオウは刀を鞘に納めると、新たなライドウォッチを取り出し、ディケイドウォッチに装填する。

 

 

アギト!

 

ファイナルフォームターイム!ア・ア・ア・アギトー!

 

 

 音声と共に、ジオウの体と仮面のモニターが変化し、【仮面ライダーアギト・バーニングフォーム】の力を宿した【仮面ライダージオウ・ディケイドアーマーアギトフォーム】に変身したジオウは、灼熱の炎を纏ったパンチでアイアンガッチャードと殴り合いを開始する。

 

 互いにスピードを捨てて防御力とパワーを底上げした形態となったジオウとガッチャードは、互いに強力な拳を相手に打ち込み続ける。

 やがてお互いの鳩尾に強烈な一撃を叩き込み、後退したジオウとアイアンガッチャードは、同じタイミングでベルトを操作すると、同時に飛び上がる。

 

 

ア・ア・ア・アギトー!!

 

ファイナルアタックタイムブレーク!!!

 

 

ガッチャーンコ!!

 

アイアンナックル!!!

 

 

「はああああっ……でやあああああああっ!!」

「ふっ……うおおおおおおおおおっ!!」

 

 極炎を纏わせた拳と、超重量の列車の籠手から繰り出されるパンチがぶつかり合い、凄まじい大爆発を起こす。爆煙から、ディケイドアーマーに戻ったジオウとアイアンガッチャードが墜落した。

 

 

CROSSHOPPER!

 

 

 アイアンガッチャードは、ホッパー1が強化された【クロスホッパー】のカードをドライバーに装填し、背後に現れた巨大なカードからクロスホッパーが出現して、小型化されたクロスホッパーを、ドライバーに装着されたテンライナーの頭部のハッチを開けてセットし、ゴーグルを掛けさせる。

 

 

ホッパーオン!

 

ガッチャーンコ!!

 

ガッチャ!

ガッチャ!!

ガッチャ!!!

 

プラチナガッチャード!!!

 

 

 【仮面ライダープラチナガッチャード】に変身し、続けて二枚のケミーカードをドライバーに装填する。

 

 

SABONEEDLE!ユニゾン!

BULETTEBAANG!ユニゾン!

 

ガッチャーンコ!!

 

プラチナシュート!

 

フィーバー!!

 

 

 プラチナガッチャードの右手から、無数の鋭い棘がガトリングのように飛び、ジオウに襲い掛かる。

 それを見たジオウは、ガヴライドウォッチを取り出し、ディケイドウォッチに装填した。

 

 

ガヴ!

 

ファイナルフォームターイム!ガ・ガ・ガ・ガーヴ!!

 

 

 ジオウの体が【仮面ライダーガヴ・ブリザードソルベ】を模した物に変わり、右肩の字が『ガヴ』、胸部の字も『ブリザードソルベ』に変わり、仮面のモニターもガヴ・ブリザードソルベの物となる。

 

「はぁっ!!」

 

 【ディケイドアーマーガヴフォーム】に変身したジオウは、口から極寒の吐息を吐き、津波のような氷塊を発生させ、迫り来る棘を一瞬で呑み込んだ。氷はそのままプラチナガッチャードを呑み込もうとするが、プラチナガッチャードは高く跳躍し、氷の上に着地すると、ガッチャートルネードとエクスガッチャリバーを手に取った。

 

 ジオウは“ガヴガブレイド”と“ガヴホイッピア”を装備すると、プラチナガッチャードを追って氷のバトルフィールドに降り立つ。

 

 

ホイップパーティー!!

 

 

 ジオウはガヴホイッピアから、ホイップクリームのような頭部にアイスコーンのような前垂れを掛けた兵隊【ソフトクリーム兵】を五体召喚し、ガヴガブレイドに氷を纏わせ、プラチナガッチャードに突撃する。

 

「数が多くても……!」

 

 

SASUKEMARU!ユニゾン!

 

ガッチャーンコ!!

 

 

 プラチナガッチャードは【サスケマル】のケミーカードを装填すると、プラチナガッチャードが忍者のように三人に分身した。

 三人のプラチナガッチャードは、本体がエクスガッチャリバーとガッチャートルネード、分身の一体がガッチャートルネード、もう一体がガッチャージガンを手にすると、ジオウとソフトクリーム兵に向かって走り出す。

 

 分身のプラチナガッチャード2人に、四体のソフトクリーム兵が突撃し、ジオウは一体のソフトクリーム兵と共に本体のプラチナガッチャードと交戦を開始する。

 

 剣を手にするジオウとプラチナガッチャードの技量はほぼ互角。しかし、ジオウにはソフトクリーム兵がおり、それが的確にプラチナガッチャードに攻撃を仕掛けて来るため、プラチナガッチャードは徐々に押されていく。

 

 

デコレーション!

 

 

「っ!?うあっ!!」

 

 そこへ、ジオウは“チョコダンゴチゾウ”をガヴホイッピアにセットし、【チョコソフトクリーム兵】を召喚すると、チョコソフトクリーム兵は“チョコダンガン”と呼ばれる銃から硬質弾を発射してプラチナガッチャードを狙撃する。

 

 予想外の攻撃に倒れるプラチナガッチャードを見て、ジオウは足元の氷にガヴガブレイドを振り下ろす。足場の氷が崩れ、プラチナガッチャードがバランスを崩すと、ジオウは跳躍し、真上からガヴガブレイドとガヴホイッピアを振り下ろすが、プラチナガッチャードは交差させたガッチャートルネードとエクスガッチャリバーでそれを受け止める。

 

「……っ!」

「ぐぅ……!!」

 

 ジオウは重力魔法を行使して、剣の重力を重くする事でプラチナガッチャードに圧力を掛けていく。プラチナガッチャードが膝を突き、地面が没落する。

 

 

トルネードアロー!!

 

ガッチャージバスター!!

 

 

「っ!?ぐあっ!!」

 

 そこへ、緑色の鎌のような斬撃と、電撃のエネルギーがジオウとソフトクリーム兵の背中に直撃し、ジオウは爆発を起こしながら地面に墜落する。

 顔を上げれば、氷のステージから降りたプラチナガッチャードの後ろで分身二体が武器を構えており、煙と共に消えた。どうやら、ソフトクリーム兵は倒されたのだろう。

 

「……!」

「はぁ……はぁ……」

 

 互いに武器を構えるジオウとプラチナガッチャード。

 ジオウは悠然と武器を構えるだけの余裕があるのに対して、プラチナガッチャードは膝を着いて息を乱している。優勢がどちらかなのは明白だった。

 

「……ねぇ。いい加減、この無駄な戦い終わりにしない?君には君の信念があるみたいに、僕には僕のやり方がある。今更、その事について議論しても無駄だし……どうしてもプレアデス(今回の元凶)を生かしたいなら、何があっても自分で責任を取るって保証すれば僕達は手を出さないでおくけど?」

 

 そこで、ジオウが声だけは優しくそう提案する。

 彼なりに譲歩し、青入間達を気遣った発言だった。愛子の手前、連れ去られた淳史達は必ず取り返すが、ミッドチルダ組がどうしても人を殺さない方針でやりたいというなら、バビルは彼等の戦いに手を貸さなくても言いと思っている。やっていることは鬼畜の所業であるし、白入間なりに敬意を持つ仮面ライダー達への仕打ちは頭に来るが、会話もしてない相手にさほど強い殺意を抱いている訳でもない。

 かつてのオルクス大迷宮での光輝とは違い、自分で望んだ結果を手繰り寄せようとするなら、後は全て自己責任ということで、援助も邪魔もしない不干渉でいっても良いと思っていた。

 

「それじゃあ……ダメだよ!」

 

 だが、プラチナガッチャードはその提案をはね除けた。

 

「何で?君は敵を殺したくないんでしょ?僕が退いてあげるから、それで終わりなんじゃないの?」

 

 ジオウの言っている事は的確だ。元々、この戦いはプレアデスを殺すか生かすかと言う議題であり、白入間が殺しをやめると言うなら、ジオウとガッチャードがこれ以上戦う理由はない。

 だが、本気でもう一人の自分(ジオウ)とぶつかり合ったガッチャードは、どうしても見過ごせないことがあった。

 

「君の想いの強さはわかった……けど、それだけ強い想いがあるのに、どうして君はその力を人の為に使えないんだ!?」

 

 ジオウ(白入間)は冷酷な人間ではなく、大切な人を守るために戦おうとする心の持ち主であることは彼も分かっていた。だが、“どんな命でも守る”為に仮面ライダーとして戦うことを選んだガッチャード(青入間)は、例え平行世界の存在とはいえ、自分が他人を躊躇いなく殺せるようになっている事に、ショックを隠せなかった。だからこその問い掛けだ。

 しかし、ジオウには響かない。

 ジオウは剣を手に、プラチナガッチャードに向けて走り出す。

 

「そんなことかぁ……。僕の力なんだから、どうしようと僕の自由だよ」

「弱く力のない人の命を夢、未来を守る!それが大きな力の正しい使い方だ!!」

 

 剣をぶつけ合いながら、ジオウとプラチナガッチャードは口論を続ける。

 

「そんなのは君がやれば良い。僕は全ての世界を守るとか、全てを救うとか、高尚な物はない!僕は君とは違う!僕は自分の“大切なもの”の為に戦う!人も世界も、僕が拾うのは魔界(一つ)だけで十分だ!!」

「そんなの、僕のガッチャとは違う!!」

 

 その言葉に、常に冷静なジオウも苛立ってきたのか、ガヴガブレイドとガヴホイッピアを投げ捨てると、プラチナガッチャードを殴り飛ばす。

 殴られたプラチナガッチャードは二本の武器を手放しながら地面を転がるが、直ぐに立ち上がり、ジオウと肉弾戦を開始した。

 

「ッ!君は分からないだろうね……!勝った者は生き残って、負けた者は地獄に落ちる!勝った者は負けたものの怨みと怨念を背負って生きる!それが戦うってことなんだよ!全てを救うなんて、軽々しく口にすることじゃないんだよ!!」

「軽くなんか、ない!!」

「そうなんだね!けど、何度も言うけどそれは君の価値観であって、僕の意思じゃない!!」

 

 必死にジオウに呼び掛けるプラチナガッチャードの拳と、プラチナガッチャードの言葉をはね除けるジオウの拳が、同時に相手の胸元に炸裂すると同時に、二人は火花を散らしながら後退した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「入間さん……!」

「イルマ…!」

 

 そんな二人のライダーの衝突を、観客席から眺めていたスバル達は、心配そうに青入間(ガッチャード)の名前を呟いた。

 

「………なんで、あの二人はあんなに違うんですか?」

 

 エリオが呟く。

 彼が尊敬する鈴木入間(ガッチャード)は、人の命を守るためならばどんな危険だって顧みず、全てを拾おうとする男だった。だからこそ、別の世界の鈴木入間(ジオウ)のあり方に、エリオはショックを感じずにはいられなかった。

 

 スバル達も同じ気持ちなのか、沈んだような表情をするなか、可憐な声が聞こえてきた。

 

「……どっちの入間も、根本は同じ」

 

 その声は、ユエのものだった。

 エリオ達の視線がユエに集中する。ユエは、どう言うことだと尋ねるような視線を向けるエリオ達を一瞥すると、そんな事は些事であるというように、スクリーンに目を向けたまま、独り言のように呟き続ける。

 

「……二人とも、自分の“欲”の為に戦っている。でも、世界中を救うって考えは、見方を変えれば単なる傲慢……自分の“大切”を護る為に戦う入間(ジオウ)に、生半可な覚悟で入間(ガッチャード)が勝てると思わないで」

 

 ユエは知っている。力を持つ事には、相応の覚悟が必要であることを。

 あらゆるものを救える力を人助けに使うのは良い。だが、助けを求める声に手を差し伸べ続ければ、自身の本当の望みはどんどん遠ざかっていく。最悪の場合、待っているのは破滅だ。

 他を寄せ付けない強さを持っていた故に300年も暗闇に閉じ込められた過去を持つユエは、白入間が人を見捨てたり切り捨てる事に躊躇いがないのは、守るべき物を確実に守り抜くために必要な、そして一度助けると決めた物は絶対に見捨てないという“覚悟”であると理解していた。

 

 刺すような視線に、スバル達やナンバーズ、赤アメリ達魔界組までもが怯むように言い淀む。だが、直ぐにここで引いてならないと思い直し、睨むようにユエを見つめ返す。

 

「生半可なんかじゃない!」

「……」

 

 ユエはチラリと、声を上げたスバルを見る。すると、スバルに同調するように、エリオ達も声を上げる。

 

「白い入間さんの覚悟は分かりました……でも、入間さんにだって沢山背負ってるものがあります!」

「それに、入間さんはこれまで、命を顧みずに沢山の人を救ってきました。命を懸けて人を救う事が、生半可な覚悟だなんて言わせません!」

「……そう」

 

 エリオとティアナの言葉に、ユエは反論しなかった。

 彼女は別に、命懸けで人を救う事を否定しているわけではない。

 だが、生きて最良を掴む為に犠牲を払いながらも戦っている自分達には、きっと彼女達のように振る舞うのは不可能だろうなと、ユエはバビルのメンバー達と顔を見合わせ、内心苦笑すると、再びスクリーンでぶつかり合う二人の入間の戦いに視線を戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジオウとガッチャードの殴り合いは、お互いの胸に打ち付けたパンチによって火花を散らしたことで中断され、二人は同時に強化アイテムを取り出した。

 

 

グランドジオウ!

 

 

 グランドジオウライドウォッチを取り出して起動すると、ウォッチから平成ライダーの顔が描かれたパーツがせりだし、ジクウドライバーにグランドジオウライドウォッチをセットすると、地中から巨大な黄金の時計台と歴代平成ライダーの石像が出現し、表層が剥がれて20人の平成ライダー達の姿が現れる。

 

 

ギュイイイインッ!ブゥゥウウウンッ!ADVENT!COMPLETE!Turn up!

キィイイーーン…!CHANGE BEETLE! SWORD FORM! ウェイクアップ!KAMEN RIDE!

CYCLONE! JOKER! タカ!トラ!バッタ!3・2・1!

シャバドゥビタッチヘンシーン!ソイヤッ!ドラーイブッ!

カイガン!レベルアーップ!ベストマーッチ!

 

ライダータイムッ!

 

 

 ドライバーを回転させると、ライダー達が黄金のフレームに取り込まれてジオウの身体に張り付く様に装着され、ジオウは柱時計や王冠を被った王を連想させる黄金の姿へ変わる。

 

 

グランドタイム!

 

 

クウガ!アギト!龍騎!ファイズ!ブレイード!

ヒービキ!カブト!電王!キバディケイード!

ダーブール!フォーゼ!

ウィザード!鎧武!ドラーイブ!

ゴースト!エグゼーイド!ビ・ル・ドーッ!

 

祝えーーッ!

 

仮面ライダーーッ!!

 

グ・ラ・ン・ドッ!ジッオーーウッ!!!

 

 

 開いたフレームからライダー達が現れてそれぞれの決めポーズを取って定され、最後に頭頂部にジオウが固定されると、インジケーションアイがセットされ、凱旋を祝福するかの如く、周囲に時計状の金の紙吹雪が舞う。

 

 グランドジオウへと変身を遂げたジオウは、サイキョージカンギレードとヘイセイバーを手に取り、ゆっくりと歩きだす。

 

「その姿……それならッ!」

 

ガッチャードは、2つのカードが繋がって一枚のカードとなっているケミーカードを取り出した。その絵柄のケミー──ニジゴンがガッチャードに話しかけた。

 

『ゴンゴーン!イルマ、オイラも先輩達も気持ちは同じだゴン!!皆で一緒に戦うゴン!!!』

「うん。やろう!」

 

 ガッチャードはカードを2枚に分け、ガッチャードライバーに装填する。

 

 

EXTRA!

SPECIAL!

 

 

 背後から現れた繋がったカードからニジゴンが出現し、それをキャッチしたガッチャードは顎のボタンを押す。

 

 

「ガッチェンジ!」

 

You Ready ?

 

「ゴン!」

 

 

 ニジゴンの四肢が羽根の様に展開、首が回転し目の模様も変わった「バックルモード」のニジゴンをガッチャードライバーに接続すると、背後に巨大なニジゴンの幻影が出現し、ガッチャードはアルトヴォークを引いた。

 

 

ガッチャーーーンコ!!!

 

 

「ゴーン…ゴォオオオーーーン!!!」

 

 ニジゴンが天に向かって虹色の伊吹を吐き、それがガッチャードに降り注ぎ、アンダースーツに変化。続いて幻影ニジゴンの身体が各部装甲に変化し装着される。

 

 

ガッチャ!&ゴー!!

 

レインボーガッチャード!

 

ガッチャード!!

ガッチャード!!!

 

 

 青を基調としながら、肩、腕、脚等に虹をイメージしたラインが入っており、複眼となっている矢印は巨大になり、横から見ても矢印に見えるほど飛び出している。胸部の変換炉は爆発を起こしているように見え、肩アーマーも矢印のような形をしている姿へと変身したガッチャードは全身から虹色の光を放つ。

 その姿こそ、ガッチャード最強の姿──【仮面ライダーレインボーガッチャード】である。

 

 それを見て、グランドジオウはゆっくりと歩きながら、装甲に張り巡らされたレリーフをタッチした。

 

 

クウガ!

 

フォーゼ!

 

鎧武!

 

 

 音声と共に、グランドジオウの前に「2000」「2011」「2013」という文字のエフェクトがある黄金のゲートが三つ現れ、そのゲートが開くと、三人の戦士が姿を現した。

 

「……!」

 

 クワガタのように枝分かれした黄金の角に、赤い複眼と赤い鎧に身を包む古代の戦士──【仮面ライダークウガ・マイティフォーム】は、静かに拳を構える。

 

「宇宙…キターーーーーーーーッ!!!!」

 

 スペースシャトルをもした仮面にオレンジ複眼を持つ白い装甲の宇宙戦士──【仮面ライダーフォーゼ・ベースステイツ】は、両腕を振り上げながら、宇宙まで響かんばかりの声量で叫んだ。

 

「ここからは、俺のステージだ!」

 

 紺色のスーツにオレンジを模した戦国武将のような鎧を纏う鎧武者──【仮面ライダー鎧武・オレンジアームズ】は、大橙丸と無双セイバーを構えた。

 

 対するレインボーガッチャードも、ガッチャードローホルダーから六枚のカードを引き抜くと、ベルトに装填されたニジゴンに近付ける。

 

「レインボーブレス!!」

 

 ニジゴンが虹色のブレスを吐くと、そのカードが虹色に染まり、レインボーガッチャードはそのカードを次々とベルトに装填し、アルトヴォークを引いた。

 

 

HOPPER1!レインボー!

STEAMLINER!レインボー!

 

HAWKSTAR!レインボー!

SABONEEDLE!レインボー!

 

MECHANICHANI!レインボー!

GOLDDASH!レインボー!

 

ガッチャーーーンコ!!!

 

スチームホッパー!

 

ニードルホーク!

 

ゴルドメカニッカー!

 

ヒアウィーゴーーン!!!

 

 

 音声と共に、ベルトから飛び出したケミーが虹色の矢印型のエネルギーの渦と光に包まれ、人の形を造った

 

「スチーム!」「ホッパ!」

 

 複眼部分と首元のマフラーと胸部の変換炉が虹色に変色しているスチームホッパー──【ガッチャーブラザーズ・スチームホッパー】は、気合いをいれるように声を上げた。

 

「ホォーク!」「サボ!!」

 

 【ホークスター】と【サボニードル】のカードの組み合わせで錬成された、全身棘だらけの緑のガッチャード──【ガッチャーブラザーズ・ニードルホーク】が、レインボーガッチャードの隣に立つ。

 

「ダーッシュ!!」「カニ!」

 

 続けて、【メカニッカニ】と【ゴルドダッシュ】のカードの組み合わせで錬成された重装甲の黄金のガッチャード──【ガッチャーブラザーズ・ゴルドメカニッカー】が、スチームホッパーの隣に立つ。

 

 四人の平成ライダーと、四人のガッチャードは、同時に走りだし、ぶつかり合う。

 

 グランドジオウの剣と、レインボーガッチャードの弓矢と剣の2つの刃が火花を散らし、時折蹴りを交え、黄金の光を纏う拳と虹色の光を纏う掌底がぶつかり合い、凄まじい衝撃波が飛び、辺りが悲鳴を上げるように爆発を起こす。

 

 クウガとスチームホッパーは、各々の身体能力と格闘技を用いて激突する。スチームホッパーはアクロバティックな動きから蹴りや体当たりを食らわせようとするが、クウガはそれを紙一重で避け、パンチやキックを食らわす。負けじとスチームホッパーも反撃のキックを浴びせ、攻防一体の戦いを繰り広げていた。

 

 ニードルホークは翼を展開して空を飛び、それを追いかけるように“ロケットモジュール”をマテリアライズしたフォーゼが飛び、ニードルホークの無数の棘、“ガトリングモジュール”をマテリアライズしたフォーゼの弾丸が、空中で爆発を起こした。

 

 ゴルドメカニッカーは、鎧武の剣をその頑強な鎧で防ぎ、両腕から光線を放ち、鎧武はそれを避けながら突き進み、刀を振り下ろす。ゴルドメカニッカーはマルチプルトルクローで応戦し鎧武もまた身軽さと経験値を活かしてゴルドメカニッカーの猛攻と互角に渡り合う。

 

 やがて、クウガ、フォーゼ、鎧武が飛び出したのをみて、レインボーガッチャードはベルトのアルトヴォークを押し込み、ニジゴンの頭を三回叩いた後、レバーを引いた。

 

 

ゴン!ゴン!ゴゴゴゴン!

 

ガッチャーレインボーフィーバー!!!

 

 

 レインボーガッチャードからエネルギーを受けとり、召喚された三人のガッチャードもまた、力を溜めて三人のライダーを迎撃する為に飛び出した。

 

 

ROCKETDRILL

 

LIMIT BREAK!!

 

 

オレンジスパーキング!!!

 

 

「おりゃああああああっ!!!」

「ライダーロケットドリルキーーーーック!!」

「セイ、ハーーーッ!!」

 

「スチーム!」「ホッパーーーッ!!」

「サボーーー!!」「ホォーーク!」

「メカニッカニ!」「ダーーッシュ!」

 

 クウガの炎を纏った蹴り、ロケットモジュールで加速したフォーゼのドリルモジュールによる蹴り、輪切りオレンジのエフェクトを突き抜ける鎧武の蹴りを迎え撃つように、三人のガッチャードも虹色の光を纏う蹴りを放つ。

 

 ぶつかり合ったライダー達は爆発を起こし、クウガとフォーゼと鎧武は金色の粒子に変わり、三人のガッチャードは六体のケミーとなってレインボーガッチャードの下に戻った。

 

「っ!みん──ガハッ!?」

 

 ガッチャードローホルダーに戻った仲間達にレインボーガッチャードが声をかけた時、グランドジオウの拳がレインボーガッチャードを吹き飛ばした。起き上がろうとしたレインボーガッチャードの喉元に、鋭いなにかが突きつけられる。

 

「君の意思は認める。だけど、誰かの正義は誰かの悪になるのが世界の理なんだ。君と僕の正義は違う」

「……!」

 

 突きつけられたのは、グランドジオウが召喚したライジングタイタンソードであった。その気になれないつでも殺せるという意思に怯みかけるが、レインボーガッチャードは根性でそれを制すると、タイタンソードの切っ先をはね除けて距離をとった。

 

「でも……僕は欲張りだから!!大切なものは、全部守りたいんだ!!」

「そこまで自分が人を殺すのを見たくないの?」

「違う!!」

 

 グランドジオウは呆れたように言うが、レインボーガッチャードがそれを否定する。

 

「僕が守りたいのは──君だ!」

「は?」

 

 訳が分からず、グランドジオウは呆けた声を上げるが、レインボーガッチャードは構わずに続ける。

 

「僕は仲間も、敵も、そして僕自身も絶対に諦めない!だから、君を止める!!」

「ッ、君のことが……少し嫌いになったよ!!」

 

 レインボーガッチャードの言葉に僅かに怒りを露にしたような声を上げたグランドジオウは、ドライバーのロックを外し、空へと飛ぶ。

 空中でキックの体制を取り、ベルトを回転させる。

 

 

フィニッシュタイム!グランドジオウ!

 

オールトゥエンティタイムブレーク!!!

 

 

 グランドジオウの周囲に発生したゲートから、19人の平成ライダーの幻影が現れ、グランドジオウに収束する。

 それを見て、レインボーガッチャードは再びベルトのアルトヴォークを押し込み、ニジゴンの頭を一回叩いた後、レバーを引いた。

 

 

ゴン!

 

レインボーフィーバー!!!

 

 

 虹の起動を描きながら虹色に分身が生み出され、本体がグランドジオウとぶつかり合うと同時に、分身が本体に重なり、蹴りの勢いがます。

 

 周囲を爆破させるほどの凄まじい衝撃波が飛び、二人のライダーが蹴りをぶつけあう。しかし、威力が強いのはグランドジオウだ。

 

「ッ!負けて、たまるかぁっ!!!」

「ッ!?」

 

 その瞬間、レインボーガッチャードの身体から虹色のエネルギーが溢れだし、レインボーガッチャードの身体に力が溢れだし、レインボーガッチャードの身体が光に包まれる。

 その時──グランドジオウの懐が光りだした。

 

「ッ!?」

 

 グランドジオウが驚いてそれを取り出すと、それはジオウが所持しているガッチャードウォッチだった。そのレインボーガッチャードと共鳴するように、そのウォッチがより強く輝くと、グランドジオウとキックをぶつけ合うガッチャードの姿が光に包まれる。

 

 そして、姿を現したのは、見たことのないガッチャードだった。

 

 純白に染まった、スチームホッパーをベースにした姿をしており、頭部のゴーグルは鳳凰の頭部を模したバイザーとなり、機械的な翼の装飾が施され、複眼は虹色。

 首に巻かれているダブルマフラーは、白・黄・青の三色で彩られた鳳凰の翼を模した紋様が描かれている。パッションアタノールは青色に染まっている。左腕は籠手型武装を装備し、背部には機械の翼が装着されている。

 

「はぁあああああああっ!!!!」

「…おぉおおおおおおおおっ!!!」

 

 白いガッチャードが翼を広げると、その身体に宿るエネルギーが一気に膨れ上がる。それを見たグランドジオウは、自身も更に力を解放させ、ネクストグランドジオウへと変身する。

 

 純白と黄金の光が空を照らし、周囲を包む爆発を起こす。

 

「っ!」

「うっ!」

 

 やがて爆炎の中から、純白のガッチャードとネクストグランドジオウが落下し、二人は地面を転がる。地面をゴロゴロと転がっていくと、二人の変身が解除された。

 

『DRAW!!!』

 

 そしてアナウンスが鳴り響き、試合の終了を告げるゴングの音が鳴った。

 

 すると、オーロラカーテンが二人のイルマをのみ込んでバトルコートに戻ると、二人のもとにユエ達が駆け寄ってきた。

 

「入間、無事!?」

「大丈夫……少し力、使いすぎただけだから」

 

 自身を抱き起こして再生魔法をかけるユエに、白入間は自身の傷が癒えていくのを感じながら、もう一人の自分に視線を向ける。そこでは、スバル達に助け起こされている青い服を着た自分の姿があった。

 

 それを見て、白入間は深くため息を吐いて帽子を深く被ると、それを見た黒アメリが微笑みながら、白入間に声をかける。

 

「手加減したのか?」

「いや、それなりに本気だったよ。ただ……今回ばかりは、もう一人の自分(かれ)の方が欲張りだった……それだけだね」

 

 そう語る白入間の表情に、影はない。何処か呆れたようで、何処か眩しいものを見るような表情に、自然とユエ達も苦笑してしまう。

 そして、白入間はもう一人の自分のもとへも歩きだそうとした時……

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアンッ!!!!!!!!!

 

 

 観客席に続く道が、爆発を起こした。

 一同が驚いてその爆発に視線を向けると、観客席の床に出来た大きな穴から立ち上る爆煙の中から、二人の人影が飛び出してきた。

 

「ぐっ……!」

「がは……っ!」

「英寿さん!?」

「荘吉さん!」

 

 そう。それは浮世英寿と、仮面ライダースカルだったのだ。二人は観客席から身を投げ出し、入間達のすぐそばに墜落すると、一同は彼等のもとに駆け寄った。

 

『ハハハハハ…』

 

 同時に、狂喜に満ちた笑い声が入間達の耳に届き、一同はその声が聞こえてくる大穴に視線を向けた。

 

『さぁ……ハイライトだよぉ……!!』

 

 そして、真っ黒な複眼を不気味に光らせながら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が、爆煙の中から姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 赤褐色の空に、強風に乗せられる灰。

 建物は軒並み破壊され、道路は破壊の痕だらけ。耳を澄ませば、人々の悲鳴と爆音が聞こえてくる。

 そんな世紀末じみた世界で、リリアーナ・S・B・ハイリヒとテディ、そして野上幸太郎は、目の前に広がっている光景に、言葉を失っていた。

 

「そんな……こんなのって……!?」

「……幸太郎」

「あぁ……プレアデスの正体が分かった」

 

 幸太郎の視線の先には、屍を抱きしめる一人の少女の姿があった。




 チラリと出てきたガッチャードのオリジナルフォームは、その内pixivで出てきます。

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