悪魔の孫は時の王者となって世界最強   作:MTHR

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投稿です。
相変わらずのキャラ崩壊に加え、今回は勇者パーティに軽いアンチがあります。気に入らなければ、申し訳ございません。

入間くんは、取り敢えず原作に登場した魔術は殆ど使えるという設定です。


2話 ストレスが溜まる日々

 翌日、訓練と座学が始まり、集まった生徒達に12cm×7cm位の銀色のプレートが配られた。不思議そうに配られたプレートを見る生徒達に、騎士団長【メルド・ロギンス】が直々に説明を始めた。

 騎士団長が訓練に付きっきりで良いのかと思う入間だが、対外的にも対内的にも“勇者様一行”を半端な者に預ける訳にもいかないという事らしい。メルド本人も、「寧ろ面倒な雑事を副団長に押し付ける理由が出来て助かった!」と豪快に笑っていたので大丈夫なのだろう。

 

「よし、全員に配り終わったな?このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化してくれる物だ。最も信頼の置ける身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」

 

 非常に気楽な喋り方をするメルド。彼は豪放磊落な性格で、「これから戦友になろうってのにいつまでも他人行儀に話せるか!」と、他の騎士団員達にも普通に接するよう忠告したらしい。

 生徒達もその方が良かったと安堵する。遥か年上の人達から慇懃な態度を取られると、居心地が悪くてしょうがないのだ。

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう?そこに一緒に渡した針で指に傷を作って血を一滴垂らしてくれ。それで所有者が登録される。“ステータスオープン”と言えば表に自分のステータスが表示される筈だ。あぁ、原理とか訊くなよ?そんなモン知らないからな、神代のアーティファクトの類だ」

「アーティファクト?」

 

 聞き慣れない言葉に光輝が質問する。

 メルド曰く、現在では再現できない強力な能力を持った魔法道具だそうだ。このステータスプレートは一般市民にも普及している唯一のアーティファクトで、プレート作成専用のアーティファクトを使って毎年教会が作製・配布しているらしい。

 それらの説明に「成程」と頷きつつ、生徒達は顔を顰めながら指先に針を軽く刺し、浮き上がった血を魔法陣に擦り付けた。

 入間自身、いずれこのハイリヒ王国(傀儡の巣窟)を出て旅立つ予定だったので、身分証明書となるものが手に入るのはありがたかったので、血を擦り付けてステータスを確認する。

 

 

 

 

 

鈴木入間 16歳 男 レベル:??????

 

天職:■■

 

筋力:測定不能

体力:測定不能

耐性:測定不能

敏捷:測定不能

魔力:測定不能

魔耐:測定不能

 

技能:危機回避・悪食の指輪[+アリクレッド][+魔力吸収][+魔力貯蔵][+魔力操作][+小悪魔][+悪鬼][+魔神][+全解放(パンドルーラ)][+口頭魔術][+無口頭魔術][+身体強化]・弓術[+必中][+複数生成][+同時射撃]・時の王者[+覇王][+未来視][+時間操作][+三位一体][+平成ライダー20の力]・古代の戦士[+凄まじき戦士]・魂の目覚め[+太陽の輝き]・鏡の騎士[+赤龍][+烈火を纏いし][+砲撃緑牛][+狂蛇]・夢の守り人[+超エネルギー]・運命の切り札[+黄金色の鎧]・響く鬼[+音撃装甲]・天の道[+羽ばたけ超速]・時の守護者[+集まれイマジン]・吸血鬼の皇[+鎖を解き放て][+闇のキバ]・世界の破壊者[+ファイナルフォームタイム][+最強は俺だ]・二人で一人[+究極極限W]・ハードボイルドのS・死神のE・欲望のメダル[+恐竜王]・青春銀河[+宇宙を掴め]・指輪の魔法[+四竜一体(オールドラゴン)]・フルーツ鎧武者[+レモンの半羽織][+天下無双鎧武][+メロンの鎧武者]・刑事で仮面ライダー[+超高速ドライブ]・追跡者(チェイサー)・開眼[+命燃やすぜ]・遊戯(ゲーム)と医療[+究極の救済(エグゼイド)][+マキシマム][+黄金のエグゼイド][+赤と青の交差][+時の神]・科学者(ベストマッチ)[+漆黒暴走][+蒼甲戦車][+超天才][+銀の龍と金の兎]・激凍心火・星狩[+ブラックホール]・新時代の1号・言語理解

 

 

 

 プレートには、そう表記されていた。

 他の生徒達がマジマジとステータスを眺めていると、メルドがプレートを見せてくれと言ってきたことで、光輝が真っ先にプレートを渡してきた。

 

 

 

天之川光輝 17歳 男 レベル:1

 

天職:勇者

 

筋力:100

体力:100

耐性:100

敏捷:100

魔力:100

魔耐:100

 

技能:全属性適正・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

 

 

 

「ほぉ~、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か……、技能も普通は二つ三つなんだが…規格外な奴め! 頼もしい限りだ!」

「いや~、あはは……」

 

 光輝はメルドの称賛に照れた様に頭を掻いた。

 そうして次々と他の生徒達も報告していき、報告の順番が回ってきた入間はメルドにプレートを見せた。

 今まで規格外のステータスばかり確認してきたメルドの表情はホクホクしている。多くの強力無比な戦友の誕生に喜んでいるのだろう。その表情が入間のプレートを見た瞬間に凍り付いた。

 

「技能総数が勇者の倍以上だと…!?」

 

 その言葉に、生徒達は一斉にメルドの元に集まり、入間のステータスプレートをまじまじと眺めている。

 だが入間としてはメルドの手からステータスプレートを取り出すと、冷めた目でメルドと生徒達を一瞥した。

 

「僕のステータスがどうであろうも構いませんよ。僕には関係無いので」

 

 それだけ言い残すと、入間はもう用はないと言わんばかりに訓練場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 訓練初日から二週間が過ぎた。

 現在、入間は王立図書館にて調べ物をしていた。その手には“北大陸魔物大図鑑”という何の捻りも無いタイトル通りの巨大な図鑑があった。何故、訓練中である筈の時間に本を読んでいるのか。答えは単純、入間が訓練に参加する気がないからだ。

 一度は参加して、メルドが魔法の基礎や対人戦の訓練から始めると言い出した時、入間はこれから戦争をする自覚を持たせる為に賊の討伐や、家畜や死刑囚の命を奪うことで人殺し(現実)を分からせてやるべきだと言ったのだが、メルドは「先ずは強い力をつけさせ、余裕を持たせねば」と言った瞬間、力が強くとも、心が軟弱(ガキ)ならば何にもならないだろうと言い残して参加拒否したのだ。

 それに加え、遠目で見たメルド達の訓練は、入間から見ればただの飯事にしか見えない。バルバドス・バチコ(師匠)の修行の日々と比べれば、公園でチャンバラごっこをしている子供の遊戯にしか見えなかった。

 

(……それにしても)

 

 先程から背中から感じる鬱陶しい視線の発信源に目を向けると、本棚の影に視線を向けていた人物サッと隠れる。しかし気配がバレバレである。

 これ以上ここにいてもあの視線のせいでストレスが蓄積するだけだと判断した入間は、気分転換に散歩をすることにした。

 

 だが、どうやら王宮(ここ)には入間が安らげる場所は無いようだ。

 

「よぉ鈴木、何してんの?来ても訓練参加できないだろうが。マジ無能なんだしよ~」

「ちょっ、檜山言い過ぎ!いくら本当だからってさ~、ギャハハハ!」

「何で参加できないのに顔出してる訳? 俺なら恥ずかしくて無理だわ!」

「なぁ大介。こいつさぁ、何かもう哀れだから俺等で稽古つけてやんね?」

 

 王宮の中を歩いて偶然訓練所に通りかかった時、【檜山大介】、【近藤礼一】、【斎藤良樹】、【中野信治】の四人が絡んできたのだ。一体何がそんなに面白いのか、ニヤニヤゲラゲラと笑う四人。

 

「あぁ?おいおい信治、お前マジ優しすぎじゃね?まぁ俺も優しいし?稽古つけてやってもいいんだけどさぁ」

「おぉいいじゃん。俺等超優しいじゃん! 無能の為に時間使ってやるとかさ~。鈴木、感謝しろよ~?」

 

 そんな事を言いながら狎れ狎れしく肩を組み、入間を人目の付かない方へ連行していく檜山達。それにクラスメイト達は気が付いた様だが見て見ぬふりをする。

 

「放っておいてくれないか?」

 

 付きまとわれるのも面倒だと思い、やんわりと断る入間。

 

「はぁ?俺等が態々無能のお前を鍛えてやろうってのに何言ってんの?マジあり得ないんだけど?お前はただありがとうございますって言ってればいいんだよ!」

 

 意味不明な事を叫びながら殴りかかってくる檜山。異世界でチート能力(入間から見れば羽虫同然だが)を手に入れ、力に溺れた者の典型的な反応である。

 だが、そんな見るに耐えない行為は、目の前の男を怒らせただけであった。入間は首をそらすだけで檜山の拳を避けると、そのままがら空きの胴体に拳をめり込ませた。

 

「グ、グェエエエエ…」

 

 涎を垂らして悶絶する檜山と突然の反撃に驚愕する取り巻きを達を無視し、入間は軽く指を鳴らした。

 

「“不可侵円卓(パーフェクトセッション)”」

 

 魔界で最高位に位置付けられる隠匿魔術を行使し、魔力で出来たドームが入間と小物四人を包み込む。

 怒涛の展開に困惑する檜山達を、入間はゴミでも見るような目で見据えながら口を開いた。

 

「ほら、稽古するんでしょ?来なよ、君達程度じゃ暇潰しにもならないだろうけど」

 

 普段ならばこんな糞ガキ共の相手など相手にもしないのだが、入間は表に出さなかったがこの生活にはかなりストレスが溜まっていたのだ。

 この王宮で、あの身勝手な狂信者共や頭の中が幼い光輝達(ガキ共)と過ごす生活や、ある女生徒のストーカー行為などが、日々入間のストレスを蓄積させていたのだ。入間の沸点は高い方にあるが、入間だって苛立ちはするし、怒る時だってある。

 そんな生理的に受け付けない連中と長時間過ごし続け、今回の糞ガキ共の身の程知らずな態度により、とうとう入間の堪忍袋の尾が切れてしまったのだ。

 

 そして、そんな入間の言葉にキレた小悪党四人組の内、中野と斎藤が青筋を立てて魔法を放った。

 

「ここに焼撃を望む、“火球”!」

「ここに風撃を望む、“風球”!」

「“風刃(シェイバー)”」

 

 入間に向かって火と風の魔法が飛んでくる。其々一節のみの下級魔法だが、彼らの適性と支給されたアーティファクトの関係でこの世界の人間のそれよりも威力は高いらしいが、入間から見れば児戯に等しい。

 こちらに向かってくる火と風の魔法は、入間が腕を横一文字に振る事で放たれた風の刃によって一瞬で打ち消され、逆に魔法を打ち消しても威力が全く衰えない風刃が中野と斎藤に直撃した。

 

「「ぎゃあああっ!!」」

「威力が低い上に無駄な呪文の詠唱、君達はふざけてるの?」

「このぉ!」

 

 二人が吹っ飛ばされて気絶し、入間が呆れたように口を開くのと同時に、今度は近藤が迫って来た。鞘ではなくむき身の剣である辺りに余裕の無さが見える。だが、それもまた入間には児戯に等しく、避けられた事で地面に突き刺さった剣を踏みつけて固定すると、そのまま近藤の顎を殴り飛ばした。

 近藤は剣から手を離してクルクルと空中で回転し、ドシャアッと落下した時には既に意識を失っていた。

 

「ひ、ヒィイイイ……!!」

 

 そして、残った檜山は入間に殴られた事で悶えている内に取り巻きが全滅したことに腰を抜かし、顔を青くして震えており、入間は心底呆れたような目で口を開いた。

 

「こんな“(アレフ)”にも満たない実力でよくイキれるねぇ……ハァ、多少なりとも気が紛れたし、そこの取り巻きを連れてどっか行きなよ。僕は弱い者虐めの趣味はないから、君等と違って」

「ふっ、ふざけんなぁ!ぶっ殺してやるゥッ!!」

 

 入間としては侮辱したつもりもなく、心からの本心だったのだが、見下していた相手からそんな言葉を掛けられて激昂した檜山は錯乱したように剣を振りかぶって入間に向かって突撃していく。

 だが入間は一瞬で檜山との距離を積めて頭を掴み、そのまま顔面を地面に叩きつけた事により、檜山の意識は途絶えた。

 

 ボロボロになって倒れる檜山達に、入間は檜山達の記憶を書き換える魔術を施すと、踵を返して歩き出す。治療する気はないらしい。まあ自業自得だが。

 

「おつかれさん。手加減マシマシとはいえ、遠慮無かったねェ。イル坊、最近過激になってるんじゃな~い?」

「……自覚はしてるよ」

 

 アリクレッドとそんな呑気な会話をしながら、入間はその場を後にしようとする。

 

「鈴木くん!」

 

 後ろからかけられた声に、アリクレッドは指輪に引っ込み、入間は嫌そうな表情で振り向いた。

 

 その声に顔を向ければ、香織が手を振りながら駆け寄って来ていた。その後ろを光輝と龍太郎、苦笑気味の雫が歩いてくる。あの日、嬉々として戦争に参加して自分達を巻き込んだバカルテットだ。

 

「どうしたの?貴方が下に来るなんて珍しいわね」

「散歩」

 

 雫の質問にそっけなく返す入間。まともに取り合う気はなさそうである。

 塩対応に僅かに動揺する雫を無視して散歩を再開しようとすると、突然香織が笑顔で入間に話しかけてきた。

 

「ねぇ鈴木くん!折角なら私達と一緒に訓練しない?」

「やだ」

 

 香織の提案を容赦なく拒否する入間。

 この二週間でこのバカルテットと何度か会話をしているが、入間の中では既にこの四人に対する好感度はマイナスへと振り切っていた。

 

 何を隠そうこの二週間、読書や散歩の最中に入間の見続けていた気配の正体は香織なのだ。自分の行動に問題があるのは認めるが、関わりたくないと言っているのに何故か自分に言い寄ってくるため、そのせいで入間はクラスメイト達から香織に迷惑をかけるダメな奴とかいう意味不明な因縁をつけられているのだ。まあ、それだけならまだ擦り合わせの記憶にだから仕方ないと入間も許容できるのだが、問題は香織の行動だ。

 物陰からコソコソと自分を覗き見して時にはスマホで写真を撮ったりと、香織のやっていることは紛れもなくストーカー行為なのだ。それが入間を苛立たせる理由である。

 

 その時、光輝が口を挟んできた。

 

「鈴木、君はもっと努力すべきだ。天職が不明なのを言い訳にしていては強くなれないだろう?聞けば、この二週間は見学と読書ばかりだそうじゃないか。俺なら少しでも強くなる為に空いている時間も鍛錬に充てるよ。鈴木も、参加できないからといってももう少し真面目になった方がいい」

「……」

 

 何をどうすればそうなるのか、入間は頭痛を感じて頭に手をやる。

 この光輝という少年には出会った時から頭がおかしいのかと疑っていたが、実際には入間の予想を越えており、この男はどんな教育を受けてきたのだと言いたくなるほど自己中心的で独善的で傲慢なのだ。戦争に真っ先に参加したのも、ただ自分が称賛されるのが動機であり、こうして突っ掛かってくるのも、自分の所有物と一方的に認識している(ヒロインの)香織に構われるのに嫉妬をしているだけなのだと、入間は見抜いていた。

 そして光輝の親友を名乗る龍太郎も、入間の目には親友というよりも光輝(ご主人様)に尻尾を振る頭空っぽのペットにしか見えなかった。自分で物事を考えず、光輝に従えば自分も称賛を浴びれると光輝に胡麻をすってるだけなのだ。

 

 すると雫が顔を手で覆いながら溜息を吐き、入間に小さく謝罪する。

 

「ごめんなさいね?光輝も悪気がある訳じゃないのよ」

「……チッ」

 

 これで十六回目の台詞に、入間は聞こえない程度に舌打ちする。

 これが雫の問題だ。雫はバカルテットのストッパーと呼ばれているが、実際は他人に迷惑をかける光輝や香織の止めるわけでもなく、ただ周りに「悪気は無い」と言って身内贔屓をしているだけなのだ。

 剣道を習っているなら“剣を持つ意味”も理解している筈なのに戦争に参加したのも、覚悟があるというよりも光輝達に贔屓をした様にしか見えなかった。

 

 そうしている内に訓練の時間となって、バカルテットは訓練所に向かい、入間は頭痛を感じながらも散歩を再開する。

 因みに入間にボコボコされた檜山達が目を覚まして慌てて訓練所に駆け込み、怠慢は許さんとメルドからキツくお叱りを受けたのはどうでもいい話であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【オルクス大迷宮】は、全百階層からなると言われている大迷宮である。七大迷宮の一つで、階層が深くなるにつれ強力な魔物が出現する。にも拘わらず、この迷宮は冒険者や傭兵、新兵の訓練に非常に人気がある。それは階層により魔物の強さを測りやすいからという事と、出現する魔物が地上の魔物に比べ遥かに良質の魔石を体内に抱えているからだ。

 魔石とは、魔物を魔物たらしめる力の核を言う。強力な魔物程良質で大きな魔石を備えており、この魔石は魔法陣を作成する際の原料となる。魔法陣はただ描くだけでも発動するが、魔石を粉末にして刻み込むなり染料として使うなりした場合と比較すると、その効果は三分の一程度にまで減衰する。

 要するに魔石を使う方が魔力の通りが良く効率的という事だ。その他にも、日常生活用の魔法具等には魔石が原動力として使われる。魔石は軍関係だけでなく、日常生活にも必要な大変需要の高い品なのである。

 因みに、良質な魔石を持つ魔物ほど強力な固有魔法を使う。固有魔法とは、詠唱や魔法陣を使えない為に魔力はあっても多彩な魔法を使えない魔物が使う唯一の魔法である。一種類しか使えない代わりに、詠唱も魔法陣も無しに放つ事が出来る。悪魔からすれば詠唱も魔法陣も不必要なんてありふれた事なのだが、それがこの世界で魔物が油断ならないとされている最大の理由だ。

 入間達は、メルド率いる騎士団員複数名と共に【オルクス大迷宮】へ挑戦する冒険者達のための宿場町【ホルアド】に到着した。新兵訓練によく利用するようで、王国直営の宿屋で宿泊するらしい。

 

 実に久し振りとなる普通の部屋で夜を過ごすとことなった入間は、書庫から拝借した本に目を通す。もう少しで情報収集も終わりだ。後は適当な理由で王宮を出て旅に出るだけであり、入間は取り敢えず考えるのは明日にしようとベッドに潜って眠ろうとする。

 その時、もう深夜だというのに扉がノックされ、入間は顔をしかめる。

 

「鈴木くん、起きてる?白崎です。ちょっといいかな?」

 

 は?と一瞬驚くも、入間は取り敢えず扉に向かった。鍵を外して扉を開くと、そこには純白のネグリジェにカーディガンを羽織っただけの香織が立っていた。

 普段なら、それを見ただけで顔を真っ赤にして固まるだろうが、この時の入間はどう思うわけでもなく…

 

バタン

 

ガチャッ

 

 直ぐに扉と鍵を閉めた。

 

「え!?ちょっ、鈴木くん!何で開けてくれたのに閉めたの!?少しお話がしたくて来たんだけど!開けてくれないかな!?かな!?」

「僕は君に用がない。それに夜這いならお断りだから」

「よ、夜這い!?す、鈴木くん!私はそんなつもりで来たんじゃないよ!!?」

「自分の姿を見てみれば?」

 

 そう言うと、扉の向こうから悲鳴のような声が聞こえ、バタバタと廊下を駆ける音がした。

 

「…何だったんだろ?」

「知らね」

 

 アリクレッドと短く会話すると、入間はもう考えるのも面倒だと言わんばかりにベッドに潜り込み、眠りについた。

 

 

 

 

 自分の部屋へと去っていく香織の姿を、一人の男がストーカーの如く眺めていた。その表情は醜く歪んでおり、その視線は入間だけが気付いていた。

 

 

 





と言うわけで、香織の語らいはありませんでした。

香織はどういう思惑があったにせよ、戦争に参加すると宣言した以上、彼女には人間族の為に戦争で魔人族撲滅に貢献する義務がある筈です。なのにその責務を途中で放棄してハジメに同行し、檜山の肩を持つわけではありませんが、パーティで重要な役割を担っているのに、それすらも放棄していました。原作にあったアンカジの活躍も、“神の使徒”ではなく“ハジメ一行”として活躍したのであって、香織って“神の使徒”として何かしたのか?というモヤモヤがありました。
『ありふれた日常で世界最強』でも、ギャグ補正とは言えハジメを付きまとって、ノイントの体になってからはハジメの一番になるためにユエを分解する描写が多くありました。ギャグ目線で見れば面白いですが、現実(リアル)なら受け付けられないと思うので、入間くんにはキャラ崩壊してでも拒否して貰いたいと思っています。

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