『ウゥオォアアアアアアッ!!!』
オレンジを模した大剣を振り上げ、雄叫びを上げながら突撃する
アナザー鎧武が狙う相手、ジオウはジカンギレードを召喚して手に取ると、振り下ろされたアナザー鎧武の大剣を自分の剣で受け止めた。
「何なんだい、お前らは!!」
すると、急変した事態に呆然としていた様子のカトレアが、敬愛する上司から賜ったアハトド達を一瞬でミンチにされた事をようやく自覚すると、怒りを露にしてメイジのベルトを出現させ、レバーを操作して指輪をかざした。
「変身!」
カトレアの左斜め下に琥珀色の魔方陣が現れ、その魔方陣が右斜め上へ昇ってカトレア身体を通りすぎ、カトレアは仮面ライダーメイジへと変身する。“ライドスクレイパー”と呼ばれる箒のような見た目の槍を装備し、アナザー鎧武と鍔迫り合いを行うジオウに突撃する。
「…させない!」
「ぐぁああっ!?」
その時、フレイムドラゴンにフォームチェンジしたウィザードが飛び出し、ウィザーソードガン・ソードモードでメイジの胸を斬りつけた。突然の攻撃に、堪らず地面を転がるメイジ。
それを見たウィザードは“コネクト”の魔法で“ドラゴタイマー”を取り出し、作動した針が青・緑・黄の文字盤を指した時にレバーを押す。
出現した魔法陣からウォータードラゴン、ハリケーンドラゴン、ランドドラゴンの分身が現れ、四人のウィザードはソードモードのウィザーソードガンを装備する。
同時にカトレア側のダークライダー達も走り出し、フレイムドラゴンとウォータードラゴンはシグルドと初級インベス三体、ハリケーンドラゴンとランドドラゴンはメイジと、ゲイツはカイザと、エグゼイドはガイと、ゴーストはアークゼロと激突する。
それを横目で見たジオウは右足を振り上げ、アナザー鎧武の横腹を蹴り飛ばす。アナザー鎧武が怯み、手の力を緩めた隙を見逃さず、アナザー鎧武の手から大剣を奪い取ると、ジカンギレードと大剣の二刀流で、アナザー鎧武に連続で斬撃を御見舞いした。
『グァアアアアッ!!』
体から火花を散らし、大きく吹き飛ばされるアナザー鎧武。ジオウはアナザー鎧武の大剣を投げ捨て、ジカンギレードに“鎧武ライドウォッチ”を装填しようとする。
『クワァーーッ!!』
「ッ!?」
その瞬間、起き上がったアナザー鎧武の口が開き、腐ったイチゴの意匠が入ったクナイが無数に発射された。
予想外の攻撃にジオウは一瞬硬直するが、直ぐに体を動かして大きくバク宙し、クナイの直撃を避けた。
『オォオオオオオッ!!』
「なっ!?くぅっ!!」
しかし驚いたことに、クナイの弾幕が止んだと同時にアナザー鎧武は視認することすら困難なスピードで走り出してジオウと距離を積め、道中で拾った大剣を振り下ろした。それをジオウはジカンギレードを前に出して受け止めるが、不意打ち気味に喰らったことで少しだけ怯む。
「クナイに高速移動……そうか、鎧武のアームズの力を使えるってこと…?」
かつて戦ったアナザー鎧武とは明らかに違う戦闘方法に、ジオウはそう結論付ける。先程のクナイは【イチゴアームズ】、高速移動は【ジンバーチェリーアームズ】の力だろう。
「それなら…!」
ジオウはライドウォッチホルダーから銀と白で彩られたウォッチ──“鎧武極アームズライドウォッチ”を取り出し、ベゼルを回してライドオンスターターを押す。
ジクウドライバーにウォッチを装填し、ベルトを一回転させた。
空中に出現した11のアームズが融合し、【仮面ライダー鎧武・極アームズ】の顔を模した物体がジオウの頭に被さり、顔が展開して鎧となって装着される。
ジオウは極アームズを模した銀色の鎧に、右肩には“カチドキロックシード”、左肩には“極ロックシード”を模した装甲を持ち、胸部は極アームズの仮面を模した形状でマントを羽織っており、仮面には『キワミ』と言うも文字が張り付いた姿となった。
鎧武の最強形態である極アームズの力を纏った、【仮面ライダージオウ・鎧武極アームズアーマー】である。
「セイッ!」
『グォッ!?』
次の瞬間、ジオウは法螺貝のような音と共に“バナスピアー”を召喚し、剣を振りかぶって突撃してきたアナザー鎧武の鳩尾を突いた。予想外の攻撃に、アナザー鎧武は火花を散らして後退る。
しかし、直ぐに体勢を立て直したかと思うと、口を開いてボロボロに腐った“パインアイアン”の様な鎖付きの鉄球が口から飛び出し、ジオウに向かって投擲される。
その瞬間、ジオウはバナスピアーを投げ捨てて新たに“影松”を装備し、両手にした槍でパインアイアンの鎖を絡めとり、思いっきり槍を振り上げた。
「おりゃあああああ!!」
『ウゥオオオオッ!?!??』
当然、アナザー鎧武はそれに引っ張られて宙に吊り上げられる。その様子はさながらマグロの一本釣りのようだ。
『ぐぇあああああっ!!!』
そして、ジオウは影松を片手で持ち、もう片方の手に“ブドウ龍砲”を召喚させて手に持つと、空中にいるアナザー鎧武に紫の果汁を纏った光弾を連続で発射した。正確無比に放たれたエネルギー弾が全弾命中し、火花を散らしながら吹っ飛ばされた。
『ウウゥ……ウォオオオオッ!!』
「「「「グォオオオッ!!」」」」
地面を転がり、起き上がったアナザー鎧武は大剣を上に掲げる。すると、上空にクラックが開き、そこから四体の初級インベスに似た怪物が飛び出し、四体の怪物は唸り声を上げながらジオウに襲い掛かる。
対するジオウは新たに“キウイ撃輪”を召喚して両手に持つと、ぐるりと一回転してキウイ撃輪を投擲する。
キウイ撃輪はヒュンヒュンと音を立てながら宙を飛び交い、初級インベス達の体に無数の切り傷をいれる。
「ハッ!セイッ!」
「「「「グァアァアアアアアアアッ!!」」」」
続いて“大橙丸”を装備したジオウは、マントを翻して走り出すと、全身に切り傷を入れられている初級インベス四体をすれ違い様に切り裂いた。初級インベス達は、オレンジ色に光る傷跡を入れられ、そこを中心に爆発を起こし、跡形もなく消滅した。
『ウウゥ…オァアッ!!』
「ハッ!」
アナザー鎧武は大剣に腐ったバナナのようなオーラを纏わせ、ジオウに向けて大剣を突き出し、腐ったバナナの様なエネルギーを放つ。
対するジオウは大橙丸を片手に持ち、もう片方の手に“無双セイバー”を召喚すると、刀をクロスさせてバナナのエネルギーを×字に切り裂いた。
そしてジオウはそのまま走り出し、無双セイバーと大橙丸の二刀流でアナザー鎧武と剣戟を開始した。
アメリが変身したゲイツは“ファイズライドウォッチ”を起動してベルトに装填し、【仮面ライダーファイズ】を模した姿に両肩に開いた“ファイズフォン”のような装甲を持ち、仮面には「ふぁいず」と書かれている“ファイズアーマー”にフォームチェンジすると、“ファイズフォンX”を取り出してコードを入力すると、ファイズフォンXを銃の形に変形させる。
「ぐぅっ!?」
即座に乱射される赤いビームに、カイザはカイザブレイガンを盾にして防ぐが、突然の事だった為に数歩後退する。
頃合いを見計らったゲイツはジカンザックスを手にして斬りかかるが、カイザは右手で持ったカイザブレイガンの刀身でジカンザックスの刃を受け止め、左腕でゲイツの顔面目掛けてパンチを放つが、ゲイツはそれを左腕で受け止める。
その時、カイザはゲイツが左手に持ったファイズフォンXに、コードを入力するのを捉えた。
「ハアァッ!!」
「ぐぅああっ!?」
ジカンザックスから離したゲイツの右手に“ショット555”が召喚され、ゲイツはカイザの胸部に“グランインパクト”に酷似した右ストレートを御見舞いする。流石のカイザもこれには堪らず、胸から火花を散らしながら後方数メートルに吹き飛ばされた。
「これで終わりだな」
「くっ…なめるなぁッ!!!」
ゲイツの右足に“ポインター555”が装置され、ゲイツはファイズと同じように姿勢を低くし、カイザに向けてそう呟いた。そして、その声を聞いたカイザは、激昂したようにベルトのカイザフォンを開いてエンターキーを押すと、右足に装置されたままのカイザポインターにエネルギーを送り込む。
「おぉおおおおッ!」
「はぁッ!!」
「がッ!?」
カイザはカイザポインターを装置した右足でゲイツに蹴りを食らわせようと走り出すが、ゲイツは回し蹴りで赤い右足のポインター555から赤いマーカーを発射し、赤い円錐状のマーカーがカイザをロックオンする。
ゲイツはベルトに装填されたライドウォッチのライドオンスターターを押し、ベルトのロックを解除して回転させる。
「ハァアアアアアアッ!!」
「ぐぁあああああっ!!!」
ゲイツは高く飛び上がり、右足を突き出してポインティングマーカーに飛び込むように飛び蹴りを放つ。ポインティングマーカーと一体化したゲイツはドリルの様にカイザの体を貫いて通り抜ける。
ゲイツがカイザの背後に着地すると、カイザに『Φ』のマークが浮かび上がり、青い炎の爆発を起こしたあと、カイザは灰化して崩れ落ちた。
「ブォオオオオッ!!」
「ぶっ飛びやがれですぅ!」
雄叫びを上げて突進してくるメタルゲラスに、エグゼイドは大槌モードのガシャコンブレイカーⅡを横凪に振るう。圧倒的なパワーと破壊力を兼ね備えた凶悪な一撃は、一撃でメタルゲラスを遥か彼方まで吹き飛ばした。
「ッ!…ハァアアッ!!」
「甘い!甘すぎるですぅ!」
「ぐぁっ!?」
その光景に仮面の下で目を見開いたガイがメタルホーンを構えた突撃するが、
流石のガイもこの一撃は堪えられず、呻き声を上げて地面を転がる。その隙を見逃さず、エグゼイドは“ゲキトツロボッツガシャット”をガシャコンブレイカーⅡに装填する。
機械音が鳴り、ガシャコンブレイカーⅡが赤いロボットアームのようなエネルギー体に包まれる。
エグゼイドはガシャコンブレイカーⅡを持ち上げて振りかぶるその瞬間、ガイはカードデッキから引き抜いたカードをメタルバイザーに投げ入れる。
「ッ!?」
「ハハッ……!?」
瞬間、ガシャコンブレイカーⅡに蓄積していたエネルギーが割れ、エグゼイドの動きが止まる。ガイはその光景に笑みを浮かべ、メタルホーンによる一撃を御見舞いしようとするが、次の瞬間仮面の下の顔の表情が驚愕に染まった。
「しゃーんなろぉおおおおおっ!!ですぅ!」
「おわぁっ!?」
なんと
その隙を見逃さず、ガシャコンブレイカーⅡから手を離したエグゼイドはゲーマドライバーのマイティアクションXガシャットを引き抜き、キメワザスロットホルダーに装填し、ボタンを押した。
音声と共に、エグゼイドの右足にカラフルなエネルギーが蓄積して行き、走り出したエグゼイドは、ガイに向けてエネルギーを纏った右足による蹴りを放った。
「ぐぁっ!がはっ!ぐぇっ!うぁっ!」
右、左、上、下と、様々な方向からエグゼイドの回転蹴りが叩き込まれる。ガイは成す術もなく連続の蹴りを食らい続ける。
最後に、エグゼイドの渾身の蹴りが、ガイの鳩尾に直撃した。
「はぁああああああッ!!!」
「ぐっ…うぁあぁあああッ!!!」
蹴りを受けた箇所から爆発を起こし、吹っ飛ばされたガイは地面を転がる。倒れたガイは身体から火花を散らしながら起き上がろうとするが、直ぐに身体が限界を迎え、ガイの体は派手に爆発を起こした。
「ハァッ!!」
「「「グギャーーー!!」」」
ウォータードラゴンは両手に持ったウィザーソードガン・ソードモードを華麗に振るい、初級インベス三体を連続で斬り付ける。水流を纏わせた剣はまるで豆腐のように初級インベス達を切り裂き、三体の初級インベスは小規模な爆発を起こして塵も残さずに消え去った。
「クッ…!舐めるんじゃねぇ!!」
「……こっちの台詞!」
「グァアッ!?」
自分の手下があっさり倒された事に動揺したシグルドは、ソニックアローを手にしてフレイムドラゴンに斬りかかるが、その直前にフレイムドラゴンは右手に持ったウィザーソードガン・ガンモードでシグルドのアーマーを撃ち抜く。予想外の攻撃にシグルドは対応できず、胸から火花を散らして後退する。更にシグルドとの距離を積めたフレイムドラゴンは左手のウィザーソードガン・ソードモードでシグルドを切り裂き、シグルドは大きく吹き飛ばされた。
「……詰めが甘すぎ」
「…ッ!!ガキが…大人に歯向かうんじゃねぇ!!!」
フレイムドラゴンの嘲笑するような言葉に一瞬で激昂したシグルドは、ゲネシスドライバーのレバーを操作して必殺技を発動し、ソニックアローに赤い炭酸のようなエネルギーを纏わせると、フレイムドラゴンに向かってイノシシのように突撃していく。
「ぐぅああああっ!!?」
テレポートの魔法でフレイムドラゴンとシグルドの間に現れたウォータードラゴンが、現れた直後に“ブリザード”の魔法を発動し、魔法陣から放たれた極寒の冷気が、一瞬でシグルドを氷付けにした。
ウォータードラゴンは追い討ちを掛けるように、指輪を付け替えてベルトにかざす。
「ハァッ!!」
「ぐぅああああああッ!!!?」
魔法陣から飛び出した魔力が形となり、ウォータードラゴンの尻に銀色の巨大な尾──“ドラゴンテイル”が具現化し、ウォータードラゴンはドラゴンテイルを横凪に振るう。強力な尾の一撃に、氷はアッサリと砕かれ、氷の拘束から解放されたシグルドは放物線を描きながら吹っ飛び、地面をゴロゴロと転がった。
それでも何とか起き上がろうとするシグルドに、フレイムドラゴンが容赦のない一撃を放つために、指輪をベルトにかざした。
フレイムドラゴンの胸部に“ドラゴンスカル”が具現化し、口内に紫色の炎が発生する。フレイムドラゴンはヨロヨロと起き上がろうとするシグルドに向け、必殺の火炎放射を御見舞いした。
「…“紫龍”!!」
「ぐぁあああああああああっ!?」
放たれた紫色の炎に、シグルドは避ける暇もなく呑み込まれる。
シグルドは炎の中で断末魔に似た叫び声を上げると、炎の中で派手に爆発を起こし、跡形もなく焼失した。
「うぁっ!?」
アークゼロと肉弾戦を繰り広げていたゴーストは、鳩尾にアークゼロのパンチを食らい、地面を転がった。
「コイツ、強い…!だったらッ!」
立ち上がったゴーストは“仮面ライダー45ゴースト眼魂”を取り出してスイッチを押すと、ゴーストドライバーにセットする。
『ヌゥッ!?』
ドライバーから現れた“1号ゴースト”が、アタッシュカリバーを持って斬りかかろうとしたアークゼロを弾き、その隙にゴーストはドライバーのレバーを引き押しすると、左手を腰に当て、右腕を左斜め上に掲げる。
右腕を左斜めから右斜めに移動させ、右手を勢いよく引くと同時に左腕を斜め右へと突き出すと、ゴーストは高く跳び上がった。
ゴーストは空中で一回転しながらパーカーゴーストを被ると、姿を変えて地面に降り立った。
首から下はトランジェント態のままで、ライトグリーンのフードを被っている。マスクは【仮面ライダー新1号】の物となり、首に巻いた紅いマフラーが風にたなびいた。
原点にして頂点、仮面ライダー1号の力を纏った姿──【仮面ライダーゴースト・1号魂】に変身したゴーストは両腕を大きく広げ、アークゼロと戦闘を再開する。
伝説の戦士、仮面ライダー1号の力を宿したゴーストは、アークゼロの攻撃を的確に受け流し、カウンターでアークゼロの溝尾に強力なパンチを喰らわせた。
土煙を巻き上げながら後退したアークゼロはアタッシュアローを装備し、更に自身の周りにエイムズショットライザーを無数に生成すると、ゴーストに目掛けて一斉射撃を開始する。
流石のゴーストもこれを受けてしまえば人溜まりもないため、ゴーストは1号の瞬発力を活かしてバク転してエネルギー体の弾丸と矢の嵐をかわしていく。
やがてゴーストは高く飛び、まるで忍者のように天井に足をつけて張り付き、直ぐ様天井が没落する程の脚力で天井を蹴り、アークゼロとの距離を積める。アークゼロは直ぐ様ゴーストを追うように手にしたアタッシュアローと周囲のエイムズショットライザーの銃口をゴーストに向ける。
しかし、ゴーストはそれよりも速くアークゼロとの距離を積め、飛蝗にも似た仮面に向けて、首刀を振り下ろした。
「ライダァー、チョーップッ!!」
『ぐぁっ!?』
直径10センチの鉄棒をへし折る程の威力を持ったチョップが脳天に炸裂し、アークゼロはアタッシュアローを手放して数歩後退する。更にゴーストは追い討ちを掛けるようにアークゼロの体を掴んで共に跳び上がると、アークゼロを一気に振り回し、独楽のように回転しながらアークゼロを投げ飛ばした。
「ライダァー、きりもみシュートッ!!」
『うぉおおおおおっ!?』
高速回転によって真空状態が作り出し、竜巻が発生する。身体がバラバラになる程の風の暴力にアークゼロは火花を散らしながら地面に墜落する。並の敵ならばこれだけで爆発四散するが、アークゼロはヨロヨロと起き上がり、再び立ち上がろうとしている。
それを見たゴーストはドライバーのレバーを操作すると、1号と同じポーズを取り、一気に跳び上がってアークゼロに接近する。
「ライダァー、パーンチッ!」
『ぐわぁあっ!!』
跳び上がった状態で繰り出されたゴーストの右ストレートが直撃し、アークゼロは火花を散らしながら吹っ飛ばされる。
しかし、ゴーストの攻撃はそれだけでは終わらず、着地した後にゴーストは再び高く跳んで一回転、空中で右足を突き出してキックの体勢を取り、アークゼロに向かって急降下した。
「ライダァー、キーック!!!」
『ぬぁあぁあああああっ!!!』
あらゆる怪人を葬ってきた1号の必殺技と同等の力を兼ね備えたゴーストの必殺キックがアークゼロの鳩尾に炸裂し、勢いよく吹っ飛ばされたアークゼロはゴロゴロと地面を転がり、やがてそれが止まったと同時に派手に爆発を起こした。
オレ魂に戻った
「…アイツ、多分だけど本気で戦ってなかった……。わざと負けた?だとするとどうして…?」
“気配感知”を使ってみても、生体反応は見受けられない。
自分の勘違いかな…?と疑問を持ちながらも、ゴーストは爆心地から背を向けて小走りに走り出した。
この時、
一方、カトレアとダークライダー達に蹂躙され、あと一歩で全滅に陥る所であった迷宮攻略組の生き残りである光輝、雫、香織、鈴、恵里の五人は、口をあんぐりと開け、間抜けな表情で呆然としていた。
それも仕方ないだろう、“神の使徒”である自分達を容易く蹂躙した仮面の戦士達が、あの水色の穴から現れた別の仮面の戦士達によってアッサリと倒しているのだから。
「何なんだ……彼等は一体、何者なんだ!?」
香織に回復魔法を掛けて貰い、先程よりは体力に余裕が出来てきた光輝は、未だに動かない体を横たわらせながらそんな事を呟く。今、周りにいる全員が思っている事だった。
『ウギャァアアッ!!』
「「「「「ッ!?」」」」」
その時、彼らの仲間であった檜山大介が変貌したアナザー鎧武が、悲鳴を上げながら彼らの直ぐ近くまで吹っ飛ばされ、地面を転がってきた。それに驚き、光輝達はアナザー鎧武の方を向く。
そこへ、“カチドキ旗”を両手で持ったジオウがゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。
「…皆終わらせてるみたいだね。僕もそろそろ終わらせないと……」
カチドキ旗を投げ捨て、ジオウはベルトに装填されたウォッチのライドオンスターターを押し、ベルトのロックを外して回転させた。
アナザー鎧武の周りに無数のクラックが開き、そこから現れた蔦のような植物がアナザー鎧武に巻き付いて拘束する。身動きが取れなくなったアナザー鎧武に、ジオウは無双セイバーと“火縄大橙DJ銃”を連結させ、大剣モードにしたDJ銃とサイキョージカンギレードを装備し、二振りの大剣による強烈な斬撃を放った。
「ハァッ!!!」
『グギャアァアアアアアッ!!!』
×字に放たれた斬撃がアナザー鎧武を貫通し、アナザー鎧武は
切り口から火花を散らしながら仰向けに倒れると同時に大爆発を起こした。
「ぐっ…がぁ…!」
爆煙が晴れてゆき、爆心地から姿を現したのは、右腕を無くした檜山だった。ジオウとの先頭の影響か全身血まみれであり、手足はあり得ない方向に曲がっている。
そんな瀕死の檜山に歩み寄ったジオウは彼の喉元にサイキョージカンギレードの刃を突きつけると、檜山は「ヒィッ!?」と声を漏らす。
檜山が命乞いをしようとし、光輝達がそれを止めようと声を出そうとした瞬間、ジオウから聞き覚えのある声が聞こえた。
「……4ヶ月振りかな、檜山君。僕の声、覚えてる?」
「?……ッ!!?ま、まさかテメェ!?」
「ッ!?鈴木くんの声だ!」
「「「「ッ!?」」」」
中性的な少年の声に、檜山と香織は直ぐにジオウの正体を看破し、香織の嬉しそうな言葉で、光輝達もその声の持ち主を思い出し、全員目を見開いた。
その直後、ジオウの正体が入間だと悟った檜山が、直ぐ近くに光輝達がいることにも気付かず、信じられないといった風に口を開いた。
「う、嘘だ!お、お前はあの時…俺が撃った魔法で奈落に落ちて死んだ筈…あっ!」
「「「「「ッ!!?」」」」」
そこで檜山は、自分が四ヶ月前に故意に入間を狙って魔法を撃った事を暴露してしまったことを自覚し、顔を青くして光輝達の方を向く。当の光輝達は、四ヶ月前の事件の真相を知り、全員言葉を失っていた。
そんな彼等を嘲笑するように、ジオウは鼻を鳴らした。
「死体の確認もせずによくもまぁ“死んだ”なんて決めつけられたね。そもそも、君みたいな雑魚の策略なんかで僕が死ぬわけ無いよ」
そう言って、ジオウはサイキョージカンギレードをゆっくりと振り上げるのをみて、檜山は顔を青くした。
「ヒ、ヒィッ!?ま、待て鈴木!お、俺はお前のクラスメイトだろ!?い、今までの事は謝るから!だから助け…」
「言い訳も命乞いも聞く気はないよ。だからと言って痛め付ける趣味もない。一瞬で終わらせる」
檜山の言葉にも耳を貸さず、ジオウは満身創痍で満足に動くことが出来ない檜山の脳天に刃を振りおろそうとする。
その瞬間…
「グギャアァアアアアアアアッ!!?!?」
「わっ!?」
突如檜山が汚ならしい悲鳴を上げたかと思うと、彼の胸元から蔦のような植物が内臓を撒き散らしながら飛び出したのだ。咄嗟にジオウは大きく後ろに跳んでそれを回避する。
しかし蔦植物はジオウを追撃するわけではなく、飛び出した本体である檜山の体に巻き付いていくのだ。更に胸だけでなく、目や口、更には腕や鼻の穴などあらゆる箇所から飛び出して檜山に巻き付いていく。それと同時に、檜山は血まみれになりながら、まるで蔦に身体の水分を吸い取られるかのように干からびて行く。
そして、とうとう身体の七割が蔦に覆われると、檜山の肌と蔦が枯れ木のようになると、やがてボロボロと音を立てて灰となって崩れ落ちて行き、檜山大介は数秒で跡形もなく消え去った。
唯一その場に残っていたアナザー鎧武ウォッチも、まるで何十年も放置されたかのように錆び付いており、それも直ぐにボロボロと崩れ去っていった。
「……僕が手を下すまでもなかった、ってこと?」
片手で持ったサイキョージカンギレードを肩に置きながら、ジオウは片方の手で仮面の頭をポリポリとかいた。
檜山が死んだことを喜ぶべきなのか、それとも自分で止めを指せなかった事を悔しがるべきなのか悩んだが、ジオウは直ぐにどうでもよくなったのか、踵を返して仲間達の元へと走り出した。
「……ふっ!」
「…はぁああっ!!」
「ぐっ…うぁああああああッ!!?」
ランドドラゴンが重力を操るグラビティの魔法を発動したことで、メイジの頭上に出現した黄色の魔法陣から凄まじい重力が襲い掛かり、堪らずメイジは動きを封じられてしまう。そこへ、“ドラゴンウイング”を展開したハリケーンドラゴンが身体をドリルのように回転させながら猛スピードでメイジに突進して行き、背中のドラゴンウイングでメイジの身体を切り裂いた。
その一撃をモロに喰らったメイジは、火花を散らしながら吹き飛ばされた。地面をゴロゴロと転がりながら変身が解けてカトレアの姿をに戻ると、その腰に装着されていたメイジのベルトが音を立てて破損して行き、数秒後にはバラバラになってカトレアの腰から砕け落ちた。
「ホントに……なんなのさ」
倒れ伏したカトレアは、力無くそんな事を呟いた。魔物達は全滅し、ガイ達も敗れ、アークゼロすら敗北し、頼みの綱であった仮面ライダーメイジの力は、源であるドライバーを破壊されてもう使えない。誰の目から見ても勝敗は明らかだ。
やがて、ダークライダー達とアナザー鎧武を倒したジオウ達がカトレアを取り囲む様に集まってくる。ウィザードの分身が消えるのと同時にジオウ達は変身を解除して生身の姿に戻ると、髪と瞳の色が違うとはいえ入間の顔を見た光輝達がジオウの正体が入間であると確信して目を見開き、香織は嬉しそうに笑みを浮かべた。
だが入間はそれに見向きもせず、ツカツカと靴音を鳴らしながらカトレアの前に歩み寄ると、グランドジオウウォッチから“ファイズエッジ”を召喚して、それをカトレアの喉元に突き付ける。眼前に突きつけられた死に対して、魔人族の女は死期を悟ったような澄んだ眼差しを向けた。
「さて、後は貴方を殺せば終わりなんですが……その前に、魔人族がバダンと一緒にこんな場所で何をしていたのか……教えてもらいましょうか?」
「あたしが話すと思うのかい?人間族の有利になるかもしれないのに?バカにされたもんだね」
嘲笑するように鼻を鳴らした魔人族の女に、入間は冷めた眼差しを返した。
「まぁ、大体予想はついてるよ。貴方達の狙いは勇者達じゃなくてこの迷宮にある神代魔法。貴方は
「ッ!?どうしてそれを…まさか!」
入間が口にした推測の尽くが図星だったようで、悔しそうに表情を歪めるカトレアは、どうしてそこまで分かるのかと疑問を抱き、そして一つの可能性に思い至る。
その表情を見た入間は、カトレアが入間もまた大迷宮の攻略者であると推測した事に気がつき、視線で「正解」と伝えてやった。
「となれば、後は芋づる式ですね。魔人族領にある【ジュネー雪原】の氷雪洞窟、その攻略者が魔人族とバダンにいる。魔人族が魔物を操れるようになったのはその神代魔法の力……ってことですか。……真実が分かった以上、もう貴方を生かす理由はなくなりましたね」
「……なら、もういいだろ?ひと思いに殺りなよ。あたしは、捕虜になるつもりはないからね……」
「……成程、貴方の覚悟は本物みたいですね。その覚悟に敬意を持って、苦しまずに終わらせてあげましょう」
捕虜にされるくらいならば、どんな手を使っても自殺してやると魔人族の女の表情が物語っていた。そして、だからこそ、出来ることなら戦いの果てに死にたいとも。
そんな彼女を、入間は素直に称賛する。実際、入間はトータスに来てから彼女以上に立派な軍人を見たことがない。帝国兵は弱い者虐めしか能のない屑だったし、光輝達など論外だ。故に、カトレアのこの姿勢には入間も悪くないと思える。
しかし、だからと言って入間の取るべき行動は変わらない。せめて苦しまずに一緒で殺してやろうと、入間の持つファイズエッジにフォトンブラッドが注入され、刀身が紅く染まる。
カトレアは、道半ばで逝く事の腹いせに負け惜しみと分かりながら入間に言葉をぶつけた。
「いつか、アタシの恋人がアンタを殺すよ」
「神の傀儡にしかなれない人が僕を殺れるとは思えませんけど……期待しないで待っておきますよ」
互いにもう話す事は無いと口を閉じ、入間はファイズエッジを振り上げる。
しかし。いざ剣を振り下ろそうとする瞬間、大声で制止がかかる。
「待て!待つんだ、鈴木!彼女はもう戦えないんだぞ!殺す必要はないだろ!」
「……」
入間は紅く光るファイズエッジを止め、不機嫌そうな表情で肩越しに振り返った。光輝はフラフラしながらも少し回復した様で、何とか立ち上がると更に声を張り上げた。
「捕虜に……そうだ、捕虜にすればいい。無抵抗の人を殺すなんて、絶対ダメだ。俺は勇者だ。鈴木も仲間なんだから、ここは俺に免じて引いてくれ」
余りにも支離滅裂で幼稚な言い分に、入間は聞く価値すら無いと即行で切って捨てた。そして無言のまま、フォトンブラッドを纏わせたファイズエッジを振り下ろした。
「──────ッ!!!」
仮面ライダーファイズの“スパークルカット”に酷似した技が炸裂し、カトレアは『Φ』の文字を浮かびあがらながら青い炎に包まれて行き、やがて身体が灰となってボロボロ崩れ落ち、一緒にしてカトレアは絶命した。
・ライダー紹介
【仮面ライダージオウ・鎧武極アームズアーマー】
鎧武極アームズライドウォッチでジオウがパワーアップした姿。仮面は極アームズを模した物となり、インジケーションアイは『キワミ』と書かれ、胸部は極アームズの顔を模した形状をしており、極アームズと同じマントを羽織っている。
鎧武が劇中で使った全ての武器を召喚し、クラックを開いてヘルヘイムの植物を鞭のように操ることが出来る。
感想、評価お待ちしております。