タイトルで分かる通り、あのライダーが登場します。
EPISODE 1 邂逅する、生ける伝説。
「ちょっと聞いてるんれすかイルマさん!私はですねっ、今、とっても真面目にゃ話しをしているんれすよ!そもそもイルマさわんは──」
「ご主人様よ、お主の傍は心地よいのぅ。なぁ、もう少しだけ傍に寄っても良いかな?」
「イルマ様は小さすぎます!危ないです!あと近頃ミュウに構いすぎです!娘とは言え寂しいのです!」
「……イルマぁ。どうして視線をそらすのっ。こっち見てぇ。ぎゅっとしてぇ」
「イルく~ん…イルくんの体って暖かいんだねぇ~~……」
「みろみろイルマ~~…どんどん積み上がるぞ~……」
顔を真っ赤にしてウサミミをピーンと立てたシアが何故か木に向かって延々とお説教をかまし、ティオが普段の変態性は何処に行ったのかと言いたくなる程アダルトな雰囲気でしっとりと甘えてきて、アスモデウスが真っ赤な顔で肩を掴んで説教している。
そして、そんな彼女達に視線を向けると、さっきから引っ付き虫となっているユエが涙目でイヤイヤしながら幼子のように駄々を捏ね、普段のウザオーラが消えてなくなったミレディが甘えてきて、アメリが真っ赤な顔で頭の上に皿と言った色んな物を積み重ねている。
「なんでこうなったんだっけ……?」
頭を抱える入間は、何故こんなカオスな状況になってしまったのかを振り返った。
事の始まりは約1時間30分前。
光輝達と完全に決別してホルアドを後にした入間達は何時ものごとくデンライナーに乗って旅を続けるなかで、デンライナーの窓かららあまり高くないが大きな木で横に広がり、その枝についている薄い桃色のハートの形をした桜そっくりの木を発見した。
そこで魔界組が入間が授業で咲かした花にそっくりだとか花見をしてたなとか盛り上がっていると、桜や花見を知らないユエ達トータス組が首を傾げたので、入間が分かりやすく『花見というのは桜の木の下でどんちゃん騒ぎする宴会』というかなりざっくりした解説をすると、ミュウが花見がしたいと入間の腕の中で駄々を捏ね始めたのだ。
別に急ぐ旅ではないし、【海上の町エリセン】に到着してミュウを母親のもとに送り返せばミュウとはそこでお別れになってしまうため、丁度昼時だった事もあり、入間達バビルはミュウとの思い出作りを兼ねて桜に似ている木下でピクニックをする事となった。
30分程で支度を済ませると、ユエが仕上げとばかりに魔法で風を起こして花びらを散らして花見が始まった。最初こそ、桜吹雪にミュウが目を輝かせ、花の上に落ちた花びらにはしゃいでいる姿に全員微笑んでいたのだが、一時間後には何故かこうなったのだ。
「そもそもお酒なんて……ん?」
この症状はどう見ても酔っ払いのそれだが、未成年や幼女もいるので酒など出していない。だとすれば何故酔っぱらうのかと疑問を持った入間は、ふと自身の近くにあった包み紙を見つけ、くしゃくしゃになったそれを拾い上げて広げてみると、書かれている字に頬をひきつらせた。
「これ…ウイスキーボンボン?」
ウイスキーボンボンとはチョコレートボンボンの一種で、ウイスキーのシロップをチョコレートでコーティングしたチョコレート菓子だ。ウイスキーの他にも洋酒や日本酒が入った物もある。因みにチョコレートボンボンは中に詰め物が入った一口サイズのチョコレートの事を指している。
これは以前、ミュウと出会った商業都市フューレンで入間が購入した物であり、試しに食べてみて、好き嫌いのない入間でもあまり口に合わなかったので宝物庫に放置していたやつだ。花見のお供としてお菓子もいつくか出していたが、どうやら混じっていたらしい。
「まさか…これ食べて酔っ払ってるの!?」
辺りを見回すと、入間が持っている物と同じ包み紙が幾つかある。
ウイスキーボンボンは飲料ではなくお菓子に分類される為に酒税法に引っかからないので、もしも未成年者がウィスキーボンボンを食べてしまっても未成年飲酒として逮捕されることはないが、結局酒は酒なのだ。
そうこうしている間にも、ベロンベロンに酔っ払っている面々は暴走している。
「あぁもう、こうなったら皆を“
そう言って指輪に手を当てた瞬間、入間は背後から現れた銀色のオーロラに飲み込まれ、オーロラが消えると同時に入間の姿は影も形もなくなった。
「んみゅ!?パパっ!?」
安全圏に避難していたミュウは、大好きなパパが突然消えていった事に目を見開いた。
「…え?何ここっ!?」
気が付くと、入間は大きな鉄製の箱の中にいた。顔の前には鉄窓がある。
目を白黒させる入間の耳に、可憐な女性の声が入ってきた。
「──あなた様が、魔界で生まれた仮面ライダージオウでございますか?」
「え?」
鉄窓から顔を覗かせると、そこにいたのは金髪紅眼のメイド服を着た小柄な女性が、鉄窓の向こうから入間の顔を覗き込んでいた。その顔は、入間が見知った…というよりついさっきまで見ていた顔だ。
「ユ、ユエ?そのメイド服は…?」
「ユエ…?いえ、
「る、ルナ?ユエじゃなくて……ルナ…さん?」
「はい」
爽やかな笑顔で頷くユエ…ではなくルナ。確かに入間の知るユエからは想像もできない表情だ。
「って言うか、その名前言語が違うだけで意味は全く同じですよ?」
『ユエ』は中国語で、『ルナ』はラテン語だが、どっちも月を意味している。
ユエの悪ふざけなのかと疑い始めたところで、突如知らない男の声が聞こえた。
「よく来たな、仮面ライダージオウ」
「えっ?誰?」
入間は牢屋の中から辺りを見回すと、豪華絢爛といった部屋の大きなの外から聞こえてくることに気付いた。
庭も豪華絢爛といった風で、噴水の近くに何故かドンと置かれたバスタブに、1人の青年が入っていた。
青年は風呂から上がると、何故かお湯と一緒に宝石が入っており、その青年が出ると同時にお湯とその宝石がバラバラと地面に落ちた。
近くにいた執事服を着た男から掛けられたバスローブの紐を結びながら、ゆっくりと歩いて入間が閉じ込められた牢屋に近付いた。
「我が名は、【鳳桜・カグヤ・クォーツ】。ハッキリ言おう仮面ライダージオウ、貴様にはゴージャスが足りない」
「ゴ、ゴージャス?」
入間が思わず声を漏らすと、ルナと名乗ったメイドが入間に何かを差し出した。透明なゴーグルのようだ。
入間は鉄窓の間からそれを受けとると、ルナとともにそのグラスをかける。
それを見たカグヤが指をパチンッと鳴らすと、その瞬間、入間の周りの景色が一瞬にして発展した大都会の景色に移り変わった。
再び目を白黒させる入間に、ルナが説明をする。
「ここはあなた様が旅をしているトータスとはまた違う座標に位置する平行世界。この世界では世界を移動できる“オーロラカーテンシステム”により、人々は豊かに暮らしてきました。しかし、そこに異世界からの侵略者『ハンドレッド』が攻め込み、この世界は崩壊の一途をたどるところでした。しかし、そこで一筋の光が差し込みました。それこそがマイロード、鳳桜・カグヤ・クォーツ様です」
潰滅の危機に瀕していた街に、天から指す光を浴びながらマントを翻すカグヤ。
そこから、映像は金色の仮面ライダーディケイドにそっくりな金色のライダーと、ブルーのバッタを模したライダーが、仮面ライダーバールクスと戦っている光景が映し出された。
「カグヤ様は以前、新たに誕生した異世界の仮面ライダーガッチャードと共に、ハンドレッドのボスである仮面ライダーバールクスを撃破しました」
「仮面ライダーガッチャード…」
「しかし、そこで世界に新たな驚異が現れたのです」
「……バダン」
ルナの言葉を入間が続ける。
ルナはその言葉に頷きながら、目の前の光景に説明をする。
「かつて仮面ライダーゼクロスが対峙し、仮面ライダー鎧武を始め30人の仮面ライダーの総力をもって、バダンは壊滅しました。しかし、バダンは復活し、様々な平行世界に怪人を送り込んでいます」
「じゃあ、僕はその助っ人としてこの世界に…」
「いや、そんなつもりは一切ない」
「え?」
そこで映像が終わり、グラスを外した入間の言葉をバッサリ切り捨てたカグヤに、入間は動揺する。
なら何故自分を呼び出したのかと入間が疑問を抱くと、いつの間にかゴージャスな服に着替えたカグヤが目の前にあるテーブルにかけられた布を勢いよく剥ぎ取った。
そこには、様々な仮面ライダーと、そのライダーを模した生き物のようなイラストが描かれたカードが沢山並べられていた。そこには、ジオウのカードもある。
「これは…?」
「これはカグヤ様がハンドレッドに対抗するためにあらゆる平行世界に存在する仮面ライダーの力をカードに写し取った“レジェンドライダーケミーカード”です」
カグヤは机に並べられたうちの一枚、ジオウと王冠を被った時計のイラストが描かれたカードを手に取り、入間に見せる。
「お前とは違う世界のジオウは実にゴージャスだった。だからカグヤ様の手中に納めた。だが、同じジオウでも、貴様にはまだゴージャスが足りない。だから貴様を呼び寄せた。よりゴージャスにするために」
「ゴージャス…?」
訳がわからずに入間がひきつった笑みを浮かべると、突如ルナの懐から着信音のような音が響き、ルナはタブレットのようなものを取り出して画面を見ると、険しい表情を浮かべた。
「バダンの刺客が潜入した模様です」
「丁度良い。行くぞ」
そう言ってカグヤが指を鳴らし、踵を返して歩き出したた瞬間、入間を閉じ込めていた檻が一瞬にして消えた。
「え、ええっ!?ちょっと待ってくださいよ!」
解放された入間はまだ状況を飲み込めずオロオロしながらも、慌ててカグヤ達について行った。
金ピカで、屋上から金色のエネルギーを天に伸ばしている“鳳桜タワー”の中で、異形の集団が歩みを進める。
その異形達は、しばらく歩いていると、進んでいる通路の奥からゴージャスな服を着た青年とメイド服を着た小柄な少女、その二人に遅れて青い髪と衣服の小柄な少年がやって来て、異形達は足を止めた。
青い髪と衣服の少年、入間はその異形達の姿を見て首をかしげた。
「あの怪人は…?」
「手前に立つ白い怪物が【カリュブディス】、その後ろにいるのが【シミー】。仮面ライダーセイバーが戦った【メギド】と呼ばれる魔物です」
見覚えのない怪人を見た入間にルナが解説をする。
そして、金色のジッパーを思わせるラインが全身にまとわりついた白い怪物──【カリュブディスメギド】は、“サツルドラ”と呼ばれる巨大鉈を持ち、カグヤを指差した。
『貴様が仮面ライダーレジェンド、鳳桜・カグヤ・クォーツですな。私達バダンの掲げる全世界征服という野望のため、貴方にはここで死んでもらいます…!』
「やれやれ、有名贅というやつだな、仕方がない。今日は撮影OKだ!存分にカグヤ様の輝きを拝むといい」
カリュブディスの宣言にそう返し、カグヤはあるものを取り出した。
ディケイドライバーの土台に、ビーストドライバーの要素を足したような形状のドライバーだ。
「それは…!?」
「特別ついでだ。伝説の輝きを見せてやる」
カグヤがそれを腰に当てると、帯が飛び出してベルトとして装着される。その瞬間、目映い黄金の光がドライバーから放たれ、怪人達は思わず顔を腕で覆う。
そして、カグヤは何処からか一枚のカードを取り出した。そのカードには、金色の戦士と金色のライオンのイラストが描かれていた。
手に持ったカードを裏返し、レジェンドライバーに横向きにして挿入。カグヤの背後に、金色のレジェンドライバーを模したエフェクトが出現する。
「変身!」
バックル両側のサイドハンドルを引くことで中央部が回転、観音開きのように展開し、背後のエフェクトも扉が開く。
同時に、背後のエフェクトから無数の宝石と黄金の鏡像と数枚のプレートが飛び出し、鏡像がカグヤに重なることで姿が変化し、空中のプレートが顔に刺さり、飛び散っていた宝石が集まることで、変身が完了した。
仮面ライダーディケイドと瓜二つな、しかしディケイドとは違い全体的に派手な金色で複眼は水色、上半身がメッキ調のカラー。仮面の右半分はライオンにも見える。右肩や腰マントには宝石が埋め込まれており、装飾が付いているライダーに、カグヤは変身した。
「金色の、ディケイド…!」
「ご覧ください、広くあまねく世界を照らす!その名も【仮面ライダーレジェンド】!まさに、生ける伝説…!」
まるで何処ぞの預言者ライダーのように称賛の声を上げるルナ。
「フフ…」
『行きなさい』
ガリュブディスの命令と共に、シミー達は“ロット”と呼ばれる武器を手にレジェンドに突撃していく。
しかし、レジェンドは一切の無駄のない華麗な動きでシミー達の攻撃を受け流して行き、一番後ろにいたシミーを四つん這いで跪かせると、レジェンドはその背中に足を組んで座る。
そんな無防備なレジェンドに、シミー達は武器を手にして襲いかかってくるが、レジェンドは一番前にいたシミーのロットを掴んで後ろにいたシミーを妨害する。
シミー達が後退した直後、レジェンドはバイクの意匠を持った銃を取り出し、引き金を引いてシミー達を撃ち抜いた。
シミーが小規模な爆発を起こすと、レジェンドは何処からか四枚のレジェンドライダーケミーカードを取り出し、“レジェンドライドマグナム”と呼ばれる銃に装填した。
「ゴージャスタイムだ」
レジェンドが銃の引き金を引くと、銃口からバイクのようなエフェクトが飛び出し、その光のバイクが走り抜けると、その光は鎧を纏った人の形を形成した。
蛍光イエローのバッタを模した赤い複眼の戦士。
胸部にライオンを模した装飾を持つ青い剣士。
ピンクを基調とした牙を持った仮面の戦士。
白と赤の装甲と仮面の狐面の戦士。
「ライダーを召喚した…!!」
入間が驚愕した声を上げると、側に控えていたルナが解説を始めた。
「右手から令和1号仮面ライダーゼロワン、水勢剣流水とワンダーライドブックで変身する仮面ライダーブレイズ、バイスタンプで悪魔を解放する仮面ライダーリバイ、不敗の白い狐仮面ライダーギーツ…でございます」
『ッ!…行きなさい!!』
カリュブディスが命令を出してシミー達が武器を手にして走り出し、呼び出したライダー達も走り出した。
シミー達を持ち前の身体能力で戦っている仮面ライダーゼロワンは、サイバー線を描きながら壁を蹴り、素早い動きでシミー達をキックで次々倒していく。
やがてゼロワンはドライバーにセットされていたプログライズキーを押し込んだ。
その瞬間、サイバー線を描きながら、まるで瞬間移動をしているかのような速度で次々とシミーにキックを叩き込んで行く。
シミーが爆発すると同時に、宝石のようなエフェクトが飛び散った。
仮面ライダーブレイズは愛用の水勢剣流水に水のエネルギーを纏わせ、次々とシミー達を切り裂いていくと、ベルトに装填された“ライオン戦記ワンダーライドブック”をタッチする。
「ライオン・ワンダー!!」
水勢剣流水から放った斬撃を大量の水に変化させ、シミー達の足下を満たして動きを封じる。
同時に、ブレイズの前に現れたワンダーライドブック型のエフェクトから黄金に輝く“ライオンセンキ”が突撃し、回転しながらシミーを攻撃。そして、次々とシミー達は爆発した。
仮面ライダーリバイはティラノサウルスの力を宿した強靭な蹴りで、近くの壁を破壊しながらシミー達を撃破していくと、ベルトに装填された“レックスバイスタンプ”を操作し、高く飛び上がった。
リバイは黄金のバイスタンプ型のエネルギーを生成し、飛び蹴りでシミー達にエネルギーをぶつける。
爆発と同時に、宝石のようなエフェクトが飛び散った。
仮面ライダーギーツは、“マグナムシューター40X”をガンスピンのように回しながら銃弾を放ち、次々とシミーを撃ち抜いていく。
何体かのシミーを撃破したのを確認すると、ギーツはベルトに装填されているレイズバックルを操作する。
黄金の“ブーストライカー・ギーツモード”が爆走し、ギーツはその背中に乗ると、ギーツは飛び降りてライダーキックを放った。
着地時にギーツのライダーズクレストが刻まれ、衝撃波で辺りのシミーを焼き尽くす。爆発と同時に、宝石のようなエフェクトが飛び散った。
大半のシミー達が倒されたと同時に、ゼロワン達は金色の光と共に消えていった。
四つん這いにして背中に座っていたシミーから降りてレジェンドライドマグナムで撃ち抜いてそのシミーを撃破したレジェンドは踵を返して入間の前に歩み寄ると、ポンと肩に手を置いた。
「ジオウ、貴様もそろそろ出番だ」
「えぇ~…」
なんだかトントン拍子で話が進みすぎて、未だに状況が飲み込めていない入間は困惑するが、未だにシミーが残っているのをみて、文句を言っている場合じゃないと意識を切り替えると、ジクウドライバーを腰に巻き、取り出した“ジオウライドウォッチ”と“ディケイドライドウォッチ”を起動した。
ライドウォッチをジクウドライバーに装填してロックを外し、ベルトを回転させる。
「変身!!」
ジオウに変身した入間の周りにアーマーの一部を装備したジオウの幻影に変化し、それらが重なって装着される。
久々に【ディケイドアーマー】に変身した入間はライドヘイセイバーを召喚して手に持つと、シミー達に向けて突撃していった。
シミー達の剣や銃弾を、ジオウはヘイセイバーで捌いて距離を積めて行き、擦れ違い様にヘイセイバーでシミー達を切り裂いた。
「ホゥ…悪くない輝きだ。……だが、貴様はもっとゴージャスになれる。ルナ」
「かしこまりました」
レジェンドの言葉に頷いたルナは、何処からか赤と黒で彩られたライドウォッチを取り出して両手で持つと、悠然とした足取りで戦いを繰り広げるジオウのもとに歩み寄る。
「失礼します」
「え?何?何ですか?」
困惑するジオウに、ルナは手に持ったライドウォッチのベゼルを回し、ジクウドライバーに装填されたディケイドライドウォッチの「F.F.T.スロット」にそのウォッチを装填した。
音声と共に、胸部の文字が「セイバー」「ブレイブドラゴン」に変わり、仮面のモニターが【仮面ライダーセイバー】のものに変わる。
【ディケイドアーマーセイバーフォーム】にフォームチェンジしたジオウは、新たに手に出現した“火炎剣烈火”に、仮面の下で目を丸くする。
「こ、このウォッチは…?」
「マーベラス!やはり貴様は輝ける素質を持っていたようだ。さぁ、そこのサンドバッグと戦ってみろ」
レジェンドが指を指したのと同時に、シミー達は剣をもってジオウに突撃していく。
「仮面ライダーセイバーの力がディケイドウォッチの力で更に強化され、炎を操る剣士となったジオウ…!ゴージャス!」
「ハァッ!フッ!セヤッ!」
ルナが解説するのを他所に、ジオウは炎を纏わせたヘイセイバーと火炎剣烈火を振るい、シミー達を次々と切り裂いていく。
頃合いを見計らい、ジオウはベルトに装填されているウォッチのボタンを押した。
ヘイセイバーと火炎剣烈火の刀身が灼熱の炎に包まれ、ジオウは二本の剣を手にしてグルリと回転。炎の斬撃が周囲のシミーを焼き尽くした。
「……あんまり変わんないけど、スゴい威力…!」
火炎剣烈火を見ながら呆然と呟くジオウ。
その光景を見ていたレジェンドは、仮面ライダーキバのイラストが描かれたレジェンドケミーカードを取り出した。
「さぁ、ゴージャスタイムのアウトロだ!」
カードを裏返してレジェンドライバーに装填、背後に黄金のエフェクトが出現し、サイドハンドルを引いた。
レジェンドの体が銀色に包まれて弾けると、レジェンドの姿が【仮面ライダーキバ】に変身。エフェクトから放出された宝石が収束し、左肩と右腰に金色の装飾となった。
「イエス、マイロード!キバの鎧を纏い変身する仮面ライダーキバが更にゴージャスに!!」
「やっぱり変身できるんだ…!」
ゴージャスキバの隣に立ったルナが称賛の声を上げ、ディケイドに似ているから変身できるのではと予想していたジオウは呟く。
『ッ、…ハァッ!!』
「フッ…ハッ!」
『グアァアアアアアアッ!!!』
カリュブディスはサツルドラを手にしてレジェンドキバに斬りかかるが、ゴージャスキバは舞うような動きでサツルドラの攻撃を避けると、カリュブディスの鳩尾にカウンターでキックを食らわせた。
油断したカリュブディスは、鳳桜タワーの壁を突き破って外に投げ出され、それを見たゴージャスキバはドライバーを開閉させる。
「Wake…up!」
音声と共に、ゴージャスキバはカリュブディスが空けた穴から飛び出した。
同時に、金色に輝く【キャッスルドラン】が現れ、ゴージャスキバはその頭の上に飛び乗ると、黄金のキャッスルドランはタワーから落下しているカリュブディスを追う。
「ゴージャスに…散れ!!」
その宣言と共に、ゴージャスキバはキャッスルドランの頭の上から飛び上がり、空中てキックの体制を取る。
右足の
「ハァアアアアッ!!」
「グゥアァアアアアアアアッ!!!」
カリュブディスを足にゴージャスキバは地面に着地すると、カリュブディスの背中の地面が王冠のような追加されたキバの紋章が刻まれる。
その瞬間、カリュブディスは派手に爆発を起こし、宝石のエフェクトが辺りに散らばった。
爆煙の中から無傷で出てきたゴージャスキバは、ベルトに装填されたレジェンドライダーケミーカードを引き抜くと、変身が解除されてレジェンドキバはカグヤの姿に戻った。
「す、凄い…!」
鳳桜タワーから降りて来たジオウは、ディケイドウォッチからセイバーウォッチを取り外して変身を解除。入間の姿に戻ると、ベルトを腰に巻いたままカグヤに駆け寄ると、セイバーウォッチを手に持ったまま話し掛けた。
「えっと……カグヤさん?貴方、どうしてライドウォッチを…?」
カグヤは入間の質問に答えずに入間の顔を暫く見ていたが、次の瞬間、入間の腰のジクウドライバーに装填されていたディケイドウォッチを取り外し、それを手に持ったまま踵を返して歩き出した。
「えっ?ちょっと、そのウォッチ…」
「…コイツは、カグヤ様の物だ」
入間の方を振り向かずに何処ぞのガキ大将のような事を言いながら鳳桜タワーに戻っていくカグヤを、入間は慌てて追いかけた。
「……」
そんな彼等の姿を、遠くから首にかけたトイカメラで撮影する青年の姿があった。
今回はここまでです。次回でこの章は完結させるつもりです。
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