本日は2話連続投稿にする予定でして、次の話がメインであるため、この話は少し雑になっているかもしれませんが、ご了承下さい。
花見の最中に突然オーロラカーテンによって別の世界に飛ばされた入間。
そこにいたのは、ユエとそっくりな顔をしたメイド【ルナ】と、【仮面ライダーレジェンド】というライダーに変身する【鳳桜・カグヤ・クォーツ】という青年だった。
そこでカリュブディスやシミーという怪物が現れ、ジオウに変身した入間はルナから渡されたセイバーライドウォッチでディケイドアーマーセイバーフォームに変身。戦闘員のシミー達を倒し、仮面ライダーキバに変身したレジェンドにより、バダンの刺客は撃退された。
しかし、何故かカグヤは、入間のディケイドライドウォッチを持った行ってしまったのだ。
「……で、カグヤさんを追ってタワーに戻ったんですが…」
入間は事の経緯を振り替えると、自信の体を見下ろした。
入間の私服でもよく使う、青を基調としたきらびやかな服に、両手の十本の指には宝石をあしらった指輪が嵌められている。
「ゴージャスな心は、ゴージャスな見た目に宿る。セイバーやギーツのような者もいるが……ジオウ、貴様の中身はゴージャスが足りない」
「足りないって…」
「指輪もあと6つは着けろ」
さらに6つ指輪を渡される。既に全ての指にはまっているのにまだつけろと言うのかと思いながらも、先程から気になっていることを尋ねることにした。
「あの…この際このウォッチのことは聞きません。でも、何で僕を呼び出したんですか?」
懐から取り出したセイバーウォッチを見せながら問いかける入間に、カグヤは机の上に並べられたレジェンドライダーケミーカードを見ながら言った。
「……仮面ライダー達が頼んでくるのさ。ゴージャスにしてほしいと」
「流石です、マイロード。ディケイドやジオウとは格が違います」
「……そう、ですか」
答えになっていないが、入間はそう言うしかなかった。
「さぁジオウ。次はゴージャスエステだ」
その時、再びルナの懐にあるタブレットから着信音のようなものが響く。
「バダンの怪人が、市街地に現れたようです。今度はダークライダーのいるようです」
「ダークライダーが…」
先程のカリュブディスやシミーとは桁が違う相手がいることが判明し、入間は外に視線を向ける。
「……行かないんですか?」
「エステが先だ」
「市民が危ないのにですか?」
「奴等はカグヤ様の輝きに群がる虫だ。放っておけばよい」
入間の問いに、カグヤは平然として答える。
それを聞いた入間は、着せられたゴージャスな服を脱いで机に置くと、踵を返して外に向かおうとする。
「待て」
すると、扉に手を置いた瞬間にカグヤに呼び止められた。
「……何ですか」
「市民を助けに行くのか?先程の市民が危ないと聞いていたが、そう言う貴様はどうだ、ジオウ?貴様は人間を守るために戦っているのではないのだろう?」
図星である。
入間は他の平行世界の仮面ライダーと違い、入間は過去の経験から人間に対して良い感情を持っていない。人を積極的に助けたいという気持ちも、他のライダーほど高くない。
それは、かつて入間が両親から受けた仕打ちや、それ以外でも欲にまみれた人間の醜悪さ。それを何年も見続けてきた入間は人間のいない魔界で過ごす内に、何時からか人間を助けるという気持ちが薄れていっていた。
「……確かに、僕の世界や、
そう言って、入間は足早に部屋から出ていき、カグヤは静かにその後ろ姿を眺めていた。
市街地で暴れまわる大量のシミー。
武器を手にして人々に襲いかかるシミーは、目の前で足をつまづかせている親子がいることに気付くと、一斉にその親子に襲いかかる。
「ハッ、ヤァッ!」
次の瞬間、一番前にいたシミーが殴り飛ばされ、シミーは背後にいたシミー達を巻き込みながら倒れる。
「早く逃げてください!」
シミーを殴り飛ばした人物──仮面ライダージオウは、直ぐ後ろの親子にそう呼び掛け、声をかけられた親子は戸惑いながらも体を動かして遠くに逃げる。
それを確認したジオウはシカンギレードを装備して走り出し、すれ違いざまにシミー達を切り裂いて行き、徐々にシミーの数を数を減らしていく。
「ッ!?うわぁっ!」
その時、どこからか禍々しい斬撃か飛び、ジオウはジカンギレードでその攻撃を受け止め、何とかその斬撃をそらす。しかし思いの外勢いが強く、ジオウは余波で吹き飛ばされ、変身が解除されて入間の姿に戻った。
入間が体勢を立て直し、その斬擊が飛んできた方を見ると、そこには赤い豪華な服を着た男性がいた。
「貴方は一体……?」
「私ですか?私の名は【イザク】。この世界を破滅へと導く神…!」
「……は?」
入間の言葉に、意味不明な自己紹介をする男、【イザク】。その台詞に、流石の入間も呆気に取られてしまうが、イザクは気にせずに話し続ける。
「仮面ライダージオウ……鈴木入間ですね。私はバダンの配下に下ったつもりはありませんが、貴方は私の望む世界にとっても目障りですからね。ここで消して上げましょう…」
そう言って、イザクは大きめの本のようなアイテムを取り出し、それを見た入間もジオウウォッチを構えると……
「──お揃いのようだなぁ」
聞き覚えのある声が、聞こえた。
一同がその声がした方向に目を向けると、そこには悠然とした足取りで歩くカグヤと、側に控えるルナの姿があった。
「カグヤさん…」
「主役は遅れてくるものだろう」
おどろく入間に対し、カグヤは何でもないように答える。
そして入間の隣に立ったカグヤを見て、イザクは笑みを浮かべて話しかけた。
「鳳桜・カグヤ・クォーツ……仮面ライダーレジェンドですか…。どうですか?私と来る気はありませんか?」
「何?」
「私はこの退屈で下らない世界を作り替えるのです。争いに満ちた世界に……朝の鳥の囀りが、悲鳴と怒号に変わる…最高な世界でしょう?貴方には、私の作る世界で生きる資格がある」
イザクの勧誘を、カグヤは鼻で笑う。
「……分かっていないな。この世界はカグヤ様を求めている。世界に散らばる原石達が、カグヤ様に輝かせて欲しいと言っている。貴様の薄汚れた手等無くとも、この世界は俺の手でゴージャスに輝く!」
「……フフッ」
自信満々に、カグヤはそう啖呵を切る。
その姿をしばらく見ていた入間は、彼も“先輩達”と同じ仮面ライダーであるのだと知り、自然と笑みを浮かべた。
「まあいいでしょう。貴方達の命乞いと泣き叫ぶ音楽を聴きてから、ゆっくりとこの世界を変えるだけです……」
そう言ったイザクは、手に持っていた本、ねっとりとした動きでを開いた。
禍々しい音声が響き渡る。
それを見て、カグヤは入間にあるものを手渡した。それは、カグヤが持っていったディケイドライドウォッチだった。
「行くぞジオウ」
「!ディケイドウォッチ…返してくれるんですか?」
「返さない。コレクションの置き場所を変えただけだ」
「……フフ、そうですか」
入間とカグヤは互いに軽く笑うと、ドライバーを腰に巻く。入間はジオウウォッチとディケイドウォッチ、カグヤはレジェンドのカードを手にし、変身の構えをとった。
「「変身!!」」
入間の身体がマゼンタの光に包まれてスーツと鎧を形成した後、周囲に現れた鎧の一部が装着され、仮面のモニターが映し出される。
カグヤの身体に黄金の虚像が重なり、ドライバーから飛び出したプレートが顔に突き刺さる。
入間は仮面ライダージオウ・ディケイドアーマーに、カグヤは仮面ライダーレジェンドに変身した!
「変身」
イザクはベルトにセットしたライドブックの上部のスターターを押すと、巨大なオムニフォースワンダーライドブックの像が顕現。
ブックが開くと、中から赤黒いガスと金色の粒子があふれ出し、それを纏うことで変身が行われる。
金と銀色を主とした装甲に、竜をもしたような仮面に赤い線が走る禍々しい複眼。赤茶色のマントを羽織った戦士──【仮面ライダーソロモン】は、“ガラドボルグ”と呼ばれる黄金の体剣を手に持った。
同時に、ソロモンの背後にオーロラカーテンが出現し、そこから大量のシミーが現れる。同時に、シミーの軍団が、ジオウとレジェンドに襲い掛かる。
ジオウはライドヘイセイバーとジカンギレード・ジュウモードを手にしてシミー軍団を相手取り、レジェンドはソロモンと戦闘を開始する。
「ディケイドウォッチはゴージャスにしてある。今ならそのウォッチを使いこなせる筈だ!」
「え?……!これは…」
ソロモンの剣を捌きながらそう言ったレジェンドの言葉に、ジオウは両腕のホルダーを見る。
そこには、見たこともない四つのライドウォッチが、いつの間にか嵌め込まれていた。
「…うん!ありがとう!」
そう言って、ジオウは右腕に嵌められた、黒とピンクのライドウォッチを取り出し、ベゼルを回してから、ディケイドウォッチに装填した。
その瞬間、ジオウのアーマーの文字が「バイス」「ジャックリバイス」という文字に変わり、仮面のモニターとボディも【仮面ライダージャックリバイス】の、漆黒の刺々しいものに変化した。
姿を変えたジオウは、いつの間にか右手に装着されていた“ローリングバイスタンプ”や自分の身体を観察する。
「凄い……なんか、沸騰してきた!!」
沸き上がる自分の力と、何故か高くなったテンションにジオウがそう言うと、ジオウはローリングバイスタンプを手にシミーとの戦闘を開始する。
ジャックリバイスの圧倒的なパワーを駆使し、荒々しい戦闘スタイルでシミー達を寄せ付けないジオウ。一体のシミーを殴って壁に叩き付けたり、ローリングバイスタンプで何度も殴り付け、その度に周囲に破壊をもたらするその姿はまさに悪魔のようだ。
そんな荒々しいファイティングスタイルのジオウを見ながら、ルナは解説をいれる。
「仮面ライダーバイスの力が強化されたディケイドアーマーバイスフォーム。リバイの体を乗っ取ったジャックリバイスの力を宿したワイルドなフォームです」
そんなルナの解説をよそに、ジオウはローリングバイスタンプのローラーを三回転させる。
「ハァッ!!」
十字でインクを塗り潰すようにシミーの動きを封じ、ジオウは高速で接近して連続パンチを叩き込む。容赦なく殴られたシミー達は、爆発を起こして消滅する。
「よし!次は…このウォッチだ!」
ジオウは新たなウォッチを取り出してベゼルを回すと、そのウォッチを“バイスライドウォッチ”と付け替えた。
ジオウのアーマーの文字が「ギーツ」「ブーストマークⅢ」という文字に切り変わり、仮面のモニターとボディも【仮面ライダーギーツ・ブーストフォームマークⅢ】の純白のボディに変化した。
その瞬間、ジオウの身体から禍々しい光で出来た狐の尾が出現し、一斉に襲い掛かろうとしたシミーの軍勢を一瞬で消滅させた。
「仮面ライダーギーツの力が強化されたギーツフォーム!純白の破壊神、ブーストフォームマークⅢの力でハイライト!…でございます」
ルナの誰に向けているか分からない解説を他所に、ジオウは3本の尾でシミー達を薙ぎ払い、全てのケミーを消滅させると、ジオウはソロモンと交戦を続けているレジェンドの加勢に向かっていった。
ソロモンの振るうカラドボルグを、レジェンドは無駄のない動きでソロモンの剣を捌いていき、レジェンドは僅かな隙を狙い、ソロモンの鳩尾に蹴りを入れる。
「グッ…貴様ァ!よくも神を足蹴にしたな!!」
一撃入れられた事に激昂したソロモンは、ベルトに装填されているワンダーライドブックを一度閉じてから開き、起動スイッチを2回押すことで発動する。
上空にオムニフォースワンダーライドブックの影を出現させ、巨大なカラドボルグを複数本召喚し、それらが巨大な金色の剣士【キングオブソロモン】に変形すると、キングオブソロモン達は剣を手にしてレジェンドに向かっていく。
「……フッ」
それを見たレジェンドは軽く笑い、仮面ライダーカブトのイラストが描かれたカードを取り出し、レジェンドライバーに装填した。
音声と共に、レジェンドの姿が【仮面ライダーカブト】のものに変わり、左肩と右腰に宝石が収束する。
【仮面ライダーゴージャスカブト】に変身したレジェンドは、レジェンドライバーを閉開させる。
「クロックアップ」
その瞬間、“クロックアップ”を使用したゴージャスカブトは、視認すら困難な速度で動き、キングオブソロモンをあらゆる角度から攻撃した後、右足に蒼電を纏い、連続でキックを御見舞いした。
カブトの必殺技、“ライダーキック”は、足の甲の装甲“ライダーストンパー”によりタキオン粒子を波動に変え、命中すれば敵は原子崩壊して消滅するというおっかない技だ。
いかにキングオブソロモンとはいえ、ライダーキックを受けてしまえば人溜まりもない。キングオブソロモンの大群は、宝石のようなエフェクトを撒き散らしながら爆発した。
上空に無数の隕石が出現し、それらが一斉にゴージャスカブトに降り注ぐ。その瞬間、3本の尾が飛び出し、隕石郡を纏めて消滅させた。
「ハァッ!!」
「グァッ!?」
そこへ、横からジオウがソロモンに回し蹴りを喰らわせた。ブーストフォームマークⅢの破壊の力を宿したキックには流石のソロモンも後退する。
「ジオウ。貴様の力を使わせてもらうぞ」
それを見たゴージャスカブトは、仮面ライダージオウのイラストが描かれたカードを取り出し、それを裏返して、レジェンドライバーに装填した。
レジェンドの身体がジオウの基本形態と同じものになると、左肩と右腰に宝石が張り巡らされた装飾が追加された【仮面ライダーゴージャスジオウ】に変身したレジェンドは、“ジカンギレード・ジュウモード”と“レジェンドライドマグナム”を召喚した。
「あっ、やっぱり変身出来るんですね…」
「当然だ。…さぁジオウ、ゴージャスタイムだ!」
「はい!!」
なんとなくこの変身を予測していたジオウがそう呟き、軽く笑ったゴージャスジオウの言葉に、ジオウは頷いてソロモンに向き合った。
「私に勝てる者などいないと、なぜ分からない!」
ジオウとゴージャスジオウの言葉に激昂したソロモンは、最初の礼儀正しい言葉遣いが嘘ような荒々しい口調で叫び、必殺技を発動。上空に無数のカラドボルグを出現させ、それを一斉に撃ち放つ。
しかし、ジオウは雨のように降りかかるカラドボルグを、破壊の力を宿した尾を振るって打ち消した。
その隙に、ゴージャスジオウはレジェンドライドマグナムとジカンギレードの引き金を引き、エネルギー弾を連続で発射。ソロモンがカラドボルグを盾にしてその弾丸を防いだのと同時に、ゴージャスジオウは仮面ライダーゲイツのイラストが描かれたカードを、レジェンドライドマグナムに装填した。
「さぁ…ゴージャス…!」
「グァアアアアッ!!?」
レジェンドライドマグナムから赤いエネルギーの矢が飛び出し、ソロモンに直撃する。先程とは桁違いの威力が込められた一撃に、流石のソロモンも、胸から火花を散らして後退る。
それを見たゴージャスジオウは基本形態であるレジェンドの姿に戻ると、ジオウの隣に並び立った。
「さぁ、ゴージャスタイムの終幕だ!ジオウ、決めるぞ…!」
「はい!」
レジェンドの言葉に頷いたジオウはディケイドウォッチとギーツウォッチを取り外してグランドジオウライドウォッチをベルトに装填して回転させると、黄金の光と共にジオウはディケイドアーマーギーツフォームからグランドジオウに変身。
それを見たレジェンドは、一枚のカードを取り出した。そして、なにも描かれていなかったそのカードにレジェンドが複眼を向けた瞬間、そのカードはグランドジオウの姿が描かれたカードに変わった。
「…フッ、ゴージャス…」
それを見たレジェンドは仮面の下で笑みを浮かべると、そのカードをしまい、レジェンドライバーを操作する。同時に、グランドジオウもベルトを回転させた。
「ゴージャスに…散れ!」
レジェンドの言葉と共に、グランドジオウは高く飛び、空中で滞空する。そして、彼の回りに20の黄金のゲートが出現し、それが開くと、クウガからビルドまでの平成ライダーが、キックを放とうとする状態で現れた。
「ゴミ共が……消え失せろ!!」
ソロモンは必殺技を発動し、カラドボルグから衝撃波を放つことで、グランドジオウと平成ライダー達を打ち落とそうとする。
同時に、グランドジオウの周囲に滞空していたライダー達が急降下し、ソロモンの禍々しい衝撃波がぶつかり合い、爆発を起こしてお互いの視界を遮る。
「「ハァアアアアッ!!」」
「なにっ!?ウァアアアアッ!!?」
その瞬間、爆煙を突き抜けて、黄金の光を身に纏ったグランドジオウと、自身のライダーズクレストが描かれたカードのエフェクトを突き抜けるレジェンドのダブルライダーキックが、ソロモンの鳩尾に直撃した。
それを食らったソロモンは爆発を起こし、炎に包まれながら吹き飛ばされた。ごろごろと地面を転がると、彼のベルトに装着されていたオムニフォースワンダーライドブックが、消し炭となって崩れ落ちた。
「私の……全知全能の書が……神の……神の力がァァァァァーーーーーーーーッ!!」
生前と同じ断末魔を叫びながら、ソロモンの体は派手に爆発を起こした。煙が晴れていくと、そこにはソロモンの姿は何処にもない。
闘いが終わったことを確認したグランドジオウとレジェンドは、お互いに変身を解いた。
そして生身に戻った入間は、セイバー、リバイ、バイス、ギーツ、そして水色とオレンジで彩られたウォッチを取りだし、それをカグヤに差し出した。
「これ、ありがとうございました。返しますね」
「……いや、貴様が持っていろ」
「え?くれるんですか?」
「渡さない。ゴージャスなコレクションは、ゴージャスな置き場に置いておくに限るだけだ」
「……フフッ、流石はカグヤ“様”ですね」
カグヤの言葉に、イルマは笑みを浮かべる。出会った当初はかなり我が儘な奴なのかな?とほんの少し思っていたが、実際にはイルマのよそうよりもかなりいい人なのだと、入間は何となく感じていた。
「…お前は、なんだ?」
「?なんだって…何が?」
「名前だ。まだ中身の方の名前を聴いていなかった」
「知らずに呼び出したんですか…?僕は……!?」
少しだけ呆れながらも自分の名前を言おうとした瞬間、入間の体にノイズが走り始めた。
「これって…!?」
「あなた様をこちらに呼び寄せた“オーロラカーテンシステム”がオーバーヒートしております」
「えっ!?それってつまり…」
「ここで別れだ」
「……そうみたいですね」
入間はそう呟く。たった一時弱の付き合いだったが、別れが来てみるとなんだか感慨深く感じてしまう。
「手放すのは惜しいが、既に貴様はカグヤ様が映しとるに相応しい程ゴージャスになったからな…」
「あっ、グランドジオウのカード……」
そう言って、グランドジオウのカードを見せるカグヤ。
それを見た入間はいつの間に力を写し取られていたのだと思うが、入間もライドウォッチを貰っている(カグヤは渡すと言っていないが)ので、なにもいうことはなかった。代わりに、入間はカグヤに右手を差し出した。
「僕は入間、鈴木入間です。色々と楽しかったですよ。カグヤさん」
「……さらばだ。鈴木入間」
そう言って、カグヤも手を差し出し、入間と手を握り合う。
その瞬間、入間の身体が金色の光に包まれ、その姿が跡形もなく消えていった。
「さようなら、カグヤさ……あれ?」
銀色のオーロラから出てきた入間は、手を差し出した状態で当たりを見渡した。
場所刃先ほどまで花見をしていた草原で、視界の先にはデンライナーが停められている。先程まで花見をしていて、酔っ払ったユエ達が暴れていたのを止めようとしていた筈なのだが、何故か記憶が朧気だ。
「ん?このウォッチは…?」
そこで、懐に何かが入っていることに気付き、それを取り出してみると、見覚えのないウォッチが五つ入っていた。
「パパ~!」
「わっ、ミュウ?」
オレンジと水色の、「2023」と書かれたウォッチを観察していると、ミュウが入間の腰に抱き付いてきた。
入間はそのウォッチをしまって、ミュウと視線をあわせてどうしたのか尋ねる。
「どうかしたの?」
「ユ、ユエお姉ちゃん達が……」
「え?」
涙目のミュウが指差した先に視線を向けてみると……阿鼻叫喚となっていた。桜擬きの木は根元から折られ、テーブルの類いはバラバラにされている。その周りには、未だに酔っぱらってフラフラしているユエ達の姿があった。
「パパがいなくなってから、ユエお姉ちゃん達がパパを探して暴れてるの~」
「い、いなくなったって…?……まぁそれより、ミュウ、酒は飲んでも飲まれるな。お姉ちゃん達みたいになっちゃダメだよ!」
「分かったの~~。でも、お酒の管理しないで、急にいなくなったパパも悪いと思うの~~」
「ハイ、その通りです。ごめんなさい」
愛娘の辛辣な言葉に、入間は反論さえせずに頭を下げた。軽くハートにヒビも入りかけた。
しばらくの間、混沌を極めていく無惨な花見の現場に、酔っぱらい達を正気に戻そうと奮闘するパパの大声と、そんなパパを避難するように入れられたデンライナーの中から必死に応援する幼女の声が木霊し続けていたのであった。
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