何の前触れもなく、突如、天より放たれた白き極光。
その光は、今まさに最後のマグマ蛇に止めを刺そうとしていた入間に絶妙なタイミングで襲い掛かり、凄絶な熱量と衝撃を以て入間を破壊の嵐の中へと呑み込んだ。
「い、入間ぁ!!!」
ユエの絶叫が響き渡る。入間が極光に飲み込まれる光景を、少し離れた場所から呆然と見ていることしか出来なかったシア達だったが、出会ってこの方一度も聞いたことのないユエの悲痛な叫び声に、ハッと我を取り戻した。
轟音と共に入間の真上から降り注いだ極光は、そのまま最後のマグマ蛇をも呑み込んで灼熱の海に着弾し、盛大に周囲を吹き飛ばしながら一時的に海の底をさらけ出す。極光は、しばらくマグマの海を穿ち続けたが、次第に細くなっていき、遂にはスっと虚空の中へと溶け込むように消えていった。
必死に入間のもとへ飛んでいくユエの目に、消えた光の中から魔力で作られた繭に包まれた入間の姿が映った。
「……流石に、今のは危なかった。アリさんのお陰だね」
冷や汗をかいている入間が翼を羽ばたかせて着地した足場に、ユエが大慌てで翔んできた。
「入間!無事!?」
「大丈夫、怪我はないよ」
「馬鹿者!上じゃ!!」
その時、ティオの警告と同時に無数の閃光が豪雨の如く降り注いだ。それは、縮小版の極光だ。先程の一撃に比べれば十分の一程度の威力と規模、されど一発一発が確実にその身を滅ぼす死の光だ。
ユエは入間に気を取られすぎて上空から降り注ぐ数多の閃光に気が付いておらず、警告によって天を仰いだ時には魔法の発動がユエを以てして間に合わない状況だった。駆け付けたティオが魔法を行使しようとした瞬間、入間の声が響き渡った。
「アリさん!呑み込んで!」
入間が掲げた右手に嵌められた指輪から、禍々しい靄が飛び出し、その靄が巨大な化物の形を成すと、その靄の化物は大口を開ける。その途端、極光は不自然に軌道を変えて入間に向かっていき、その靄にブラックホールの如く飲み込みこまれていった。
10秒か、それとも1分か……永遠に続くかと思われた極光の嵐は最後に一際激しく降り注いだ後、漸く終わりを見せた。周囲は最初の一撃を除き、一切変化は無い。極光を呑み込み続けた靄は、苦しそうにしながらも入間の指輪の中にスルスルと収まっていった。
何とかその場を凌いだことに入間が安堵の息を吐くと、入間達がいる足場にシア達が集まってきた。
「イルマ!大丈夫か!?」
「入間さん!大丈夫ですか!?」
「イルマ様!お怪我は!?」
「無事か、ご主人様よ!?」
「皆…この通り、ピンピンしてるよ!」
各々の飛行能力で空を飛ぶアメリ、アスモデウス、ティオと、ハードタビュラーに乗ったシアが次々と心配そうな声をかけてきて、入間は苦笑いしながらも大丈夫だと答えた。
と、同時に、上空から感嘆半分呆れ半分の男の声が降ってきた。
「……看過できない実力だ。やはり、ここで待ち伏せていて正解だった。お前達は危険過ぎる。特に、その男は……」
バビル一行は、その声がした天井付近に視線を向ける。そして驚愕に目を見開いた。なぜなら、いつの間にか、そこにはおびただしい数の竜とそれらの竜とは比べ物にならないくらいの巨体を誇る純白の竜が飛んでおり、その白竜の背に赤髪で浅黒い肌、僅かに尖った耳を持つ魔人族の男がいたからだ。
「まさか、私の
ティオに似た黄金色の眼を剣呑に細め、上空より睥睨する魔人族の男は、警戒心をあらわにしつつ睨み返すバビルに、そんな質問をした。入間達の力が、何処かの大迷宮をクリアして手に入れた神代魔法のおかげだと考えたようだ。
「質問する前に、まず名乗ったらどうですか?魔人族は礼儀を知らないんですか?」
「……これから死にゆく者に名乗りが必要とは思えんな」
「全く同感ですね。自分で聞いておいてなんですけど、僕もバダンの腰巾着の魔人族の名前なんて微塵も興味がありません。それに、貴方の言う通り、これから貴方は僕達に殺されるんですし、名乗る意味がありませんね」
入間は魔人族の男を揶揄するように喋りながらも、ジクウドライバーを腰に巻き付ける。それに続いて、ユエ達も変身ベルトを腰に巻き付けていた。
魔人族の男は、入間の物言いに眉を一瞬ピクリと動かし、先程より幾分低くなった声音で答えた。
「気が変わった。貴様は、私の名を骨身に刻め。私の名はフリード・バグアー。異教徒共に神罰を下す忠実なる神の使徒である」
「神の使徒ですか。大仰ですねぇ。神代魔法を手に入れて、そう名乗ってるんですか?魔物を使役する魔法じゃないですよね?……その竜やアンカジにいたバチュラムみたいな魔物が、そう何体もいるとは思えない。十中八九、魔物を作る類の魔法ですね?」
「その通りだ。神代の力を手に入れた私に、“アルヴ様”は直接語りかけて下さった。“我が使徒”と。故に、私は己の全てを賭けて主の望みを叶える。その障碍と成りうる貴様等の存在を、私は全力で否定する」
どこか聖教教会教皇イシュタルを彷彿とさせるフリード・バグアーと名乗った魔人族は、真っ向からバビル一行の存在そのものを否定した。その苛烈な物言いに不適に笑った。
「貴方が何の神を盲信しようと勝手ですが、自分と相手の格の違いも理解できない貴方に僕達は倒せませんよ!変身ッ!」
「「「「「変身ッ!」」」」」
入間が雄叫びをあげてジオウに変身すると共に、バビル一行は仮面ライダーの姿に変身すると、ジオウ達は召喚した武器を操作し、フリードに向けて必殺の斬撃を飛ばした。
しかし、灰竜と呼ばれた体長3~4m程の竜が数頭ひらりと射線上に入ると、直後、正三角形が無数に組み合わさった赤黒い障壁が出現し、ジオウ達の攻撃を全て受け止めてしまった。
その障壁は、ジオウ達の攻撃力が絶大であるために直ぐに亀裂が入って砕けそうになるのだが、後から更に他の灰竜が射線上に入ると同じように障壁が何重にも展開されていき、思ったように突破が出来ない。よく見れば、竜の背中には亀型の魔物が張り付いているようだ。甲羅が赤黒く発光しているので、おそらく、障壁は亀型の魔物の固有魔法なのだろう。
「私の連れている魔物が竜だけだと思ったか?この守りはそう簡単には抜けんよ。さぁ、見せてやろう。私が手にしたもう一つの力を。神代の力を!」
そう言うと、フリードは極度の集中状態に入り、微動だにせずにブツブツと詠唱を唱え始めた。手には何やら大きな布が持たれており、複雑怪奇な魔法陣が描かれているようだ。新たに手に入れた神代の力と言っていた事から、この【グリューエン大火山】で手に入れた神代魔法なのだろう。神代魔法の絶大な効果を知っているジオウ達は、詠唱などさせるものかと、更に苛烈に攻撃を加え始めた。
しかし、灰竜達は障壁を突破されて消し飛んでも、直ぐに後続が詰めて新たな障壁を展開し、ジオウ達の攻撃をフリードに届かせない。
(ならこれで突破する!)
ジオウは銀と金で彩られた“ブレイド・キングフォームライドウォッチ”を取り出してベゼルを回し、ジクウドライバーにセットすると、ベルトのロックを外して回転させた。
ベルトから飛び出した13枚のカードが、黄金の光と共に鎧へと姿を変えてジオウに装着され、ジオウは【仮面ライダーブレイド・キングフォーム】を模したアンデットのレリーフが刻まれた黄金の鎧に、仮面に『キング』という文字が書かれた姿に変身した。
13のアンデットと融合したキングフォームの力を纏った、【仮面ライダージオウ・ブレイドキングフォームアーマー】だ!姿を変えたジオウの手に、“重醒剣キングラウザー”が出現する。
と、その時点でタイムアップだったようだ。フリードの詠唱が完成する。
「“界穿”!」
「ッ!後ろです!入間さん!」
最後の魔法名が唱えられると同時に、フリードと白竜の姿が消えた。正確には、光り輝く膜のようなものが出現し、それに飛び込んだのだ。ジオウはフリードが魔法名を唱えると同時に叫んだシアの警告に従い背後へ振り返る。
そこには……ジオウの眼前で大口を開けた白竜とその背に乗ってジオウを睨むフリードがいた。白竜の口内には、既に膨大な熱量と魔力が臨界状態まで集束・圧縮されている。
しかし、ジオウは何処までも冷静だった。
「……空間を移動する魔法ですか。相手が悪かったですね」
その瞬間、ジオウのアーマーのレリーフの一つが光を放ち──ジオウの姿が消えた。
「何だと──ぬおッ!?」
「ルァアアアアアアンッ!!!?」
予想外の出来事にフリードが驚愕した瞬間、彼の足場でもあったウラノスと言う名前の白竜が悲鳴を上げ、血反吐を吐き散らしながら後方にふっ飛んだ。フリードは白竜の背中にしがみついて振り落とされないように踏ん張る中、白竜は壁にクレーターを作る程の勢いで激突した。
白竜は未だに血を吐きながらも空を飛び、フリードも衝突の際の衝撃から何とか体勢を整えるが、その瞬間、フリードの目に、空中を蹴るように此方に向かって飛んでくるジオウの姿が映った。
フリードと白竜を守るように亀を張り付かせた灰竜達がフリード達の元に向かおうとするが、突如現れた赤い円錐状の光が、次々と魔物達をその場にロックした。何事かと魔物達が困惑した瞬間、円錐状の光がドリルのように回転して魔物達を貫き、一瞬にして50体以上の魔物達を灰に変えた。近くの足場に、【アクセルフォームアーマー】に変身したゲイツが着地した。
神代魔法で作り出した強力な魔物達が一瞬で葬られた事にフリードが驚愕した瞬間、先程とは別のアンデットのレリーフを光らせたジオウが、未だに荒い息を吐く白竜の背中に乗るフリードに、猛烈な勢いで突進しながら、タックルを御見舞いした。
「ふんっ!」
「グボッ!!」
声にならない悲鳴が響き渡り、骨が砕けるような音が聞こえた。同時に、タックルの勢いでフリードの体が壁にめり込んだ。
「……神代魔法を2つ手に入れて調子に乗ったのが命取りでしたね。敵の能力も把握してないのに無策に不意打ちなんて、浅はかにも程がある」
壁から離れて近くの足場に降り立ったジオウが、キングラウザーの刀身を肩に置きながら、吐き捨てるように言い放つ。
何故ジオウの姿がフリードの前から姿を消した瞬間白竜が吹き飛ばされたのか、それは当然ながら、ブレイドキングフォームアーマーに秘密がある。
仮面ライダーブレイド・キングフォームは、本来ならばカテゴリーKの【コーカサスビートルアンデット】だけと融合するフォームであったが、変身者の【剣崎一真】のアンデットの融合指数の高さから、13体のスペードスートのアンデットと融合した特殊なフォームだ。そしてキングフォームのブレイドには、カードをラウズするプロセスを経ずに各アンデットの力を引き出せるという圧倒的な力を持っている。
当然ながら、ブレイドのキングフォームを宿したこのキングフォームアーマーにも、各アンデットの力を行使できる能力は備わっている。ジオウはフリードが白竜と共にこの【グリューエン大火山】の神代魔法と思われる空間移動で背後に回って不意打ちしようとした瞬間、ジオウはスペードスートのカテゴリー10の“タイムスカラベ”の能力を発動させた。タイムスカラベは、一定範囲の時間を停止させると言う凶悪な能力を持っている。白竜がどれだけ強力な光線を放てたとしても、撃てなければ何の意味も成さないのだ。ジオウの言う通り、敵の能力を警戒せずに強力な魔物を従えて空間移動による不意打ちで勝てると思っていたフリードは、浅はかだったとしか言いようがない。
「ルァアアアアンッ!!」
「遅いよっ!」
「ギャアッ!!?」
すると、主人がやられたことに怒りを露にした白竜がジオウに極光を放とうとするが、それを事前に察知していたジオウは超人的な跳躍力で白竜のもとまで飛び、最初にフリードごと白竜をぶっ飛ばした時と同じくスペードスートのカテゴリー3の“ビートライオン”の能力を行使したパンチ“ライオンビート”で再び白竜を殴り飛ばした。
技を放とうとしている最中だった白竜はこれを避ける術などなく、悲鳴を上げながら近くの足場に激突した。暴走した【仮面ライダーレンゲル】を一撃で変身解除させる程の攻撃を2度も受けた以上、最早、極光を放つ処か飛ぶことすらままならないだろう。
それを一瞥したジオウは、未だ壁にめり込んだままのフリードの所まで翔ぶ。
フリードにタックルを御見舞いした際、ジオウはスペードスートのカテゴリー4、“タックルボア”を使っていた。ただでさえ破格のパワーを誇るキングフォームアーマーに、タックルボアのパワーが上乗せされた攻撃を受けて無事でいられる筈はなく、フリードは全身の骨が折られてあちこちから血を流している。
「神の使徒だがなんだか知りませんが、その程度の実力で僕達を殺そうなんて二万年早いんですよ。これ以上あなたのお遊びに付き合う気もありませんので、終わりにしましょうか」
「お、おのれ…ッ!!」
キングラウザーを振り上げるジオウを見て、フリードは屈辱に顔を歪めるが、既に体は言うことを聞かない。
そんな彼に、ジオウは一切の遠慮もなくキングラウザーを振り下ろした、その時だった。
「ッ!入間さん!左です!!」
「何…ッ!?」
シアの叫び声を聞き、キングラウザーを止めて左側を振り向いたジオウに、コブラを模したエネルギー弾が襲い掛かる。アンデットの能力を行使するのが間に合わなかったジオウは、フリードを一刀両断する筈だったキングラウザーでコブラのエネルギー弾を迎え撃ち、重量調整で空を飛びながら後退し、ウィザード達が集まる足場に着地した。
『残念だったなぁ。流石に魔人族のトップを見殺しにすると向こうも煩そうだから、邪魔させてもらうぜ』
着地したジオウの元にウィザード達が集まると同時に、そんな男の声が投げ掛けられた。一同がその声がした方向に顔を向けると、全員仮面の下で驚きの表情を浮かべた。そこには、【ギガンデスハデス】と呼ばれる蛇に似た怪物が滞空しており、その怪物の頭の上には、赤いコブラを模した姿の怪人が立っていた。彼の手には、“トランスチームガン”と呼ばれる銃が握られている。
「あれは…仮面ライダーですか?」
『ハズレ!正確には【ブラッドスターク】だ』
「ブラッドスターク…エボルトか!!」
『今度は正解だ!だが、俺にばかり集中してると痛い目を見るぜ?』
まるでおちゃらけている様に軽いノリで話すブラッドスターク。
その時、ジオウは背中に氷を入れられたような寒気を覚え、反射的に後ろを振り向いた。そこには、自分に駆け寄ってきた
「ティオ、退いて!!」
「ぬぉっ!?」
本能に従って、ジオウは龍騎の肩を掴んで引き寄せ、自信の後ろに放り投げる。咄嗟の事に龍騎は受け身を取ることが出来ず、その場で尻餅を付いてしまう。
「うわぁっ!!?」
その時、ジオウ達がいる場所に向かって、青い斬撃が放たれた。
龍騎が後ろにいる以上避けることは出来ないと察したジオウは、咄嗟にスペードスートのカテゴリー7の“メタルトリロバイト”の能力を使って全身を硬質化してその斬撃を受け止めようとするが、威力が高すぎて防ぎきる事が出来ず、ジオウは爆発を起こして倒れる。
「「「入間(様/さん)!!」」」
「ご主人様!?」
「大丈夫…大したダメージになってないよ……」
ウィザード達がジオウの元に駆け寄り、龍騎がジオウを支えながら起こすと、ジオウは少しフラつきながらもしっかりと自分の足で立ち上がり、ウィザード達は安堵の息を吐く。そんなジオウ達に、男の声が聞こえてきた。
「今のを受けても殆どダメージが無いとは、魔王っていうのも侮れないなァ。まぁ、だからこそ楽しめそうだがな!」
ジオウ達がハッとなって声がした方に顔を向けると、ジオウ達がいる足場から十数メートル程離れた空中に浮かんでいる、エグゼイドのガシャットにより具現化したブロック型の足場の上に、1人の仮面の戦士が立っていた。
それは、黒ベースに青いボディラインが施された鎧に、狐に似た造形をした仮面に紫の瞳をして、2本の剣を手にしている、仮面ライダーだった。
「お主は…何者じゃ!」
「フッ…【
龍騎の言葉に、黒い狐の戦士──【仮面ライダー
彼は未来の指名手配犯【メラ】が
「…“雷龍”!!」
クロスギーツの姿を捉えたウィザードはハリケーンスタイルに変身し、イルマを攻撃したお返しと言わんばかりに“雷龍”をクロスギーツに放つ。重力魔法で相手を引き寄せる特性を持つ緑色の雷の龍は、変身した事で生身の時よりも遥かに強い威力を秘めている。
しかし、ウィザードの即死レベルの雷は、クロスギーツの前に突然現れた透明の壁によって防がれた。
「…なっ!?」
自身の十八番であり、数ある魔法の中でも指折りの威力を誇る“雷龍”が簡単に防がれたことに、流石のウィザードも驚きを隠せない。流石に一撃で倒せるとは思ってなかったし、ハリケーンドラゴンに変身すれば更に強力な物が放てる為、決して全力だったとは言えないが、それでもこうもアッサリ防がれるのは予想外だった。
そんな彼等に、今度は上空からクロスギーツとは違う、無害な雰囲気を醸し出す声が聞こえた。
「悪無い攻撃やな。この首輪をもらう前やったら、一撃で粉々になっとったわ」
ジオウ達がそちらに目を向けると、そこにいたのは怪人でも仮面ライダーでもなく、人の姿をした存在だった。その姿を見て、ジオウとウォズは仮面の下で目を見開いた。
青緑色のような髪と目の色をしており、片方の前髪だけオールバックにし、左目のしたの泣きぼくろと同じく左側だけ不自然にちいさい角が印象的な美少年だった。空中に浮いているように見えるが、よく見ると足下にガラスのように透明な板が浮かんでいる事がわかった。あれに乗って滞空しているのだろう。
「キリヲ、先輩……何で貴方がここに…!」
「…ホンマに久しぶりやな、イルマ君。見ての通り、僕は
ジオウが信じられないと言った風に声を上げる。
緑髪の男──【アミィ・キリヲ】は入間にとって、因縁浅からぬ相手なのだ。入間達魔界組がまだ仮面ライダーになる前、悪魔学校で入間、アスモデウス、そしてクララが所属していた魔具研究
しかし、彼の正体は『元祖返り』と呼ばれる、他人の絶望する顔を見ることに焦がれ、陶酔する危険人物だった。
師団披露ではバビルスを壊すべく校内のそこら中にバリアを張り、生徒全員を中庭へと誘導、そこへイルマ達と共にが作った花火で魔力を溜めたあとで中庭へと投げつけて生徒をまとめて殺戮、ついでにそれの無残な死体を見た親御さんをも絶望へと叩き落すという悪夢の計画を実行しようとしたが、入間によって計画を潰されて投獄されたが、ある事件がきっかけで脱獄し、大貴族会とよばれるパーティーに密かに潜入し、バールにベヘモルトを倒させる幇助をしていた。
キリヲは入間の言葉にニコリと無害そうな笑みを浮かべてそう返すと、空中に透明の障壁を出現させ、階段を駆け上がるように、壁にめり込んだフリードのもとに向かう。
キリヲの家系能力“
「ここは退いときい。イルマ君達は君が勝てる相手やあらへんよ」
「ぐぅ……私は、まだ……」
「我が儘言わんでほしいわ。君がここで死ぬんは僕らにとって都合が悪いんや。送っといたるから、しっかり療養しとくんや」
キリヲの言葉に屈辱で顔を顰めるフリードだが、ジオウのタックルで全身の骨を砕かれて魔法陣が書かれた布を無くしたフリードは役立たず処か足手纏いでしかないため、スタークが乗っていたギガンデスハデスが白竜を咥えながらやって来たのを見たキリヲは、フリードを無理矢理壁から引っこ抜いてギガンデスハデスの頭の上に横たわらせると、ギガンデスハデスは突如虚空に出現したオーロラカーテンの向こうに消えていった。
それを確認したキリヲは、自身の作り出したバリアを足場にしながら、ジオウ達を見下ろした。
「先輩…貴方がバダンに着いたって言うのはどう言うことですか…!?」
「此方にも事情ってもんがあるんや。けど、着いたのは正解やと思ってるよ。お陰で
冷たい笑みを浮かべながらそう答えるキリヲは、ポケットから紫と黒の時計、アナザーウォッチを取り出した。
キリヲがその時計──“アナザージオウウォッチ”を右腰に当てると、ウォッチが装填されるように黒いジクウドライバーが出現する。
その瞬間、キリヲの体が紫色の繭のような光に包まれ、複数のバンドの輪のようなものが回転する。それが弾けると、キリヲは、怪物に変貌していた。
ジオウの姿を歪めたような容姿をしており、体色はジオウと対照的に灰色がかった白。白目を向き剥き出しとなった歯茎と、皮膚を剥がされて筋肉がむき出しになった人の顔はまるで人体模型の様だ。時計の針を模したアンテナ部は途中で折れ曲がっており、長針と短針の位置がジオウとは逆になっている。
頭部と胸部に、年号が刻まれたコアのような部位があり、『2019』と刻まれている。更に両目の下部に『Zi-O』、『2019』の文字があり、背中やドライバーにも同じ文字や年号が刻まれている。
【アナザージオウ】。裏の王者に変身したキリヲは、時計の長針と短針を模した双剣を手にしてジオウに突撃する。ジオウはキングラウザーを手にして応戦し、2人のジオウは戦いを始める。
「「イルマ!!」」
『そうはさせねぇよ!』
「うぁっ!?」
「おらよっ!」
「くっ!」
ゲイツとウィザードが援護のためにジオウの元に走り出そうとするが、“スチームブレード”を手にしたブラッドスタークがウィザードに、二本の剣を手にしたクロスギーツがゲイツに切りかかり、妨害した。
ウィザードがスタークと、ゲイツがクロスギーツと共に別の足場に跳び、ウォズ達は三人に分かれて入間達に加勢する為に走り出そうとした瞬間、彼等の前にオーロラカーテンが出現し、そこから3人の仮面の戦士が現れた。
「Presented by ZAIA……」
漆黒のボディに赤い複眼を持ち、口元と一体化した3本角、側面に2本角が生えている戦士──【仮面ライダーザイア】
「……」
将校の軍服にも見えるようなミリタリー風のデザインに加えてカブトムシが右肩から抱き着いているかのような意匠に、カブトムシの翅にあたる部分が肩から伸びる半透明の外套、歩脚にあたる部分は肩から胸に伸びる飾り糸、複眼にあたる部分はガスマスク状になっている戦士──【仮面ライダーベイル】
「申し訳ありませんが…死んでください!」
ファイズやライオトルーパーを想起させる頭部に、メインカラーは青と黒。上半身に装甲が集中し、胸部アーマーと両肩アーマーにはギリシア文字の『Μ』を模した白いラインが走っている戦士──【仮面ライダーミューズ】
令和という時代で他のライダーを苦しめた戦士達は、拳を構え、武器を構え、ウォズ達に向かって走り出した。
そんな中、アナザージオウと剣戦を繰り広げていたジオウは、自身の持つキングラウザーでアナザージオウの双剣と鍔迫り合いになると、アナザージオウに声を投げ掛けた。
「バダンの手先になるなんて…ここまで堕ちたんですか…先輩!」
「僕はなにも変わっとらんよ。寧ろ、君の方が変わったんや無いか?魔具研の頃と比べて、随分無慈悲な目をするようになったやないか。さっきも、フリードを躊躇いもなく殺そうとしてたしなぁ」
「……そうですね。確かに、僕も堕ちてはいましたねっ!」
会話をしながらも、二人のジオウは剣を衝突させ、距離を取る。ジオウがキングラウザーを構え直しした隙を見て、腰のドライバーに装填されていたアナザージオウウォッチを操作する。
アナザージオウは双剣を連結させて長針と短針が逆方向を向いた形状の槍にすると、槍にマゼンタのエネルギーが纏われていく。
それを見たジオウは、レリーフから飛び出した5枚のラウズカードを手に取り、それをキングラウザーにラウズする。
キングラウザーが黄金に輝き、ジオウの前にそれぞれの絵柄をしたカードのエフェクトが出現すると同時に、二人のジオウは走り出した。
5枚のカードを潜り抜けて黄金の光を纏ったジオウのキングラウザーと、アナザージオウの禍々しいマゼンタのエネルギーを纏った槍が、互いの中間点でぶつかり合った。
ジオウⅡと同格の力を持つアナザージオウの必殺技と、仮面ライダーブレイド最強の必殺技は、互いに爆発を起こして足場を粉々に破壊し、2人は爆風に吹き飛ばされて数十メートル離れた足場に着地した。
ジオウは爆風の影響でキングフォームアーマーが解除され、基本形態に戻って片膝をつく。しかし、アナザージオウは多少のダメージを負ってはいるが、膝をつくほどではなかった。爆発の直前にバリアを展開して、爆風の衝撃を緩和したのだ。
「流石やなぁ……なら、これはどうや?」
アナザージオウはベルトに取り付けられたアナザージオウウォッチのボタンを押す。すると、アナザージオウの身体が再び禍々しい繭に包まれ、黄金のバンドが回転し、アナザージオウの姿が更に変化した。
金色の配色が増えて、むき出しだった人体模型のような顔はマスクに覆われ、以前の顔が見える部分は目の周囲のみ。口角部分が上を向いており、アングルによっては邪悪な笑みを浮かべているように見える。
マスク部分の向かって左に『Zi-O』、右と胸元に『2019』の文字があり、背中にはこれに加えて『Ⅱ』の文字がある──【アナザージオウⅡ】に変貌した。
「その姿まで…!」
アナザージオウⅡは二つに分裂させた双剣の片方を、驚愕するジオウに向けて槍投げのように投擲する。ジオウはジカンギレードを手にしてそれを弾こうとすると、その直前に剣の前に光の幕が現れ、真っ直ぐに飛ぶ剣はそれに吸い込まれる。
ジオウがそれに少し驚く瞬間、光の幕の影に隠れて接近していたアナザージオウⅡがもう片方の剣を手に斬りかかる。同時に、ジオウの背後に光の幕が現れ、先程消えた剣がジオウの背中を狙って飛び出した。アナザージオウⅡも剣も、あまりにも近い距離。いくら入間でも避ける暇がない。
しかし、ジオウは背後の剣を掴み取り、アナザージオウの剣をジカンギレードで受け止める。しかし、基本形態のジオウではアナザージオウⅡのパワーに敵わず吹き飛ばされそうになるが、何とか踏み止まる。
「ッ、そんな見え透いた攻撃が、僕に通用すると思いますか…?」
アナザージオウⅡの剣が消えた原因は、恐らくフリードが使っていたものと同じ“空間魔法”によるものだ。魔人族の同盟軍であるバダンに所属しているキリヲが習得している可能性は十分にある。
グリューエン大火山の力を知らない状態ならともかく、フリードが既に空間魔法を見せびらかしていた今の状態なら、相手がアナザージオウに加えて空間魔法を使ってくると予想するのは簡単だった。
「別に、これで君に攻撃できるなんて思ってへんよ。君を攻撃するのは
「?……うわぁッ!?」
その瞬間、ジオウの背中に凄まじい殺気が襲いかかり、ジオウは本能に従いアナザージオウⅡとの鍔迫り合いを止めて飛び退こうとするが、そよれりも早く、ジオウの背中を凄まじい衝撃が襲った。その衝撃で、ジオウの腕に嵌められていたライドウォッチが一つ吹き飛ばされる。
地面を転がったジオウが咄嗟に攻撃が飛んできた方向に顔を向けると、なんとそこにはアナザージオウの姿があった。
「何でアナザージオウが!?」
「この大迷宮の魔法、“空間魔法”や。それを僕の使ってるアナザージオウⅡと重ねて、数分前の僕を呼び出したんよ」
驚くジオウに、アナザージオウⅡが種明かしをする。
アナザージオウⅡの『
いわばジオウも呼び出せるグランドジオウと考えられる。だが、グランドジオウになっても
『ライダーの力にはライダーの力で対抗する』のがライダーからアナザーライダーに対する攻略法だが、裏を返せばそれはアナザーライダーからライダーに対する場合でも同じである為、ジオウはアナザージオウの攻撃に弱い。その為、基本形態のジオウは想像以上のダメージを受けていた。
「ライダーの力と神代魔法を組み合わせる?魔術やウィザード系統ならともかく、ジオウの力は魔力とは関係ないのに…!?」
「まぁ、それには裏技があるんよ。アナザーライダーの能力を改造できる
時間と空間は密接に関係しているとは言え、ウィザード系以外は魔力を持たないライダーの力に神代魔法を合体させるという事に驚くと、アナザージオウⅡは揶揄するように答える。魔術と呼ばない限り、この世界の魔法──恐らく【ジュネー雪原】の大迷宮の神代魔法だろうと予測するジオウ。
そこまで考えた所で、アナザージオウⅡが呼び出したアナザージオウが、アナザージオウⅡの隣に並び立ち、二人のアナザージオウは武器を構えた。
「ジオウが3人…中々粋なはからいやろ?」
その言葉と共に、
『ハァッ!!』
「ッ、あぁっ!!」
エボルトが変身するブラッドスタークは、アクロバティックな動きでウィザードの攻撃を捌いていき、距離を積めてスチームブレードでウィザードの胸部を切り裂いた。
ウィザードが地面を転がる光景を一瞥したスタークは、腕から“スティングヴァイパー”と呼ばれる伸縮ニードルを伸ばすと、ジオウ達の足場からあるものを絡めとり、それを手に取った。
『フェーズ1だけか…出来ればもう一つの方も欲しかったんだが…仕方ない』
それは、ジオウがアナザージオウの不意打ちを受けた時に飛ばされたライドウォッチだ。
「それは入間の…!!」
『入間の?いいや、違う。これは
スタークは赤と金で彩られたライドウォッチ──“エボルライドウォッチ”のベゼルを回し、ライドオンスターターを押す。
音声と共に、紅い光がスタークを包み込み、エボルウォッチが、派手なデザインにハンドルが取り付けられたドライバーに変化した。
スタークはそのベルト──“エボルドライバー”を腰に当てると、ベルトが飛び出して装着される。
“コブラエボルボトル”と“ライダーエボルボトル”を装填する。
ハンドルを回すと、コブラエボルボトルが口を開閉し、ライダーエボルボトルがピストンを繰り返す。ベートーベンの交響曲第9番のような音がベルトから流れ、アーマーが生成されていく。
『変身』
基本カラーは赤・青・黒・金。
大量のデティールが使用された複雑かつ凶悪なデザインに、天球儀や星座早見盤など宇宙に関連する器具が全身にあしらわれている鎧。
口を開けて舌を出している蛇を真横から見たような形状の紅い複眼。
その圧倒的な威圧感を持つ戦士の名は──【仮面ライダーエボル】。
『エボル、フェーズ1……準備運動にはなってくれよ?』
「ッ!?」
その瞬間、エボルは赤い残像が残る程のスピードでウィザードとの距離を積め、赤いオーラを纏ったパンチを繰り出す。エボルの変身に驚いていたウィザードは一瞬だけ反応が遅れるが、何とかウィザーソードガンを盾にして直撃を回避する。しかし、威力が高すぎた為、大きく吹き飛ばされた。
『今のを防ぐとはな…流石、年長者は違うねェ』
「……調子に乗るな、蛇野郎」
エボルの高速移動を辛うじて防いだウィザードに、エボルはふざけるような声色でそう言う。年齢の事を言われたウィザードは、エボルとは正反対に声を低くし、ウィザーソードガンを構えて走り出した。
「ハッ!ヤァッ!!」
「よっと。ほーらよっ」
「ぬおっ!?」
クロスギーツを相手にしていたゲイツは、【ゲンムアーマー】に変身し、ジカンザックスと“ガシャコンバグヴァイザー”を手にして斬りかかるが、クロスギーツは児戯だとでも言わんばかりの余裕綽々の態度で攻撃を捌いていく。
しばらく攻撃をいなしていたクロスギーツは、何と武器である二つの剣を放り投げ、それに戸惑ったゲイツを挑発する。
「よっしゃ来いよ。あァ?」
「ふざけているのか貴様ッ!!」
まるで自分との戦いがお遊びだとでも言わんばかりの態度に、怒りを露にしたゲイツは、“幻想王”を発動して更に身体能力を上げてジカンザックスを振り下ろす。
しかし、クロスギーツはその攻撃をいとも簡単に避けると、逆にがら空きになっているゲイツの身体にパンチを連続で繰り出していく。最後に鳩尾に強力な拳を入れられ、ゲイツは足場から殴り飛ばされてマグマに落下しそうになるが、その瞬間空中に出現した、某配管工のゲームのような土管の中に消える。
「あぁ?……そこかっ!」
「何ッ!?ぐぅっ!!」
消えたゲイツの姿を探すクロスギーツは、振り向き様に拾い上げたギーツバスタークロスからエネルギー弾を撃ち放つ。銃口の先には、ゲンムアーマーの能力で空中に出現した土管から飛び出したゲイツがおり、銃弾はゲイツに命中した。
「そろそろ決めちまおうか~?」
「ッ!?」
クロスギーツはクロスレイジングソードのボタンを押して必殺技を発動。二振りの剣を交差させ、×字の斬撃を飛ばした。
それを見たゲイツは、ベルトを回転させて必殺技を発動すると、右足に紫色のエネルギーを纏わせて、回し蹴りの要領でそのけりを迎え撃つ。
「うぁあああっ!?」
しかし、パワーがあったのはクロスギーツの斬撃だった。吹き飛ばされたゲイツは、ゲンムアーマーが解除されて元の姿に戻り、足場に膝を着いた。
「はぁッ!」
「Come on!ハハハッ!」
龍騎はドラグセイバーを手にしてザイアに斬りかかるが、ザイアは龍騎の剣を軽くいなし、逆に鳩尾に強力な攻撃を繰り出す。
「はぁっ!!」
距離を取った龍騎は、ドラグクローを装備して“昇龍突破”を放つ。莫大な炎に包まれ、爆発を起こし、ザイアの姿が見えなくなる。
「ハハハハハハ……Amazing…」
「なっ!?」
だが、ザイアは平然とした様子で爆煙の中から現れた。流石に無傷とはいかなかったのか装甲から小さな煙をあげているが、それでも大したダメージになっていない。
驚愕する龍騎の隙を見て、ザイアは走り出して龍騎との距離を積め、龍騎の鳩尾に強烈なパンチを御見舞いし、彼女を吹き飛ばした。
「なんじゃ、この強さは…!?」
「これこそザイアのテクノロジーの全て……仮面ライダーザイアだっ!!」
「……!」
「ぬうっ!?」
仮面ライダーベイルが拳を突き出すと、ウォズは後方に吹き飛ばされる。
「直撃させていないのに、この威力とは…!」
空中で体勢を立て直し、別の足場に着地したウォズは、仮面の下で冷や汗をかいた。
ベイルは拳を直撃させず、本の数ミリ手前で腕を止めた。そして、その際に発生した衝撃波だけで、ウォズは吹き飛ばされた。それだけで、ベイルがどれだけのパワーを秘めているのかが分かる。
「ッ!?」
その時、まるで瞬間移動でもしたように目前に現れたベイルが踵落としを繰り出すのが見えると、ウォズは咄嗟に飛び退いて回避する。空振りになった攻撃が地面スレスレで止まり、衝撃波で足場が粉々に破壊される。
ウォズとベイルが近くの足場に着地したと同時に、ベイルは無言で手を突き出す。
「なッ!?うぁあああっ!!」
その瞬間、ウォズの身体が赤黒いオーラのようなものに包まれ、ベイルの腕の動きと連動して、ウォズの身体は壁に向かって吹き飛ばされた。
壁にクレーターを作ったウォズは、近くのブロックの足場に落下するも、何とか立ち上がったウォズの視界には、足場やブロックの上を跳びながら近付いてくるベイルの姿が映り、ウォズはジカンデスピアを構えた。
「おらぁっ!ですぅ!」
「予測AI起動」
エグゼイドはガシャコンブレイカーⅡ・大槌モードを振り下ろす。それに対し、ミューズはベルトに装着されたスマホのディスプレイを操作すると、振り下ろされたガシャコンブレイカーⅡを難なくかわした。しかし、それくらいは予想できていたエグゼイドは、即座にガシャコンブレイカーⅡをブレードモードに変形させると、そのままミューズの虚をついて剣を振り上げる。
しかし、ミューズは“ミューズエッジ”と呼ばれるサバイバルナイフで、エグゼイドの身体強化による剣を受け流した。
「ッ!?」
「バット回避」
「あぐぅっ!!」
ミューズがベルトを操作すると、エクシードチャージさせたミューズエッジが光り、ミューズはそれを投擲する。
攻撃を避けられたことに驚いていたエグゼイドは反応が一歩遅れ、ミューズエッジにロックオンされると、ミューズが投擲したミューズエッジを電磁ワイヤーで引き寄せる。
その途端、シアの未来視が発動し、ミューズの必殺技を食らって灰になった自分の姿が見えると、エグゼイドは仮面の下で顔を青ざめさせ、その最悪の未来を回避するために、ミューズに引き寄せられながら、手にしているガシャコンブレイカーⅡに“シャカリキスポーツ”を装填し、車輪型のエネルギーを出現させて、それをミューズに向けて投げ付ける。
ミューズは片手に持ったミューズエッジでそれを弾くが、その一瞬の隙を付かれて、エグゼイドはミューズエッジを引き抜いて拘束から逃れた。
「皆…ぐっ!」
「余所見してる暇はないよ!」
劣勢に追い込まれている仲間達に意識を向けた隙を付かれて、アナザージオウⅡとアナザージオウの槍の一撃が迫り、ジオウはジカンギレードとサイキョーギレードでなんとかそれを受け流す。
戦闘経験では
そうやっている内にも、アナザージオウⅡとアナザージオウの猛攻は激しさを増し、やがて2人のアナザージオウは、槍にエネルギーを溜め、それを時計の基盤を模した衝撃波として放った。
「くっ…ああぁっ!!」
避ける暇がなかったジオウはジカンギレードとサイキョーギレードをクロスさせて受け流すも、完全には流しきれずに衝撃波が爆発を起こし、ジオウは足場から吹っ飛ばされるも、なんとか“重量調整”で空を跳び、近くの足場に着地する。
「ッ!!」
その時、禍々しい音声が聞こえてきて、ジオウがハッとアナザージオウ達に視線を向けると、そこには2人のアナザージオウが、突き出した右足に禍々しいオーラを纏わせ、勢い良く急降下する姿があった。
ジオウがジカンギレードとサイキョーギレードを連結させてサイキョージカンギレードに変形させ、それを迎え撃とうとした時、
梵字が刻まれた光球を足に集めた何者かが、ジオウを守るように、2人のアナザージオウに突撃する。ぶつかり合った技同士が爆発を起こす。
不意打ちを受けたアナザージオウⅡとアナザージオウは、近くにあったブロックの足場に着地する。同時に、アナザージオウ達のキックを不発に終わらせた人物がジオウがいる足場に落下した。
戦闘をしていたライダー達は、戦いを中断してジオウ達のいる場所に目を向ける。
「あだっ!ったたた……本気でやったんだけど、まだ慣れないな~コレ」
「!その声は…!?」
アナザージオウ達のキックを妨害してジオウを守ったのは、仮面ライダーだった。
黒と金を基調とした身体と鎧に、眼魂のシンボルマークが体の各部に刻まれている戦士──【仮面ライダーゴースト・グレイトフル魂】であった。
尻餅を付いたからは、その見た目からは考えられない少女の声が聞こえてきて、直ぐに変身者が誰なのかを看破したジオウが仮面の下で目を見開くと、上空から聞き覚えのある声が聞こえた。
ジオウが慌てて空を見上げると、何と、遥か上空から、小さな人影が落ちてきていた。
「パパぁーーーーっ!!」
「ミュウッ!?」
「ミュウちゃんっ!?」
そう、ミュウだ。パラシュート無しでスカイダイビングしていたのだ。下はマグマの海で、この部屋もかなり暑い為、かなり不快そうに顔を歪めてはいるが、ジオウの名を呼び、此方を向いて真っ直ぐに落下してくる。
ジオウは、ゴーストやアナザージオウ、戦闘をしているウィザード達のことを一時的に思考から切り離し、重力を操作して体重を軽くし、一気に100m以上跳び、空中でミュウを抱き止め、近くに浮かんでいたブロックの上に着地した。
「パパぁッ!!」
ミュウはジオウに抱き止められた瞬間、直ぐにジオウに腕を回して抱き付いた。ジオウはミュウの背中を撫でつつ魔術で全身を軽く覆うタイプの決壊を発動させ、彼女をグリューエン大火山の悪環境から彼女を保護する。
取りあえずミュウの安全を確保できたことに安堵の息を吐いたジオウは、
・怪人紹介
【アナザージオウ】【アナザージオウⅡ】
アミィ・キリヲがアナザージオウウォッチを使って変身した仮面ライダージオウのアナザーライダー。シュネー雪原の変成魔法を使ってアナザーライダーの構造を作り替えたことで、アナザーライダーの力に神代魔法を組み合わせる事で、過去の自分を召喚することが出来るようになった。
・ライダー紹介
【仮面ライダーエボル】
ブラッドスタークがエボルライドウォッチを使い変身した姿。エボルウォッチに入っているのはあくまでもコブラフォームの力だけのため、ドラゴンフォームやラビットフォームへの変身は不可能。
【仮面ライダークロスギーツ】
『仮面ライダーギーツ 四人のエースと黒狐』に登場した仮面ライダー。未来の指名手配犯メラが浮世英寿の力・知恵・運の3つを奪って変身した姿。仮面ライダーギーツワンネスに破れ、未来に強制送還されて逮捕された。
【仮面ライダーザイア】
『仮面ライダーゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷』に登場する悪の仮面ライダー。ZAIAエンタープライズ本社CEOのリオン=アークランドが変身した姿。人類社会が倒すべき敵としての滅亡迅雷.netを確立し、それを倒す為の正義の力として自社の兵器を売り込む事を目的としていたが、仮面ライダー滅亡迅雷に敗れ死亡した。
【仮面ライダーベイル】
『仮面ライダーリバイス』に登場した仮面ライダー。リバイス本編の25年前に作られたアーキタイプのライダー。最初期に開発されたライダーシステムでありながら、リバイス作中の仮面ライダーの中でも飛びぬけて高いスペックを誇る。
【仮面ライダーミューズ】
『仮面ライダー555 パラダイス・リゲインド』に登場する仮面ライダー。オルフェノク殲滅隊隊長胡桃玲菜が変身する。
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