作者のやりたいようにしているので、かなり独自解釈などかあると思いますが、ご了承下さい。
時は遡り、入間達がグリューエン大火山を目指して出発した直後に現れた仮面ライダーオーズに瓜二つの戦士とグリードの軍団が、ミレディが変身した仮面ライダーゴーストとの戦闘から始まる。
「やあっ!」
『フッ』
走り出したゴーストは、目の前に立つ仮面ライダーに向けて、両手で持った“ガンガンセイバー・ブレードモード”を振り下ろす。
タトバコンボと瓜二つだが、仮面は赤色が薄く、罅割れの意匠があり、複眼は赤色で、金色のローブを羽織っているその戦士の名は【古代王 仮面ライダーオーズ】。
800年前の王が、現代に蘇った姿だ。
そして、その古代王オーズは、ゴーストの剣を、右手で持った“メダジャリバー”で受け止めた。
「なっ!?」
その事に、ゴーストは仮面の下で目を見開いた。ゴーストはガンガンセイバーを振り下ろす時、重力魔法で剣を一気に重くした上で振り下ろしたのだ。今のガンガンセイバーの重さは軽く見積もっても1tを越えており、変身した
しかし、古代王オーズはそれを簡単に受け止めた。しかも、片手で持った剣で。男女差から筋肉に差があるとしても、これはありえない。
『ハッ!』
「ッ!!」
すると、古代王オーズが蹴りを繰り出そうとしているのを察知し、ゴーストは自身の浮遊能力で後ろに下がる。数メートル後退して地面に降り立った瞬間、ゴーストの頭上に凄まじい威力の落雷が降り注ぐ。
ゴーストは再び浮遊して落雷を回避すると、眼魂を取り出してゴーストドライバーにセットする。
マスク部分は音符と楽譜。半袖で肩はピアノの屋根を模している灰色のパーカーを羽織った【ベートーベン魂】に変身したゴーストは、指をタクトのように振るい、聞き惚れてしまうような美しい音楽を奏でる。同時に、ゴーストの周囲に光の音符が出現し、それが盾の代わりとなって、ゴーストを追尾するように降り注ぐ雷を防いだ。
ゴーストは音符を操り、雷を発生させた虫の姿をしたグリード【ウヴァ】を狙って、周囲の屑ヤミーごと攻撃しようとする。美しい音楽を響かせる音符は、道中の屑ヤミーを破壊しながらウヴァに襲い掛かる。
その時、ゴーストの足元から液状のなにかが飛び出し、ゴーストを攻撃した。
「うわぁっ!?」
ゴーストは胸から火花を散らしながら地面を転がる。何事かと体を起こすと、自身に襲い掛かった液体が人の形をして、【メズール】となった。
ゴーストは再び液状化して襲い来るメズールを見て、再び音楽を奏でて音符で迎え撃とうとしたが、その瞬間背後から凄まじい殺気を感じ、メズールを意識の片隅に置きながらそちらの対処のための一手をとる。
ビリー・ザ・キッド魂に変身したゴーストは重力魔法で液状化したメズールを遥か遠くまで吹き飛ばし、ガンガンセイバー・ガンモードとバットクロックを取り出して弾を連続で発射し、背後から襲い掛かろうとしていた
それは、ネコ型のグリード【カザリ】の鬣であった。まるで意思を持つように襲いくる鬣を伝説のガンマンの射撃で迎撃するゴーストは、背後から凄まじい何かが突撃してくるのを感じて一瞬だけ意識がカザリから離れてしまう。
「ッ、うぁぁっ!!?」
その瞬間、ゴーストの背中に凄まじい衝撃が襲い掛かり、ゴーストは吹き飛ばされ、オレ魂に戻りながら地面を転がった。
顔を上げると、筋骨隆々のサイの怪人【ガメル】が立っていた。先程の攻撃は彼が行ったのだろう。
(対応が、追い付かない…ッ!)
屑ヤミーは最早数にもいれていないが、完全体のグリード達は一体一体がオルクス大迷宮のヒュドラを凌駕する程の力を持っており、個々の能力も異なる為に、ゴーストは完全に後手に回っていた。
ゴーストが立ち上がると同時に、4体のグリード達は走り出し、古代王オーズもメダジャリバーを構えてゆっくりと歩きだした。
「ミレディお姉ちゃん……」
ランズィ達と共に安全な場所に避難しているミュウは、ミレディが飛び去っていった方向を、心配そうに眺めていた。しかし、ミュウ達の前にオーロラカーテンが出現したことで、その表情は一気に青ざめる。
「な、なんだこいつらはっ!?」
「新種の魔物か!?」
そこから現れたのは、【ライオンクラゲヤミー】や【シャチパンダヤミー】といった合成系ヤミーと、数十体の屑ヤミーだった。
ヤミー達が姿を現したのと同時に、怪人達は唸り声を上げながらアンカジの民に襲い掛かる。アンカジの民は悲鳴を上げ、兵士達は武器を手にして突撃していくが、圧倒的な力を持つ怪物達の力の前に手も足も出ず、瞬く間に蹂躙されていく。
「ぅ、うぅ……」
奈落の魔物ともタメを張る怪物達の襲撃に、ミュウは怯えて縮こまる事しか出来ない。いくら旅の途中で入間達が魔物を蹂躙する光景を目にし続けていたとしても、まだたったの4歳だ。目の前で起きる蹂躙劇を前にして平然としていられる筈がない。
だが、次に耳にはいってきた悲鳴に、ミュウは顔を上げた。
ヤミー達は、兵士であろうが領主であろうが、病人であろうが、一切の容赦もなくアンカジの人々を襲っていた。恋人を庇う男や、子供を守ろうとする親がヤミー達の前に立ちはだかったとしても、障害物にもなることもなく、ヤミー達は恋人や子供と共に彼等を痛め付ける。
ミュウはグッと歯を食いしばり、流れ落ちそうな涙を乱暴に拭った。そして、体を凍てつかせる恐怖を勇気という名の剣で切り裂き立ち上がると、血達磨にされたランズィとビィズに止めを刺そうとする【イカジャガーヤミー】の前に立ちはだかり、ランズィとビィズを守るように両手を広げた。
「これ以上、おまえなんかの好きにはさせないの!」
なんのつもりだと訝しんで立ち止まるイカジャガーヤミーに、ミュウは力強く宣言する。
幼いミュウでも、ヤミー達の無慈悲な所業を許する事は出来なかった。難しい事は分からなかったが、悪い魔物のせいで元気がなくなっていた都が入間達の手で甦ろうとしているのに、再び絶望の底に落とされそうになる事が。入間達だって、アンカジの為に危険を冒している(実際には、入間は6割くらい自分の為なのだが)のだから、娘である自分が一人だけ逃げるなんて真似はしたくなかった。
だが、イカジャガーヤミーがミュウの宣言などで臆する筈がなく、その勇姿を嘲笑うようにジリジリと距離を積めていく。
それでもミュウは怯まずに、すうっと大きく息を吸って、心だけは負けるものかと雄叫びを上げた。
「やれるもんならやってみやがれっ、なの!」
直後、幼女の想いを踏みにじるように、イカジャガーヤミーは槍状の腕を振りかぶり……
無数の光弾が、イカジャガーヤミーを蹂躙した。
「ふ、ふぇ?」
ポカンッと口を開けて呆けてしまうミュウ。
コツッ、コツッというわざとらしい足音が聞こえ、思わずミュウとヤミー達は揃って足音の方に顔を向けた。
それは、マゼンタを基調としたボディに、10を意味する意匠が入った装甲。バーコードを模した仮面に緑の複眼を持ち、額には黄色の宝石が輝いている戦士が、四角くくて平たい銃を手にしながら、こちらに向かって歩いてくる姿だった。
「か、仮面ライダーさん…なの?」
ミュウの呟きに、マゼンタの仮面ライダーはチラリとミュウを一瞥すると、手にしていた銃──【ライドブッカー】を変形させ、刃を展開して剣に変えると、ソードモードとなったライドブッカーを手にして、ヤミーの軍勢に向かって走り出した。同時に、マゼンタの仮面ライダーを驚異と認識したのか、アンカジの住人を痛め付けていたヤミー達は、一斉にマゼンタの仮面ライダーに襲い掛かった。
ヤミーの軍勢は屑ヤミーと合成系のヤミーを含めて49体。対して、マゼンタのライダーは一人で立ち向かう。数の暴力としかいいようがない兵力差だが、マゼンタのライダーはそんなこと知ったことかと言わんばかりにライドブッカーを振るい、3体の屑ヤミーを消滅させた。
同時に、マゼンタのライダーの背後からシャチパンダヤミーが数体の屑ヤミーを引き連れて不意打ちを狙う。しかし、それを察知したマゼンタのライダーは、ライドブッカーをガンモードに変形させながら振り返り、引き金を引いた。連続で放たれた銃弾がシャチパンダヤミーを吹き飛ばし、背後の屑ヤミー達を爆殺する。
同時に、マゼンタのライダーは回し蹴りを放って背後の屑ヤミーを蹴り飛ばし、ライドブッカーから銃弾を放ち、ヤミーを撃破する。
数の差など関係ない圧倒的な力の差。だがヤミー達は、尚も諦めずにマゼンタのライダーに向かって走り出す。
それを見て流石に鬱陶しいと思ったのか、マゼンタのライダーは小さく舌打ちした後、腰に取り付けられた“ネオディケイドライバー”のサイドハンドルを引いて中央の部分を変形させると、ライドブッカーをブックモードに戻して開き、中に収められているカードの一枚を引き抜き、それをネオディケイドライバーにセットし、サイドハンドルを押し込んだ。
電子音が鳴り終わった刹那、法螺貝の音色と共にマゼンタのライダーの頭上に巨大なオレンジ型の物体が表れ、彼の頭部と同化するように被さったかと思うと、オレンジ型の物体が鎧へと変形し、マゼンタのライダーは全く別の姿へと変わった。
紺色のボディに、鮮やかなオレンジの鎧を纏う鎧武者──【仮面ライダー鎧武】へと。
姿を変えた鎧武は、ソードモードのライドブッカーでヤミーを切りつけながら、ライドブッカーを開いて鎧武のライダーズクレストが描かれたカードを取り出すと、先程と同じ要領でネオディケイドライバーに装填した。
音声と共に、鎧武はライドブッカーを振り上げ、上空に巨大なイチゴの幻影を出現させる。そのイチゴにヤミー達の目が吸い寄せられた瞬間、イチゴから無数の“イチゴクナイ”が射出され、瞬く間にヤミー達を貫き、数秒後には示し会わせたように大爆発を起こし、ヤミー達は跡形もなく消滅した。
ミュウやアンカジの民は、瞬く間に怪物どもを駆逐した鎧武を見ながらポカンと口を開けている。
そんな彼等に顔を向けた鎧武は、元のマゼンタの姿に戻ると、ライドブッカーから新たなカードを取り出し、ネオディケイドライバーに装填する。
カードを装填した瞬間、なんとマゼンタのライダーが三人に増えた。あり得ない光景に、目を見開いて驚くミュウ達。
そんな周囲を他所に、三人に増えたライダーの内、左右の二人が別々のカードをドライバーに装填する。
分身達はそれぞれ【仮面ライダードライブ】と【仮面ライダーフォーゼ】に姿を変えると、ドライブはタイヤ交換をして“マッドドクタータイヤ”を取り付け、フォーゼは“メディカルモジュール”を具現化させ、ヤミー達に痛め付けられたアンカジの民の治療に向かう。
本体であるマゼンタのライダーは、轟音を鳴り響かせる場所に目を向ける。
「さて…後はミレディ・ライセンの方か…早くしないと殺られるかもしれんな……」
「ミ、ミレディお姉ちゃんが!?」
マゼンタのライダーの独り言に、ミュウは顔を青くして反応した。幼い故に具体的な事は想像できないが、大好きなお姉ちゃんが危ないということだけは理解したようだ。
マゼンタのライダーはチラリとミュウを一瞥した後、踵を返して歩き出す。その瞬間、彼の目の前に銀色に揺らめくオーロラが現れ、マゼンタのライダーはその中に消えていった。
「まっ、待ってなの!」
思わず、ミュウはマゼンタのライダーを追いかけた。
『はぁっ!!』
「あぁあああああっ!!?」
メダジャリバーにセルメダルを三枚挿入して“オースキャナー”で読み込むことで必殺技を発動した古代王オーズの斬撃が、ゴーストを切り裂いた。
空間を切り裂く白銀の一閃に、グリードの相手をしていて避ける暇がなかったゴーストは吹き飛ばされ、変身が解除されて地面を転がった。
ミレディは血を流しながらなんとか立ち上がろうとするが、古代王オーズの一撃が強すぎた為か上手く血からが入らず、直ぐに倒れてしまう。
しかし、そんなミレディに、無情にもウヴァが前に立ち、刃を備えた右腕を振り上げる。止めを刺す気なのだろう。
その光景を目にしたミレディは、立ち上がるよりも先に魔法でウヴァを吹き飛ばそうと脳内で魔法陣を構築し始めた、その時だった。
突然、辺り一面に電子音声が響き渡る。全員が何事かと周囲を見渡したその時、ウヴァの目の前に十枚のカード状のホログラムが出現し、その中から何者かがホログラムを突き破りながらウヴァにキックを放ってきた。
「ぐわあああああああっっっ!!!」
キックの一撃が命中したウヴァは断末魔を上げて爆発し、炎の中から立ち上がって姿を見せたのは、ミュウやアンカジの民を救ってくれたマゼンタの仮面ライダーだった。
『貴様……何者だ?』
古代王オーズが、メダジャリバーを突きつけながら尋ねる。それに対して、マゼンタのライダーはこう答えた。
「…通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」
そう言うや否や、マゼンタの戦士──【仮面ライダーディケイド】は、ライドブッカーをソードモードにして走り出す。同時に、古代王オーズの傍らに控えていたカザリ達も、唸り声を上げながらディケイドに突撃していった。
完全態のグリード3体を相手にしても、ディケイドはライドブッカーを振るい、グリード達を寄せ付けない。
そして、ディケイドはライドブッカーをガンモードに変形させて銃弾を乱射してカザリ達を後退させると、ライドブッカーから別の仮面の戦士が描かれたカードを取りだし、ネオディケイドライバーに装填した。
音声と共に赤い光がディケイドを包み込み、発光と共にディケイドは【仮面ライダーファイズ】に変身すると、武器をライドブッカーから“ファイズエッジ”に変え、グリード達を攻撃していく。
すると、メズールが体を液状化してファイズに襲いかかる。体を拘束するつもりなのだろう。
しかし、ファイズは右足に“ファイズポインター”を装着して液状のメズールを蹴りつけると、途端にメズールの液状化が解除され、メズールはポインティングマーカーによって動きを拘束される。
動かぬ的となったメズールを見据え、ファイズはカードをネオディケイドライバーに装填する。
「はぁああああっ!!」
「ぐっ…あぁああああああああっ!!」
必殺の“クリムゾンスマッシュ”が炸裂し、メズールは断末魔の悲鳴を上げながら、灰となって崩れ落ちた。
その瞬間、ガメルがメズールの仇だと言わんばかりの雄叫びを上げながらファイズに突進してくる。
対するファイズは即座にカードを使用し、体を包み込む紫の炎を薙ぎ払って【仮面ライダー響鬼】へと変身すると、なんとガメルの突進を真正面から受け止めた。
「…はぁっ!」
そして、平成ライダーの中でも屈指のパワーファイターの響鬼は巴投げの要領でガメルを吹き飛ばすと、即座に“音撃棒・烈火”を装備し、不意打ちを狙っていたカザリに向けて連続で炎弾を放ち、カザリを後退させる。そして、響鬼は即座にガメルに向かって走り出しながら、カードをベルトに装填した。
音声と共に、響鬼はガメルの体に“音撃鼓・火炎鼓”を埋め込み、火炎鼓状のオーラが巨大化してガメルの動きを停める。響鬼は音撃棒を手にし、太鼓を叩くように火炎鼓のオーラに音撃棒を叩き込んでいく。
「……はぁッ!!」
そして響鬼は最後に振り上げた両手を勢いよく振り下ろし、清めの音をガメルに叩き込む。ガメルはそれを耐える事が出来ず、メダルを撒き散らしながら派手に爆発を起こした。
「す、凄い……」
痛む体を起き上がらせながらその光景を見ていたミレディは、ディケイドの圧倒的な力を見て、呆然と呟いた。
「ミレディお姉ちゃん!!」
「ミュ、ミュウちゃん!?」
その時、聞き覚えのある可愛らしい声が聞こえてきてミレディが即座に振り替えると、ランズィ達のところに預けてきたミュウが、目尻に涙を溜めながらミレディに抱き付いた。
“鬼幻術・鬼火”でカザリを後退させていた響鬼は、ミレディとミュウの姿をチラリと一瞥すると、ディケイド姿に戻り、ミレディに二つのデバイスを投げ渡した。
「おい」
「え?……ってうわぁっ!?ちょっと!誰だか知らないけど超絶美少女のミレディさんにいきなり何すんの!?」
ミレディは放り投げられたそれらを何とかキャッチし、ディケイドに文句を良いながらもそれを見てみる。それは、銀とマゼンタで彩られたライドウォッチ。そしてもう一つは、普段彼女が使っているものよりも五倍近くデカイ眼魂だった。
「その眼魂を使ってカザリを倒せ。今のお前なら使えるはずだ」
「えっ?これを使うって……大きすぎてドライバーに入らない……ッ!?」
「んみゅ!?」
カザリを抑えるディケイドの言葉に文句を言おうとしたミレディだったが、次の瞬間、彼女が持っていた15個の眼魂が光りだして懐から飛び出したかと思うと、十五個の眼魂が、色とりどりのパーカーを着た真っ黒な体をした【パーカーゴースト】となって現れ、周囲の屑ヤミー達を残らず駆逐する。
突然の事態にミレディとミュウが戸惑うなか、パーカーゴースト達はパーカーだけの姿になり、ミレディとミュウの前に集まった。
『ミレディ・ライセンよ!ワシ等の魂を受け取れ!!』
「ッ!?武蔵…!?」
何と、赤いパーカーの姿をした武蔵ゴーストが喋ったかと思うと、武蔵ゴーストを含めた15体のパーカーゴーストは、ミレディの手の中のデカイ眼魂に集まるように入り込み、巨大な眼魂は力を注がれるように光を放っていく。
光が収まると、真っ白だった眼魂は、黒と金で彩られた、右部にレバーが取り付けられた眼魂に変化していた。
「…もうっ!こうなったらヤケクソだ!ミュウちゃん、危ないから下がってて!」
「わ、分かったの!」
怒涛の展開に、もうヤケクソだと言わんばかりに、ミレディはミュウを下がらせながらその巨大な眼魂───【アイコンドライバーG】を腰に当てる。ベルトが飛び出し、ミレディの腰に装置される。
アイコンドライバーGの左部のボタンを押すと、ベルトから音声が鳴り響く。
ミレディはポーズを取り、あの言葉を発する。
「変身ッ!!!」
左部のボタンをもう一度押すと、ベルトの中央で15の眼魂のマスクが表示され、アイコンドライバーGから15体のパーカーゴーストが飛び出した。
ミレディの体を黒と金で彩られたスーツとアーマーに包まれていくと、体の各部にパーカーゴースト達が吸い込まれ、シンボルマークが刻まれる。
その姿こそ、15の英雄の魂を終結させた
ミレディの変身を目にしたカザリは、標的をディケイドからゴーストに変更し、鋭い爪を構えて走り出す。
「命、燃やしちゃうよ!!」
対するゴーストは、決め台詞と共にゆっくりと歩きだし、爪を振りかぶってきたカザリの鳩尾に素早くパンチを叩き込む。後退したカザリが鬣を触手のように操ってゴーストに襲い掛からせるが、ゴーストはガンガンセイバー・ガンモードとサングラスラッシャー・ブラスターモードを取りだし、二丁の銃で触手を一発も射ち漏らす事なく貫いた。
「凄い…!次はッ!」
パワーアップした自身の力に驚きつつも、使い方が頭に流れ込んできたゴーストは、アイコンドライバーGのレバーを操作し、ボタンを押す動作を2回行う。
音声と共に、ベルトから溢れだした赤と青の光が人の形となって、赤いパーカーを着た【ムサシゴースト】と、青いパーカーを着た【リョウマゴースト】が、武器を手にして表れた。
“ガンガンセイバー・二刀流”を手にするムサシゴーストと、“サングラスラッシャー・ソードモード”を手にするリョウマゴーストの間に立ったゴーストは、ガンガンセイバー・ブレードモードとサングラスラッシャー・ソードモードを手にして、2体のパーカーゴーストと共にカザリに突撃する。
日本最強の剣士として名高い宮本武蔵と、北辰一刀流の使い手である坂本龍馬の剣技と、その二人を含めた15の偉人の力を宿したゴーストの剣技の前では、流石のカザリも対応できず、三人の剣劇を浴び続ける。
「よし、これで決める!」
『いざ、参るぞ!』
『おう!任せるぜよ!』
ゴーストの言葉にムサシゴーストとリョウマゴーストも頷き、ゴーストはアイコンドライバーGのボタンを押す。
リョウマゴーストとゴーストが片手にサングラスラッシャーをブラスターモードに切り替え、ムサシゴーストが両手、ゴースト右手に持つガンガンセイバーを構えると、それぞれの武器にエネルギーが蓄積して光り出す。
ゴーストとリョウマゴーストがガラルに銃声を合わせると同時に引き金を引き、二乗の光線がカザリを襲う。カザリの胸で爆発が起こり、吹き飛ばされる。
その瞬間、同時に走り出したゴーストとムサシゴーストが、走りながら剣を構え、立ち上がったカザリをすれ違い様に切り裂いた。
流石のカザリもこの猛攻には堪えきれず、赤い光を放つ斬撃痕から爆発を起こし、メダルを撒き散らした。
「……やるな」
「ミレディお姉ちゃん凄いの~!」
ディケイドが小さく呟き、ミュウが物陰から姿を現して目を輝かせる。
ゴーストも、パーカーゴースト達がベルトに戻っていくと同時にディケイドの元に歩み寄ろうとするが、次の瞬間に目に入ってきた光景に足を止める。
ディケイドとゴーストが倒したグリード達の爆心地から、大量のセルメダルと、数枚のコアメダルが、まるで何かに引き寄せられるように浮遊し、ある場所に集まっていくのだ。
メダルの向かう先には、右手を突き出した古代王オーズの姿があり、突き出した右手にメダルがまるで掃除機に吸い込まれるように吸収されていく。
『役立たず共め……!そのコアメダルを私の手に……』
メダルを吸収し終えると、古代王オーズの姿が変化した。
胸の中央のオーラングサークルは四体のグリードの顔を描いたものに変化し、右腕はトラクロー、左腕はカマキリソード、左足はタコレッグ、右足はゾウレッグに変わり、肩には水色・黄緑・白・黄色の模様が入ったタマシーコンボのオレノツノに酷似した肩部分を携えた姿は、正にグリードを取り込んだオーズとしか形容できない姿。
【グリード吸収態】に変貌した古代王オーズは、骸骨の装飾が施された十字の大剣を手にし、ディケイドとオーズに斬りかかる。
「ちょっ、何あの姿!?キモッ!」
「グリード吸収態か、厄介だな……」
ディケイドが愚痴りながらカードを装填すると、奇妙な歌と共に【仮面ライダーオーズ・タトバコンボ】に姿を変え、オーズはライドブッカー・ソードモードを手にして古代王オーズの剣を受け止める。しかし、素のスペックで負けているためか、オーズが押される形となる。
しかし、オーズはバッタレッグの跳躍力で古代王オーズの背後を取り、“電気ウナギウィップ”を装備し、鞭を飛ばして古代王オーズを拘束すると、電撃を放つ。
『ヌゥウウウッ!?』
電気ウナギの高圧電流に、古代王オーズも僅かなダメージを受けて動きを封じられる。自分も!と加勢しようとするゴーストに、オーズはウナギウィップに電流を流しながら、ゴーストに声をかけた。
「コイツは俺が相手をする!お前は、グリューエン大火山に行け!お前の仲間達がかなり危ない状況だ!俺のウォッチを渡してやれ!」
「パパがッ!?」
「イル君がピンチ!?グリューエン大火山で!?」
「どうやらバダンの強襲を受けたらしくてな!」
オーズの説明を受け、共に顔を強張らせる(ゴーストは仮面で隠れて見えないが)。すると、彼女達の前に銀色のオーロラカーテンが出現した。
「大火山に繋げてある!行けッ!」
「わっ、分かった!」
オーズに促され、ゴーストは慌ててオーロラカーテンの中に飛び込む。
「ミ、ミレディお姉ちゃん!」
「ッ!おい!」
それを見たミュウも、少し戸惑いながらもオーロラカーテンに飛び込んだ。オーズはそれを止めようとするが間に合わず、古代王オーズの剛力によりウナギウィップごと吹き飛ばされた。
「…チッ、あの娘が行っちまったか…!」
面倒そうに舌打ちしつつ、オーズはオーロラカーテンを閉じ、トラクローを展開して古代王オーズとぶつかり合う。しかし、他の形態の能力を引き出せるとは言え、素のスペックはタトバコンボのものである故に、オーズは徐々に押されていく。
『フンッ!』
「ぐあっ!?」
古代王オーズの剣を食らったオーズは、胸から火花を散らしながら吹き飛ばされ、その衝撃でディケイドに戻る。
「だったら次は……?」
『……?』
立ち上がったディケイドが新たなカードを使おうとした瞬間、古代王オーズのものとは違う静かな靴音が聞こえてきて、ディケイドと古代王オーズは互いに動きを止め、その靴音の方に目を向ける。
その先にいたのは──純白の戦士だった。
白と銀をメインに差し色の金と水色をあしらった高貴さを感じられ、マントをはためかせる聖騎士や救世主に似た外見。
頭部のデザインが「笑顔」に近いモノが見え隠れし、目の上部には眉のように^の形が、顎にはV字型のモールドがある金色のライン。
それは、あらゆる世界を旅してきたディケイドと知らない、未知の仮面ライダーだった。
「お前は……!」
『次から次へと……何者だ!』
「──ゼイン。全ての悪意を駆逐する仮面ライダー」
その言葉と共に、純白の戦士──【仮面ライダーゼイン】は、一枚のカードを取り出した。ディケイドのライダーカードに酷似したそのカードに描かれている戦士は、赤いカミキリ虫のような忍者ライダー、仮面ライダー
ゼインは、そのカードを横向きにしてベルトに挿入する。
読み込まれたカードが、シュレッダーのように切断され、地面に落ちて消滅する。プログライズキーを押し込んで電子音声が響き渡ると、ゼインの手に“電磁ナイフ”が握られる。
古代王オーズはゼインを敵と認識したのか、剣を構えてゼインに突撃して剣を振るうが、ゼインは電磁ナイフで的確にその斬撃を受け流して数発の打撃を浴びせた後、僅かな隙を狙って古代王オーズの鳩尾を切り裂いた。
『ぐぁああッ!?』
溜まらず火花を散らして転がる古代王オーズ。しかしなんとか立ち上がろうとした瞬間、ゼインが投げ放った“マイクロチェーン”が巻き付き、動きを封じると同時に5万Vの電撃を流す。あまりの電撃に古代王オーズが苦悶の声を上げた瞬間、打撃を浴びせた際に古代王オーズに取り付けていた複数の“衝撃集中爆弾”が、爆発を起こした。
『ぐぉおおおおっ!!』
あまりの威力に、グリードのメダルを取り込んでいる古代王オーズですら耐えられず、古代王オーズは身体のあちこちから火花を散らしながら膝をつく。
「トォッ!」
頃合いを見計らったゼインは、両足て地を蹴り、高く跳ぶ。
両腕で逆『く』の字を描き、赤い光を纏いながら空中で一回転。仮面ライダースーパー1と似た構えを取り、右足を突き出して急降下する。
「
『ぐぁあああああああああああああっ!!?!!?』
ゼインのキックが炸裂し、古代王オーズは大きく吹き飛ばされる。
『馬鹿なッ!!この…私がぁあああああああああああッ!!!』
断末魔を上げながら仰向けに倒れた古代王オーズは、そのまま派手に爆発を起こす。
ディケイドが顔を覆った腕を下げると、そこには焼け爛れた地面だけが残っており、古代王オーズは何処にも存在しなかった。爆心地を眺めていたゼインは、踵を返して歩きだし、目の前に出現したオーロラカーテンの向こうに消えていった。
「……仮面ライダー、ゼイン……」
ゼインの圧倒的な力を目の当たりにしたディケイドは、ゼインが消えていった方を見ながら、呆然とその名前を呟いた。
・ライダー紹介
【仮面ライダーディケイド】
ご存知『世界の破壊者』。
クウガからゼロワンまでのライダーにカメンライドが可能であり、基本型態のままでも最強フォーム以外の武器や能力を行使できる。
【古代王仮面ライダーオーズ】 CV.谷昌樹
『仮面ライダーオーズ 復活のコアメダル』に登場した仮面ライダー。
虚無の中で恐竜グリードと共に消えた筈のコアメダルを取り込み、大量のセルメダルをその体内に宿した結果、生前を上回る程の力を手に入れたらしい。
グリード吸収態となってアンクやゴーダのコアメダルを吸収しようとしたが、体内でアンクに恐竜メダルを奪われ、ゴーダが変身したオーズ・プトティラコンボの強化版グランド・オブ・レイジを受けて爆発・消滅した。
【仮面ライダーゼイン】 CV.大川透
『仮面ライダーアウトサイダーズ』に登場するダークライダー。
善意から生まれた人工知能「ゼイン」が宿る仮面ライダーであり、全ての悪意を根絶するために全てのライダーの力を持つ。
執筆し始めた頃には登場させる予定はなかったが、『仮面ライダーガッチャード』で客演した為、思いきって本作でも登場させた。
・怪人紹介
【グリード】
『仮面ライダーオーズ』に登場したコアメダルで出来た怪人。古代王オーズと共に蘇ったが、『平成ジェネレーションズFINAL』と似たような複製個体であり、自我は薄い。
因みにメズールの声優はミレディと同じゆかなさん。
感想、評価お待ちしております。