色々と忙しくて続きが疎かになってましたが、なんとか書き上がりました。これからも亀更新になると思われますが、どうぞよろしくお願いいたします。
今回のお話は、pixivで私があるユーザーからリクエストを受けて執筆している作品とのコラボ(?)的な内容になります。pixivの方ではこの作品の入間くんたちがチラッと登場するので、よろしければ見てください。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22900754
異世界からの侵略者・ハンドレッドの一人を打ち倒した【仮面ライダーレジェンド】に変身したゴージャスな男──鳳凰・カグヤ・クォーツは、フッと笑いながら、入間が手渡した昭和ライダーのケミーカードを見せる。
「感謝するぞ、入間。お陰でゴージャスが増えた上に、世界にはまだまだカグヤ様に相応しいゴージャスな仮面ライダーが存在することを知った」
「そ、それはどうも……でも、貴方は一体……」
バトラーから昭和ライダーのウォッチを返してもらった入間がそう尋ねようとすると、突如その場に幼女の声が響き渡った。
「パパァーーー!」
「ミュウ!?」
そこに視線を向けてみると、ミュウが靴音を響かせながら物凄い勢いで入間の元へ駆け寄ってくる姿があった。
入間が飛び付いてくるミュウを慣れた様に受け止めると、レミアの家の護衛をさせていたティオとミレディがやってきた。
「二人とも、どうしたの?」
「それどころじゃないんだよ!」
入間が尋ねようとするが、ミレディがそれを遮った。
「ご主人様よ。つい先程、こことは反対側の方で、またオーロラカーテンが出現した。目撃者に聞いてみると、そこには見慣れぬ人型の魔物がおるとか……」
「人型の魔物……多分、バダンの刺客だね」
ティオの説明を聞き、入間は敵がハンドレッドではなく、自分達が戦っている組織であるバダンの刺客だと察し、入間はカグヤに顔を向けた。
「カグヤさん、初対面で悪いんですけど……ミュウのことをお願いします!」
「おい、待て……」
「お願いしますよー!」
「パパァ!頑張ってなのー!」
入間はカグヤにミュウの護衛を無理矢理押し付けると、仲間達を連れてその現場へと走り出す。
たどり着いたその場所にいたのは……
『あの不良品はあとで始末するとして……どうやら、先に邪魔をした貴方を消さなきゃならないようね…!!』
「ヒィイッ!!!!!?????」
龍の頭部を思わせる兜のような頭部には瞳やクラッシャーが存在しており、仮面のスリット部分が歪なラインになっているため少し分かり辛いが、赤い複眼の中はよく見ると小さい瞳が存在している。
龍をモチーフとした意匠が多く、頭部の紋章はそのまま龍の顔を象っており、ボディ各部には龍の鱗らしき意匠が存在する。ベルトはカードデッキを咥えた龍の顔になっている。
下半身には中華服のような前垂れが存在し、胸部には『RYUGA』、『2002』と鏡文字で描かれ、右手に黒龍の頚のような手甲、左手には龍の尾を思わせる柳葉刀のような長剣を装備している怪物──アナザーリュウガが、無数のカッシーンを引き連れて、何処かで見覚えがあるような男に向けて、剣を振りかぶっている光景だった。
(?あの男の人…なんか見覚えが……)
そんな疑問を抱きつつも、入間はジカンギレードをジュウモードにし、アナザーリュウガを撃ち抜いた。
「妙な感じがして来てみたら…あのアナザーライダーはなんだろう?」
「バダンやハンドレッドとは、違うみたいですね……」
「新たな敵の出現か…忙しいものだな」
「でもでも〜!イルマちとアズアズとまたいーっぱい遊べるし〜…よっしゃラッキー!!」
「……また敵が出てきたの?めんどくさい……」
「まぁまぁ、ユエさん。どのみち全員倒しちゃうんですから良いんじゃないですか?」
「ふむ、ここはミュウの故郷じゃしのう。その為なら戦うのには是非もないのじゃ」
「そうだね!それじゃあ、アイツら倒しちゃおっか!!」
アメリ、クララ、ユエ、シア、ティオ、ミレディの言葉を聞き、入間はジクウドライバーを腰に巻くと、アメリとクララもジクウドライバーを腰に巻き、アリスはビヨンドライバー、ユエはウィザードライバーを出現させ、シアはゲーマドライバーを装着し、ミレディはゴーストドライバーを出現させ、ティオはカードデッキを突きだし、近くの民家の窓から飛び出したVバックルを装着する。
そして、彼等は一斉に変身の構えを取り、あの言葉を叫んだ。
「「「「「「「(大)変身(ですぅ/へ~んしんっ)!!」」」」」」」
様々な音声と共に入間達の姿が光に包まれると、バビルの面々は仮面ライダーへと姿を変える。
『ッ、何者よ…!貴方達は!?』
アナザーリュウガも同様に驚愕しながら叫ぶと、ジオウはアナザーリュウガを指差しながら名乗りを上げた。
「僕達はバビル。そして、僕は仮面ライダージオウ……全ライダーの力を手にする、魔王…らしいですよ。この町は、僕の大事な娘の故郷…この町の平和を脅かすのであれば……全力を以て、貴方達を排除させてもらいます」
その言葉と共に、8人はアナザーリュウガ達に向かって走り出し、それに反応するようにカッシーンも走り出す。
「はぁっ!!」
ジオウのパンチがカッシーンに炸裂し、粉々に破壊する。そこで、ジオウの背後から槍を手にしたカッシーンが2体迫ってした瞬間──
「……“雷龍”」
ハリケーンスタイルに変身したウィザードが放った魔法がカッシーンを吸い寄せ、感電させて粉々に破壊した。
そのままウィザードはアクロバティックに舞うような動きで不意打ちを仕掛けようとしたカッシーンの槍を回避すると、ソードモードのウィザーソードガンでカッシーンを切り裂き、爆発を起こさせる。
「しゃーんなろぉぉっ!ですぅっ!!」
エグゼイドは、ガシャコンブレイカーⅡを振るい、カッシーンの軍勢をなす術もなく打ち飛ばしていく。カッシーン達が槍からビームを放っても、エグゼイドはまるでその機動が分かっているかのようにピョンピョンとアクロバティックに飛び回り、全て回避していく。
「ふんっ!はぁっ!」
その横では、ゲイツがジカンザックスでカッシーンの軍勢を切り裂いていき、カッシーン達をまるで寄せ付けない圧倒的な戦いを繰り広げている。
「てやっ!ぜあぁっ!」
龍騎はドラグセイバーを手にし、カッシーンを切り裂くと、ドラグクローに魔力を送り込み、得意技の一つ“ブレス”を放つ。圧倒的な魔力の放出に、カッシーンは跡形もなく爆発四散した。
「おりゃ~!」
ゴーストは幽霊の様に浮遊してカッシーンに体当たりを仕掛け、時に重力魔法を行使してカッシーンをミクロサイズにまで押し潰し、残ったカッシーンをガンガンセイバーで切り飛ばしていく。
「お疲れ…様っ!!」
ツクヨミは、家系能力で召喚したトラックを、何処にそんな力があるのかと言いたくなるくらいのパワーで投げ飛ばし、カッシーンを逃げる暇もなく押し潰す。耐えきれなくなったカッシーンは、盛大な爆発を起こした。
「“
ウォズはヤリモードのジカンデスピアに炎を纏わせ、それを突き出すことで莫大な炎の渦を発生させ、カッシーンの軍団を塵も残さず焼き尽くしていく。
元々、それほどスペックが高くないカッシーンが、入間達の前に何百体来ようと大した驚異にはなり得ず、ジオウ達の攻撃により、戦闘が始まってから僅か二分足らずで、アナザーリュウガの連れていたカッシーンは全滅した。
『まさか……ここまでとはね……ッ!?』
アナザーリュウガが呟いた時、ジカンギレードを手にしたジオウが斬りかってきて、アナザーリュウガは地面を転がってそれを避ける。
それを見たジオウは、ジオウⅡウォッチを起動して二つに分離させると、ジクウドライバーに装填してドライバーを回転させる。
「はぁっ!」
『ッ!?』
強化変身を遂げたジオウⅡは、新たに装備したジオウサイキョーギレードをジカンギレードと共に振り下ろし、アナザーリュウガを攻撃しようとするが、それを直前で察したアナザーリュウガは剣と籠手をクロスするようにしてそれを防いだ。
「──ッ!!?」
その時、ジオウⅡの脳裏に、不可思議な映像がよぎった。
『変身!!』
「…今のは……!?」
『はぁっ!』
「ッ!?」
見覚えのない、知らない記憶が頭に過り、ジオウⅡの手の力が緩むと、その隙をついたアナザーリュウガが籠手から火炎放射を放ち、それを直前で察したジオウⅡはバックステップしてから地面を転がり、その攻撃を避ける。
「入間、無事?」
「大丈夫だよ」
同時に、ジオウⅡの元にウィザード達が駆け寄ってきて、ウィザードがジオウⅡに寄り添いながら声をかけると、ジオウⅡは直ぐ様立ち上がる。
「でも、このアナザーライダー大した強さじゃない。正体は分からないけど、さっさと終わらせよう」
「…んっ!」
「はいっ!」
「はいはーい!」
「はいですぅ!」
「わかった」
「承知したのじゃ」
「オッケー!」
ジオウⅡの言葉に頷いたウィザード達は拳を構え、アナザーリュウガに向けて走り出す。
『嘗めないでほしいわね……!ハァッ!!』
「……こっちの台詞っ!」
「ふっ……ハッ!」
『グハッ!!?』
アナザーリュウガが籠手から黒い炎を放つが、前に飛び出したウィザードが赤い障壁を発動させてその炎を防ぎ、軌道を反らすことで仲間達に降りかかるのを防ぐと、ウィザードはウィザーソードガンから銃弾を放ち、アナザーリュウガを後退させる。
その時、ウィザードの肩を足場に、二つの影が飛び出した。
「どりゃあぁああああっ!!!」
『うぁあぁあああっ!!??』
「はぁっ!」
『グハァッ!?』
その影──エグゼイドがハンマーモードのガシャコンブレイカーⅡを振り下ろし、『HIT!』の文字と共にアナザーリュウガを後退させると、そこへウォズがヤリモードのジカンデスピアでアナザーリュウガの鳩尾を突き、吹き飛ばす。
「うりゃあぁああああ!!」
「はぁっ!!」
『ぐっ、うぁああっ!?』
更に空間魔法で目の前に現れたツクヨミの頭突きとゲイツの拳が同時に炸裂し、アナザーリュウガは火花を散らしながら地面にた折れ込む。
その時、ウィザード達の前に突如鏡のようなものが現れたかと思うと、そこからウィザードの放った銃撃や、エグゼイド達が飛び出し、ゲイツ達に迫る。
受けた攻撃をそっくりそのまま跳ね返すアナザーリュウガの能力だ。
「させないよ!“聖絶”!!」
すかさずゴーストが仇に割り込み、仲間達を包み込む結界を作り出してその猛攻を防いだ。流石に、バビルの面々の攻撃はかなり強力ではあるが、流石は解放者。見事に皆を守りきった。
そんな中、ヨロヨロと起き上がろうとするアナザーリュウガの耳に、二つの音声が聞こえてきた。
「「はぁあぁあああああっ!!!」」
『ッ!』
ジオウⅡのサイキョージカンギレードとゴーストのガンガンセイバーが光を纏い、同時に振り抜かれる。
二人が放った斬撃が重なって✕字の形となり、その光景を見たアナザーリュウガは身を強張らせ、腕を交差してその攻撃に耐えようとしたとき……
(──今、彼女がゲームオーバーになるのは早いんよ)
『ッ!?』
アナザーリュウガの脳裏に声が響くと同時に、その姿が一瞬で消え去り、空振りになった斬撃が地面に直撃して爆発を起こす。
「……逃げた?」
「いや……見た感じ、アナザーリュウガにはそれ程の余裕があるように見えなかった。多分、呼び戻されたってことだ」
ウィザードの呟きを否定し、ジオウⅡはサイキョージカンギレードを下ろしながら考え込む。
あのアナザーリュウガは入間の視点からすれば“雑魚”の部類に入るのだが…そもそも、奴がなんの目的でここに来たのかも分からなかった。
一先ず、アナザーリュウガの事は保留にしようかとジオウⅡ達が一斉に変身を解いた時……背後から雄叫びが聞こえてきた。
「すぅずぅぎぃいいいいいいいいいいいいっ!!!!」
その雄叫びと共に、辺りに転がっていたカッシーンの槍を手にして、入間の背中に突撃していく。
「ふっ、はぁっ!」
「ぐぎゃあぁっ!?」
しかし、そんな考え無しの特攻にやられるような入間ではなく、槍が突き出されようとした瞬間に体を反転させ、槍の柄を掴んで押し出した。
突き出された槍が押し返され、石突によって胸を打ったその人物は悲鳴を上げながら倒れ、石突が当たった部位を押さえて泣き喚く。
その男の顔を見て、入間は目を見開いた。
「君は……檜山大介!?」
「えっ?その人って確か……」
「……んっ、入間をオルクスに突き落とした屑野郎」
そこに倒れていたのは、かつてオルクス大迷宮でベヒモスの騒動を引き起こし、ベヒモスを討伐した入間を突き落とした張本人──檜山大介だったのだ。
「どういう事じゃ……?ご主人様の話では、その者はオルクスで自滅したと聞いておったが……?」
ティオの言う通り、檜山はかつてオルクス迷宮でアークゼロの手によってアナザー鎧武へと変貌させられて神の使徒の仲間を殺害し、その後に駆け付けたジオウがアナザー鎧武を倒した後、檜山は謎の植物に包まれて死亡した筈なのだ。
「そうだね……どうでも良かったから死亡確認とかはしてない筈だけど……」
そう言って、入間は“マグナバイザー”を取り出すと、スタスタと檜山に歩み寄る。
「鈴木ィッ!お前のせいだ!!お前さえいなけりゃ香織は……ヒィッ!?」
「少し黙ってくれる?君のやかましい癇癪なんて誰も聞く気ないから」
全くもって筋違いな怨みを入間にぶつけようとする檜山だったが、入間が彼の額にマグナバイザーの銃口を当てると直ぐに悲鳴を上げてガタガタと震えだした。
相も変わらず、口では大層なことを叫んでいても、心の中は腐りきっているらしく、入間は心底汚いものを見るような目を向けながら、檜山に問いかける。
「檜山君?君がどうしてここにいるのか、あの後何があったのか、全部教えてもらえるかな?」
「あぁっ!?ふざけんじゃねぇぞ!誰がお前なんがぶぉっ!?」
入間がマグナバイザーの銃口をずらして発砲すると、飛び出した銃弾が檜山の頬を掠める。
頬から流れる赤い血とは対照的に顔を青くする檜山に、入間は微笑みながら再び口を開く。
「ごめんね……でも、君には拒否権はないんだよ。君の選択肢は二つだけ。話すか話さないか……どちらも嫌だって時は、ちょっとO★HA★NA★SHIするけど……どうする?」
そう言って微笑む入間の顔は、まさに魔王と呼ぶに相応しい恐ろしいものだった。
「……入間、素敵」
「私としては普段の優しい表情の方が好きなのだが……ウム、これはこれで良し!」
「はぅ!入間さんがまたあの顔をしてますぅ~、何だかキュンキュンしますぅ」
「むぅ、ご主人様よ。そんな凶悪な表情を見せられたら……濡れてしまうじゃろ?」
「イルくん、カッコいい……」
「……貴様ら、少しは空気を読まんか……」
「?」
だが、後ろで頬を染める仲間達のせいで微妙にしまらず、入間は僅かにげんなりとした表情を浮かべていると……
「また世界が……繋がってしまった……!」
「「「「「「「「誰っ!?」」」」」」」」
その時、背後から裏声と野太い声が聞こえてきて、入間達が咄嗟に振り替えって警戒体制をとると、そこにはチューリップハットにコートを身に纏う眼鏡をかけた中年風の男性が、右手に似た服装を着ている猿のパペット人形を嵌めながら佇んでいた。
シュールな光景に入間達は揃って目を丸くしていると、コートの男性は口を開く。
「私は鳴滝……全てのライダーの味方……。君達が、本来とは異なる生まれ方をした仮面ライダーだね?」
【鳴滝】と名乗った男に、入間達が警戒心を解かないまま頷くと、鳴滝はパペットを腕に嵌めながら話し掛ける。
「この世界に危機が迫っている……。ライダーに侵食された二つの世界がぶつかり合おうとしている……これも、ディケイドのせいだ……!」
呪詛を込めた声に入間達が真面目な表情をしながら聞いていると、懐から一枚のカードを取り出し、それを入間に投げ渡した。
「いざという時は、これを使うといい……」
「っ、これは…?」
入間が受け取ったそのカードの絵を見てみると、それはディケイドの使うライダーカードに酷似した、広大な宇宙と数々の惑星が描かれ、『DIMENSION』と書かれたカードだった。
「英寿君に会ったら、よろしくって言っておいて」
鳴滝の口が開かず、右手のパペット人形の口が動きながらそんな声がすると、鳴滝は背後に出現した銀色のオーロラの向こうに消えていった。
「……何だったのかな?」
受け取ったカードを身ながら考え混んでいた入間は、一先ずそのカードを懐にしまうと、再び檜山に視線を向けた。
そして、檜山を脅して話を聞いたのだが……それはどれもが理解不能の話だった。
檜山はオルクスで入間に倒された後、突如目が覚めた。
そこで檜山が出会ったのは、緑の髪をした優男風の男と、栗色のサイドテールの女と、金髪紅眼の女と、茶髪のショートカットの女性だった。
最初は混乱していた檜山だったが、その優男から「君の復讐を果たしたくないか?」と言われ、檜山は彼の提案に乗ることにした。
そして、檜山はミッドチルダという世界で“時空管理局”と呼ばれる組織に属する魔導師を討ち取るように命じられ、その後【デモンサンダー】と呼ばれる女性とペアになって任務に当たったが、時空管理局の“機動六課”と呼ばれる所で民間協力者になった入間とアスモデウスに惨敗したというのだが……
「時空管理局?機動六課?それに私とイルマ様が協力者になっているなど……一体何の事だ……?」
檜山を倒したという話を聞いたアスモデウスは、腕を組みながら首をかしげる。
当然ながら、
その疑問に、腕を組んでいた入間が口を開いた。
「……多分、それは別の世界の僕なんだと思う」
「……入間?」
入間の推測に、バビルの面々はどういう事なのかとリーダーに視線を集めると、入間は空を見上げながら口を開く。
「世界にも色々ある……僕たちがいる世界とは違う『別の世界の住人』……多分、彼が対峙したのはその世界の僕とアズくんだよ」
実際、入間はジオウⅡの力を手に入れる直前で、『失われた鏡の中の世界』に存在した『鏡の中のもう一人の自分』と邂逅したことがある為、その可能性にたどり着くことが出来た。
入間の推察に全員うーむ…と言わんばかりに腕を組んで考え込んでいると、クララが口を開いた。
「……ねぇねぇ、そう言えば、この子これからどうするの?」
クララが指を指した先にいたのは、檜山だ。
その指摘に、全員は思案を止めて檜山に視線を向けるが、彼の事をよく知らないクララを除いた彼等の檜山を見る眼は、既に絶対零度すら暖かく感じるほど冷えきっていた。
「……入間、ここは私に任せて。新技の“五天龍”で塵も残さず消し飛ばす」
「いいやユエ、ここは私の出番だ。既にコイツを骨も残さずにぐちゃぐちゃに出来ると思い込めている」
「いやいや、ここは私がやります。このガシャコンブレイカーⅡでナニを潰してから圧殺してやりますぅ」
「それなら私の出番だね。重力魔法のエキスパートにお任せだよ☆」
「いいや、生温い。イルマ様を罠に嵌めたこの男は私の炎で消し炭にしてやる」
「いやいや、ここは妾がやるのじゃ。妾のブレスでこの汚物を消毒してやるのじゃ」
「ティオ、それ完全に北○の拳だよね?なんで知ってるの?」
入間とクララ以外の全員が、檜山を殺すことを望んでいた。若干、ティオの発言が某世紀末漫画の台詞に似ていて入間が冷や汗を流すが、気を取り直すように咳払いをして、檜山に向かい合う。
「…皆、少し過激すぎだよ」
「……じゃあ、生かしておくの?」
「そうなんですか、入間さん?こんな屑野郎を生かしておいても、百害あって一利なしですよ?」
シアの言う通り、この場で檜山を生かしておいても、また何かしでかすだろうと考えているバビルの面々は、この場で殺しておいた方がいいと考えていた。
仲間達の言葉を聞いた入間は、ウンウンと頷きながら答えた。
「勿論、ただですます気はないよ。少し……O★SHI★O★KIする方がいいかなって」
そう言って、入間は見ていて恐怖するような笑みを浮かべた。
「おのれレジェンド……着飾るだけの金メッキが……!!」
「……」
エリセンから離れた場所で、黒い衣服を纏った男女が佇んでいた。
入間達を討ち取ろうとしたが、レジェンドという邪魔者のせいで撤退せざるを得なくなった異世界からの侵略者・ハンドレッドの一員であるシンゲツとイザヨイだった。
計画は完璧だった筈だが、あと一歩のところで、レジェンドが介入した事で計画を潰されてしまった。このままでは、シンゲツとイザヨイのどちらかが“ドゥームズクロック”を作り出すために命を落とすこと担ってしまうと…二人が焦りを見せた時、何処からか禍々しい声が聞こえてきた。
『貴様は奴等に復讐がしたいのか?』
「「ッ!?」」
二人がバッとその声がした方を振り替えると、そこには未知の存在が立っていた。
そしてその存在の姿を見た途端、シンゲツとイザヨイはこれまで感じたこともないような恐怖を感じて身を強張らせる。
「お前は……何者だ…?」
『私が何者かなど、今は知る必要の無いことだ。お前が答えるのは、あの仮面ライダー達を倒す力が欲しいかどうかだ』
シンゲツの問いかけにもまるで答える気がなく、一方的に話す異形の存在。
その態度に、ただでさえ不機嫌だったイザヨイは額を青筋を浮かべると、アメイジングセイレーンワンダーライドブックを手に取った。
「ふざけた態度取ってくれるじゃないのよ……!」
「変身ッ!」
ブックを装填して剣を引き抜き、イザヨイはファルシオンに変身すると、無銘剣を手にして切りかかった瞬間──彼女の胴体が、下半身と分離された。
「なっ……!?」
シンゲツはその光景に絶句する。
異形が何をしたのか、全く捉えることが出来なかった。なのに、いつの間にかファルシオンの体が切断されていた。
『喧しい蝿だ……さて、再び聞こう。お前は仮面ライダーを倒す事を望むのか?』
そう言って、その存在は何処からかあるものを取り出し、それを見たシンゲツは目を見開く。
「ッ!それは……」
『どうする?これを受けとるか……?』
謎の存在から与えられた選択肢にシンゲツはしばらくジッとその異形の姿を見つめ、決断した答えは……。
場所は変わり、レミアとミュウの自宅。
そこでは、リビング一面がキラキラと光輝いていた。
「ママ!クララお姉ちゃん!シアお姉ちゃん!ミレディお姉ちゃん!アメリお姉ちゃん!見て見て!ミュウとってもキラキラなの~!」
「あらあら、まぁまぁ。ミュウはお姫様みたいね」
「ミュウ凄くキレ~~♪」
きらびやかなドレスを身に纏い、派手派手なアクセサリーでゴージャスな出で立ちとなったミュウが、同じくゴージャスな服装になったレミアとクララの前でクルリとターンしながらその姿を見せびらかす。
そして、その直ぐそばでは、同じ様にゴージャスなドレスを身に纏うアメリ、シア、ミレディの姿があった。
「それで……鳳凰・カグヤ・クォーツといったか?我々をこのような格好にさせた理由は何だ?」
赤いドレスを身に纏うアメリが、ルナとバトラーを控えさせるカグヤに問いかける。
「お前達は中々にゴージャスだ。だが、まだまだゴージャスが足りない……だからこそ、お前達にゴージャスを身に纏わせた。ゴージャスな心はゴージャスな見た目から始まる」
「……すっごく“ゴージャス”を連呼しますね~」
返事一つの中でも五回も『ゴージャス』という単語が出てきたことに、青いドレスを身に纏うシアが苦笑しながらも、身に纏うドレスに耳をピコピコさせる。
「それにしても…カグヤ、君はなんでこの世界に?」
「…ハンドレッドが、カグヤ様の不在を狙って大量のカッシーンを送り込んできていてな。だが肝心の隊長格が誰もいないから調べてみて……奴等がこの世界に来ていたのを知ったのだ」
レジェンドの顔を模したようなアイテムを手にしながらそう語るカグヤ。その時、彼はこのメンバーの中の中心人物とも呼べるべき男がいないことに気付く。
「そう言えば、入間は何処へ行ったんだ?」
「あぁ、イルくん達は少し用事があるって……」
そう語るミレディの表情は、少し困ったようなものであった。
「お……おい…鈴木……何なんだよ、これ……」
青々とした美しい海が広がると、足元の断崖絶壁の光景を見て、檜山は顔を青くしながら呟いた。
ここはエリセンから離れた場所にある崖であり、入間達に引きずられてその前に立たされている檜山は、後ろでユエ、アスモデウス、ティオを連れている入間を見ると、入間はニッコリと笑みを浮かべながら指を鳴らした。
パチンッ!
その音と同時に、檜山の足元にゴムで出来た紐が出現して檜山の足をギュウギュウに巻き付くと、入間はその紐を近くにあった大岩に巻き付けて固定する。
「おっ、おいなにする気だよ!?俺の事、許してくれんだろ!?なぁっ!?」
「別に許すなんて一言も言ってないよ。それじゃあ、お待ちかね“地獄のファイヤーバンジージャンプ”を始めるよ!」
その言葉と同時に、スイカ程のサイズの炎が出現し、入間はそれを振りかぶり……
「まずは一発目!“ラファイア”ァッ!!」
「ぎゃあぁああーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!??」
入間が放った炎が檜山に直撃すると、後方へ吹き飛ばされて空中に投げ出されると、そのままギャグ漫画みたく「ヒュ~~」という効果音を出しながら落下していく。
「ぐべぇっ!?げぼぉっ!?ぐぎゃあぁっ!!?」
足に巻き付けられたゴム紐が、檜山を海に叩きつけること無くビヨンビヨンと跳ね、その度に檜山は崖の岩に頭や顔面を打ち付け、その度に悲鳴を上げる。
そんな檜山に、入間は何処からか取り出したメガホンを使い、未だに崖に頭を打ち付け続ける檜山に声を投げ掛けた。
「檜山くーーん!聞こえるーー?これはあの時僕を奈落の底に落としてくれたお礼として企画した、バンジージャンプだよーー!この後君が地上に戻ってきたら、僕が今のと同じ事をあと99回繰り返して、その後にアズくん、ユエ、ティオの順番で君に炎系魔法を当てて崖から落とすから、それで生き延びたら許して上げるよ~~!」
((一番えげつない方法で殺る気だった……))
「ご、ご主人様よ、絶対にあの男を生かす気がないのじゃ……それにしても……ハァハァ…あの仕打ちは中々魅力的じゃ……出来ることなら、あの男の受けている罰を妾がこの身で受けたいのじゃ~~♡」
笑顔でえげつないO★SHI★O★KIの内容を告げる入間に、ユエとアスモデウスは入間が一番殺る気満々だった事に気付いて苦笑する。尤も、檜山に対しては欠片も同情などしない。
その隣では、崖の下で未だに岩に頭をぶつけまくる檜山を見て、体をクネクネして、頬を紅潮させてハァハァしながら自分もやって欲しいと阿呆な事を宣う
やがて、ゴム紐の勢いが弱まり、血塗れのボロ雑巾のようになった檜山が引き上げられると、入間は再び“ラファイア”を発動させて炎球を作り出す。
「ヒ、ヒィィ…!!」
「さぁ、これで二発m……」
入間がその炎を檜山の顔面に叩きつけようと、右腕を振り上げた時──、
「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!??」
「「「「ッ!?」」」」
突如飛来した閃光が檜山を撃ち抜き、爆発を起こした。
檜山は断末魔にもにた悲鳴を上げなかまら崖下へと吹き飛ばされ、爆発の影響でゴム紐が焼き切れて、檜山は海の中へと姿を消す。
「今のは…!?」
入間達が呆然と焼き切られた紐を見つめていると、大地を踏みしめる音と共に、一人の男の声が聞こえてきた。
「見つけたぞ、ジオウ…!」
「ッ!シンゲツ…!?」
そこにいたのは、先程レジェンドが退けたハンドレッドのリーダーと思われる男……シンゲツだった。
シンゲツは、激しい憎悪を込められた切れ長な漆黒の瞳で入間達を睨み付けていた。
「ついさっき逃げたのに……何のようですか?」
「
明らかに入間を格下に見ているシンゲツに、ユエ達は殺気を込めた眼で入間の横に並び立ち、シンゲツに向けて口を開く。
「……良い度胸。そこまで言うのなら相手してあげる」
「我らのみならず、偉大なるイルマ様を愚弄するとはな……それだどれだけ愚かな決断なのか、思い知らせてやろう…ッ!」
「ふむ、その発言には流石の妾も聞き逃す事は出来ぬ……自信と慢心の違いを教えてやろう」
口々にそう言って、変身アイテムを取り出して変身の構えを取ろうとしたが──止められた。
シンゲツが取り出したのは、灰色と黒で彩られ、「21」という意匠が施された携帯端末に似たアイテムだった。
「それは…!?」
「これは、俺の新たな力だ……伝説も、魔王すらも越えるな……!」
そう言って、シンゲツはそのアイテム──“ケータッチ21”の画面に表示されたライダーズクレストを順に押していく。
「変身!!」
最後にFの文字をタッチしたシンゲツは、腰に装着していたダークディケイドライバーにケータッチ21を装着する事で、「KAMENRIDE」の文字と共にディケイドのクレストが発生して無数のカードが出現する。
シンゲツの姿がダークディケイドの姿に変わると同時に、カード群がダークディケイドの元へと集積し、0と1のエフェクトを浮かべながらダークディケイドは姿を変える。胸部中央の仮面ライダーバールクスを起点に全身のカードの絵柄が浮かび上がって変身完了となる。
まさにカードの塊とも呼べる姿をしており、胸部には19枚の平成ダークライダーのカードが備わり、頭頂部は縦に伸びて自身のカードの真上に仮面ライダーエデンのライダーカードが配置され、灰色のマントには七十枚ものダークライダーのカードが貼り付けられた姿。
「仮面ライダーダークディケイド・コンプリートフォーム21……俺が、お前達を破壊してやる…!」
そう言って、ダークディケイドは入間達に向かって走り出した。
激闘が、始まった。
次回予告
ダークディケイド「お前達に未来はない…ッ!」
ダークディケイドの驚異──
???「あの力があれば…!」
オーマジオウ「それが……お前の覇道か……」
ジオウ、覚醒!
ウォズ「これこそ、ネクストグランドジオウの真の姿だ!!」
レジェンダリーレジェンド「見せてやろう……俺達の伝説を越えた伝説による伝説を!!」
ネクストグランドジオウ「どうせなら…思いっきりアブノーマルに行くよ!!」
第62話「アポカリプス・レジェンド」
感想、評価お待ちしております。