悪魔の孫は時の王者となって世界最強   作:MTHR

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 久しぶりの早期投稿です。
 というか、メルジーネ海底遺跡だと殆んど原作通りに進むため、やりやすいという……。前半がオリジナル、後半が原作通りの内容ですが、どうぞ広い心でお楽しみください。

 サブタイトルの元ネタは、仮面ライダーガヴ第7話『仮面の下はどんな味』です。


63話 海底遺跡はどんな味

 異世界の侵略者“ハンドレッド”の刺客を鳳凰・カグヤ・クォーツと共に打ち倒した入間は、新たなインフィニットジオウへと進化した日から三日後。

 

 結局、レミア宅に世話になることになったバビル一行だったが、部屋割りで「夫婦なら一緒にしますか?」と宣うレミアとユエ達が無言の応酬を繰り広げたり、「パパとママと一緒に寝る~」というミュウの言葉に場がカオスと化したりしたが、一応の落ち着きを見せた。

 そして、妙に入間との距離が近いレミアに、海人族の男連中が嫉妬で目を血走らせたり、入間に突っかかってきたり、ご近所のおばちゃん達が入間とレミアの仲を盛り上げたり、それにユエ達が不機嫌になって入間へのアプローチが激しくなったり、入間に夜這いを仕掛けようとしてアメリにお説教されたりと、準備を万全にした入間は、遂に、【メルジーネ海底遺跡】の探索に乗り出した。

 

「それにしてもクララ、本当に僕達について行くの?」

「もっちろん!入間ち達と一緒なら、何処だって楽しいもん!!」

 

 トータスに転移し、レミアとミュウの家で居候させて貰っていたクララは、今日から正式にバビルのメンバーに加入することが決まり、入間達には個性的ながらも頼もしい仲間が加わった。

 

 しばしの別れに、物凄く寂しそうな表情をするミュウに盛大に後ろ髪惹かれる思いの入間だったが、何とか振り切り桟橋から召喚したデンライナーに乗り込もうとする。ミュウが手を振りながら「パパ、いってらっしゃい!」と気丈に叫ぶ。そして、やはり冗談なのか本気なのか分からない雰囲気で「いってらっしゃい、あ・な・た♡」と手を振るレミア。

 傍から見れば仕事に行く夫を見送る妻と娘そのままだ。背後のユエ達からも周囲の海人族からも鋭い視線が飛んでくる。迷宮から戻って来ることに少々躊躇いを覚える入間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【海上の町エリセン】から西北西に約300km。

 そこが、ミレディから聞いた七大迷宮の一つ【メルジーネ海底遺跡】の存在する場所だ。

 ミレディの話によると、メルジーネ海底遺跡に辿り着くには“月”と“グリューエン大火山の攻略の証”が必要らしいので、バビル一行は取り敢えず方角と距離だけを頼りに大海原を進んできたのだが、昼間のうちにポイントまで到着し、ミレディの教えに従い月が出る夜を待つことにした。

 今は、ちょうど日没の頃。地平線の彼方に真っ赤に燃える太陽が半分だけ顔を覗かせ、今日最後の輝きで世界を照らしている。空も海も赤とオレンジに染まり、太陽が海に反射して水平線の彼方へと輝く一本道を作り出していた。

 

「ミレディ曰く…大迷宮には順番があるらしいよ。僕とユエが最初に攻略したオルクスは、本来なら最後に攻略するための迷宮だったとか……」

「ふむ、ならばメルジーネ海底遺跡は、グリューエン大火山を攻略した後に挑戦するもので間違いはないようじゃな」

 

 水上に線路を作り停車するデンライナー。

 時を走る列車の先頭車両で、“デンバード”でデンライナーを操縦していた入間が、グリューエン大火山で手に入れたペンダントを手にしながら呟き、同じ車両に乗っていたティオは納得したように呟いた。

 

「して、ご主人様よ。妾をここに呼んだ理由はなんじゃ?」

 

 普段ならば是が非でも二人きりになろうとするユエ達は、入間に促されてデンライナーに備え付けられた浴場で体を休めている。デンライナーに備え付けられた風呂場は、一種のスーパー銭湯と言っても過言ではない程の設備を導入しており、全員ではいっても何の問題もないのだが、何故かティオだけは入間につれてこられ、操縦室に連れてこられたのだ。

 そんなティオの疑問に、デンバードから降りた入間は、真っ直ぐにティオを見つめながら答えた。

 

「ここでなら……二人きりになれるでしょ?」

 

 そう言うと、何を思ったのかティオは体をクネクネさせ、ハァハァしながら、期待するような眼差しを入間に向ける。

 

「ご、ご主人様……まさかこんな密室で……あぁんっ♡妾はまだ心の準備が出来ておらぬのじゃ~♡」

 

 阿呆な事を宣うティオ。

 だが入間は一切として表情を変えることなく、真っ直ぐに視線を向けたままティオに声をかけた。

 

「……そろそろ、本音を言ってくれてもいいんじゃない?」

 

 その言葉に、ティオは持病の発作を沈め、真面目な表情となって入間を見据えると、入間は言葉を並べる。

 

「君が勝手にデンライナーに乗り込んだ時、こう言ってたよね?『竜人族の役目を果たせる』『僕と別れる理由がない』って……でも、本当にそれだけ?」

 

 入間の言葉に、ティオは反論することもなく、静かに耳を傾ける。

 

「……僕の出会ってきた仮面ライダーは、殆んどが自分の信じる正義のために戦ってきた偉大な人達だった。でも、仮面ライダーの道はどう言い換えても“殺し合い”だ。だからこそ、僕は一緒に戦うのは、安心して背中を預けられる人だけなんだ」

「妾は……まだご主人様に背中を預けてもらえぬと言うことか?」

「アズくんとアメリさん、クララは語る必要もないくらいに信頼してるよ。ずっと一緒に戦ってきたんだから……安心して背中を預けられる」

 

 遠い目をしながら、懐かしむように呟く入間。

 そして、今度はこの世界…トータスで出会い、背中を預けられる仲間になったユエ達の事を語る。

 

「ユエは初めてであった頃、僕に自分の選択権を渡そうとしていた。軽く僕に依存してたからね。でも、自分の事は自分で決めるために僕は選択肢を出して…ユエは僕と一緒に行くって、自分で決めたんだ。誰が誘ったわけでも、強制された訳でもない……ユエ自身が決めたんだ」

 

「シアはあの通り残念な感じだけど、その反面あの一生懸命なところは僕も認めてる。大迷宮や怪人との戦いで泣き言は言ってたけど、『無理だ』とか『諦める』なんて言ったことは一度もない。そんなシアの姿には随分元気を貰ってるし、僕も彼女を信頼できた」

 

「ミレディは唯一僕から勧誘したからユエとシアとは少し違うけど、僕は彼女を尊敬できる人だって思ってる。バダンの手に神代魔法を渡さないようにするって言う打算もあったけど、顔も知らない人々のために千年以上…世界中から唾棄されようと世界を救う意思を曲げなかった。その覚悟を知ったから、僕も彼女を信頼できた」

 

 言い終えた入間は、フゥと息を吐くと、目付きを鋭くし、ティオを見据えた。

 

「それに比べると……ティオは少し言葉に真剣身がないように思うんだよね。勿論、君の普段の変態的な行動が本心だってのは知ってるし、君なりに真剣に僕達と仲間になろうとしてるんだけど………竜人族云々じゃなくて、君自身が僕達の仲間になりたがってる本当の理由を知らないと、僕達も背中を預けられないよ」

 

 入間は言外に、嘘や上部だけの言葉でこの質問を誤魔化すことは消して許さないというような表情でティオに問い掛ける。

 そして、その問いかけを聞いたティオはスッと目を閉じ、自身を見つめ直すように呟いた。

 

「かつて……竜人族は全種族の中で一番高潔で清廉と謳われ、このトータスの守護者と呼ばれてきた。あらゆる国を、あらゆる種族を受け入れ、平和を築いてきた……楽園を築くまで、数百年の時を有したと聞いておる……」

「……」

「じゃが……それはたったの数年で崩された」

 

 ティオは口元を扇子で隠す。

 

「妾の両親は、トータス史上最悪の大罪人とされていた解放者達について独自に調べている内に、エヒトの本性を突き止めつつあった。しかし、気付いた頃にはもう遅かった……」

 

 ティオと出会う前に何度か耳にした竜人族の噂。

 今でこそただのデタラメだと言うことが分かるが、当事者であるティオの話を聞けば、自然と見えてくるものがある。

 

「守るべき民に牙を向かれても尚、父上は決して反撃をしなかった。母上は殺されその亡骸を辱しめられても、父上は世界の人々を正気に戻すために滅びを受け入れた……」

 

 “竜人族は500年前に滅びた”という、歴史書の一文だけで纏められた言葉の裏にある現実。

 それを実際に体験したティオはどんな気持ちなのだろう。入間には、想像することしかできない。

 

「そんな時じゃ……ご主人様達がこの世界にやって来て、妾はご主人様の力を目にし……力を手に入れた。そしてこう思った──“使える”と」

「……」

「こうして振り返ってみると……成る程、妾自身、気づいていなかった復讐心があったようじゃのぉ……」

 

 自身の口元に扇子を当てながら、ティオは納得したように呟いた。

 心というものは理屈で制御出来るものではない。今は末期の変態でも、高潔な竜人族であっても、復讐心を抱かないようにすることは不可能だ。そして、入間の力を見て、そんな黒い感情を抱いてしまったことも……

 

「じゃが、勘違いしないでほしいのぉ。妾は誇り高き竜人──クラルス一族が末裔、ティオ・クラルスじゃ。復讐の牙など……心に強靭なるは竜の牙じゃ」

「……つまり?」

 

 入間が先を促すと、ティオは姿勢をただし、入間に向かい合う。

 

「ご主人様よ。今更じゃが、妾達竜人族の悲願はこの世界を弄ぶ神を打ち倒すことじゃ……バダンなる異世界からの害悪と結託した神を打ち倒すご主人様の旅仲間に、妾を加えてはくれぬか?」

「その過程で、守るべき種族を敵に回しても?」

「妾もご主人様達と共にフリートホーフの連中を殺しておるし、今更じゃしのぉ。かつて妾達を迫害したものも死んでおるし……ご主人様は、意味のない殺しはしないじゃろ?」

 

 ティオの言葉に入間は目を丸くするが、しばらく彼女を見つめたあと、ため息を吐きながらデンバードに腰かけた。

 

「なんか、意地悪な質問してごめんね」

「構わぬ。妾自身が気付いていなかったとは言え、妾はご主人様達を復讐のために利用しようとしたのじゃからな」

「うん、知ってたよ」

 

 しんっ、と空気が沈黙ししばらく入間と見つめ合うティオは、真剣な表情で聞いた。

 

「お仕置きは?」

「ないよ」

 

 その瞬間、ティオはガクッと膝を落とした。その表情は絶望に満ちており、今ならファントムも生み出せそうだ。

 

「というか、最初の時点で大方予想してたよ。勇者召喚の調査なのに僕に同行することを決めた辺りからね」

 

 ティオ自身から聞いた過去の迫害や、勇者である光輝ではなく、彼らよりも遥かに強大な力を持つ入間に着いてきた行動を統合すれば、自然とその考えを見抜くことが出来た。

 

「ならば、何故このような質問を……?」

「君が加入してそれなりに経つんだし、一度くらい君の欲の本質を聞きたかったんだよ。僕もユエ達も、ティオがどういう人なのか分かってるつもりだし、大切な仲間がやりたいと思うことは協力するのは当然でしょ?」

 

 ティオが入間達を見てきたように、入間もティオを見て知った。救いようのない変態であることも、その内に強い憎悪を宿していることも、仲間のためなら躊躇わずに盾になれる猛き心を持つことも。

 その言葉を聞いたティオは目を見開き、優しげな笑顔を浮かべる入間をジッと見ていたが、やがてブルブルと体を震わせたかと思うと、入間に向かって、ル○ンダイブの姿勢で飛び付いた。

 

「ご主人様よぉ!!妾も愛してるの…」

「「「「そうはさせるかぁっ!!」」」」

「じゃはぁああああああんっ!!!??」

 

 そのまま急降下しようとしたティオに向けて、扉の向こうから飛び出してきた四つの影が飛び蹴りを食らわせた。

 

「えっ、えぇっ!?」

 

 入間が軽く混乱していると、ビクンビクンと痙攣するティオから入間を守るように四人の影が降り立った。

 

「……入間、私が来たからにはもう大丈夫!この変態は跡形もなく潰して上げる!!」

「真面目な会話の時は空気を読みましたが……入間さんの貞操を狙う変態ドラゴンは月に変わってムッコロスですぅ!」

「ティオ!貴様はいい加減自重というものを覚えんか!今回ばかりは本気でお灸を据える必要がありそうだな!!」

「ミレディさんだって空気読んでたのに、欲望に忠実すぎだよ!そんな穢れた欲の下部は、さっさとおうちに帰りなさい!」

「み、皆お風呂に行ってたんじゃ……」

「おのれ、気配を感じなかったが偽造じゃったか……だがしかし!妾とご主人様の時間は何人たりとも邪魔はさせん!」

「ちょっ、待っ──」

 

ドッカァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!!!!

 

 次の瞬間、雷竜や豪腕に戦鎚と重力魔法とブレスにより、デンライナーの先頭車両は盛大な爆発を起こし、木っ端微塵に吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日は完全に水平線の向こう側へと消え、代わりに月が輝きを放ち始めた。

 黄金の屋根を持つ城から赤い翼と頭が生やしたドラゴン──【シュードラン】の頭の上に立った入間は、懐から【グリューエン大火山】攻略の証であるペンダントを取り出した。サークル内に女性がランタンを掲げている姿がデザインされており、ランタンの部分だけがくり抜かれていて、穴あきになっている。

 大破したデンライナーの代わりに召喚したシュードランに乗り込んだ入間は、ミレディから教えられた通りにペンダントを月にかざしてみた。ちょうどランタンの部分から月が顔を覗かせている。

 と、その時、ペンダントに変化が現れた。

 

「わぁ~!!ランタンに光が溜まってるよ!スゴいねアズアズ!!」

 

 クララの言葉通り、ペンダントのランタンは少しずつ月の光を吸収するように底の方から光を溜め始めていた。それに伴って、穴あき部分が光で塞がっていく。アスモデウスも、興味深そうにペンダントを覗き込む。

 

 やがて、ランタンに光を溜めきったペンダントは全体に光を帯びると、その直後、ランタンから一直線に光を放ち、海面のとある場所を指し示した。

 ペンダントのランタンが何時まで光を放出しているのか分からなかったので、入間とアスモデウスとクララの三人はシュードラン内部の“マスターハウス”に入り込み、導きに従って潜水艇を航行させた。

 

 夜の海は暗い。というよりも黒いと表現したほうがしっくりくるだろうか。海上は月明かりでまだ明るかったが、導きに従って潜行すれば、あっという間に闇の中だ。マスターハウスのフロントガラス越しに越しに指したペンダントの放つ光だけが闇を切り裂いている。

 ……そして、そのペンダントをかかげる入間の側では、デンライナーを爆破した事で入間からお仕置きを受け正座させられたユエ、アメリ、シア、ミレディと、亀甲縛りにされて興奮しているティオの姿があったのは余談である。

 

 ペンダントが指していた場所は、海底の岩壁地帯だった。無数の歪な岩壁が山脈のように連なっている。昼間にも探索した場所で、その時には何もなかったのだが……潜水艇が近寄りペンダントの光が海底の岩石の一点に当たると、ゴゴゴゴッ!と音を響かせて地震のような震動が発生し始めた。

 その音と震動は、岩壁が動き出したことが原因だ。岩壁の一部が真っ二つに裂け、扉のように左右に開き出したのである。その奥には冥界に誘うかのような暗い道が続いていた。

 

「成る程……だからこのペンダントが必要だったんだね」

 

 入間は潜水艇を操作して海底の割れ目へと侵入していく。ペンダントのランタンはまだ半分ほど光を溜めた状態だが、既に光の放出を止めており、入間はグランドジオウウォッチから【仮面ライダーフォーゼ】と【仮面ライダービルド・オクトパスライトフォーム】を召喚し、“フラッシュモジュール”と“シェードブレイカー”の光で前方をた照らしている。

 

「う~む、海底遺跡と聞いた時から思っておったのだが、この“しゅーどらん”?がいなければ、まず平凡な輩では迷宮に入ることも出来なさそうじゃな」

「あぁ、魔法で風を纏い空気を確保する……等と言う手段では確実にもたんだろうな」

「……強力な結界が使えないとダメ」

「他にも光や水流操作も最低限同時に使えないとダメだね」

「でも、ここにくるのに【グリューエン大火山】攻略が必須ですから、大迷宮を攻略している時点で普通じゃないですよね」

「元々、ここは空間魔法を会得した人が来ることを前提としてるからね」

「?……スゴいんだね!!」

「お前はそれだけ分かれば上出来だ」

 

 道なりに深く潜行しながら、入間達は潜水艇がいない場合の攻略方法について考察してみた。確かに、ファンタジックな入口に感動はしたのだが、普通に考えれば、超一流レベルの魔法の使い手が幾人もいなければ、侵入すら出来ないという時点で、他の大迷宮と同じく厄介なことこの上ない。

 バビル一行は気を引き締め直し、フロント水晶越しに見える海底の様子に更に注意を払った、

 と、その時、

 

ゴォウン!!

 

「うわぁっ!?」

「んっ!」

「くっ!?」

「わわっ!」

「ひゃわっ!」

「ぬおっ!?」

「何じゃっ!?」

「アッハハハハ!何これ、アトラクション!?」

 

 突如、横殴りの衝撃が船体を襲い、一気に一定方向へ流され始めるが、シュードランは翼を羽ばたかせて海中を泳ぎ、船体を安定させる。

 

「皆、大丈夫?」

「あぁ、問題ない……」

「よかった。もう正座はやめていいよ。そろそろ本格的に大迷宮に入る頃だろうからね」

 

 入間はフロント水晶から外の様子を観察する。緑光石の明かりが洞窟内の暗闇を払拭し、その全体像を露にしている。見た感じ、どうやら巨大な円形状の洞窟内を流れる奔流に捕まっているようだ。

 

 シュードランは流されるまま進む。しばらくそうしていると、マスターハウスに備えられたアラームが鳴り響く。

 

「なんか近づいてきてる……まぁ、魔物だろうね」

「……殺る?」

 

 入間がそう呟くと、隣の座席に座るユエが手に魔力に集めながら可愛い顔でギャングのような事をさらりと口にする。

 

「いや、ここはシュードランに任せよう、シュードラン、出番だよ!!」

『キュワァアァアアアアアアアンッ!!』

 

 入間の指示を聞き雄叫びを上げたシュードランは、体に備え付けられた爆弾ポットを放って、赤黒い魔力を纏って追いかけてくる魔物──トビウオのような姿をした無数の魚型の魔物達を捉えた。

 

 

ドォゴォオオオオ!!!!

 

 盛大に爆発が発生し、大量の気泡がトビウオ擬きの群れを包み込む。そして衝撃で体を引きちぎられバラバラにされたトビウオ擬きの残骸が、赤い血肉と共に泡の中から飛び出し、文字通り海の藻屑となって激流に流されていった。

 

「海中戦に使うのは始めてだったけど、久しぶりに出番が来たから随分張り切ってるね」

「うわぁ~、入間さん。今、画面の端を死んだ魚の様な目をした物が流れて行きましたよ」

「シアよ、それは紛う事無き死んだ魚じゃ」

「改めて思ったけど、イルくんの仮面ライダーの武装って反則だよね」

 

 それから度々トビウオ擬きに遭遇するバビル一行達だったが、容易く蹴散らし先へ進む。

 

 どれくらいそうやって進んだのか。

 

 代わり映えのない景色に違和感を覚え始めた頃、入間達は周囲の壁がやたら破壊された場所に出くわした。よく見れば、岩壁の隙間にトビウオモドキのちぎれた頭部が挟まっており、虚ろな目を海中に向けている。

 

「あっ、入間さん。あそこにもありましよ!」

「これで、五ヶ所目……」

 

 洞窟の数ヶ所に、五十センチくらいの大きさのメルジーネの紋章が刻まれている場所を発見した。メルジーネの紋章は五芒星の頂点のひとつから中央に向かって線が伸びており、その中央に三日月のような文様があるというものだ。それが、円環状の洞窟の五ヶ所にあるのである。

 入間達は最初に発見した紋章に近付いた。

 

「まぁ、五芒星の紋章に五ヶ所の目印、それと光を残したペンダントとくれば……」

 

 そう呟きながら、入間は首から下げたペンダントを取り出し、フロント水晶越しにかざしてみた。すると、案の定ペンダントが反応し、ランタンから光が一直線に伸びる。そして、その光が紋章に当たると、紋章が一気に輝きだした。

 

「これは、魔法でこの場に来る人達は大変じゃろう……直ぐに気が付けないと魔力が持たんぞ」

 

 ティオの言う通り、このようなRPG風の仕掛けを魔法で何とか生命維持している者達にさせるのは相当酷だろう。【グリューエン大火山】とは別の意味で限界ギリギリを狙っているのかもしれない。

 その後、更に三ヶ所の紋章にランタンの光を注ぎ、最後の紋章の場所にやって来た。ランタンに溜まっていた光も、放出するごとに少なくなっていき、ちょうど後一回分くらいの量となっている。

 

 入間がペンダントをかざし最後の紋章に光を注ぐと、遂に、円環の洞窟から先に進む道が開かれた。ゴゴゴゴッ!と轟音を響かせて、洞窟の壁が縦真っ二つに別れる。

 特に何事もなく奥へ進むと、真下へと通じる水路があった。シュードランはゆっくりと水路を進む。すると、突然、シュードランが浮遊感に包まれ一気に落下した。

 

「おっと」

「んっ」

「むっ」

「ひゃっ!?」

「ふわっ」

「おおっ」

「ぬおっ」

「いやっほーー!!」

 

 それぞれ悲鳴と歓声を上げる。

 入間は特に慌てるでも無く、シュードランに翼を羽ばたかせるように指示を出すと落下速度を徐々に落としていく。直後、ズゥゥゥゥン……と小さくも重い音を響かせながらシュードランが硬い地面に着陸する。

 

 フロント水晶から外を見ると、先程までと異なり、外は海中ではなく空洞になっているようだった。取り敢えず、周囲に魔物の気配があるわけでもなかったので、バビル一行は船外に出る。

 潜水艇の外は大きな半球状の空間だった。頭上を見上げれば大きな穴があり、どういう原理なのか水面がたゆたっている。水滴一つ落ちることなくユラユラと波打っており、シュードランはそこから落ちてきたようだ。

 

「ここからが本番だよ。まさか、ミレディさんが迷宮を攻略する側になるなんて予想だにしてなかったけどねぇ~」

「海底遺跡っていうより洞窟だね」

「……全部水中でなくて良かった」

 

 入間はシュードランを光に変えて“キバライドウォッチ”に戻しながら、洞窟の奥に見える通路に進もうとユエ達を促す……寸前でユエに呼びかけた。

 

「ユエ」

「ん」

 

 それだけで、ユエは即座に障壁を展開した。

 刹那、頭上からレーザーの如き水流が流星さながらに襲いかかる。

 しかし、ユエの障壁は例え即行で張られたものであっても強固極まりないものだ。それを証明するように、天より降り注ぐ暴威をあっさり防ぎ切った。入間が魔力の高まりと殺意をいち早く察知し阿吽の呼吸でユエが応えたために、奇襲は奇襲となり得なかったのである。当然、入間が呼びかけた瞬間に、攻撃を察していたシア達にも動揺はない。

 

 

HEAT MAXIMUM DRIVE!

 

 

 同時に、“スカルマグナム”にヒートメモリを装填した入間と、魔術を行使したアスモデウスと魔法を行使したティオが天井を焼き払う。それに伴って、ボロボロと攻撃を放っていた原因が落ちてきた。

 それは、一見するとフジツボの様な魔物だった。天井全体にびっしりと張り付いており、その穴の空いた部分から水系中級魔法“破断”を放っていた様だ。中々に生理的嫌悪感を抱く光景である。

 水中生物であるせいかやはり火系には弱いようで、入間のスカルマグナムによる炎弾とアスモデウスの“極上の業火(ラゾーロ・フレイム)”とティオの“螺炎”により直ぐに焼き尽くされると、バビル一行は奥の通路へと歩みを進める。通路は先程の部屋よりも低くなっており、足元には膝くらいまで海水で満たされていた。

 

「……むぅ」

 

 ユエが可愛らしい唸り声を上げた。視線を向ければ、身長の低いユエは腰元まで浸かっており相当歩き辛そうだ。

 それを見た入間はひょいっとユエを抱き上げると、お尻の部分に腕を回して持ち上げた。所謂、片手抱っこである。

 

「い、入間。いきなりこれは恥ずかしい……」

「このまま進めばより深くなるだろうからね。それに、ユエは軽いから」

「……そうだけど」

 

 海水を掻き分けながら進む入間がそう言うと、ユエは嬉しそうに頬を緩め、入間の首もとに腕を回した。

 羨ましそうな眼差しを送るアメリ達だったが、魔物の襲撃により、集中を余儀なくされる。

 

 現れた魔物は、まるで手裏剣だった。高速回転しながら直線的に、あるいは曲線を描いて高速で飛んでくる。入間はジュウモードにしたジカンギレードを構え、躊躇わず一斉発射し空中で全て撃墜した。体を砕けさせて、プカーと水面に浮かんだのはヒトデっぽい何かだった。

 更に、足元の水中を海蛇のような魔物が高速で泳いでくるのを感知し、ユエが氷の槍で串刺しにする。

 

「……弱すぎない?」

 

 入間の呟きにミレディとクララ以外の全員が頷いた。

 大迷宮の敵というのは、基本的に単体で強力、複数で厄介、単体で強力かつ厄介というのがセオリーだ。だが、ヒトデにしても海蛇にしても、海底火山から噴出された時に襲ってきた海の魔物と大して変わらないか、あるいは、弱いくらいである。とても、大迷宮の魔物とは思えなかった。

 

「そりゃそうだもん。コンセプトが違うし」

「コンセプト……確かに、今まで攻略してきた迷宮は戦闘の技能を鍛えるものばっかりだったし、精神面を鍛えるための迷宮は必要だよね」

「成る程。いかに力が強くても、心が弱ければ得た力も腐らせるだけ。ご主人様達の話から聞いた天之河光輝が良い見本じゃな」

 

 ミレディの呟きから、この大迷宮の成り立ちを推測する入間。

 迷宮創設者の一人であるミレディだが、基本的に彼女は大迷宮の居場所以外で多くを教えることはない。最初から内容が分かっているのでは過酷な試練を課した意味がない。入間達はそれを分かっているので、迷宮内でミレディに何かを尋ねることはなかった。

 

「っ……何だ?」

 

 バビル一行が通路の先にある大きな空間に入った途端、半透明でゼリー状の何かが通路へ続く入口を一瞬で塞いだのだ。

 

「私がやります!うりゃあ!!」

 

 咄嗟に、最後尾にいたシアはその壁を壊そうとガシャコンブレイカーⅡを振るった、が、表面が飛び散っただけで、ゼリー状の壁自体は壊れなかった。そして、その飛沫がシアの胸元に付着する。

 

「ひゃわ!何ですか、これ!」

 

 シアが困惑と驚愕の混じった声を張り上げたことで入間達が視線を向ければ、シアの胸元の衣服が溶け出している。衣服と下着に包まれたシアの豊満な双丘がドンドンさらけ出されていく。

 

「シア、動くでない!」

 

 咄嗟にティオが絶妙な火加減でゼリー状の飛沫だけを焼き尽くした。少し皮膚にもついてしまったようでシアの胸元が赤く腫れている。どうやら、出入り口を塞いだゼリーは強力な溶解作用があるようだ。

 

「っ!また来るぞ!」

 

 警戒して、ゼリーの壁から離れた直後、今度は頭上から、無数の触手が襲いかかった。先端が槍のように鋭く尖っているが、見た目は出入り口を塞いだゼリーと同じである。だとすれば、同じように強力な溶解作用があるかもしれないと、再び、ユエが障壁を張り、アスモデウスとティオが炎を繰り出して、触手を焼き払いにかかった。

 

 鉄壁の防御と、その防御に守られながら一方的に攻撃。それを余裕と見たのか、シアが入間の傍にそろりそろりと近寄り、露になった胸の谷間を殊更強調して、実にあざとい感じで頬を染めながら上目遣いでおねだりを始めた。

 

「あのぉ、入間さん。火傷しちゃったので、お薬塗ってもらえませんかぁ」

「……シア、状況わかってるの?」

「いや、ユエさんとアスモデウスさんティオさんが無双してるので大丈夫かと……こういう細かなところでアピールしないと影が薄くなりそうですし……」

 

 シアが胸のちょうど谷間あたりに出来た火傷の幾つかを入間に見せつけながら、そんなことをのたまった。

 

「ハウリア、貴様はもう少し自重することを覚えろ。クララ、神水を出せ」

「ほいきた!!」

 

 クララが出した神水を受け取ったアスモデウスが、そのままシアの谷間に神水を掛けて火傷を治療した。「あぁ~、お胸を触ってもらうチャンスがぁ!」と嘆くシアに、全員が冷たい視線を送る。

 

「む?……入間、このゼリー、魔法も溶かすみたい」

 

 嘆くシアに冷たい視線を送っていると、ユエから声がかかる。見れば、ユエの張った障壁がジワジワと溶かされているのがわかった。

 

「ふむ、やはりか。先程から妙に炎が勢いを失うと思っておったのじゃ。どうやら、炎に込められた魔力すらも溶かしているらしいの」

 

 ティオの言葉が正しければ、このゼリーは魔力そのものを溶かすことも出来るらしい。中々に強力で厄介な能力だ。

 そんな入間の内心が聞こえたわけではないだろうが、遂に、ゼリーを操っているであろう魔物が姿を現した。

 

 天井の僅かな亀裂から染み出すように現れたそれは、空中に留まり形を形成していく。半透明で人型、ただし手足はヒレのようで、全身に極小の赤いキラキラした斑点を持ち、頭部には触覚のようなものが二本生えている。まるで、宙を泳ぐようにヒレの手足をゆらりゆらりと動かすその姿は、クリオネのようだ。もっとも、全長10mのクリオネはただの化け物だが。

 その巨大クリオネは何の予備動作も無く全身から触手を飛び出させ、同時に頭部からシャワーの様にゼリーの飛沫を飛び散らせた。

 

「防御はまっかせてよ! "聖絶"!」

 

 ミレディはユエをも越える速度で“聖絶”を発動する。それにコクリと頷いたユエとアスモデウスとティオは一緒に巨大クリオネに向けて火炎を繰り出した。アメリはそれに続くように“4コマ忍法刀”を取り出して炎を斬撃を放ち、シアも新たに取り出したガシャコンキースラッシャーをガンモードに切り替え、クララは“ヒーハックガン”を装備し、各々エネルギー弾や炎の射撃を撃ち放つ。

 

 全ての攻撃は巨大クリオネに直撃し、その体を消滅させ、或いは爆発四散させる。「いっちょ上がり!」とばかりに満足気な表情をするユエ達だったが、“カメラモジュール”を左腕に装備した入間が警告の声を上げる。

 

「気を抜かないで!反応は消えてない!」

 

 左腕に装備した超高性能カメラは、部屋全体に魔物の反応を捉えていた。まるで部屋そのものが魔物であるかの様だった。この世界では未だ嘗て遭遇した事の無い事態に、自然に入間の目は険しくなる。

 するとその予感は当たっていた様で、四散した筈のクリオネが十分の一サイズではあるが瞬く間に再生した。しかも、よく見ればその腹の中に先程まで散発的に倒していた海星擬きや海蛇がおり、ジュワー……と音を立てながら溶かされていた。

 

「ふむ、どうやら弱いと思っておった魔物は本当にただの魔物で、こやつの食料だったみたいじゃな……ご主人様よ。無限に再生されてはかなわん。魔石はどこじゃ?」

「そういえば、透明の癖に魔石が見当たりませんね?」

 

 ティオの推測に頷きつつ、シアが入間を見るが、カメラモジュールを構えた入間は巨大クリオネを凝視し魔石の場所を探しつつも困惑したような表情をしている。

 

「……入間?」

 

 ユエが呼びかけると、入間は頭をガリガリと掻きながら見たままを報告した。

 

「……ない。あいつには、魔石がない」

 

 その言葉に全員が目を丸くする。

 

「ゼリー状の体、その全てが魔石なんだ。カメラモジュールには、あいつの体全てが赤黒い色一色に染まって映ってる。あと、部屋全体も同じ色だから注意して。あるいは、ここは既に奴の腹の中だ!」

「い、入間さん?魔石がないって……ミレディさん、この大迷宮って精神を鍛えるものじゃないんですか!?」

 

 今までの相手とはいろんな意味でレベルが違う相手に、シアは試練だと分かっていてもミレディに声を飛ばさずにはいられなかったが、ミレディから返ってきたのは予想だにしてなかった言葉であった。

 

「し、知らないよ!こんなクリオネの魔物!!」

「「「「「えぇっ!?」」」」」

「だってそうじゃん!本当のおたのし……試練はここからなのに、序の口でこんなの出したらメルジーネ海底遺跡のコンセプトから大きく外れちゃうよ!」

「だったら何なのだ、この魔物は!?」

「……多分、永らく放置されてた大迷宮に住み着いた野生の魔物かもしれない。この力を見ると、相当厄介な生体してるね」

 

 入間が自身の推測を話すと同時に、再び巨大クリオネが攻撃を開始した。今度は、触手とゼリーの豪雨だけでなく、足元の海水を伝って魚雷のように体の一部も飛ばしてきている。

 

 

HEAT MAXIMUM DRIVE!

 

 

FIRE!フレイミングブラスト!

 

 

 入間はトリガーマグナムにヒートメモリ、“エイムズショットライザー”に“フレミングタイガープログライズキー”を装填し、極炎を放つ。狙うのは巨大クリオネでも、触手や飛沫でもない。周囲の赤黒い反応を示す〝壁〟だ。本体への対応はユエ達に任せる。

 巨大クリオネには擬態能力まであるのか、何の変哲もないと思っていた壁が、入間の火炎放射によって壁紙が剥がれるようにボロボロと燃え尽きていく。どうやら、壁そのものが巨大クリオネというわけではないようで、少しホッとする。

 

 しかし、半透明のゼリーは、燃やしても燃やしても壁の隙間や割れ目から際限なく出現し、遂には足元からも湧き出した。靴底がジューと焼けるような音を立てる。

 

 ユエ達による本体への攻撃も激しさを増し、巨大クリオネもいよいよ本気になってきたのか、壁全体から凄まじい勢いで湧き出してきた。しかも、いつの間にか水位まで上がってきており、最初は膝辺りまでだったのが、今や腰辺りまで増水してきている。ユエに至っては、既に胸元付近まで水に浸かっていた。

 ユエ達は何度も巨大クリオネを倒しているのだが、直ぐにゼリーが集まり、終わりが見えない。

 

 戦闘力を削がれる水中に没するのは非常にまずい。なにせ、巨大クリオネには籠城が通用しないのだ。魔法で障壁を張ろうとも、シュードランやデンライナーを出して中に入ろうとも、殲滅方法がなくてはいずれ溶かされてしまう。【ブラックホールフォームアーマー】ならば殲滅も可能であるかもしれないが、あのウォッチは周囲への被害を度外視したものである。万が一にも海底遺跡そのものを破壊してしまえば笑い事ではすまない。

 故に、ここは一度離脱するべきだと入間は決断した。しかし、全ての出入口はゼリーで埋まっている。入間は、必死に周囲を見渡す。そして、地面にある亀裂から渦巻きが発生しているのを発見した。

 

「一度、態勢を立て直そう。地面の下に空間があるけど、どこに繋がってるかわからない。覚悟を決めてね!」

「んっ」

「勿論だ」

「はいですぅ」

「分かりました」

「承知じゃ」

「わかったよ!」

「オッケー!」

 

 全員の返事を受け取り、入間は炎を放ち続けるトリガーマグナムとエイムズショットライザーを振り回して襲い来るゼリーを焼き払いながら、渦巻く亀裂に向かって“変化”を行った。亀裂を押し広げ、ドンドン深く穴を開けていく。

 

「後はこれだね」

 

 

SHOOT VENT

 

 

 二丁の銃を消失させた入間は“マグナバイザー”にアドベントカードを装填し、“ギガランチャー”を装備。銃口を地面の水に浸からせるとそのまま強力なエネルギー弾を放った。

 

ドォゴオオオオン!!!

 

 水中にくぐもった轟音が振動と共に伝播する。

 次の瞬間、貫通した縦穴へ途轍もない勢いで水が流れ込んでいった。腰元まで上がってきていた海水が、いきなり勢いよく流れ始めたので、ユエ達も足をさらわれて穴へと流されて来る。

 

 

アルティメットマッチでーす!

アルティメットマッチブレイク!

 

 

 入間は激流の中、水中で必死に踏ん張りながら“フルボトルバスター”にドラゴン、フェニックス、忍者、タカのフルボトルを装填し、炎を纏った青いエネルギー砲撃を巨大クリオネに向けて放つと、ユエ達と共に地下の空間へと流されていった。

 背後で、くぐもった爆音が響く。巨大クリオネの追撃に対し、少しでも時間が稼げたのか確かめることは出来なかった。

 

 

 

 

 




・スキ魔

ティオ「ご主人様よ。お主、本当に妾の復讐心に気づいておったのか?」

入間「うん。っていうか、本当にお尻パイルの理由だけで僕に着いて来たって言うのならドン引きだし。こんな変態でもちゃんとした考えはあるんだなって、正直安心してる」

ティオ「……ご主人様を利用する意図は全くなかった!ケツパイルの理由だけで今まで一緒にいた!!」

入間「何で自分から汚れに行くのさ」

ティオ「冷静にツッコまないでおくれ~!後生じゃから『君程度のメス豚が主人を利用するなんて……自分がどれ程愚かな考えをしていたのかを身体で解らせてあげるよ』と罵りながら妾を足蹴にし、“エビルウィップ”なる魅力的な鞭を使い妾のお尻をぶっ叩いてて欲しいのじゃ~!!」

入間「何で一度も使ったことがないエビルウィップを知ってるのさ……っていうか、君は一度仮面ライダーライアに謝った方がいい(……やっぱり、摘まみ出すべきだったかも)」

ー完ー




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