第一志望の入社試験が間近でその為の勉強がかなり忙しくて、執筆が遅れました。息抜き程度に書いているとペースが大幅に遅れてしまいます。
今回は、少しオリジナルになっています。独自解釈やご都合設定も色々ありますが、どうかこれからも海より広い心で楽しんでいただけると幸いです。
それでは皆様、Merry Christmas!!
メルジーネ海底遺跡を攻略し、紆余曲折を経て恋人同士となった入間とユエ。
告白と同時に“熱い夜”を過ごした入間とユエは、朝日が登りバビルの面々が目を覚ましたあと、シア達が朝食を作り始める前に、二人は自分達の関係を仲間達に明かした。
その結果は、予想通りと言うか……実に騒がしいものだった。
「で?どうだったんじゃ?ご主人様と過ごした夜はどうだったんじゃ?ほれほれ、ちょっと妾に言うてみよ。ユエちゃんの嬉し恥ずかしの体験談を語ってみよ。ほれどうし──へぶぅっ!?」
ユエをからかおうとしたティオを、入間は軽くぶん殴る。ピクピクと痙攣しながら恍惚の表情を浮かべるティオを無いものとして扱いながら、一同はユエと入間のもとに集まっていく。
「ふぇええええんっ!ユエさぁ~ん!おめでとうございますぅ~!!」
「むぅ……私が一番でないことには不満だが……兎に角、おめでとう」
「な、なんと…!?おめでとうございます!!イルマ様!!このアスモデウス・アリス……感動で泪が止まりませんっ!!」
「イルマち!ユエユエ!おめでとう!帰ったらパァッとパーティーしたげるぞ〜!!」
何故かシアとアスモデウスが我が事のように涙を流し、アメリはやや複雑そうに、クララはハイテンションでクラッカーをならしており、入間は恥ずかしそうに頬を掻き、ユエはフフンと何処か得意気な表情だ。
「よーし!アメちゃん!シアちゃん!ティオちゃん!ユエちゃんがゴールしたなら次はミレディさん達の番だね!」
「番と言うな番と!……まぁ、悪くはないが」
「はいですぅ!必ず、私達も入間さんの特別になって見せますよぉ!!」
「うむ、そうじゃな。御主人様の方から積極的に責めてもらえる日を夢見て頑張るのじゃ」
入間がハーレムを作ることを前提で話しているミレディ達に、アスモデウスは何とも微妙な表情をしている中、入間はプイッとそっぽを向きながら、小さく呟いた。
「……あんまり、誘惑しないでよ」
「「「「ッ!!」」」」
途端、アメリ達がハッとしたように入間を見た。
「まったく、あの連中は懲りないものだな……」
「アッハハハ!アズアズ、姑みたい!」
「誰が姑だ!!」
「そう言うとこだよー。……ねぇ」
「何だ?」
「アズアズってさ……イルマちとユエユエみたいな関係の子っているの?」
「はぁ?そんな者、いる訳が無いだろう」
「……そっかぁ……」
外野でそんな会話をする二人に、入間とユエのもとに集まっていた面々は、ユエと入間を交えてヒソヒソと話し始める。
「……入間、もしかしてクララって……」
「うん……多分だけどそうなんだと思うよ」
「魔界にいた頃はイルマが中心になって三人でいることが多かったが、意外と二人で過ごしている機械もあったと聞くぞ」
「はぇ~~。クララさんってああいうのが好みだったんですね~。意外でしたよぉ」
「ふむ。しかしアスモデウス殿は少し熱くなりすぎることがあるが、悪い男ではないしのぅ……あぁ見えてクララとも相性が良いようじゃし、良いのではないか?」
「そうだね。いや~~、みんな青春してるねぇ!」
「……?何を話しておられるのですか、イルマ様?」
「「「「「「いいえ、何も!!」」」」」」
アスモデウスが訝しげに声をかけてくると、入間達は揃って声を上げる。
そんな騒がしい声を響かせながら、デンライナーはエリセンへと向かっていくのだった。
『タァアアアアアアアアアアアア!!!!!』
『アァアアアアアアアアアアアッ!!!???』
……こんな筈じゃなかった…!
『決めるぞ!■■■■!!』
『はい!!』
『イェアアアアアッ!!!』
『ぐあああああ!!??』
『ダァアアアアアッ!!!』
『ガッ!?うぅあああああっ!!!???』
『『ハァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!』』
『あぁああああああああああああああああああぁああああああああああああああああああぁああああああああああああああああああぁあああああああああああああああああああああああああああぁああああああああッ!!!!!?????』
どうして……私だけがこんな目に……!?
──……決めた。■■■■■■■、君には今日限りで幹部の座を降りてもらうわ。そんで、これからは■■君とコンビになって行動してもらうで
こんなの嘘だ……現実じゃない……!?
『はぁあああああっ!!!!!』
『ぐっ!?がぁっ……うぁああぁああああああああああああああああああぁああああああああああああああああああぁああああああああああああああああああぁあああああああああああああああああああああああああああぁあああああああああああああああぁああああああああああああッ!!!!!?????』
『ぎゃあぁああああああああああああああああああぁああああああああああああああああああぁああああああああああああああああああぁあああああああああああああああああああああああああああぁあああああああああああああああああああああああああぁああああああああああああッ!!!!!?????』
……許せない…!
──簡単な任務も碌に遂行できないような役立たずの人形を処分するようにって、『あの御方』から命令されてきたのよ
……このままじゃ、終わらない……!!
──今すぐ消えなさい…【アリシア】の代わりとして造られた、哀れで可哀想なお人形さん……!!!
「───ッッッ!!!」
目が覚めた瞬間、その人物はガバッと勢いよく起き上がった。
辺りを見渡せば、そこは自分が夜営をしていた場所だ。夜風が吹く度に、身が凍えるような寒さが襲ってくる。どうやら寝ている間に相当な汗をかいていたようだ。背中どころか前も汗でびっしょりだ。
「ハァ…ハァ……今の、夢…?」
混乱した頭を支え、金髪の美女は顔を歪める。
史上最悪とも言える悪夢だ。内容は全て自分が実際に体験した屈辱的な記憶だが、そのせいでこれまで考えないようにしてきた全ての忌々しい記憶が鮮明に思い出してしまったのだ。
「ッ!こんな最悪な悪夢を見るのも、私がこんな目に遭い続けるのも全部…アイツのせいだ……!!ただのクズの癖に、何もかも知ったような口で偉そうに私に説教して…アイツさえいなければ、私は居場所を失うことも……ここまで落魄れることもなかったんだ……!!!」
そして、美女は呪詛を呟きながら、その瞳に復讐の炎を燃え上がらせる。
「待っていろ…鈴木入間……!お前の大切なものを、この私が全部ぶち壊してやる……!!」
金髪の美女は、回収したダークディケイドライバーを握り締めながら、ユエと同じ金髪を揺らし、紅い目を光らせ、決意を口にした。
海崖の下。
海から打ち付ける波が岩場を海水で濡らしているこの場所で、一人の仮面の戦士が現れた。
『へぇ……とっくに死んだと思っていたが、案外しぶといじゃないの』
天球儀や星座早見盤など宇宙に関連する器具がモチーフとして全身にあしらわれ、コブラを模した紅い複眼の戦士──仮面ライダーエボル・コブラフォームは、海岸の岩場に立ち、自身の目の前で倒れている人物を見下ろした。
『オルクス大迷宮で死んだと思っていたが……まさか生きていたとはなぁ、檜山大介』
「あ……あぎ……」
エボルの複眼の先に倒れているのは、入間によって地獄のバンジージャンプの後にシンゲツの乱入によって海岸から墜落した檜山大介だった。てっきり死んだと思っていたが、生きていたようだ。
しかし、今の檜山は見るからに重傷で、両手足はあり得ない方向にねじ曲がり、あり得ない程の量の血を流しており、このままいけば出欠多量で御陀仏なのは診察をするまでもなかった。
エボルはそんな檜山を、まるでどうでもいいもののように大して関心を向けることなく、その手に一つのアナザーウォッチを取り出した。
『ミッドチルダ……中々面白い世界を見つけたもんだ……王都侵攻のその後の事を考えて、混乱の種を巻いておく…かっ!!』
「ぐがっ!?」
エボルはそのアナザーウォッチを、檜山の体に埋め込んだ。その瞬間、檜山の体が禍々しい光を放つと同時に、体の各部からベキッ!ボキッ!グチュッ!と、決して人体から鳴ってはいけない音が上がる。
「ぎゃあ"あ"あ"あ"あ"あ"ッ!!!や、やめ…だじげ…ぎぃいいいいいいいいいいっ!!!!!!」
『おっと。やっぱり試作段階のアナザーウォッチじゃあ、安定しないライダーの力に肉体が耐えきれねぇか。倒されりゃあ、間違いなく死ぬだろうな……』
目からだけでなく、鼻や口、更には耳から血を流し、体を蝕む痛みに耐えきれずに喚き散らす檜山の悲鳴を鬱陶しそうに聞いていたエボルは溜め息と共に空を見上げる。
『さて、俺はこの間、もうちょいあの世界を調べてみるかねぇ……』
そう言って、エボルが赤い残像を残してその場から消えるのと、檜山の姿がおぞましい化物へと変貌したのはほぼ同時だった。
痛々しい皮膚をボロボロの包帯を巻いて隠したような体に、濁った色の水色のバッタがその包帯に巻き込まれて拘束されているような姿。
胸部は機関車の火室が張り付いたような外見で、両肩にまでボイラーのようなものが伸びている。
『ずぅずぅぎぃいいいいいいいいいいッ!!!』
その異形は天に向かって、己が一番憎むべき男の名を叫んだ。
バビル一行が【メルジーネ海底遺跡】を攻略し、デンライナーに乗ってエリセンまで帰り、再び、町に話題を提供してから六日が経っていた。帰還した日から、イルマ達はレミアとミュウの家に世話になっている。
エリセンという町は木で編まれた巨大な人工の浮島だ。広大な海そのものが無限の土地となっているので、町中は、通りにしろ建築物にしろ基本的にゆとりのある作りになっている。レミアとミュウの家も二人暮らしの家にしては十分以上の大きさがあり、入間達8人が寝泊りしても何の不自由も感じない程度には快適な生活空間だった。
そこでバビル一行は、手に入れた神代魔法の習熟と装備品の充実に時間をあてていた。エリセンは海鮮系料理が充実しており、波風も心地よく、中々に居心地のいい場所だったので半分はバカンス気分ではあったが。
「パパ!はやくするの!ママのご飯が待ってるの!」
「そうだね。はやく食べようか」
2階の寝室で眠っていた入間を起こしてきたミュウは、入間の手を引きながら階段を降りていき、入間の背後では、ユエ達も階段を降りていく。
食卓にたどり着くと、テーブルの上には、ローストチキンやケーキ等、様々な料理が並べられていた。
「朝からずいぶん豪華じゃないですか!?」
「すごいの!みんな美味しそうなの!」
「確かに美味しそうだけど……レミアさん、どうしたんですか?」
魚介が多いエリセンの食卓に似つかわしくないクリスマス風の料理に入間達がレミアに視線を向けると、エプロン姿のレミアは何と説明すれば良いのか分からないよう言うような表情で答える。
「それが……朝食を作ろうと思ったら、突然知らない方が癒えに押し入ってきて、この朝食を作っていったんです」
「へ?見ず知らずの人がここに来て料理を作ったんですか?」
「はい。なんでも、入間さんとは面識があるとか……料理を作ったら、すぐに何処かへ行ってしまったんですが……」
「……?」
レミアがそこまで言って、入間が何故だかデジャブを感じているところで、突如シアが悲鳴を上げた。
「あーーーーーーっ!!!」
「ッ!?どうしたの!?」
「た、たたた大変ですよ入間さん!!これまで集めていた大迷宮の証が……全部なくなってますぅ!!」
「「「「「「「……はぁっ!!?」」」」」」」
これまで集めた証を積めた袋を管理していたシアの言葉に、全員が悲鳴を上げる。
大迷宮の証は、これから入間達が向かう先であるハルツィナ樹海の大迷宮を攻略するために必要なもの。こんなところで全て失い、また一から証を集め直さなければならないなんて冗談ではない。
「…ッ!いや、もしかしたら……!」
「パパっ!?」
「入間さん!?」
そこで、入間はレミアの家から飛び出した。
エリセンの桟橋に腰掛けた金髪の男は、オルクス大迷宮の攻略の証である指輪を眺めながら呟いた。
「これが大迷宮攻略の証かぁ……思ったような物ではなかったね」
残念そうに呟く金髪の青年は、突如町の方から靴音が聞こえてきたことで、チラリと背後に視線を向けると、そこには自身も見慣れた青い少年が走ってきた光景だった。
「やっぱり、貴方の仕業ですね……海東大樹!!」
「久し振りだね、小悪魔くん」
入間の言葉にその男──【海東大樹】は、シアン色の銃──“ネオディエンドライバー”を弄びながら笑みを浮かべる。
「なんで貴方がここにいるんですか!?」
「久し振りの再開だって言うのに過激だねぇ。少しは落ち着きたまえ」
「人の大事なもの奪っておいて、落ち着けるわけないですよ!大迷宮の証、返してください!」
「あの程度のお宝に興味はないけど、そう言われると返したくなくなるね」
「だったら…!」
そう言いながら、入間はジクウドライバーにジオウウォッチを装填して腰に巻き付ける。
「変身!」
入間はジオウに変身すると、ジカンギレードを構える。
「そっちがその気なら仕方ないね」
それを見た大樹は、ネオディエンドライバーをクルクルと回した後、一枚のカードを取り出してネオディエンドライバーに装填した後、銃身をスライドさせる。
ネオディエンドライバーを上に向け、引き金を引く。
「変身!」
銃口から飛び出した光と共に、複数の幻影が大樹に重なることで鎧を身に纏い、複数枚のプレートが顔に突き刺さることで、灰色のボディがシアンに染まる。
頭部やボディアーマーはバーコードや立てて並べたカードを横から覗いたようなデザインになっている戦士──【仮面ライダーディエンド】に変身した大樹。
「はぁっ!」
「ふっ!」
ジオウはディエンドに突撃し、ジカンギレードを振るう。ディエンドは素早い身のこなしでそれを受け流してネオディエンドライバーの銃撃を浴びせようとするが、ジオウもまた素早い動きでその銃弾を避けていくと、新たなライドウォッチを装填したジクウドライバーを回転させた。
【仮面ライダーフォーゼ・コズミックステイツ】を模した鎧に“コズミックスイッチ”を模したショルダーアーマーを装備し、仮面には「コズミック」の文字が書かれた【フォーゼコズミックステイツアーマー】に変身したジオウは、フォーゼの最強武器である“バリズンソード”を手にすると、“ロケットスイッチ”を装填し、柄の後ろからロケット噴射をして、ディエンドにバリズンソードの一撃を御見舞いした。
「はぁっ!!」
「ぐあっ!!?」
吹き飛ばされたディエンドは、懐から攻略の証を溢し、ジオウはそれを拾い上げる。
「証は返してもらいましたよ」
「やれやれ、相変わらず過激だねぇ。今日は盗みじゃなくてプレゼントをしに来たっていうのに」
「?」
ディエンドの言葉に動きを止めるジオウ。その時、ディエンドはベルトに取り付けられたホルダーから二枚のライダーカードを取り出し、連続でネオディエンドライバーに装填した。
音声と共に、ディエンドはネオディエンドライバーの引き金を引き、銃口から飛び出した光が仮面ライダーの姿を作り、ジオウの前に、紫のコブラの鎧を纏う【仮面ライダー王蛇】と、紫の鎧に緑の複眼を持つ蠍に似た戦士【仮面ライダーサソード】が現れた。
「ここか…?祭りの場所は……!」
「俺は神に代わって剣を振るう男だ……」
「ッ!」
王蛇はベノサーベルを、サソードはサソードヤイバーを装備し、ジオウに斬りかかる。ジオウはバリズンソードのレバーを柄側に倒し外装を展開させて刀身を露出させた剣形態のスラッシュモードにきり変えると、2体のライダーと剣戟を繰り広げる。
「なっ!?」
その時、時間の流れから外れる能力クロックアップを発動させたサソードが、四方八方からサソードヤイバーによる斬撃を浴びせると、ジオウの腕のホルダーにあったライドウォッチが二つ飛び出した。
「へぇ……これは中々のお宝だ」
それを見たディエンドはその二つのウォッチ──ディケイド・コンプリート21ウォッチとガッチャードウォッチを拾い上げると、自身の背後にオーロラカーテンを出現させ、一枚のカードを取り出した。
「僕からの贈り物、喜んで受け取りたまえ」
そう言いながらアタックライドカードの効果を発動させたディエンドは、その場から煙のように姿を消していまい、王蛇とサソードも、ディエンドの消失と同時に姿を消してしまった。
「しまった…!」
『きゃああああっ!!?』
「…ん?」
大事なウォッチが二つも取られたことに焦りを浮かべそうになったジオウは突如何処からか声が聞こえてきたことで足を止める。
ジオウは、その声がディエンドが出現させたオーロラカーテンの向こうからのものだと気づいた時、そのオーロラから、悲鳴を上げてなにかが飛び出した。
「きゃあっ!!!?」
「へぶっ!?」
持ち前の危機回避能力が何故か発動せず、ジオウは仮面に覆われた顔面が何かとてつもなく柔らかい物が押し当てられた感触と共に、その飛び出してきた何かに押されて勢いよく後ろに倒れてしまった。
「ようやく追い付いた…!」
「入間さん、泥棒はどうしうぇええええっ!!?」
「なっ!?イルマ様ッ!?」
遅れてやって来たユエ達は、目の前に広がる光景に目を見開いた。
そこには、変身が解除され仰向けになって倒れる入間の上に倒れた茶髪の女性が、その豊満な胸を入間の顔に押し付けていたのだ。
「な、な、なんなんですか、一体!?」
女性陣達(特にユエ)の目が鋭くなっていくことを察した入間は慌ててその女性を押し退けると、顔に残る感触をなるべく考えないようにしながら、入間は恥ずかしがるように胸を抑えている女性の姿を見て、目を見開いた。
「って、君……畑山先生の自称護衛隊!?」
「な、何を…って、鈴木!!」
そう、その人物は、ウルの町で意図せずに再開し、色々あった末に和解した愛ちゃん護衛隊のリーダー・園部優花だったのだが……あまりにも印象が薄かった為、入間は咄嗟に名前を思い出すことが出来なかった。
「それで、一体どう言うことなの?」
あの後、故意ではないとはいえ女性の胸を触ってしまった入間は優花に謝罪をした後、優花はレミアとミュウの家に招かれ事情を聞こうとしていた。
光輝を筆頭としたクラスメイト達には嫌悪感しか抱いていない入間であるが、優花を含めた愛ちゃん護衛隊の面々にだけは、ウルの町の件で多少なりとも和解した為、入間が邪険に扱うことなどせず、ユエ達も被害者だった入間が良いならと普通に接していた。因みに家主であるミュウとレミアは、今はクララがリビングの方で相手をしている。
優花がここにいるのは決して無視して良い問題ではない。何故なら、優花はディエンドが発生させたオーロラカーテンから出てきたのだ。無理矢理連れてこられた可能性も高そうだが、あの海東がわざわざ呼び出したと言うことは、そうしなければならない何かが優花にあると言うことに違いない。
瞳に涙を溜めて焦燥感と緊張感が入り混じった優花の表情が、入間の感じている嫌な予感に拍車をかける。そして、遂に語りだした優花の第一声は……
「愛ちゃんが……攫われたの……!」
入間の予想を上回る最悪なものだった。
優花の話を要約するとこうだ。
優花は愛子達と共に王都に帰還し、ウルの町での詳細が報告した。入間にとってはどうでもいいことだが、その席には優花とリリアーナも同席したらしい。
そしてその結果、普段からは考えられない強行採決がなされた。それが、ハビル一行の異端者認定だ。ウルの町や勇者一行を救った功績も、“豊穣の女神”として大変な知名度と人気を誇る愛子の異議・意見も、全てを無視して決定されてしまった。
異端者認定に入間達の身の安全と入間と明確に敵対する意思を示すハイリヒ王国の行く末に不安を抱えつつ、夕刻になり愛子達が食事をとる部屋に向かう途中、廊下の曲がり角の向こうから愛子と何者かが言い争うのを耳にした。何事かと壁から覗き見れば、愛子が銀髪の教会修道服を着た女に気絶させられ担がれているところだった。
優花は、その銀髪の女に底知れぬ恐怖を感じつつ、愛子を助けようと銀髪の女に挑んだが、虫けらのようにあしらわれて愛子と同様に気絶させられそうになった時に助けてくれたのが、先程入間のウォッチを盗んだ男──海東大樹が変身した仮面ライダーディエンドだったのだ。
最初はディエンドが召喚した仮面ライダーファムと仮面ライダーイクサの猛攻で倒されそうになった銀髪の女だが、そこへ新たな乱入者──ブラッドスタークが現れ、愛子が連れ去られてしまったのだ。
そして優花も、海東が発生させたオーロラカーテンに送り込まれ、しばらくの間銀色の世界に放置されているなかで、突如何かに引き寄せられるような感覚と共にオーロラカーテンから飛び出し、気付けは入間の前にいたと言う。
全ての話を終えた優花はやがて、ポロポロと悔し涙を流し始めた。
「こんな事を頼める立場じゃないのは分かってる。私達がアンタにどれだけ酷いことをしたのかも、アンタが私達を嫌いなのも分かってる。でも…お願い!こんなどうしようもない私達を最後まで見捨てないでくれた愛ちゃんだけは、喪いたくないの…!力を、貸してください……!!」
必死に懇願する優花を見ながら、入間は内心で舌打ちする。優花の語った状況は、まるで【メルジーネ海底遺跡】で散々見せられた“末期状態”によく似ていたからだ。神に魅入られ現実的な判断がつかなくなった者の続出。非常に危うい状況だと言える。
それでも本来なら、知った事ではないと切り捨てるべきだろう。
しかし、愛子が攫われた理由に察しがついてしまった入間は、その決断を下すことが出来ない。なぜなら、十中八九、愛子が神の真実と入間の旅の目的を話そうとした事が原因であると言えるからだ。おそらく、駒としての光輝達に、不審の楔を打ち込まれる事を不都合だと判断したのだろう、という入間の推測は的を射ている。
ならば、愛子が攫われたのは、彼女を利用した入間の責任だ。攫ったという事は殺す気はないのだろうが、裏で人々をマリオネットのごとく操り享楽に耽る者達の手中にある時点で、何をされるかわかったものではない。
とりあえず、入間はソファーから立ち上がり、泣きながら頭を下げ続ける優花の頭に優しく手を生いた。
「え…?」
「よく格上を相手に立ち向かったね。見直したよ」
「鈴木……」
「……畑山愛子先生がハイリヒ王国の連中に誘拐されたなら、やることは一つだね」
「それって……」
入間は静かに、しかしその瞳に激情の炎燃え上がらせながら、仲間達に目を向ける。
「先生を助けだして、ハイリヒ王国と聖教教会を……僕達の手で滅ぼす。羽虫が騒ぐ程度ならまだ見逃してただろうけど、どうやら向こうは調子に乗りすぎたみたいだからね。先生を助け出して、これまでしてきたことを思い知らせる……!」
これまでどうでも良いと判断していたハイリヒ王国と聖教教会は、今回の件で明確に入間と敵対する意思を示したのだ。いや、以前のアンカジの時から王国と教会が敵対するつもりなのは分かっていたことだが、無関係の世界の住人である入間やウルの町の人間達のために必死になれる優しい心を持つ愛子を人質にとるのなら、もう容赦はしない。これまで自分に働いてきた非礼の数々の
入間の言葉に、ユエ達も力強く頷いた。誰もが、王国と教会に明確な敵意を宿し、闘志を燃え上がらせていた。
「手を、貸してくれるの…?」
「当然だよ」
なんの躊躇いもなく答えた入間に、優花は目を潤ませながら入間を見つめる。
「ただ……」
女性達の目が一転して冷えていくなかで、入間は瞳に宿していた炎を急速に小さくさせると、ソファーに座り込みながら思い悩んだような表情で口を開く。
「………ミュウになんて言えば良いんだろう」
「「「「「「……あーー……」」」」」」
「えっ?ミュウってあの海人族よね?」
入間の言葉に、クララを除く面々は納得したような声を漏らし、事情をよく知らない優花は混乱する。
入間達がエリセンに滞在しているのは、新たに手に入れた神代魔法の扱いを極めるためもあるが、1番の理由は、言わずもがな、ミュウである。ミュウをこの先の旅に連れて行くことは出来ない。四歳の何の力もない女の子を、東の果ての大迷宮に連れて行くなどもってのほかだ。
まして、【ハルツィナ樹海】を除く残り二つの大迷宮は更に厄介な場所にある。一つは魔人族の領土にある【シュネー雪原】の【氷結洞窟】。そしてもう一つは【神山】なのである。どちらも、大勢力の懐に入り込まねばならないのだ。そんな場所に、ミュウを連れて行くなど絶対に出来ない。
なので、この町でお別れをしなければならないのだが、何となくそれを察しているのか、入間達がその話を出そうとすると、ミュウは決まって超甘えん坊モードになり、入間達に「必殺!幼女、無言の懇願!」を発動するので中々言い出せずにいた。結局、ズルズルと神代魔法の鍛錬やら新装備の充実化やら、言い訳をしつつ何日も滞在してしまっているのである。
愛子の身の安全を考えればすぐにでも出立するべきかもしれないが、ミュウの笑顔を曇らせることを考えると話を切り出すことに躊躇いが生まれる。
『Plasma smasher.』
その時──レミア宅の外から、凄まじい魔力が迫ってきた。
「ユエ!!」
「んっ!“界穿”!!」
入間の呼び掛けに、既に空間魔法を使いこなしたユエが魔法を発動させ、自身の目前にゲートを作ると同時に、電気を帯びた金色の閃光が、扉を破壊して入間達に迫った。
ユエが発動させた“界穿”により、その金色の閃光は呑み込まれ、ユエが適当に設定した何処か別の空間へと飛ばされていく。
「イルマち!何があったの!?」
「パパっ!!」
「皆さん!?これは一体何が!!?」
閃光が止まったところで、イルマ達がいる部屋にクララ、レミア、ミュウがやって来る。入間は目に涙を浮かべるミュウを抱き止めつつ、入間は入り口に鋭い目を向けた。
「見つけた…!」
大穴が空いた入り口から、廃材を踏みしめて入ってきた人物に、入間達は変身アイテムを取り出しながらその人物の姿を見た。
長い金髪を黒いリボンでツインテールにまとめ、真っ白な軍服に似た衣服に漆黒のマントを羽織ったその女性の手には、黒みがかった黄色い宝玉が埋め込まれている…このトータスに似つかわしくない機械的な漆黒の斧が握られていた。
そして、その女性からは、“覇潰”を発動させた光輝が虫けらに見えるほどの魔力を感じる。
「貴方、誰ですか?」
「……私が何者なのかなんてどうでもいい」
入間の問いかけには答えず、金髪の女性は機械的な斧──“バルディッシュ”を突きつけた。
「私は……お前を殺せればそれでいい!お前の側にいる仲間を全員殺して、私が味わった苦痛の全てを味わわせてから、お前をこの手で八つ裂きにできさえすれば……!!」
「僕?」
殺意を向けられた入間は当惑する。
全て殺意を向けられた故の正当防衛とはいえ、数えきれない程の人間を殺してはいるので、自分が恨みを買うようなことをしているくらいの自覚はあるが、目の前の女性には本当に何かをした記憶がない。
そんな入間の様子に、金髪の女性は歯を食い縛り、呪詛を込めた声色で呟いた。
「バルディッシュ」
『Get Set…』
「オーバードライブ──真・ソニックフォーム」
『SONIC DRIVE…!!』
その瞬間、金髪の女性が身に纏っていた衣服が変化する。
マントやスカートはなく、装甲も手甲、足甲以外皆無に等しい純白のレオタードのように露出が高い衣装になり、バルディッシュは二本の黒みがかった黄色い刀身を持つ長剣に変化した。
だが、本当の変化はそれだけではなかった。レオタード姿になった女は、二本の長剣のうちの一本を突き刺すと、あるものを取り出した。
「それは……!」
「ダークディケイドライバーだと…!?」
入間とアメリが声を漏らし、他の面々も目を見開く。
そう、それは数日前にハンドレッドの一人シンゲツが使っていた漆黒のベルト──ダークディケイドライバーだったのだ。
女性はそのバックルを腰に当てると、ダークディケイドライバーの側面から伸びた帯が腰に巻き付き、ベルトとして彼女の腰に装着される。
片手でサイドハンドルを引いて中央のバックルを回転させ、カード挿入口を露出させると、左側に出現した“ライドブッカー”を開き、そこから一枚のカードを取り出す。
「DECADE」と書かれたカードを見せつけるように構えた女性は、握るようにカードを裏返し、叫ぶ。
「変身ッ!!」
カードをドライバーに装填し、左手でサイドハンドルを押し込む。
音声と共に、周囲に出現した漆黒の虚像が女性に重なり、その体に灰色の鎧を纏う。ベルトから飛び出したプレートが仮面に突き刺さると、灰色一色の装甲に黒と黄色が光り、青い複眼と、黄色い額の宝石が輝いた。
「仮面ライダーと魔法……この二つで、私はお前を越える……!はぁっ!!!!」
【仮面ライダーダークディケイド】となったその女は、地面に突き刺していたバルディッシュの一振りを引き抜き、入間達に向かって、漆黒の閃光となって走り出した。
・スキ魔
優花「皆が危ない……このままじゃ、奈々や雫達だけじゃなくて、クラスメイト達が皆……」
入間「クラスメイト達…?あの勇者(笑)組と君と他の五人以外に誰かいた?」
優花「まだ10人くらいいるわよ!私達、一クラス三十人だったでしょ!?」
入間「ん~?アニメに出てたっけ?そんな人たち……」
優花「アニメって何の話!?」
─完─
ユエ「……ミッドチルダ?」
シア「別の世界に来たって事ですかぁッ!!!?」
ミッドチルダと呼ばれる未知の世界で、人々の視線を集めながら、シアが絶叫した。
ティオ「機動六課、とな?」
なのは「次元世界の秩序と平和を守る組織、時空管理局の部隊だよ」
機動六課の隊舎で、ティオが首をかしげ、茶髪のサイドテールの女性・高町なのはが説明をする。
入間?「変身!!」
腰にジクウドライバーではない別のベルトを巻き付けた入間?は、ベルト両側面のレバーを引いて、仮面ライダーへと変身する。
ジオウ「君は…!?」
ガッチャード「僕は仮面ライダーガッチャード、鈴木入間です!」
ガッチャード「どうしてこんな事をするんですか!?」
ジオウ「これだ僕の選んだ道だよ」
返り血で鎧を紅く染めたジオウに向けて、ガッチャードが声が悲痛な声を上げる。
ウォズ「何だ、あの姿は……!?」
????「ハハハ……ハハハハハハ…!!」
アスモデウスが変身した仮面ライダーウォズが、白い煙の中に佇む黒と金の装飾を持つ仮面ライダーを見て声を上げる。
ジオウ「さぁ、行くよ!!」
ガッチャード「僕達は、絶対に負けない!!」
ガッチャードデイブレイク「選択肢は一つだけだ」
ディケイド「大体分かった」
ギーツ「ハイライトだ!!」
ライドストライカーに乗ったジオウ、ゴルドダッシュに乗ったガッチャード、デイブレイクゴルドダッシュに乗るガッチャードデイブレイク、マシンディケイダーに乗るディケイド、ブーストライカーに乗ったギーツが、爆発を背に受けながら広野を突き進む。
本作でのリリアーナをどうするべきか、ご意見をお聞かせください。
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入間くんのヒロイン入り
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生存
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BADEND(死亡)