悪魔の孫は時の王者となって世界最強   作:MTHR

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 今回は今までになくやりたい放題しています。
 何でも許せる広い心で楽しんでいただけると幸いです。


73話 バトルを止めるな、ヤツらを止めろ

 時は少し遡る。

 シアがミハイルの、ユエがフリードの相手をするために仮面ライダーに変身したのとほぼ同時刻。王都の一角で、民家を破壊しながら暴れまわる巨大な怪物と、その怪物を相手にする鎧の戦士達がいた。

 

 

ビヨンドザタイム!

 

タイムエクスプロージョン!

 

 

「でやぁあああっ!!!」

 

 周囲を回転する「キック」文字型のエネルギーを纏った後ろ回し蹴りが炸裂し、蹴り飛ばされるテラー・ドラゴン。

 

 

フィニッシュタイム!タイムジャックッ!

 

 

「カッ飛ばせ~~~っ!!」

 

 “シンゴウアックス”を手にしたツクヨミは、月のエフェクトを背に黄金の光を纏うシンゴウアックスを振り抜き、ウロボロスの体をまっ二つに切り裂く。

 

『いざ、参るぞ!ミレディ!』

「うん!私達の命……燃やしちゃうよ!!」

『応ッ!!』

 

 

ダイカイガン!オレ!オメガドライブッ!

 

 

 ムサシ、エジソン、ロビン・フッド、ニュートン、ベートーベン、ビリー・ザ・キッド、ベンケイ、そしてオレ魂のパーカーゴーストを連続で纏ったゴーストが、目の紋章を背にして放つキックが、ケツァルコアトルス・ドーパントに直撃する。

 

 三人のライダーの其々の強力な必殺技が直撃した怪物達は、断末魔の悲鳴を上げながら、王都の民家を巻き込みながら大爆発を起こした。

 三人が一同に集まり、ユエ達と合流しようとした時、何処からかガシャン、ガシャンと特徴的な足音を響かせて何者かが歩み寄ってくるのを察知し、3人は一斉にその足音のなる方を振り向いた。

 そこに立っていたのは、銀色の鎧の男……シャドームーンが立っていた。

 

「流石だ……あの三体を難なく倒すとはな」

「貴様、何者だ……?」

「我が名はシャドームーン。バダンの大幹部として、我等の野望に邪魔なお前達を排除させてもらおう…!」

 

 サタンサーベルを構えるシャドームーンを見て、ウォズはジカンデスピア・ヤリモードを、ゴーストはガンガンセイバーを、ツクヨミはメダガブリューを取り出して構える。

 

 武器を構えたまま動かない四人の戦士。

 その時、テラー・ドラゴン達が暴れたことで瓦礫の山となった建物の上で、小さな石ころが音を立てて瓦礫の山から落ちた時──戦士達が激突した。

 

「はぁっ!」

「フンッ!」

「ぐぁっ!!?」

 

 ウォズはジカンデスピアを手に“加速(スピレッド)”の高速移動で素早くジカンデスピアをシャドームーンに突き刺そうとするが、シャドームーンはサタンサーベルの一振りでそれを弾くと、流れるような剣さばきでウォズのボディを切り裂いた。

 

「アズアズッ!とりゃあ!!」

「甘い!」

「なっ!?」

 

 ツクヨミがメダガブリューを振るって冷気を発生させ、その冷気が足元を凍てつかせながらシャドームーンに襲いかかるが、なんとシャドームーンは、サタンサーベルを振り上げるだけで、襲い来る冷気を切り裂いてしまったのだ。

 

「ハァッ!」

「ッ!クラリン危ない!“絶禍”!!」

 

 シャドームーンはサタンサーベルを持つ手とは逆の手から緑色の稲妻を放つ。ユエの雷龍にも匹敵する莫大な雷を見たゴーストは素早く重力魔法を発動し、シャドームーンの雷を呑み込むと、ガンモードに切り替えたガンガンセイバーからエネルギー弾を放つが、シャドームーンはサタンサーベルで呆気なくそれを弾いてしまう。

 

「はぁっ!!」

「うわぁっ!?」

 

 すると、シャドームーンはサタンサーベルから緑色の稲妻を放ち、その稲妻はまるで鞭のように延び、ゴーストの体に巻き付いた。

 

「させん!」

「無駄だァっ!」

「ぬぉっ!!?」

「このぉっ!!」

「フンッ!」

「うわぁああああっ!!?」

「あぶっ!?」

 

 ウォズが炎を纏わせたジカンデスピアを振るおうとするが、シャドームーンは素早く片手から緑の稲妻を放ってウォズを吹き飛ばし、ツクヨミが放り投げた自販機にゴーストを叩き付ける。

 

「サタン…サーベルッ!!」

「ぐぁああっ!!」

「「あぁあああああっ!!」」

 

 緑の稲妻の一閃が炸裂し、ウォズ、ツクヨミ、ゴーストは爆発を起こしながら吹き飛ばされてしまった。

 

「フッ、この程度だったか……」

 

 倒れ伏す三人のもとに、特徴的な足音をならしながらシャドームーンが近寄ってくる。ウォズ達は立ち上がろうとするが、ダメージが大きくて立ち上がれない。

 その時、シャドームーンは、着信音のような音が響いてきたことで、何処からか通信機のようなものを取り出し、少しのやり取りのあと、顔を上げた。

 

「………そうか。フリード・バグアーは仮面ライダーウィザードの手によって死んだか」

「「「!!」」」

 

 つい先程対峙した魔人族の将の訃報にウォズ達が反応する。フリードが死んでも、ウォズ達に困ることなど一つもないが、同盟関係にあるバダンが、同盟相手の将の死をどうとも思っていないことに疑問を思い、ウォズが口を開いた。

 

「……同盟相手の訃報を聞いたというのに、ずいぶんと平然としているな」

「フッ、当然だ。()()()()()()()なのだからな」

「何……どういうことだ!?」

 

 シャドームーンの不吉な言葉に反応するウォズだが、シャドームーンはフンッと鼻をならした。

 

「だが、お前達が知る必要はない……」

 

 

ズドォオオオオオオオオンッ!!!
 

 

 

「「「ッ!!?」」」

 

 その瞬間、天を揺るがすような地響きが響き渡った。

 ウォズ達はバランスを崩しそうになってしまうが、なんとか体のバランスを整えた。

 

「貴様、何をした!?」

「何でもない、王都侵攻の最終段階に入ったのだ。お前達がこの事態を潜り抜けられるかどうか……見物だな……」

 

 シャドームーンは空を見上げながら踵を返し、目の前にオーロラカーテンを出現させる。

 そこへ足を踏み入れようとした時、シャドームーンはチラリとウォズ達の方を身ながら、ポツリと呟いた。

 

「せいぜい生き残れ。貴様らを死ぬのはまだ早い……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()なのだからな…!」

「どういうことだ…!?」

「……フッ、また会おう」

 

 ウォズの言葉に答えず、シャドームーンはガシャン、ガシャンと足音を立てながら、オーロラカーテンの向こうへと消えていった。

 

 ウォズ達がシャドームーンが消えていった場所を睨み付けていた時、再び大きな地響きが周囲に響き渡り、ウォズ達はその音が聞こえてくる方角を振り向くと、目を見開いた。

 

ヴォオオオオオオオッ!!!

 

 禍々しい雄叫びのようなものが響き渡る。

 ウォズ達が視線を向けた先には、胸部と顔には青く光る発光体が備わっており、胸部には骨格のような装甲、両膝には馬の意匠、顔面は怪物のようにも見えるが、翼を開いた鷲のようにも見える造型の、450メートルという破格の体躯をしたロボットが、15と数を揃えてたっていたのだ。

 

「あれは、なんだ…!?」

「おっきい~~!!」

「ビッグマシン……しかもあんなにッ!」

 

 そう、ゴーストが呟いた通り、現れたのは、かつてライセン大迷宮の最奥でレム・カンナギが搭乗して、ミレディ・ゴーレムや入間達を苦しめた超巨大ロボット──ビッグマシンだったのだ。

 

 更に、突如として空が暗雲に包まれ、外壁の向こう側から地割れが起こり、地面から吹き出した炎に包まれた大岩と共に、地割れの中から、全長4000mを超える超巨体に、仁王像のような憤怒を滾らせた恐ろしい形相をした岩の体を持つ化け物が現れたのだ。

 それは、ショッカー首領の真の姿として、歪められた歴史の中で仮面ライダーオーズ達オールライダーを苦しめた最恐最悪の怪物──岩石大首領だったのだ!!

 

「デカすぎる……!」

 

 十五体からなるビッグマシンの軍隊に、岩石大首領。巨大すぎる存在の前に、流石のウォズ達ですら驚きを露にする。王都の中を逃げ回る住民や、王宮に逃げようとしていた民間人、更には応戦に出ていた兵士達も、そのあり得べらざる怪物達の前に呆然とその禍々しい姿に呆然としたのち、もう自分達は終わりなのかと絶望を露にする。

 

 すると、15体のビッグマシンが、口から青白い光線を放ち、岩石大首領がゆっくりと歩き出したことで、地響きと共に発生した隕石が、破壊の光となってハイリヒ王国に降り注いだ。

 

ズドォオオオンッ!!ズガァアアアンッ!!

 

「うぉおおおおっ!!?」

「ひゃあぁああああっ!!?」

「あ~~れ~~っ!!!??」

 

 光線が通りすぎ、隕石が着弾すると同時に、天を焦がすような大爆発が起こり、幾つもの建造物が灰も残らずに焼き尽くされていく。

 その爆発に巻き込まれ、ウォズ達も瓦礫の山となった建物の上に墜落する。

 

 ツクヨミが、全身に走る激痛を抑えながら立ち上がろうとした時、その体を巨大な影が覆い、顔を上げると、そこにはツクヨミを見下ろすようにして立っているビッグマシンの一体があった。

 

「ッ!クララァッ!!!!」

「あ……」

「クラりんッ!!」

 

 それを見たウォズは、ギンガライドウォッチを取り出して起動しようとするが、その間にもビッグマシンは山のようなその巨大な足を振り上げ、ツクヨミ目掛けてふりおろそうとする。

 絶体絶命と思われた、その時だった。

 

 

 

ギ・ガーント!

 

ガシャットォッ!キメワザ!

 

 

「クララさんから離れやがれですぅううううううっ!!!」

 

 

MIGHTY CRITICAL FINISH!

 

 

 割り込んできた影が、巨人の拳のような大槌を振るい、ビッグマシンの脳天を殴打する。その質量から繰り出される一撃に、流石のビッグマシンも頭部に凹みを入れられ、動きを止める。

 ウォズがツクヨミを回収し、サーフボードのような形状をしたバイクに乗った何者かが手にした巨大な大槌を収縮させた時、戦場に可憐な声が響いた。

 

「“スターライトブレイカー”」

 

 天空より降り注いだ黄金色の光が、フラついていたビッグマシンを呑み込み、その光は地上にも影響を及ぼし、呑み込まれたビッグマシンの近くにいた別のビッグマシンも、近隣の建物も、住民も巻き込んでいく。

 世界が一瞬だけ黄金色に染まり、それが収まると、あちこちから火花を散らすビッグマシンの姿があった。

 すると、ウォズ達のもとに、サーフボード型のバイクに乗った二人組が現れた。

 

「クララさん!皆さん!大丈夫ですかっ!?」

「ユエユエ!シアシア!」

「……ん。お待たせ」

 

 それは、各々ミハイルとフリードを惨殺したエグゼイドとウィザードだった。

 二人は、オーロラカーテンからビッグマシンが姿を表すのを目にしてから、エグゼイドはウィザードと合流してからマシントルネイダー・スライダーモードで、時速720kmの速度を生かして王都までやって来て、ツクヨミのピンチを救ったのだ。

 

「すまん、助かった」

「気にしないでください。それより、今はあれをなんとかしないと!」

「……ん。私の“スターライトブレイカー”でも壊しきれなかった」

「それが15体……その上、あの岩みたいなのもいるしね」

「ロボットとか出そうか?」

「アホクララ。タイムマジーンではあれは壊せん」

 

 ウィザードのテレポートでビッグマシンの軍団から数十キロ離れた地点に転移き、岩石大首領の落としていく隕石やビッグマシンの光線をウィザードとゴーストが“聖絶”で防ぎながら、一同はどうするべきか話し合う。幸いにもビッグマシンはハイリヒ王国を破壊することに注力しているようであり、岩石大首領も王都からかなり離れた場所にいるため、まだ時間はある。

 

「ロボット………そうです!その手がありました!!」

 

 その時、エグゼイドはツクヨミの言葉を聞いて頭の中の電球をピカッと光らせ、何処からか仮面の戦士の姿が描かれたカードを5枚取り出した。

 

「皆さん!これですよ!これを使いましょう!」

「……これって……」

「成る程、その手があったか……」

「わぁ~~!奇跡のコラボだァっ!」

「よーし!ここはビシッと決めちゃおう!」

 

 4人は、エグゼイドから渡されたカードの絵柄と文字を見つめて、エグゼイドの考えを理解したというように頷く。

 そして、“聖絶”を解除し、5人は円になるように並ぶと、エグゼイドが配ったそのカード──超スーパーヒーローカードを構えた。

 

「「「「「変身ッ!」」」」」

 

 その言葉と共に超スーパーヒーローカードを投げ、巨大化して彼女の回りを旋回するカードを選択すると、ウィザードは赤、エグゼイドは青、ゴーストは黄色、ツクヨミは緑、ウォズは桃色の風に包まれ、その姿を別の仮面の戦士に変えていった。

 

 その姿は、最初の仮面ライダーである【仮面ライダー1号】や【仮面ライダー2号】のダブルライダーを、 カラーリングやマントとブーツを身に着けた姿は最初のスーパー戦隊である【秘密戦隊ゴレンジャー】を彷彿させる、五色の戦士達だった。

 

「……アカライダー!!」

 

 ユエは、複眼とコンバーターラングの色が黄色で、赤いマントにベルトの風車、白のグローブとブーツを着けた赤い戦士──アカライダーに変身し、赤い爆煙を背に、マントを翻しながら名乗りを上げる。

 

「アオライダー!ですぅ!」

 

 シアは、複眼とコンバーターラングの色が赤、青いマントとベルトの風車、黒いグローブとブーツを身に着けた青の戦士──アオライダーに変身し、腰に左拳を当て右こぶしを上げながら、青い爆煙を背に名乗りを上げた。

 

「キライダァ~~!さん、じょう☆」

 

 ミレディは、複眼とコンバーターラングの色が赤、黄色いマントとベルトの風車、黒いブーツとグローブを身に着けている黄色の戦士──キライダーに変身し、顔の横に横ピースを作り、黄色い爆煙を背に名乗りを上げた。

 

「ミドライダァアーーーッ!!」

 

 クララは、複眼とコンバーターラングの色が赤、緑色のマントとベルトの風車、黒いブーツとグローブを身に着けている緑の戦士──ミドライダーに変身し、両腕を振り上げ、緑の爆煙を背に名乗りを上げた。

 

「モモライダー!……って、何ぃ!?」

 

 アスモデウスは、複眼とコンバーターラングの色が赤く、桃色のマントと風車、赤いグローブとブーツを身に着けている桃色の戦士──モモライダーに変身し、桃色の爆煙を背に受けながら名乗りを上げ……自身の体の色にすっとんきょうな声を上げた。

 

 未だに戸惑うモモライダーを置いて、アカライダーは胸の前で拳を握る。

 

「……ん!我ら、仮面戦隊……」

 

 他の者達も同様に胸の前で拳を握ると、夜の空に何処からか赤・青・黄色・緑・ピンクの花火が打ち上げられ、同時に五人は最初から示し会わせていたように、高らかに声を叫んだ。

 

 

 五色の爆発を背に受けながらポーズをとって名乗りを上げる…【仮面戦隊ゴライダー】。

 そして、アカライダーは何処かへと通信を繋ぐ。

 

「……ライダーマシン、戦隊マシン、GO」

 

 その言葉と共に、空中にオーロラカーテンが出現し、【デンライナーゴウカ】【デンライナーイスルギ】【デンライナーレッコウ】【デンライナーイカヅチ】【ゼロライナー】が飛び出し、五つの列車は連結して警笛をならしながら飛び出す。

 更に、赤い巨大な海賊船──【ゴーカイガレオン】に、赤と白のツートンカラーで色の境目に施されたファイヤーパターンが特徴の飛行戦艦──【バリブルーン】、5両編成の列車型マシン【トッキュウレッシャー】、赤いティラノサウルスの姿をした【ガブティラ】が飛び出した。

 

 ゴライダーは強靭な脚力で飛び出し、アカライダーはバリブルーンに、アオライダーはトッキュウレッシャーに、キライダーはゴーカイガレオンに、モモライダーはデンライナーの操縦席に乗り込み、ミドライダーはガブティラの頭の上に飛び移った。

 アカライダーを乗せたバリブルーンは高速飛行でビッグマシンの軍勢を牽制し、スターライトブレイカーによってボロボロになっていた“バリブルーンミサイル”を発射し、ビッグマシンは跡形もなく爆散する。

 

 ゴーカイガレオンの操縦席に乗ったキライダーは、舵輪を握りしめると、

 

「海賊合体!」

 

 その言葉と共に、ゴーカイガレオンの中に納められていた【ゴーカイトレーラー】が飛び出し、【ゴーカイマリン】【ゴーカイレーサー】【ゴーカイジェット】とマトリョーシカのようにマシンが飛び出していき、その四つが両手足となって合体していき、船首の刃が剣となり海賊帽を被ることで合体が完成した。

 

「完成、ゴーカイオーッ!!」

 

 【ゴーカイオー】を操るキライダーは舵輪を思いっきり回す。

 ゴーカイオーは地響きを鳴らしながら走り出し、ビッグマシン達が放つ光線の雨を掻い潜りながら、二本の剣“ゴーカイケン”を振るい、一番前に立っていたビッグマシンの右足を切り裂き、片足を失ったビッグマシンは他の機体を巻き込みながら倒れた。

 

 それをみて、レッドレッシャーに乗り込んだアオライダーもマシンを操作する。

 

「ミレディさんも本気ですね~。それなら私も……烈車合体!ですぅ!」

 

 その言葉が合図になり、アオライダーの乗る烈車が変形を始めた。

 5両の烈車が、連結器を模したジョイントで横並びになりそのまま並走した後、両脚を構成する【グリーンレッシャー】と【ブルーレッシャー】が立ち上がり、【レッドレッシャー】が折りたたまれることで人型を形成する。

 

『毎度ご乗車ありがとうございまーす!トッキュウオー、完成いたします』

 

「乗車完了!トッキュウオーッ!ですぅ!」

 

 ドアになったフェイスガードが左右に開くことによって、【トッキュウオー】が完成し、トッキュウオーは“フミキリケン”と呼ばれる剣を手にして動き出す。

 路上に出現した線路を走り、“トッキュウオーパンチ”や“トッキュウオーキック”を繰り出してビッグマシンを攻撃していく。

 

「いっけ~~っ!ガブガブちゃ~~ん!!」

『ギャオォオオオオオオッ!!!』

 

 ミドライダーを頭の上にのせたガブティラは、ビッグマシンの腕を駆け上がり、ビッグマシンの顔面に噛みついた。噛みつかれたビッグマシンはガブティラを振り下ろそうと自身の顔面に拳を振るい、他のビッグマシンも拳を突き出すが、ガブティラは素早く飛び出して拳を回避すると、ビッグマシンの2つの拳は、自分自身に襲いかかり、ビッグマシンは顔面から大爆発を起こしながら、民家を潰して倒れた。

 

 そのすぐ近くでは、バトルモードに変形した時の列車が砲撃を放ち、光線を放ちながらビッグマシンを牽制し、バトルモードに変形したゼロライナーが、鋭いドリルとなった前部を高速回転させながら突撃し、ビッグマシンの巨腕や光線を掻い潜りながら、胸部の奥にある操縦席を貫き、ビッグマシンを操っていた【コンバットロイド】を貫き、そのままビッグマシンの巨体に小さな風穴を開けた。

 しかし、操縦者がいなくなれば、どんなに高性能なメカだろうとただの鉄屑同然であり、光を失ったビッグマシンは、民間人や建造物をグシャグシャに潰しながら倒れた。

 

 たった5体のマシンに、強力無比なビッグマシンの軍団が破壊されていく光景に、ビッグマシンの操縦を勤めていたコンバットロイド達は慌てたように仲間達と連絡を取り合う。ビッグマシン同士の動きが鈍ったのをみて、ゴライダーも仲間達と声を掛け合った。

 

「皆さん、何だか向こうで揉めてるみたいですし、今がチャンスですよ!」

「分かっている!アホクララ!ハウリア!やるぞ!」

「うん!」

「はいですぅ!」

 

 トッキュウオーの両隣に並ぶように並走するガブティラとデンライナー。

 そして、ガブティラはドシンドシンと大地を踏み鳴らしながらトッキュウオーの前を走り、その頭の上に乗るミドライダーが声をあげる。

 

「ガブガブちゃん、しゅっぱ~~つ、しんこ~~う!!」

 

 

キョウリュウジャーレッシャー!
キョウリュウジャーレッシャー!

 

 

 ジャンプしたガブティラは、その体をみるみると変形させていくと、先頭車両がガブティラの頭となった2両編成の“キョウリュウジャーレッシャー”に変形する。

 ガブティラが列車に変形するのをみたアオライダーは、トッキュウオーをデンライナーと共に走らせる。

 

「烈車合体ですぅ!」

 

 その言葉が合図になり、トッキュウオーのレッドレッシャーがキョウリュウジャーレッシャーと入れ替わることで、頭部が“キョウリュウジン”のものにかわり、両足にデンライナーの先頭車両が装着される。

 “五連獣電剣”と呼ばれる剣を装備したことで、合体が完了した。

 

「「「完成!トッキュウオーキョウリュウジンfeat.デンライナー!!」」」

 

 合体を終えたトッキュウオー──トッキュウオーキョウリュウジンは、デンライナーが生成する線路の上を走り、空へと昇っていく。

 ビッグマシン達がトッキュウオーキョウリュウジンを見上げると、そのロボットの回りに四両のデンライナーと二両のゼロライナーが出現し、六つの電車はビッグマシンの光線を弾きながら、トッキュウオーキョウリュウジンと共にビッグマシンの軍勢に迫っていく。

 

「「「フミキリケン・ブレイブ参上スラッシュッ!!!」」」

 

 6つの時の列車が突撃し、火花を散らすビッグマシンの軍勢に向けて、剣を一閃させる大技が炸裂。流石のビッグマシンの軍勢も、この一撃に耐えられず、パーツや破片を撒き散らしながら大爆発を起こした。

 

 残りのビッグマシンの数は僅か五体。それを相手にするのは、バリブルーンとゴーカイオーだ。

 

「おぉ~。迫力満点だね~」

『……ミレディ、私たちも』

「おっ!まっかせてよ!」

 

 ゴーカイオーの操縦室で、バリブルーンに乗るアカライダーの通信を受けたキライダーは、【アカレンジャー】のレンジャーキーを取り出し、舵輪の上にある鍵穴に差し込み、回す。

 

「Let's Go!」

 

 アカライダーの乗るバリブルーンが、キライダーがレンジャーキーを使用したことに反応するように飛び出し、ゴーカイオーも大地を蹴って飛び上がると、バリブルーンがゴーカイオーの背中に装着される。

 

「「完成!ゴレンゴーカイオー!!」」

 

 始まりのスーパー戦隊の大いなる力を発動したゴーカイオー。

 バリブルーンから、ゴーカイオーの操縦室に移動したアカライダーは、キライダーを押し退けてレッドの操縦席に立ち、赤い舵輪を手に取った。

 

「って、ユエちゃん!?そこはミレディさんの席だよ!?」

「……ゴライダーのリーダーは私。引っ込んでて」

「何コレ!?突然舵輪を奪われたのに何で罵倒されるの!?」

「……煩い。ド派手に決める!!」

 

 そう言って、アカライダーは舵輪を勢いよく回し、ゴレンゴーカイオーはバリブルーンから赤・青・黄・緑・桃の五色の煙を噴出しながら高く空を飛び、やがてビッグマシン達の高度を越えた時、ゴレンゴーカイオーはゴーカイケンを構えた。

 そして、必殺技を発動させ、アカライダーとキライダーは同時に叫んだ。

 

「「ゴーカイハリケーン・カシオペアッ!!」」

 

 巨大化したゴーカイケンに、赤・青・黄・緑・桃の五色の星が集い、その星を光の線が繋ぎ、プトレマイオスの48正座の一つであるカシオペヤを模したWを象り、ゴレンゴーカイオーは急降下しながら、カシオペアの力を秘めた巨大な剣で、ビッグマシン達を切り裂いた。

 

 

ズバァアアアアアアンッ!!

 

ドゴォオオオオオオンッ!!!

 

 

 体に黄金の傷跡を入れられたビッグマシン達は、断末魔をあげるように爆音を起こしながら、全損が火に包まれ、その体を粉々になって飛ばしていく。

 全てのビッグマシンを破壊し、ゴレンゴーカイオーとトッキュウオーキョウリュウジンが集まった時……

 

ドゴォオオオオオオンッ!!!

 

「んっ!!?」

「ひゃああっ!!?」

「にゃあぁあああっ!!?」

「あーーれーーーっ!?」

「ぬおぉっ!!?」

 

 天から降り注いだ隕石が、ゴレンゴーカイオーとトッキュウオーキョウリュウジンに襲い掛かった。巨体ゆえに避ける暇がない二体の巨大ロボは非常にもその隕石の餌食となって爆発を起こし、ゴライダーの面々は戦隊ロボから放り出されてしまった。

 

「……岩野化け物の攻撃」

「一番おっきいのを忘れてましたぁっ!」

 

 アオライダーを筆頭に、ゴライダーが外壁の外に目を向けてみれば、岩石大首領が、ゆっくりと此方へ向かってきていた。歩くだけで天変地異を引き起こすといわれるその能力で、隕石を降らせてきたのだ。

 そして、岩石大首領はまた一歩歩きだすと、再び天変地異が起きる。

 

「ッ!?皆さん、飛んでください!!」

「「「「っ!!」」」」

 

 “未来視”が発動したアオライダーが叫ぶと、五人は咄嗟にその場から大ジャンプし、キライダーが重力魔法で仲間達の重力を無効化したことで五人は中に浮く。

 その瞬間、地面から、赤い噴水が沸き上がった。

 

ゴボッ!ボバァアアンッ!!

 

 地面から吹き出した高熱の液体──マグマが、火柱となってハイリヒ王国の至るところから吹き出した。

 地獄の業火のように降れるだけで簡単に火とを焼き殺せるその本流は、容赦なく王都に降り注いだ。

 

「ひゃ~。とんでもない伏兵がいたねぇ~」

「あぁ……王都は最早壊滅同然だな」

 

 ゴライダーが見下ろしている王都は、最早地獄絵図と呼んでもいい状態だった。

 グリューエン大火山を思わせるようなマグマの波がありとあらゆる建造物を呑み込み、焼き尽くしていく。倒れていたビッグマシンもそのマグマに融解され、逃げ送れた人々は苦しみ悶えながらマグマにその身を焼かれていく姿は、精神が柔な者達には一生の悪夢として刻まれるような光景だ。まだ王宮の方には被害が届いていないが、王宮がマグマの波に襲われるのは時間の問題になっている。

 しかし、元々この国を救いにきたわけではないゴライダー達バビル面々は、民家の事等どうと思うことはなかったが、このまま岩石大首領を好きにさせておくと自分達も危ないので、早急にカタを付けることにした。

 

「……一気に決める!」

「「「「「ゴライダーハリケーン!!」」」」」

 

 まだマグマの影響が及んでいない地点に着地し、アカライダーの指示で技名を口にし、モモライダーは何処からかラグビーボール型爆弾“エンドボール”を取り出すと、アカライダー、アオライダー、キライダー、ミドライダーは空中を蹴りながら走り出す。

 

「行くぞ……!アホクララ!!」

 

 頃合いを見計らい、モモライダーは両手でエンドボールを手にし、バッタの脚力で高く跳躍すると、両腕を振り上げ、民家を足場に跳ね回るミドライダーに向けて、ボールを投げた。

 

「オーライ!ミレりん!!」

 

 モモライダーの声を聞き、ミドライダーはボールの位置を捉えると、民家の屋根を蹴って大きくバク宙し、空中で逆さになってボールを蹴るオーバーヘッドキックキックで、キライダーの元へとボールを飛ばす。

 

「ミレディさんのファインプレーを見せてあげるよ!シアちゃん!!」

 

 ミドライダーにボールを投げられたキライダーもまた民家を飛び越え、迫り来るボールに向け、黄色い仮面を被った頭で打ち返すヘディングで、絶妙なコントロールを持ってアオライダーに向けてボールを飛ばした。

 

「ユエさん!トドメ、お願いしますぅ!」

 

 キライダーにボールを投げられたことを優れた聴覚で察知したアオライダーは、回転キックでボールを蹴り飛ばし、空中を飛ぶアカライダーにボールを託す。

 

 仲間達から届けられたエンドボールを捉え、アカライダーは右足を前に突き出したキックの体制を取り、ジェット機のような速度でエンドボールに赤いエネルギーを纏うキックを御見舞いした。

 

「……ん!エンドボール!!」

 

 アカライダーに蹴り飛ばされたエンドボールが、五色の光を放ちながら、流星のような速度で岩石大首領に迫り、岩石大首領が打ち落とそうとするよりも速く、エンドボールは岩石大首領の額に直撃した。

 

 

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!

 

 

『グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!』

 

 直撃を受けた岩石大首領は、自信の体を構成する岩を四散させながら、核爆発にも匹敵するような爆音を響かせながら、キノコのような爆煙を噴き上げた。

 

 強敵を撃破した事を確認したゴライダーの面々は、岩石大首領の破片を“聖絶”で防ぎなから変身を解除し、大きく一息付いた。

 

 その時、王宮の一角から「ジオウサイキョウ」という文字が刻まれた黄金の刃が天を貫くように伸び、その刃が王宮を豆腐のように切り裂いた。

 轟音を立てて崩れ落ちる王宮。そして、黄金の刃が伸びた王宮からは、爆音がいくつも響いてくる。

 

「「「「「イルマ(様/ち/さん)!?」」」」」

 

 明らかに、王宮で入間が何かと激戦を繰り広げている事を察した面々は、一度顔を見合わせて頷き合うと、入間がいるであろう王宮へ向かうのだった。

 

 




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