それとタイトルからわかる通り、ジオウがあの姿となります。
入間はユエを抱っこしながら特に何事も無く階層を突き進み続け、遂に入間が着地した地点から百層目に到達していた。
「……入間、いつもより慎重」
「ん?まあ、次で百層だからね。念には念を入れておかないと…」
そのまま突き進んでも良かったが、次で恐らく最後の階層となるため、どんな危険が待ち受けているか分からないこともあり、手前の階層で入念な準備を行った。ユエは装備の確認と補充を行う入間の姿を見つめており、準備が完了すると、二人は百層目へと下っていった。
その階層は、無数の強大な柱に支えられた広大な空間だった。柱の一本一本が直径5mはあり、一つ一つに螺旋模様と木の蔓が巻きついた様な彫刻が彫られている。柱の並びは規則正しく一定間隔で並んでいる。天井までは30mはありそうだ。地面も荒れた所は無く平で綺麗なものである。どこか荘厳さを感じさせる空間だった。
入間とユエが足を踏み入れると、全ての柱が淡く輝き始め、二人を起点に奥の方へ順次輝いていく。
二人は暫く警戒していたが、特に何も起こらないので先へ進む事にした。感知系の技能をフル活用しながら歩みを進める。200mも進んだ頃、前方に巨大な扉を見つけた。
全長10mはある巨大な両開きの扉が有り、これまた美しい彫刻が彫られている。特に、七角形の頂点に描かれた何らかの文様が印象的だ。
「……いかにもって感じだね。ひょっとしなくてもここが…」
「……反逆者の住処?」
いかにもラスボスの部屋といった感じだ。実際、感知系技能には反応が無くとも入間の経験がこの先に何かあると告げていた。ユエも感じているのか、うっすらと額に汗をかいている。
「つまり、漸くゴールに辿り着いたってことか」
「……んっ!」
ユエも覚悟を決めた表情で扉を睨みつける。そして、二人揃って扉の前に行こうと最後の柱の間を越えた。
その瞬間、扉と入間達の間の30m程の空間に巨大な魔法陣が現れ、赤黒い光を放ちながら脈打つ様にドクンドクンと音を響かせる。
入間はその魔法陣に見覚えがあった。奈落へと落ちた時に見たトラップと同じものだ。だが、ベヒモスの魔法陣が直径10m位だったのに対して、眼前の魔法陣は三倍の大きさがある上に、構築された式もより複雑で精密なものとなっている。
「さて、ここからは気が抜けないな……」
「……大丈夫……私達、負けない……」
入間が試す様な笑みを浮かべ、ユエは決然とした表情を崩さず入間の腕をギュッと掴んだ。
ユエの言葉に「そうだね」と頷き、苦笑いを浮かべながら入間も魔法陣を睨みつける。どうやらこの魔法陣から出てくる化物を倒さないと先へは進めないらしい。
魔法陣はより一層輝くと遂に弾けるように光を放った。咄嗟に腕を翳し目を潰されないようにする入間とユエ。
光が収まった時、そこに現れたのは、体長30mの身体に六つの頭と長い首、鋭い牙と赤黒い眼の化け物。例えるなら神話の怪物ヒュドラだ。
「「「「「「クルゥァァアアン!!」」」」」」
ヒュドラは絶叫をあげながら入間とユエを射貫く。身の程知らずな侵入者に裁きを与えようというのか、常人ならそれだけで心臓を止めてしまうかもしれない壮絶な殺気が叩きつけられた。
同時に赤い紋様が刻まれた頭がガパッと口を開き火炎放射を放った
「変身!」
入間はジオウ・ディケイドアーマーに変身することで、現れたライダーアーマーによって炎を防ぎ、その影からユエが飛び出した。
ジオウはライドヘイセイバーの針を動かす。
音声がなると、ライドヘイセイバーから赤いエネルギー刃が飛び出し、ジオウが剣を振るうのと連動して赤頭の首を切り裂いた。
まずは一つとジオウが次のターゲットに移ろうとした時、白い文様の入った頭が「クルゥアン!」と叫び、吹き飛んだ赤頭を白い光が包み込んだ。すると、まるで逆再生でもしているかの様に赤頭が元に戻った。白頭は回復魔法を使えるらしい。
少し遅れてユエの氷弾が緑の文様がある頭を吹き飛ばしたが、同じ様に白頭の叫びと共に回復してしまった。
ジオウは念話でユエに伝える。
『ユエ、あの白頭を狙おう。これじゃあキリがない』
『んっ!』
青い文様の頭が口から散弾の様に氷の礫を吐き出し、それをジオウが炎を纏わせたヘイセイバーで切り裂きながらユエと共に白頭を狙う。
「“緋槍”!」
燃え盛る槍と、色とりどりのタイヤ型のエネルギー弾が白頭に迫る。しかし直撃かと思われた瞬間、黄色の文様の頭がサッと射線に入りその頭を一瞬で肥大化させた。
ジオウのタイヤ型エネルギーとユエの光槍が直撃する。衝撃と爆炎の後には無傷の黄頭が平然としており、ジオウとユエを睥睨している。
「…あの黄色頭は防御か。面倒な……これにするか」
ジオウは、ゼロワンライドウォッチを取り出し、ディケイドウォッチに装填した。
音声と共に、ジオウの体が【仮面ライダーゼロワン・メタルクラスタホッパー】を模した物に変わり、胸部の字も『ゼロワン』『メタルクラスタ』に変わり、仮面のモニターもメタルクラスタホッパーの物となる。
ジオウはディケイドウォッチの力によってゼロワンの力をさらに引き出した姿、【ディケイドアーマーゼロワンフォーム】に変身したのだ。
ジオウは新たに“プログライズホッパーブレード”を装備し、ヘイセイバーとの二刀流でマゼンタと銀の斬撃を連続でお見舞いする。
ユエも合わせて“緋槍”を連発した。ユエの得意技“蒼天”なら黄頭を抜いて白頭に届くかもしれないが、最上級を使うと一発でユエは行動不能になる。吸血させれば直ぐに回復するが、一々変身を解いて吸血するその隙を他の頭が許してくれるとは思えなかった。せめて半数は減らさないと最上級は使えない。
それらの連撃は黄頭を焼き払い、他の首にも無視できないダメージを与える。
「クルゥアン!」
しかしすかさず白頭が回復させる。全くもって優秀な回復役である。しかしその直後、ジオウが体から銀色の機械で出来たバッタを無数に出現させ、バッタが白頭の目玉に食らい付いた事で、白頭は絶叫を上げる。
チャンスだと見出だしたジオウとユエは顔を見合わせて頷き合い、ヒュドラに止めを刺そうとする。
その時だった。
ジオウ達とヒュドラの間に、何かが落下して爆発が起きたのだ。
完全に予想外だったが、追加の魔物かと思い戦闘態勢を取るジオウとユエ。やがてモクモクと煙が晴れていくと、乱入者の姿が露になった。
その姿を形容するなら、バッタだ。
深緑の体色にバッタやイナゴを連想させる顔の形状と触覚。無理やり人間の
その姿は正に化物──怪人と呼ぶに相応しい姿だった。
「…何、あれ……?」
「あれは……まさか…!!」
ユエはその姿と、発せられる威圧感に無表情ながらも顔を少し青くして冷や汗をかき、
「…入間、あの魔物を知ってるの?」
「直接じゃないけどね。それにアレは魔物じゃない……奴の名は、ドラス」
そう、その怪人は【ネオ生命体】が生み出した邪悪な金属生命体、【ドラス】だ。しかし、この世界には怪人も、ネオ生命体もいない筈だ。一体、どうしてここに…?
しかし、驚愕はそれだけでは終わらなかった。
ドラスが入間と同じ様に困惑した様子のヒュドラに目を向けたかと思うと、なんとヒュドラが光となってドラスに吸い込まれ始めたのだ。抵抗するヒュドラを完全に吸収したかと思うと、ドラスの体が光輝き、ジオウとユエは顔を腕で覆う。
光が収まると、ドラスの姿はより凶悪な物に変貌していた。
緑の身体は深紅に染まり、より鋭さをました目が特徴的である。先程までの歪な姿と比べても、より生物的で逞しい印象が見受けられる。
それこそがドラスの強化形態、ドラス(赤)。
最凶の怪物は最奥の守護者を取り込み、ジオウとユエに牙を向いた。
『ウォオオオオ!!』
「!ユエ!コイツについての話は後!戦うよ!」
「ん、んっ!“緋槍”!!」
雄叫びを上げて向かってくる赤いドラスに、ジオウは二振りの剣を構えてユエに呼び掛け、ユエは赤いドラスの威圧感に気圧されつつも魔法を放った。
だが、ユエの魔法が直撃しても、ドラスは微動だにせず、動揺するユエに迫っていく。
「させるか!」
『ヌゥ!?』
しかしドラスがユエにたどり着くより先に、ジオウがプログライズホッパーブレードとライドヘイセイバーを交差して振るうことで×字の斬撃を飛ばし、直撃したドラスは態勢を崩して横向きに転がる。
しかし思ったよりもダメージが入っていないのか、ドラスは直ぐに立ち上がったかと思うと、右肩から分子破壊光線“マリキュレイザー”を放った。しかし、これだけでは終わらなかった。
『オォオオオオオッ!!』
「はぁッ!?」
なんとドラスは、両手から火炎放射を放ったのだ。だがドラスにはそんな能力はない。つまり、これから考えられるのは……
「ヒュドラを取り込んで、能力を自分のものにしたの!?厄介な!」
ジオウは敵の能力の正体に悪態をつきつつも稲妻を纏ったヘイセイバーで炎を切り裂き、銀色のバッタを盾のように密集させてレーザーを防ぐ。その隙にユエが“凍獄”を放とうとした。この化物には半端な魔法は通じないと理解したのだろう。
しかしそれよりも早くドラスがその漆黒の複眼でユエを睨み付けると、途端にユエが絶叫した。
「いやぁああああ!!!」
「ユエ!」
その絶叫を聞いたジオウはボディから大量のバッタを放ち、バッタ達は小さな身体と機動力を活かしてドラスを翻弄する。その間にジオウはユエを抱えて柱の後ろに身を隠した。
「ユエ?大丈夫!?ユエッ!!」
「……」
ジオウの呼びかけにも反応せず、青ざめた表情でガタガタと震えるユエ。ペシペシとユエの頬を叩きながら激しく呼びかけ、回復魔術と神水も同時に使う。
暫くすると虚ろだったユエの瞳に光が宿り始めた。
「……入間?」
「うん、僕だよ。大丈夫?一体何をされたの?」
パチパチと瞬きしながらユエはジオウの存在を確認する様に手を伸ばし、ジオウの顔に触れる。そうすると、ユエは安堵の吐息を漏らし目の端に涙を溜め始めた。
「……よかった……見捨てられたと……また暗闇に一人で……」
「一体何の話だ?」
怯えるユエに質問する。
ユエ曰く、突然強烈な不安感に襲われ気がつけば入間に見捨てられて再び封印される光景が頭いっぱいに広がっていたという。そして、何も考えられなくなり恐怖に縛られて動けなくなったと。
「あのヒュドラ、精神攻撃が使えたのか…。本当に厄介な…」
「……入間」
入間の知る限り、ドラスにそんな能力はない筈だ。つまりヒュドラの頭のどれかに精神攻撃が出来る頭があったのだろう。
敵が入間の知識以上に強化されている事に入間は舌打ちし、ユエは不安そうな瞳を向ける。
入間に見捨てられるというのは余程恐ろしい光景だったのだろう。自分を300年の封印から解き放ってくれた人物であり、吸血鬼と知っても変わらず接してくれるどころか、日々の吸血までさせてくれるのだ。心許すのも仕方ないだろう。
そして、ユエにとっては入間の傍が唯一の居場所だ。一緒に旅をしようという約束がどれほど嬉しかったか。再び一人になるなんて想像もしたくない。それ故に植えつけられた悪夢はこびりついて離れず、ユエを蝕む。
「……私……」
泣きそうな、不安そうな表情で震えるユエ。
そんなユエに、ジオウは語り掛けた。
「ユエ、
「え?」
思わず目を見張るユエ。だがジオウは気にせず、ドラスに警戒しながらもユエに問い掛けた。
「これが
「それ、は……」
敵のあり得ない強さに恐れを抱き、恐ろしい幻覚を見させられ、ユエはジオウの問いに上手く答えられない。
やがてジオウは立ち上がり、ユエに背中を向けて優しく語り掛けた。
「…ユエ、ここで待ってて。
そう言いながらジオウは【仮面ライダーブレイド・ジャックフォーム】の力を宿した【ブレイドフォーム】に変身すると、背中から“オリハルコンウイング”を展開して空を飛び、空中から“強化型ブレイラウザー”とライドヘイセイバーの二刀流でドラスに挑んだ。
しかし、時速300キロのスピードから繰り出される斬撃でもドラスには大したダメージにはならない。こうなったら
ユエはそんなジオウの戦う姿を眺めながら、先程の
確かに、あの怪人は恐ろしい。しかもあれレベルの怪人がまだまだいるというのだから、入間と共に歩むことであの怪物よりも恐ろしい存在との戦いが待ち受けているのは明白だった。
だが、それでも、入間も傍にいたいという気持ちに嘘偽りはない。
300年の生き地獄から救いだしてくれて、自分を受け入れてくれて、そして今も、自分を守るために戦ってくれている。そんな優しさが、ユエの心を射抜いた。だから、どんな危険な道のりであろうと、入間の隣に立ちたいと思った。
ユエは更に強い覚悟と決意を胸に、顔を上げてドラスを睨み付けた。
その時、ドラスの魔法とレーザーがジオウの腕を掠め、ジオウのライドウォッチホルダーから一つのウォッチが吹き飛び、ユエの目の前に転がった。
ジオウはウォッチが転がったことなど気付きもせず、再び翼を展開してドラスに立ち向かっていく。
ユエはそのウォッチを拾い上げてベゼルを回し、ライドオンスターターを押した。
音声が鳴ると、ウィザードウォッチから赤いエネルギーがユエに伝い、ユエの腰に手を模したベルト──“ウィザードライバー”が装着され、左手の中指に赤い宝石の指輪──“フレイムウィザードリング”が出現した。
奇妙な音楽と歌が鳴り響き、ジオウとドラスはユエの方に目を向ける。
だがユエはそんな事など気にもとめず、フレイムウィザードリングのカバーを下ろして仮面の形にしてウィザードライバーにかざすと、あの言葉を叫んだ。
「変身ッ!!」
歌と共に発生した魔法陣を潜り抜け、ユエは変身した。
黒いスーツに、赤い宝石を嵌め込んだマスクと鎧の
少し小柄で、何処か女性らしいフォルムとなっているウィザードは、いまだに呆然としているドラスに警戒しつつ、ジオウの隣に歩み寄る。ここが、自分の居場所であると言うように。
「ユエ…!」
「……入間、ごめん」
ジオウはウィザードを見る。仮面で顔が隠れているにも関わらず、ジオウにはユエの、道中で聞いた時以上の揺るがぬ意思と覚悟を決めたユエの
「……気にしないさ。さぁ、
「…ん!」
するとドラスは、新たなライダーが現れようが知ったことではないと、雄叫びを上げて二人に突撃する。
「…入間に近づくな、バッタ擬き!!」
『グォッ!?』
しかし、それよりも早くウィザードが“ビッグ”の魔法で巨大化させた腕を横凪ぎに振るう。流石にこれだけの大きさの違いがあれば、ダメージはなくともドラスは堪らず吹っ飛ばされる。
その隙を見計らったジオウは、何処からか普通のウォッチよりも二回りはデカい黄金のライドウォッチ──“グランドジオウライドウォッチ”を取り出して起動すると、ウォッチから平成ライダーの顔が描かれたパーツがせりだした。
ジクウドライバーにグランドジオウライドウォッチをセットすると、地中から巨大な黄金の時計台と歴代平成ライダーの石像が出現し、表層が剥がれて20人の平成ライダー達の姿が現れる。
ドライバーを回転させると、ライダー達が黄金のフレームに取り込まれてジオウの身体に張り付く様に装着され、ジオウは柱時計や王冠を被った王を連想させる黄金の姿へ変わる。
開いたフレームからライダー達が現れてそれぞれの決めポーズを取って定され、最後に頭頂部にジオウが固定されると、インジケーションアイがセットされる。
そしてその姿の凱旋を祝福するかの如く、周囲に時計状の金の紙吹雪が舞う。
そう、ジオウは20人の平成の力を備えた最強の姿、【仮面ライダーグランドジオウ】へと変身したのだ!!
ジオウとウィザードが並び立つと、ドラスは唸り声を上げて立ち上がる。
「行くぞ。先ずはこれだ!」
だがジオウは一切動じず、体に装備されている仮面ライダービルドのレリーフをタッチする。
音声と共に、赤く『2017』と表記された黄金のゲートが現れたかと思うと、そこから【仮面ライダービルド・キードラゴンフォーム】が現れる。
「ハアッ!!」
『グゥ!?』
ビルドは左腕の“バインドマスターキー”から錠前を射出してドラスを拘束すると、右腕に蒼炎を纏い、ドラスの鳩尾にパンチを御見舞いする。
ドラゴンボトルの強力なパワーが込められた一撃にドラスが後退すると、示し合わせたようにウィザードが“ウィザーソードガン・ガンモード”を装備し、手型のハンドオーサーを起動して、フレイムウィザードリングをかざす。
灼熱の炎弾が何度も直撃する。先程ユエが放った“緋槍”の何倍もの威力があり、思わずドラスは後退する。
すかさずジオウがアギトのレリーフにタッチすると、ドラスの背後に『2001』と表記されたゲートが現れ、そこから【仮面ライダーアギト・グランドフォーム】がクロスホーンを展開している状態で現れ、ドラスに向けてキックを放った。
「ハッ!!」
『ヌゥオオッ!!』
“ライダーキック”が炸裂し、ドラスは地面を転がる。
ジオウはクウガのレリーフをタッチして“ライジングドラゴンロッド”を装備し、ウィザードは青いひし形の【ウォータースタイル】に変身してウィザーソードガンをソードモードにし、二人はドラスに突撃する。
稲妻を纏った薙刀と水流を纏った剣が振るわれ、ドラスは二度三度と切りつけられ、二人の同時攻撃に大きく吹き飛ばはれる。
立ち上がったドラスは意趣返しと言わんばかりに“マリキュレイザー”と火炎放射を放つが、ウィザードが魔力を込めて猛烈な水流を発生させ、炎を消火する。それと同時に消されなかったレーザーを二人が転がって避けると、ジオウは龍騎のレリーフに触れた。
「だぁあああああああッ!!」
『ガアッ!!』
頭上に『2002』のゲートが現れ、そこから【仮面ライダー龍騎】が【ドラグレッダー】と共に現れ、ドラグレッダーの吐いた炎を纏った蹴り──“ドラゴンライダーキック”がドラスに炸裂する。
『時間よ、戻れ!』
そんな時、驚いた事にグランドジオウの頭にあるジオウのレリーフが独りでに動いて喋ったかと思うとあら不思議、ドラゴンライダーキックを放った龍騎が、ドラグレッダーと共に巻き戻されるビデオのようにキックの態勢のまま空中で制止する。
ジオウがゴーストのレリーフに触れると『2015』のゲートから【仮面ライダーゴースト・リョウマ魂(オレベース)】が現れ、更に鎧武のレリーフに触れてジオウは“ブドウ龍砲”を装備し、ウィザードは緑の逆三角形の姿【ハリケーンスタイル】に変身してウィザーソードガンをガンモードに変形させる。
そして、三人のライダーは引き金を引いた。
紫の果汁を纏った砲撃と、青い光弾、風を纏った高速の銃弾が全弾命中し、ドラスは着弾した箇所から火花を散らして吹き飛び、転がって空中で制止した龍騎の前まで墜落する。
『ヌ、ヌウゥ…』
「だぁあああああああッ!!」
『グォアアッ!?』
ドラスは何とか立ち上がるが、その瞬間に制止していた龍騎が動き出し、再びドラゴンライダーキックが直撃して倒れる。
「ユエ、決めるよ!」
「…んっ!」
ジオウの言葉にウィザードが応じると、ジオウはジクウドライバーを回転させる。
音声と共に黄金のゲートが4つ開かれ、そこから【仮面ライダーアギト・シャイニングフォーム】【仮面ライダー龍騎サバイブ】【仮面ライダーゴースト・リョウマ魂】【仮面ライダービルド・ラビットドラゴンフォーム】が現れる。
ウィザードもまた、現時点で自分が使える最強の力を解き放つ。
ウィザードの足に炎の魔法陣が展開され、魔法陣から炎のドラゴンが現れてウィザードの周りを旋回する。魔法陣が消えると、ウィザードはドラゴンを思わせる赤い姿──【フレイムドラゴンスタイル】に変身した。
ウィザードが変身したと同時に、先ずは龍騎サバイブとゴーストが動いた。
龍騎サバイブが“ドラグバイザーツバイ”から放つレーザーと【ドラグランザー】の火炎を同時に浴びせる“メテオバレット”、ゴーストが“サングラスラッシャー・ブラスターモード”から真っ赤なレーザービームを照射する“メガオメガフラッシュ”を射ち放つ。
ドラスはマリキュレイザーで対抗するが、威力が龍騎サバイブとゴーストが上であり、押しきられたドラスは着弾箇所が爆発して倒れる。
立ち上がると、今度は白いグラフのようなものがドラスを挟んで拘束し、アギトとビルドが飛び上がり、二人は空中でキックの体制をとる。
「「ハァアアアアアッ!!!」」
『グゥオオオオッ!?』
“シャイニングライダーキック”と“ボルテックアタック”が炸裂し、流石のドラスと堪らず大きく地面を抉りながら後退する。反撃に出ようとライダー達を睨み付けるドラスだが、その時には既にウィザードが技を放つ瞬間だった。
“スペシャルウィザードリング”を使用し、胸部に竜の頭部“ドラゴンスカル”を展開したウィザードは、同時に炎系最上級魔法“蒼天”を併用する事により、ドラゴンスカルに赤と青が合わさった紫色の炎が蓄積される。
「──“紫竜”!!!」
『ヌゥウウウウウウウッ!!!?』
放たれた紫の炎が大顎を開いた
しかし爆発せずにヨロヨロと起き上がろうとしている辺り、まだ死んでいない。
「入間!」
その視線の先には、黄金の光と青い稲妻を纏った漆黒の弓を持ち、弦を引き絞るグランドジオウの姿があった。
本能的に死を感じとり、ドラスは発射より前にジオウに向けてマリキュレイザーと火炎放射を放とうとするが、既に遅かった。
「ばち…っこんッ!!!」
『グォアアアアアアアアッ!!!?』
矢が放たれ、闇夜を駆ける流星の如く、蒼と黄金の光りを纏った矢は空を飛び、ドラスの胸を貫いた。
ドラスは断末魔を叫んだあと、爆発した。
こうして、最奥の階層の戦いは幕を閉じたのであった。
「……やっぱり、ドラス程度じゃ相手にならなかったかァ…。その上新しいライダーまで生まれてしもうた……一度、計画を練り直さなあかんなァ…」
オルクス大迷宮、突破です。
ユエに関しては変身するライダーはキバかウィザードかで最後まで悩みましたが、接近戦が苦手なユエにキバは酷かなと思い、ウィザードにしました。
感想、評価お待ちしております。
本作でミレディ・ライセンをどうするか検討しています。ですので読者の皆様からのご意見をお聞かせください。
-
入間くんのヒロイン入り。
-
原作通り。