光輝「おい、鈴木!なんで俺達は待機なんだ!?」
入間「出番ないからってあらすじ紹介に出てこないでよ天之河君……相手はエボルトなんだから、君たちが勝てるわけないから待機させたの」
光輝「リリィは帝都にいるじゃないか!お姫様のリリィを外に連れ出して、一体何をする気なんだ!?」
入間「それは……って、あらすじ紹介でそこまで言えるわけないでしょ!あんまりごちゃごちゃ言うなら…はい、50万ルタ」
光輝「な、何でお金を請求されるんだ!?」
入間「君達勇者パーティーが鬼の戦艦に乗り込んでからの家賃やら食費やらその他諸々だよ。この場で大人しくして生活費をチャラにするか、今50万ルタ払って戦う?」
光輝「……」
入間「さっ、こんな勇者(笑)がいなくても全く問題のない第89話をどうぞ!」
ヘルシャー帝国の各区画は、大混乱に陥っていた。
突如帝国の各所に出現した銀色のオーロラから、見たことのない存在が現れたのだ。
「な、なんなんだコイツらは!?」
兵士の一人が思わずそう叫んだ。
それも当然の事である。何せ目の前にいるのは魔物ではなく、全身にアーマーを纏った機械兵士【ガーディアン】とその強化態の【ハードガーディアン】と呼ばれる軍勢。そしてその軍勢の指揮を取るように立っている【ファントムクラッシャー】と呼ばれる機械的な見た目の怪人だったのだ。
文明レベルが中世とほぼ同じなこの世界には機械など存在しないため、彼等には普通の魔物よりも異質に見えていた。
すると、ガーディアンは手にした銃から無数の銃弾を、ハードガーディアンがガトリング砲を、ファントムクラッシャーがミサイルを乱射したことで、帝国で暮らす傭兵達の混乱の声は瞬く間に悲鳴へと変わった。
傭兵達も容易く蹂躙されるだけの柔な者達だけではない為、とっさに反撃をしようとするが、ガーディアン達が放つ銃弾には、距離を取っても確実に相手を殺せる殺傷力が秘められており、魔法のように一々詠唱をする必要もないため、傭兵達は剣を手にしてガーディアン達に近付くことも、魔法を攻撃することも出来ず、次々と死骸へと変えられていった。運良く近づけて剣を振るっても、頑強なガーディアン達の装甲には掠り傷一つつけることが出来ず、客に物理技で殺されてしまう。
機械や重火器などが存在しないこの世界で、銃やミサイルの攻撃や接近戦にも長けたガーディアン達は、まさに未知にして理不尽の権化だった。傭兵達に残されたのは、最早逃げることだけだった。奴隷である亜人達を放り投げ、一目散に逃げていくが、その間にもガーディアン達の銃撃や刃が彼等を蹂躙していった。
「うわっ!!」
その時、メインストリートで入間に助けられたあの犬人族の子供が、人混みに押されて地面を盛大に転がった。亜人であるためか、周囲の者達は誰一人として彼を起き上がらせようともしていない。
少年が起き上がろうと顔を上げると、そこにはガーディアンの一体が、セーフガードライフルと呼ばれる銃剣を手にしてこちらを見下ろしていた。顔を青くする少年に、ガーディアンは情け容赦なくその剣を振り下ろした。
最早これまでかと、少年は目を閉じた、その時だった。
「ばちっ、こん!」
奇妙な掛け声と共に、何かが固い金属質の物を貫くような音がした。少年は、咄嗟に目を開けてガーディアンを見上げると、少年にセーフガードライフルを振り下ろそうとしていたガーディアンは、紫がかった漆黒の矢に心臓に位置する部位を貫かれていた。ガーディアンはヨロヨロと後退し、力なく倒れると、小規模な爆発を起こした。
少年が爆発に怯えていると、そんな彼に優しい声がかけられた。
「大丈夫?」
声がした方を振り向くと、そこにはジクウドライバーを腰に巻き、漆黒の弓を手にしている入間が立っていた。その両隣には、ベルトを巻いたユエとシアの姿がある。
少年を立たせ、ユエとシアと共にガーディアンやファントムクラッシャーと対峙するように前に進み出た入間は、チラリと少年に目を向けて口を開いた。
「早く逃げて。ここは僕達が引き留めておくから」
「っ!は、はい!」
少年は入間の言葉に、踵を返して走り出す。
それを一瞥した入間はガーディアン達の軍勢に向き直り、ライドウォッチを取り出そうとした時、ガーディアンが突如として道を開け、一人の男が歩み寄ってきた。
顔の右側に酷い火傷を負った長髪の男は、入間達3人を見ながら不気味な笑みを見せた。
「お前がジオウか……お前達の持つロストボトルを頂くぞ」
「貴方は、浦賀啓示……いや、エボルトの擬態だね」
地球の本棚でありとあらゆる仮面ライダーを調べていた入間はその男──【浦賀啓示】の名を呟くが、直ぐに彼の正体を看破した。
それを聞いて、浦賀は面白そうな笑みを浮かべる。
「……ほぉ、良く分かったな」
「僕達バビルがロストボトルを持っているなら、エボルトが僕達を誘き出す為に騒ぎを起こすのは必然だ。そうなれば、エボルト本人か、その擬態を送り出すのが筋だからね」
因みに、入間が光輝達勇者パーティーと優花を除く護衛隊の面々を鬼の戦艦に置いていったのは、光輝がまた王都の時のようなバカをしないための保険だったりする。
オーロラカーテンに放り投げる時に光輝が何か喚いていたが、鬼の戦艦にはバビルの面々以外は動かせないように制限しておいたので、ここに来ることはないだろう。
「それなら、望み通りにしてやる」
そう言った浦賀は、“ビルドドライバー”を取り出して腰に巻くと、“ハザードトリガー”を起動した。
ハザードトリガーをビルドドライバーに接続し、漆黒の“メタルタンクタンクフルボトル”を振ってドライバーに装填すると、レバーを回転させた。
鋳型の様なフレームが、浦賀を挟むように出現する。
「変身」
黒のボディに、黒の装甲に、黒い戦車型の複眼。
全てが黒で彩られたハザードフォームに酷似した姿──【仮面ライダーメタルビルド】は、手を後ろに回した。
それを見て、入間達三人は変身アイテムを取り出し、変身の構えを取った。
「ユエ、シア。裏方作業を始めるよ」
「……ん。任せて」
「ノーコンテニューでクリアしますよ!」
入間はジオウウォッチと“キバエンペラーフォームライドウォッチ”を起動し、ユエはウォータードラゴンウィザードリングを嵌め、シアは“仮面ライダービルドガシャット”を起動し、三人は一斉に叫んだ。
「「「(大)変身(ですぅ)!」」」
入間は、【仮面ライダーキバ・エンペラーフォーム】を模した赤と金の鎧と、“タツロット”を模した両肩のアーマーに「エンペラー」の文字が書かれた【仮面ライダージオウ・キバエンペラーフォームアーマー】に変身する。
ユエは水の魔法陣を潜り抜け、ドラゴンの意匠を持った全身が青い菱形の宝石を纏う【ウォータードラゴン】に変身する。
そしてシアは、ラビットタンクフォームを模した姿に背中にビルドの顔を模した装甲を携えた【仮面ライダーエグゼイド・ビルドゲーマーレベル2】に変身した。
ジオウは“ザンバットソード”、ウィザードはウィザーソードガン、エグゼイドは“ドリルクラッシャー”を手に、ガーディアンの軍勢に向かって走り出す。
同時に、ヘルシャー帝国の各所でも、バビルの面々はガーディアンの軍勢と対峙していた。
「はっ!」
「とりゃー!!」
ウォズギンガファイナリーに変身したアスモデウスは重力波で、ツクヨミに変身したクララは自販機を投げてガーディアンスクラップに変えていく。
やがて、ツクヨミはライドウォッチのボタンを押し、ジクウドライバーを回転させながら飛び上がる。
「おりゃあああああああっ!!!」
三日月を背にしたツクヨミが、黄金の光を纏った蹴りを炸裂させ、それの直撃を受けたガーディアン達は瞬く間に破壊され、スクラップとなって地面に錯乱する。
「アズアズ!」
「分かっている!!」
ツクヨミの声に答えだウォズはベルトを操作し、自身も必殺技を発動した。
上空に暗雲が発生し、そこから無数の惑星型のエネルギーが降り注ぎ、惑星の豪雨にさらされたガーディアン達は避ける暇もなく、瞬く間に爆発四散した。
また別の区画では、アメリの変身したゲイツリバイブ剛烈、ミレディの変身したゴースト オレ魂、ティオの変身した龍騎、チマの変身したシノビが、大量のガーディアンやハードガーディアン、そしてもう一体のファントムクラッシャーを相手にしていた。
青いダウンジャケットのようなパーカーに、仮面は落下するリンゴと矢印となった【ニュートン魂】に変身したゴーストは、引力を操る“アトラクショングローブ”を前に出すと、ガーディアン達は磁石のようにゴーストに引き寄せられる。
「ぶっ飛べ!!」
ゴーストが右手の“リパルショングローブ”を突き出すと、グローブから発生した斥力により、ガーディアン達は一斉に空を飛ぶ。
空に舞い上がったガーディアン達を見て、龍騎はアドベントカードをドラグバイザーに装填し、シノビは印を結んで忍術を発動する。
「“
「忍法・氷遁の術!!」
灼熱の炎と、極寒の冷気が吹き、ガーディアン達は一瞬にして、龍騎の炎で灰も残らずに焼き尽くされ、シノビの冷気で氷の彫刻となり果て、地面に落下したと同時に粉々に砕け散った。
ファントムクラッシャーと対峙していたゲイツリバイブも、ベルトを回転させる。
「はぁっ!!!」
赤黒い炎を纏った蹴りが炸裂し、防ごうとしたファントムクラッシャーの外部装甲を砕き、ファントムクラッシャーは一瞬にして爆発を起こした。
ヘルシャー帝国のメインストリートでは、ガーディアンやファントムクラッシャーの驚異から逃げてきた帝国の住人で溢れていた。
しかし、入間達が戦っている場所意外にもガーディアンなファントムクラッシャーは出現しており、銃撃を放ちながら住人や傭兵を追ってきたガーディアンの軍勢を目にし、人々が怯えたような悲鳴を上げた時だった。
「皆さん、落ち着いてください!!」
住民達が声を張り上げた先に目を向けると、そこには愛子、優花、そしてフードを外したリリアーナが立っていた。リリアーナの姿を見たことがある面々は、リリアーナの姿に驚いていると、迫り来るガーディアン達の前に出た愛子と優花はゼインドライバーとロストドライバーを腰に巻き、プログライズキーとガイアメモリのボタンを押した。
「「変身!!」」
愛子はゼインに、優花はエターナルに変身すると、リリアーナそれに続くように、“Gデンオウベルト”を腰に巻き付け、ドーベルマンの顔が施された“ライダーパス”を構えると、パイプオルガンのような待機音が鳴り響く。
「へ、変身!」
パスをベルトにセタッチすると、ベルトを中心に赤と青の“フリーエネルギー”が飛び出してリリアーナに纏われると、プラットフォームに胸部にドーベルマンの顔を模した装甲が装着され、パトカー型の電仮面がサイレンと共に変形し、赤と青の複眼を持つ戦士の姿となった。
時の管理者──【仮面ライダーG電王】に変身したリリアーナは、ベルトに装着された“デンガッシャー”をオーラアックスが展開されたガンモードに組み立てると、驚愕する住民達を他所に、再びライダーパスをベルトにセタッチする。
G電王を中心に、ドーム状にバリアが広がり、ガーディアン達の攻撃を防ぐ。発生したバリアはG電王達や住人達も包み込むと、ゼインとエターナルが動いた。
ゼインカードを使ったゼインは“ブレストキャノン”を装備し、エターナルエッジにエターナルメモリを装填すると同時に、G電王もまた、赤と青のエネルギーを充填するデンガッシャーの銃口を構える。
「ブレストキャノン…シュート!!」
「「はぁっ!!」」
赤い砲撃と赤と青の弾丸、そして蒼炎の斬撃が飛び、ガーディアンの軍勢を一斉に破壊した。しかし、それでもまだかなりの数のガーディアンが残っており、G電王はバリアを維持しながら、ゼインやエターナルと共に身構えた。
住民達が、瞬く間にガーディアンを蹴散らしていくゼイン達に歓声を上げていると、彼等の前にバガミールを二回りを程大きくしたようなフードロイド──“メガバガミール”が現れた。
人々がメガバガミールに目を丸くしていると、メガバガミールは目を光らせ、空中にある映像を映し出した。
それは、帝城の豪華な一室で激突する、皇帝と忍だった。
時は少し遡る。
帝城の一室に控えていたガハルドに擬態したエボルトは、一瞬で五感の一つを奪われた状況の中でも極めて冷静だった。
「フンッ!」
闇の中から無数の光弾と手裏剣が飛来する。
絶妙にタイミングをずらし、実に嫌らしい位置を狙って正確無比に間断なく撃ち込まれるが、
「おっと!」
直後に背後の闇から飛び出した仮面の兵士を察知した
「ほぉ、その姿は予想外だったなぁ……」
漆黒の闇の中でも、エボルトの目はハッキリとその姿を捉えていた。
そこにいたのは、灰緑色のイナゴを模したメカニカルな風貌の兵士【仮面ライダーアバドン】と、単眼の忍者のような姿をした下忍【忍者プレイヤー】であった。
アバドンと忍者プレイヤーはすぐさま闇の中へと姿を消し、再び
「ハッ、面白くなってきたじゃねえか──『なら、こっちもこれで相手してやるよ』
声がガハルドのものからエボルトのものへと変わると、エボルトは“エボルドライバー”を腰に巻くと、“コブラエボルボトル”と“ライダーシステムエボルボトル”を取り出し、それをエボルドライバーに装填した。
レバーを回転すると、エボルトの前後にハーフボディに靄がかかったようなアーマーが形成され、エボルトは両腕を交差する。
『変身』
アーマーが重なり、不気味な笑い声と共に、【仮面ライダーエボル・コブラフォーム】が姿を現す。
エボルは右手に赤いオーラを発生し、それをバスケットボールのようなサイズに形成すると、それを天井に向かって放つ。野球ボールのような感覚で投げられた光弾は、着弾と同時に大爆発を起こした。
天井から銃や手裏剣で援護をしていたハウリアや忍者プレイヤーは、エネルギー弾を回避するためにその場から急いで撤退していたのだが、爆発したせいで広範囲に衝撃と熱波が撒き散らされたために完全にはかわすことが出来なかった。少なくとも、足場にしていた場所は崩落してしまい、次の狙撃ポイントに移るまで僅かな時間、援護が途絶えてしまった。
爆発が起きて、炎が僅かに辺りに光をもたらす。すると、再びエボルに向かって闇に紛れ複数の兵士達が襲い掛かる。エボルは“スチームブレード”を装備して、襲い来る兵士達を迎え撃つと、一際強い気配を感じ取り、その者と剣をぶつけ合った。
『…お前が、このウサギ共のリーダーか……!』
「……」
エボルの目に映るのは、忍者プレイヤーに酷似した白髪の忍者のような戦士──仮面ライダー風魔に変身したカムだ。
“
『数を合わせれば勝てると踏んだか……甘いッ!』
「ッ――!!」
「くぅう!」
エボルはトランストームガンから赤いエネルギー弾を放って量産兵達を後退させると、スチームブレードに炎のようなエネルギーを纏わせて風魔を吹き飛ばした。腹にそこから、残像を残す程のスピードで走りだし、カムに連続攻撃を浴びせていくエボル。
苦悶の声を上げながらも、連携で何とか凌いでいくハウリア達。
『はぁっ!』
「がっ!!?」
エボルの赤い波動を纏った拳が炸裂し、風魔は放物線を描きながら殴り飛ばされた。
もしもこれがガハルド本人ならば、風魔のスペックに終始圧倒されるだけだったかもしれないが、エボルには風魔のスペックも、連携も通用しない。
これがエボルト。これが数多くの惑星を滅ぼしてきた破滅の王なのだ。
それを、身を持って実感したハウリア達は……
しかし、萎縮するどころか誰もが仮面の下に隠れた口元に凄惨な笑みを浮かべた。仮面に隠れた瞳はギラギラと獰猛に輝き、一人一人から濃密な殺気が噴き出す。気配操作が意味をなさないのなら、連携で仕留めてやんよぉ!と言わんばかりに、ハウリア達はまるで一つの生き物のように動き出した。
『良い度胸だ……こい!!』
対するエボルも、武器を手にして走り出した。
ジオウ達は、遠目から映し出されているエボルとハウリアの激戦を目にしながら、ガーディアンの軍勢を圧倒していた。
ガーディアンに襲われた人々がメインストリートに集まっているのを察していた入間は、メインストリートの方にメガバガミールを送り込んだのだ。空に大スクリーンで映し出される映像のため、入間達も帝城の様子を見る事が出来る。
ウィザードは魔法を発動し、魔法陣から極寒の冷気を放ち、銃剣を構えるガーディアンやハードガーディアンの軍勢を一瞬にして氷の彫刻に変える。
「……入間!」
「うん!」
恋人の言葉に頷いたジオウはベルトのライドウォッチを押し、ドライバーを回転させる。
ジオウの持つザンバットソードのザンバットバットをスライドさせると、その刀身が紅い光に包まれ、ジオウはその剣を振り抜いた。
三日月型の斬撃が飛び、凍り付いたガーディアン達を一瞬で両断し、刃に付いた血を拭う様に一度ザンバットで刃を研いで元に戻すと、ガーディアン達は最初から示し合わせたように爆発を起こした。
「はぁっ!」
「させるかですぅッ!」
その時、メタルビルドがキャタピラ状のエネルギーを飛ばしてジオウを攻撃するが、その直前でエグゼイドがドリルクラッシャーを振るい弾き飛ばす。
「ありがとう、シア。三人でやるよ!」
「勿論ですぅ!」
「……ん!」
ジオウとエグゼイドとウィザードは、各々の剣を手にしながらメタルビルドと交戦する。
メタルビルドも格闘戦で応戦していくが、三人の連携に徐々に押されていき、やがて三人の剣の一撃を同時に受けたことで、メタルビルドは地面を転がりながら後退した。
一気に止めだと、ジオウ達がベルトを操作しようとした時、ジオウは背後から何かが近付いてくる気配を感じ取った。
『グオオオオッ!!!』
「くッ!?」
「「入間(さん)!?」」
ジオウはウィザードとエグゼイドを抱えて転がり込むと、まだ倒していなかったファントムクラッシャーが、ジオウに突撃をしてきたのだ。転がり込んだことで直撃を避けたジオウは、空を飛ぶファントムクラッシャーを狙おうとした時、
「はぁあああああああッ!!!」
「ぐっ!!?」
メタルビルドが飛ばしたキャタピラ型のエネルギーがジオウを襲う。
ジオウはザンバットソードを盾にしてその直撃を防ぐが、体制が不安定であり、威力が高すぎたことで地面を転がり、懐に隠していた二本のボトルが転がり落ちてしまった。
「……これで、望みのものは手に入った」
転がり落ちた二本のボトル──クワガタロストボトルとキャッスルロストボトルを拾い上げたメタルビルドは、紅い残像を残すスピードでその場から姿を消した。
ジオウ達が立ち上がった時、その場に残っていたファントムクラッシャーが飛び上がると、オーロラカーテンから現れた無数のハードガーディアンがファントムクラッシャーに飛び付いていき、みるみると別の姿が形成されていく。
「合体しちゃいましたよ……」
「凄く……大きい」
エグゼイドとウィザードが呟く。
そこにいたのは、全長30mはある巨大な体躯に、ファントムクラッシャー特有のバロメーターやジェット機が装備された巨大な脚を持つ機械の怪物──【ファントムクラッシャー(ハードガーディアン合体状態)】だったのだ。
「……うそーん」
方向を上げるファントムクラッシャーに、ジオウの声が帝都に木霊した。
暗闇に火花が舞い散り、更に激しさを増す剣戟は嵐の如く。
風魔率いるハウリア族の刃はエボルに届かず、逆にエボルの攻撃は確実にヒットしていく。
風魔は一度エボルから距離を取り、ハリケーンニンジャガシャットをゲーマドライバーから外し、キメワザスロットホルダーに装填した。
『おッ!』
風魔双斬刀を回転させた風魔が放った紺とオレンジの竜巻がエボルを襲う。
エボルは両腕を交差してそれを防ぐが、思ったよりも威力が高く、エボルは床を抉りながら後退する。
『ッ!』
その時、腹部に妙な感覚がして、エボルは竜巻を弾いて下を向く。
そこには、腰に巻き付けられたエボルドライバーに突き刺さった光の手裏剣が消失した光景だった。同時に、周囲の忍者プレイヤーやアバドン、デモンズトルーパー、ライオトルーパー達がエボルのベルトに狙いを定める。
『
エボルがそういった瞬間、紅い残像と共に割り込んできた影が、脚を振り上げた。
キャタピラのようなエネルギーが周囲に広がり、量産兵を一気に吹き飛ばす。ハウリア達は、地面を転がりながら痛みに悶え、風魔はその下手人を目にした。
ハウリアを吹き飛ばした鎧の戦士──仮面ライダーメタルビルドは、エボルにクワガタロストボトルとキャッスルロストボトルを手渡すと、その体を紅いゲル状にしてエボルに吸い込まれる。
『これで、全てのロストボトルが揃った…!』
そう言ったエボルはエボルトリガーを取り出し、それを起動してエボルドライバーに装填する。
レバーを回転させると、エボルは新たな装甲に身を包む。
ブラックホールフォームに変身したエボルは、8本のロストボトルが嵌められた黒いパンドラパネルを取り出すと、そこにクワガタボトルとキャッスルボトルを嵌める。
その瞬間、二本のボトルに金色の装飾が追加され、ついに全てのロストボトルが黒と金で彩られた。
『これで、新世界の扉が開く……!』
エボルは、エボルトリガーのたボタンを押す。
しかし、本来ならばエボルと同じ声がするはずの音声にノイズがかかり、聞こえなくなる。
『…何だ?……ぐぉおおおおおおっ!!!?』
その違和感を感じた瞬間、エボルは全身から火花を飛び散らせ、膝をついた。同時に、エボルの姿が、ブラックホールフォームから、コブラフォームに戻ってしまった。
『これは……!?』
「はぁっ!」
『ぐっ!?』
混乱する暇もなく、風魔の攻撃を受け、地面を転がるエボル。
立ち上がろうとするが、うまく力が入らず、再びその場で膝をついてしまう。
『力が……どういう事だ……!?』
「
困惑するエボルにそう言い放った風魔は、風魔双斬刀を構え、
・オリジナル設定
~カチコチ忍法~
本来は仮面ライダーハッタリの技であるが、チマは氷属性のため、シノビにも使えるという設定にしました。
~ファントムクラッシャー(ハードガーディアン合体状態)~
ガーディアンやハードガーディアンの合体状態のファントムクラッシャー&ハードガーディアンバージョン。
ファントムクラッシャーを核に無数のハードガーディアンが装甲として合体した状態であり、合体状態のハードガーディアンにジェット機の翼やバロメーターが着いた見た目をしており、機銃やミサイルの発射に加えて高速非行能力を有している。
活躍はまた次回。
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