Q.陵辱ゲーに仮面ライダー(SIC仕様)の力を持って転生した俺はどうすればいいですか? 作:純愛
絶望。
今の俺の気持ちを表すなら、この文字がふさわしい。
何なんだよ、動画ファイルが届いてビクビクしながら再生したら、彼女がオーク共にヤられていた。
しかも、快楽堕ちだよ。快楽堕ち。
最後は俺の悪口言いながら、フィニッシュだよ。
こういう状況になったらムスコは反応すると思っていたが、全然反応しなかった。むしろ、過去最高に萎えていた。
はぁ……何で俺の人生こんなことばかりなんだ。
母親は、間男との子供を作り、俺をスラム街に捨てようとするし。
そのことで命がけで逃げた結果、奴隷調教師に拾われて見たくもない調教現場見せられるし。
挙句に彼女寝取られるし。
もう生きている意味なんてない。死のう。
そう思い、俺は近くのビルの屋上から飛び降りた。
***
思い出すのはあの日の会話。
『純愛って、控えめに言って神だよね』
『わかる』
俺は目の前の人物から言われた言葉に反射的に答える。
『お!やっぱりわかってくれるか!いやー君の魂を見た時から思っていたんだ。君は僕と同じだってね。
あ、自己紹介がまだだったね。僕は、君達でいう所の神さ。君に少し頼みたいことがあって、君の魂をここに呼び寄せたんだ』
魂を呼び寄せた?つまり俺は死んだってことか?
疑問を確信に変えるため、目の前の男に問う。
『俺は死んだんですか?』
『そうだよ、男達に襲われそうな少女を庇ってね。あ、安心して。あの後、少女は保護されて今は両親のもとに帰っているから』
『そうですか、なら良かった。俺も命を懸けた甲斐がありました』
俺がそう言うと、神と名乗る男はうれしそうに頷く。
『うんうん。やっぱり君は最高だ。君になら、僕の頼みを聞いてくれそうだ』
『あなたの頼み?』
俺が聞き返すと、神は説明し始める。
『僕はね、純愛が大好きなんだ。純愛に対する情熱は誰にも負けない。そう、自負するほどにね。
今日も今日とて、尊い純愛を探すために世界を見ていたんだ』
そこまで言うと、神は俯き震え出し
『なぁ―――んなんだぁ―――!!!!!あの世界は―――!!!!!!』
叫んだ。
『主人公を捕まえて、返して欲しければ奴隷堕ちしてこいとかさぁ‼ふざけんなよ‼
そういう展開、大体ヒロインが主人公に好意を持った時に起こるもん!そりゃあ、行くでしょうよ!
それで、最後には快楽堕ちとかさぁ‼ダメだろ‼倫理的にも!純愛的にも!
あ゛ー、ムカついてきた。ということで君には、そういう陵辱展開やらNTR展開を潰して欲しいんだよ』
『喜んで引き受けます』
即答だった。当たり前だ。
純愛を汚すものは断罪されるべき。これは世界の意志であり、理なのだ。
『マジで⁉助かる!あ、君達でいう所の転生特典的なやつあげるよ。何が良い?』
そう言われ、俺は思考する。
……情報が足りない。せめて、何の世界に行くのだけ教えてほしい。
『俺が行く世界はどこなんですか?』
『対魔忍』
『え?』
『だから、対魔忍だって』
神から言われた言葉を反芻する。
対魔忍って、あの対魔忍?
え?陵辱が当たり前の世界の?その世界で陵辱展開を潰す?
『……無理では?』
思わず言葉が出た。
『あ!やべぇ、時間切れだ!とりあえず君の記憶の中から、特典選んでつけておくから!じゃ、頼んだよ!』
俺の視界が真っ暗になった。
***
「全部、思い出した」
あの後、俺は転生したんだ。
どうやら神とやらは、特典だけ俺に渡して、後は全部丸投げしたらしい。
「特典って、これのことか?」
俺の体を見る。
屋上から飛び降りたのに、何ともなかったかのように元通りになっていた。
「体が頑丈になったのか、不死身になったかのどっちかだな」
とりあえず、俺の彼女寝取ったオーク殺すか。この世界に転生した目的だしな。
「とはいえ、場所が分からないんじゃなぁ」
どうしよ。しらみつぶしに裏路地見て回るか?
俺がそんな風に考えていると、突然ビジョンが浮かんでくる。
町のはずれにある廃ビル。
大勢いるオーク中で、一際でかいオーク。
こいつだ。彼女を寝取ったやつは。
「行かなければ」
本能に従って、その場所に向かう。
***
廃ビルに入り、階段を上る。
階段を上っていくと、騒がしい声が聞こえる。
声がする部屋には、まだドアが付いていた。
俺は、ドアに耳を押し当て中の会話を聴く。
「―――チョロいもんだぜ」
「最後まで抵抗していたが、ボスがやったらすぐ従順になったな」
「それにしても彼氏に、彼女のヤられている姿送ったのは最高だったな」
「今頃、悔しくて泣いてるんじゃねーか?」
「あいつも、あいつでノリノリだったからなぁ」
「最後は、彼氏の悪口言いながらイッたもんな」
「俺達にかかれば、どんな女も従順なメスってわけだ!」
「ギャハハハハハ」
オークの下種の笑い声が、頭の中で響く。
本当は義務感で陵辱展開を潰そうと思っていた。
だが、今の話を聞いたら気が変わった。
今、俺は俺の手でこいつらを潰したい。いや、この世界の竿役全員だ。
すべて俺の手で殺す。絶対に。誰にも止めさせやしない。
憎悪を体にみなぎらせると、俺の腰にベルトが巻かれる。
俺は本能のままに、ベルトについてある左右のスイッチを同時に押す。
スイッチを押したことでベルトから光が出た。
その光に包まれると、俺の体は変身した。6本の角を持った黄金の戦士に。
そのまま、オークたちがいる部屋に突っ込んでいく。
「何だ、お前⁉何も――」
まずは一人、回し蹴りで頭を蹴り飛ばす。
鮮血があたりを染める。
「こ、このやろ――」
仲間が殺されたことに怒り、向かってきた奴の首を掴み、引っこ抜いた。
頭を無理やり抜いたことで、脊髄も一緒に抜ける。
「ヒィ――!」
最後の一匹は、心臓を一突き。
粘土のような感触と共にオークの心臓を貫いた。
突いた部分から血が噴き出し、俺の視界を染める。
そんなこと関係ない。
早くこいつらの親玉を殺さなければ。
聴覚を集中させ、居場所を探る。
……見つけた。上だな?
上に続く階段を見つけ、駆け足で上っていく。
上の階はまさに地獄絵図だった。
鎖が付いた首輪の女性達が、一人のオークにベタベタと媚びている。
その集団の中に、俺の彼女もいた。
俺はオークの元に歩みを進める。
迫ってくる足音に気が付いたのか、オークが集団の間から顔をのぞかせる。
オークは、奴隷達を後ろに下がらせ、俺に問う。
「何者だ、お前?俺たちのど――」
俺はオークの頭に向かって跳躍し、踵を振り下ろす。
オークの頭は歪み破裂した。
「俺が何者か聞こうとしたな?冥途の土産に教えてやろう」
俺が仮面ライダーを名乗る資格はない。だから、この名だけを借りる。
「俺はアギト。
そう言って、廃ビルを後にした。
主人公のアギトはSIC仕様です。そして、クロスホーンが常に展開しています。
闇落ち展開
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有り
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無し