それとアンケートでデビュー年はいつにするかを取るので、是非回答お願いします。基本的にG1に絡んでいって勝つこともあるので、史実馬が勝てなかったりする可能性があることはご考慮ください。
例)2020年春古馬三冠を取った馬(主人公)が秋天でアーモンドアイに負けた後ジャパンカップで仕返しをした結果ラッキーライラック、フィエールマン、クロノジェネシス、アーモンドアイの勝鞍が減る、等。
「兄貴、今日は牧場に来るんだろ?」
久しぶりに、本当に久しぶりに実家に帰ってきたにも関わらず、長年の習慣のせいか俺──市宮司が起きたときには、朝4時には家を出るはずの弟がまだ家にいた。いやこれ時差のせいもあるな。まあまたすぐにアメリカに戻るので適応しなくても問題はない。
「行くぞ。買う馬も見たいからな」
「案内させるから1回事務所まで来てよ、顔出す前にさ」
「部外者なんだから事務所には行くだろ。けど案内は別に無くても」
良い、と言おうとした俺の前に、勢いよく音を立てながら弟が入れてくれたコーヒーが置かれる。若干こぼれたな。
「兄貴、何回も言ってるんだけどさ、馬主になるなら牧場にとっては客なんだからな? ちゃんと相応の待遇は受けてくれよ」
「……わかった。ちゃんと案内を受ける」
「……よし」
俺の返事に満足した弟は、手際よく弁当を詰め終えると『いってきます』と元気よく言って仕事へとでかけていった。
弟は故郷から出た俺とは違って、外の大学に進学しながらも故郷に戻ってきた人間だ。
今は故郷の街と一体化した巨大牧場で働いており、牧場内でもそれなりの立場にいるということで、久しぶりに街に戻ってきた俺が今日牧場を訪れるという話は以前からしていた。
俺としては街を離れるまではそこでバイトしたりする程度には慣れた場所だったので特に案内なんかはいらないと考えていたが、俺がその牧場にとって顧客になる可能性が高いということで、弟からはちゃんと客としての扱いを受けるようにと強く言われていたのだ。
「さて……まだ時間早いな。英美里も流石に起きてないだろうし」
残された俺は、早くに目が覚めてしまったので朝食の前に日課のランニングと軽いトレーニングをしてしまうことにする。つもりだったが、外が真っ暗だったので断念して情報収集もといネットサーフィンをしていることにした。この街は馬を始め多数の動物が生活に入り込んでいるため、都会のように夜でも煌々と明るいなんてことは許されないからね。仕方ないね。
寝室から持ってきたノートパソコンで調べることは多岐に渡る。来年以降手を出そうと考えている競馬だとか、20年前、本職に本腰を据えて取り組むまで趣味だったアニメや小説だったりとか。あるいはこれから稼いだ金でどんなどういうことをしていくべきだろうとか。
20年近く外の情報をほとんど遮断して外国で本業に専念していたのだ。それもようやく一けりついて……いやまあ今年で終わりのつもりがしつこく粘られたせいで来年までやることになったが、俺の中では精神的に一段落ついてしまったので一度戻ってくることにした。
現代の競走馬のサイアーランキングが20年前とは全く変わっていたり血統が途絶えていたり、この20年の間にゲームがとんでもない進化を遂げていたりと変化がめちゃくちゃでかいので、そういうのを追っているだけでもかなり楽しくあっという間に時間は過ぎていった。
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簡単ながら栄養に配慮した朝食を終えたあと、普段から色々と世話になっているマネージャーに連絡して車を回してもらう。
アメリカでプロスポーツ選手として活動するようになってからだが、俺は自分のしたいこと、例えばアメリカではそのスポーツで、日本ではそれに加えて来年以降やる予定の競馬などの趣味に没頭できるように、色々な面で雑用を担ってくれるように専属のマネージャーを雇っている。マネージャーというかエージェントというか執事というかはっきりとは区別出来ないのだが。
そのマネージャーさんには俺の移動や仕事などにもついてきてもらうようお願いしているので、行先での住居は俺持ちで住んでもらっている。住み込みのメイドさんみたいなところもある。まあ要するに、全体的に俺の手伝いをしてくれる人というわけだ。
「おはようございます」
「おはよう」
「今日の予定は変更なしですか?」
「うん、牧場で。多分一日過ごすことになると思う」
2代目マネージャーの川崎英美里さん。ちゃん。まあどっちでも良いか。大学を卒業してまだ2年の24歳の才女だ。去年までは高校時代の同期の仲良かったやつにマネージャーをやってもらっていたんだが、自分で言うのも何だが俺の金払いがそれなりによく、そいつも一生楽に暮らせる程度の貯金が出来てしまったためにマネージャーという名の雑用係を引退されてしまった。代わりにそいつが見つけてきてくれたのが、縁戚であるらしい英美里だ。
「本当にやるんですか? 競馬なんて」
「競馬の動画見て『かっこいい……』なんて呟いてたの誰だっけ?」
「ぐっ、そ、そりゃあかっこいいと思いましたけど、自分で馬を買うっていうのはまた別の話で……」
そういう英美里は、まだ業務に慣れていないらしい。そのあたりは前任の同期の男がしっかりしていた。人1人を雇うには不釣り合いな大金を出す代わりに、俺は彼に対等な、あるいは俺以上の知識を持つ相手として話し相手になってもらっていたのだ。英美里にも一応そこは求めているものの、まったく興味の無かったジャンルなどは流石に追いつかないらしい。まあもう1年バスケに専念することになるので、英美里にはその間に慣れておいて欲しい。
「今日行く牧場の人に馬について教えてもらう?」
「い、ええ? 知識は結構覚えましたよ?」
「知識だけじゃわからないこともあるって言うだろ? 今後は俺も馬主をすることになるし、英美里も関わることになるぞ」
そう告げると、うーん、と難しげに首を傾げられる。
「知識を覚えるのは得意なんですけどね……」
「まあ、慣れだよ。どうせだったら乗馬でもさせてもらうと良い」
「出来るんですか!?」
「そういうのもやってるよ。あの牧場は」
「『王国』、でしたっけ」
「勝手に言ってるだけだけどね」
『馬の王国』。それが今から俺たちが向かう牧場の呼び名だ。正式名は創設者の名前を取って
「本当にあるんですかあ? ネットで調べても全然出てこなかったんですけど」
「そりゃあ表にはほとんど出てないから。でも2000年代から地方に馬出してるとは言ってたけどな」
そうこう言っているうちに牧場の敷地の前に用意された駐車場へと入る。そこから先の移動は全て徒歩、あるいは騒音で馬を驚かせないための自転車だ。広大な敷地を持つものの、この牧場の特異性もあって一般の車は中に入ることが出来ない。
「ほんとにあった……」
「ちゃんと覚えておいてくれよ。馬主付き合いでよその馬主様を案内してもらうこともあるかもしれないんだから」
「ええ!? 聞いてないですよそんなこと」
「そういうのも含めてマネージャーさんでしょうが」
ほら、行くよ、と驚く彼女を案内してまずは牧場の事務所に向かう。
「すいませーん」
そう声をかけると、中で事務作業をしていた数名が顔を上げた。あまり外部から人が来る牧場ではないので、受付のようなものは置いていないのは変わってないらしい。
「アポとってもらってた市宮なんですけど」
「ああ! 市宮さんね! はいはい、話聞いてるよ! ちょっとまってね!」
事務所内にいたうちの1人がやたらと元気良く答えながら外に出てきてくれる。その手に色紙とペンを持って。
「もしかしてサインですか?」
「はい! 俺あなたのファンなんで、良かったらお願いします!」
「ちょっと木崎君!?」
他の職員さんが慌てて止めに来るが、拒むものでも無いので大人しくサインしておく。
「ありがとうございます! やったぜ家宝にしよ!」
「案内お願い出来ますか?」
「もちろんです!」
流石に業務には真面目になるのか、サインを机に置きに行った後は真面目に牧場内を案内してくれた。
「市宮さんは一応ここについても知ってるんすよね?」
「10年以上前ですけどね。家族がずっとここに努めてて、俺も学生の頃に親父に連れてきてもらったりバイトで来たりもしたので」
この牧場は非常に広く、馬だけでなく牛や豚などもかなりの数飼育している。その中を通って馬のエリアに行くまでの間、案内の木崎君と会話する。
「ああ、そういう感じですか。そっちの、えっと」
「ああ、こちらマネージャーをしてもらってる川崎英美里さんです。今日はどっちかというと俺よりは彼女を案内して上げて欲しいんですよね」
「ええ!? 私ですか!?」
英美里が驚いているが、俺に案内は必要ない。少なくとも今日は。
「最初に言っただろ? 俺は今日はもう1頭の馬ずっと見てるからって」
「1日中だとは思わないじゃないですか!」
「え、俺もそれ初耳なんすけど、そりゃまたなんでです? 案内しろって言われたんですけど。馬主さんって話じゃ?」
詳しくない英美里だけでなく、案内役の木崎君まで似たような反応をする。おそらく弟があまり詳しい説明をしていないのだろう。仕方ないので、2人には改めて今日と、今後のこの牧場との関わりについて説明しておく。というか、多分敬語いらないな。この人相手だと。
「馬主にはなるんだけどね。とりあえず今日は、俺がまだ学生だった頃に知り合いだった馬に会いに来ただけ。そいつの産駒も見たいけど、馬主として来るのはまた来年以降って話だ」
「ああ、市宮さんまだ引退してなかったっすもんね」
「そうそう。あと1年うちでやってくれって頼まれたから。本当ならバスケやってる間は戻ってくるつもり無かったけど、もう戻ってくるの決めてたから今年は帰ってきちゃった」
「そりゃそうっすよ! 今でバリバリ現役じゃないすか! 去年もMVP投票食い込んでましたし」
「食い込むだけな。取るのはもうきつい」
俺のアメリカでの生活、ようするにバスケット選手としての活動を知っている木崎君は、それに興味があるようで色々と尋ねてくる。まあ自分で言うのもなんだが日本ではレジェンドといえるぐらいには有名になれたし、ファンなら聞きたいことが多くあるのも当然だろう。
「仲良かった馬なんですか? その、ヒカリ? っていう馬。良く話してますけど」
話せないところは誤魔化しつつのその話が一段落したところで、今度は反対側を歩いていた英美里が問いかけてきた。
「うん? そうだな……。うん。仲は良かったと思うよ。もう、何年になるかな。15年は会ってないと思う」
そう言うと聞いてた2人からすごく微妙な表情をされた。それほんとに仲良かったの? なんて思っているのだろう。
違うのだ。アメリカで本業、まあ俺の場合はアスリートだったのだが、それを続ける間は生活の全てをそこだけに費やそうと決めていたのだ。だから日本に帰ってきたのも向こうでプロのリーグに上がれることが決まった時以来だし、高校生まではむしろスポーツよりもハマっていたアニメなんかのサブカルも全て断っていた。その関係で牧場に来ることも無かったのである。
「まあ、向こうは覚えて無いかも知れんけど。別にそれで良いんよ。俺が勝手にあいつに夢見てるだけだから」
「ヒカリって残しの馬でしたよね?」
「残し?」
ここの牧場は、よその競争馬を生産している牧場と比べてもかなり特殊だ。アメリカでアスリートをやってる間は競馬との関わりも一切無かった俺が、大金を抱えて戻ってきたのも、生まれ育ったこの街と一体化した巨大牧場の影響が大きい。
「まあ、そのあたりも木崎君が英美里に説明してやってくれると助かる。俺はヒカリのとこでのんびりしとくからさ」
遠くに見えた懐かしい姿に、2人を残してそちらを目指して歩き始める。さて、俺の憧れはまだ元気に走っているだろうか。
この話で出てきた馬主くんの方の話(馬に関係なかったり馬主くんの職業の話(NBA選手)が出てくる)の話も書いていきます。本作は馬メインではなく馬と人メインになる予定ですので、馬の調教とレースの話だけにはなりません。
【取り直し】 現在書いているアフターザライトが本作の馬主の方の主人公の第一世代の馬になり、それ以降の世代に何頭も馬が登場していくことになります。馬主の持ち馬は全て架空馬です。 そのアフターザライトのデビュー年を何年にするかをアンケート取ります。デビューは2歳なので、デビュー年の翌年のクラシック世代に割り込んでいきます(勝つかは未定)。これによって史実馬の勝鞍が変わります
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2歳で2014年デビュー
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2歳で2015年デビュー
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2歳で2016年デビュー
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2歳で2017年デビュー
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2歳で2018年デビュー
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2歳で2019年デビュー
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2歳で2020年デビュー