HarryPotter 魔法省魔法法執行部公安局 作:Firebolt08
1話 魔法界への期待&魔法界の闇
1991年 9月 キングズクロス駅
「九と四分の三よ」
同じ赤毛の小柄な女の子が高い声を出した。お母さんの手を握って自分もホグワーツに行きたいとねだるように言っている。
同じ赤毛のお母さんはその子の名前を呼びながら来年行けるわよと諌めると一番年上らしい男子から順に送り出し始めた。
来年なら自分より一歳年下なのかとハリーはジニーと呼ばれた赤毛の女の子を不思議と可愛いなと思った。ハリーはこの時、今まで思った事もないことにあまり自身の抱いた考え、それに伴う感情がなんなのか分からなかった。
なんとなく頬が熱を帯びた感覚を覚えながら観察していると双子らしき兄弟も姿を消した所でハリーは少し勇気を出しながら赤毛の家族に近付いていった。
「すみません」
ハリーが声をかけると赤毛のお母さんは優しく応対してくれた。ロンという名前の子も自分と同じ学年らしい。それからプラットフォームへの行き方を教えてもらい、そのやり方を実行しようとカートを動かす。
するとさっきの赤毛の女の子が「幸運を」と声をかけてくれた。
「ありがとう」と感謝を述べると意を決してカートを突っ込む。
ぶつかる感覚はなく、無事にホグワーツ特急が停車しているプラットフォームにハリーは辿り着くことができたのだった。それから双子に荷物を載せてもらうのを手伝ってもらったり、ハリーポッターだというのが知られたりしていると列車は発車の時刻となった。
他の家族が見送りしている様子を眺めているとさっき親切にしてくれた赤毛のお母さんと女の子が見えた。女の子は列車を追い掛けて走っていたが追いつけなくなると泣き笑いを浮かべながら手を振っている。
カーブで汽車が曲がった所で女の子と母親が見えなくなるまでハリーは見ていた。それから景色が目まぐるしく変わっていく車窓を眺めながら心を躍らせているとさっきの赤毛の子が「ここ空いてる?」と訪ねてきた。
ハリーは快くロンと呼ばれていた同い年の子を招き入れた。
* * *
1992年/6月/ 東京
東京の代々木駅近くの雑居ビル。ビルを中心に明朝には不釣り合いな程、賑やかな様相だった。ビルの中では怒号と閃光が響いている。すると窓ガラスが割れ、ビルから黒い靄が飛び出したが張られていた結界に阻まれて墜落していく。しかし、マグルはそんな喧騒を認識することなく、街は眠りについてた。
屋内では見るからにガラの悪い風貌から一見するとインテリのような眼鏡をかけたスーツの男までが片手に銃や杖を構え、手当たり次第に弾丸や閃光を飛ばしている。
一方、壁の裏側に渋い顔をした闇祓いが重装備の公安捜査官数名と身を潜めて機会を伺っていた。なりふり構わない抵抗に手を出しかねていたのだ。闇祓いの名はスティーブン・ミケルセン。額から汗を滲ませる捜査官にミケルセンはここは任せて階下の加勢に行くように合図した。捜査官達は心配が勝って抗議しようとしたがミケルセンは有無を言わさず、一瞬の隙をついて部屋の中に有言呪文を唱えた。
「Expulso Maxima!!」
直後に凄まじい爆発音と衝撃でさっきまでの怒号が悲鳴に変わる。その様子に捜査官達は素直に指示に従うことにして階段を降りて行った。
それを見送ったミケルセンは銃のマガジンを替えると杖と銃を構えて部屋に突入していく。室内は軽い火事になっていた。吹っ飛んだソファを盾にした男が呪文を飛ばす。その杖腕をミケルセンが撃った銃弾が貫く。上半身の入れ墨が目立つ男と数人が潜んでいた家具の残骸から身を乗り出した。そして、一斉に発砲したがミケルセンが杖を振ると弾丸がそっくり返ってきてその場に倒れ伏した。消火を忘れずにミケルセンは歩みを進めていく。
それからも殺伐としたやり取りが何度か続き、また1人と確実に制圧されていった。不必要に殺される事はないがそこに慈悲はない。最奥にあった部屋の扉を問答無用で吹き飛ばすと黒い衣装に仮面をつけた男が潜んでいた。死喰い人だ。
間を開けずに一気に畳み掛けたミケルセンに半テンポ遅れた死喰い人が応戦する。互いに小さい部屋で無言呪文を繰り出しては避けていなす。一歩も譲らない攻防が少し続いたが呪文の応酬に敗北したのは死喰い人だった。魔法戦にも関わらず、距離を詰めたミケルセンの拳が仮面ごと顔を捉えたのだ。流れるように放たれた妨害呪文で死喰い人は壁に叩きつけられた。仮面が床に落ち、素顔が晒される。
「アントニン・ドロホフ…」
「ゲホッ!……ミケルセン!どこまでも忌々しい。今に見ていろ。闇の帝王は必ず復活を遂げる。我が君は永遠なのだ!」
ドロホフは仮面の欠片が頬に刺さり、鼻血をダラダラと垂らしながら苦しそうにしていたが杖腕で隠し持っていたスイッチを高く上げる。これがもし押されればこのビル一帯は軽く吹き飛んでいた。だがそれを押す前にドロホフは腕の感覚が無くなった。正確には腕を呪文で切り落とされたのだ。
痛みと驚愕で顔を歪めるドロホフだったがすぐに切り口が炎に包まれ、悶絶する。ミケルセンに視線を戻した頃には回し蹴りが眼前に迫っており、固い靴底が頭に直撃するとドロホフは完全に意識を手放した。
ひと息ついたミケルセンは切り口の止血がされている事を確認すると厳重に拘束をしていく。飛ばされて壁に突き刺さっていた杖をへし折りながら回収する。次にコートのポケットからフラスコを取り出してコルクの栓を外し、中身をドロホフの口に流し込んだ。生ける屍の水薬である。それから部屋の隅に転がる鞄を掴むとひっくり返ってボロボロになったソファを戻して腰掛け、中身を改めていった。次第にミケルセンは顔を怒りと納得が入り混じった表情になった。守護霊を呼び出すとすぐに飛ばした。中身を戻し、杖を振って鞄に封をしてから床で倒れているドロホフを引き摺りながらその部屋を後にした。
部屋を出てきた道を戻っていると捜査官と闇祓い十数名が階段を駆け上がっていた。手を振って合図すると心底安堵したという顔で早足で近付いてくる。
「「大丈夫ですか!」」
「なんとかな。そっちはどうだ」
「全てのフロアを制圧しました。取りこぼしはありません」
「そいつですか」
日本の闇祓い師は問いに答えると床でうずくまるドロホフに目を向けた。
「ならよかった。アントニン・ドロホフ、聞いたことあるか」
「確かヴォルデモートの仲間で凶悪なテロリストでしたよね。失礼、名前を口に。申し訳ありません」
もうひとりの闇祓い師はヴォルデモートの名を出したことを詫びた。忘れてたとばかりに口を抑えていた。
「構わないさ。個人的に名前を恐れるなんてナンセンスの極みだと思っている。どれだけ恐ろしかろうと一種の神格化に繋がってしまうからな。ただ当事者の多いイギリスでは下手に口にしないほうがいい」
「その鞄は?」
公安捜査官は鞄に興味を示した。
「今回の物的証拠が詰まっている。この場で拝見したいか?」
「いえ。私が見ていい内容か判断しかねるのでやめておきます」
「日本人らしいな。いや勿論、悪い意味で言ったじゃない」
「お気遣いなく。ドロホフの移送はそちらが?」
「そうだな。強力な薬で眠らせてあるが何があるか分からん。取り調べる権利は当然そちらにもあって然るべきだが身柄は魔法省主体で確保しておく方が安全だろう。私はこの証拠を届ける。あぁ…激しく抵抗されてね、部屋にこいつの腕が落ちているので悪いが回収を頼む」
「わっ…分かりました」
「身柄はこちらで。地下も無事に制圧しました」
「頼んだよ」
闇祓い師はドロホフに札を貼り付けるとドロホフの体が浮かび上がる。闇祓い師が杖を振るとゆっくりとドロホフの体は階段に向かっていった。追って上がってきた鑑識と捜査官が数名の闇祓い師とさっきの部屋に進んでいく。
鞄を抱えたミケルセンはビルの外に出て結界を抜けると姿くらましをした。
* * *
<日本魔法省 第二大会議室>
「無事に解決したそうじゃないか。死喰い人の身柄も先程、無事に魔法省に到着した。ドロホフだったか?して私に話があるというのは何かね」
「今回の案件に関する重大な証拠が見つかりましてね。まずは副大臣の中神さんに見て頂こうと思いまして」
「政府の内閣官房長官と公安部長がイギリスのテロリストと組んでいたという話だったがそれを決定付けるものかな?容疑はほぼ確定しているだろう」
「まずはご覧ください」
そう言うとミケルセンは鞄の中身を机にばら撒くように出した。
「全く…大事な証拠をそんなぞんざいに扱ってはダメで…は…ないか………」
副大臣の中神は呆れたように証拠に目を移したが視線があっちこっちに右往左往し始めた。みるみる顔が青白くなり、血の気が引いていた。
「そんな…まさか…あり得ない……!」
「その様子じゃ寝耳に水だった訳か。己が魔法大臣の座に収まって終わりだと思っていたようだな」
ミケルセンは丁寧な口調をやめると冷たく感想を述べた。
「ちっ違う!っっく…!紙燃えよ!」
中神は焦ったように杖を振ると机の上にあった書類はみるみる灰と化していった。
「全く何の話かわからない!」
「ちなみに今あんたが燃やしたのは複製したものだ」
「何だと?!いや違う!そんな証拠はないんだろう!貴様がでっち上げたんだ!捏造だ!」
今度は顔を真っ赤にさせながら怒鳴り散らす中神。
すると扉が開き、とある人物が入ってきた。
「本物は今、私の部屋にあるよ中神くん」
「だっ…大臣、これは何の真似です?」
大臣に続いて入ってきた闇祓い師と警備に杖を向けられ、あからさまに狼狽えていた。
「然るべき処置だと私は思うね。まさか内閣官房長官をスケープゴートにしていたとは。その長官もポリジュース薬による成り変わり。本物の官房長官は先程、雑居ビルの地下で監禁されていたのを保護された所だ。魔法で改造された大量の爆薬を添えてね。実に巧妙に隠されていた」
「わっ…私がそれをやったと…?」
「実行犯ではないからやってないとでも屁理屈を言いたいのかね。我々は成り変わりに気付かず、危うくマグルの官房長官に闇の魔法使いでグリンデルバルドの元信奉者という烙印を押す所だった。確信を持って君の謀略だと断言しよう」
「外務省の事務次官と職員数名に服従の呪文をかけるように指示したのもお前だな。シベリアに潜伏していた死喰い人をソ連崩壊のゴタゴタに便乗し、北海道経由で招き入れた」
「な…何でそれを……」
「さっきの書類をもっと読んでから燃やすべきだったな。あんたの弱みという弱みがびっしり書かれている。仮にあんたが魔法大臣になったら向こうの操り人形だ」
「今は書類の情報を元に他の証拠品を回収に向かわせた所だ。闇の魔術の品までひとつひとつ説明してもらおう。公安部長を利用したように中神くん…君もまた利用されていたんだ。……直ちに杖を手から離しなさい」
大臣の静止も虚しく、中神はその場から逃げようとした。ミケルセンが拘束しようとする前に大臣の容赦ない魔法で中神は吹っ飛ばされ、すぐに闇祓いが拘束した。
「はぁ…我が省の極めて見苦しい部分を見せてしまったようだ。彼はマホウトコロの後輩だったんだが存外私も身内に甘くなっていたらしい。私の曇った目のせいでイギリス魔法省には多大な迷惑をかけた。誠に申し訳ない」
「大臣、謝罪はコーネリウスに取っといてください」
「確かにそうだな。ただ現場でいちばん迷惑をかけた君に詫びるのは当然の事だ。最初のとじまえんでの取り引き阻止から何まで感謝してもしきれない」
「取り引きと一緒にアトラクションがいくつか吹っ飛びましたがね」
「それでも死者がゼロなのは君のおかげだ。もっとも…今は後始末のことを考えるだけで気を失いそうだ」
すると連行されていった中神と入れ違いように若い男が入って来た。
「失礼します。こちらも片付きましたので報告に参りました。公安部長は残念ながら本物でしたよ。服従?させられている訳でもなく自らの意思で」
「倉内くん。君もご苦労だった」
「礼には及びません。私のようなマグルの公安警察官に出来ることはそうありませんでした。あぁひとつお伺いしたいのですが私の記憶を修正されるんでしょうか」
「君はこの一件をマスコミにリークするような男なのかな?」
「とんでもない。動機も旨味もないですね。仮にこんな話を持ち込んでも狂った警察官がいると記事にされてこき下ろされるのオチです」
「それもそうか。意味のない質問だったな。勝手極まり申し訳ないが君はこちらの世界を知って尚、適切な距離感で対応出来る。服従の呪文に抵抗した精神力もそうだがそういう人間は我々にとって貴重なんだ。君が望まない限り、記憶は修正されないだろう。恥ずかしながらまた協力を依頼する事があるかもしれない」
「そうですか。喜んでいいのかは分かりませんがそういう事でしたら。個人的に、しばらくはここに来ることがないことを祈っていますが」
「勿論、そうならないように我々も全力を尽くすと約束しよう」
「東京駅に来る度、思い出しそうですけどね。駅の真下にあるなんて最初は恐ろしかったですよ」
「地下鉄が建造されるとなった時はちょっとしたパニックでね。イギリスは地下鉄が通らないようにしたがこっちはより深く潜ることにして乗り切ったのだよ。だから最上階に行くと地下鉄の揺れが伝わってきてお陰で誰も使いたがらないんだ」
「なるほど…あぁ後ほど上司がこちらに来るそうなので出迎えて来ます。ミケルセンさん、お世話になりました」
「こちらこそ」
「大臣、日城警視正が後ほどお話ししたいと」
「分かった。少しお待ち頂くかもしれないがそれでも構わなければ今日中に時間が取れるはずだ」
「分かりました。それでは失礼します」
倉内は小走りで戻っていった。
「実に優秀な男だ。魔法族でないのが残念でならない」
「確かに。しかし、最上階の話は漏れ鍋の安い客室みたいですね」
「昔泊まった事があるよ。全く眠れなくてよく覚えてる。食事は悪くなかった」
すると守護霊が会議室に飛び込んできた。
『魔法大臣が現在、そちらに向かっている。私も護衛を兼ねて同行することになった。日本の魔法大臣にその旨、伝えておくよう』
ライオンの守護霊はその場に鎮座するとスクリムジョールの声が聞こえてきた。
「お聞きの通りです」
「エントランスに向かうとしよう」
* * *
「いやはやご無沙汰してました。どうにも大陸間煙突飛行は慣れませんね。お世辞にもお元気そうとはいえないご様子ですが無事で何よりです大臣閣下」
フルーパウダーで咳き込みながらコーネリウス・ファッジは暖炉から出ると日本の魔法大臣に挨拶した。
「よく来てくれましたコーネリウス。何の出迎えも出来ず、申し訳ない」
「構いませんよ閣下。事情はこちらもある程度は把握しているつもりですよ。あぁ、こちらはご存じでしょうが闇祓い局の局長ルーファス・スクリムジョール。下手人の移送やら何やらを協議する責任者で護衛を兼ねて連れてきました」
「お久しぶりです、日本国の魔法大臣閣下。我が局が取り逃した犯罪者が多大な迷惑をかけたようで本当に申し訳ない」
「そうだな…まずは我が国の闇の魔法使いが貴殿の国の治安を著しく損なったようでイギリス魔法界を代表してお詫び申し上げる」
ルーファスが頭を下げるファッジもそれに続いて謝罪をした。
「とんでもありません!むしろお詫びするのはこちらでございます。そちらのミケルセン公安局長が居なかったら日本魔法界は死喰い人の手に落ちる所でした」
日本の魔法大臣は勘弁してくれと言わんばかりだった。
「おぉ…!スティーブン。おっと…なかなか血まみれだな」
ファッジはお疲れさん!と声をかけたが想像よりもボロボロで額に血の跡が残っていたので少したじろいだ。返り血もまだ綺麗にできていない。
「ファッジ大臣。お早い御到着でしたね」
「ドロホフの逮捕といい、事態は一刻を争うとルーファスに急かされてしまってね。お陰でしもべ妖精にベッドから叩き出される羽目になった」
するとルーファスがミケルセンに耳打ちした。
「東京に大臣が出向くと報告した際にとある事務次官が出しゃばってきたのでね。余計な人間が付いてくる前に出発したのだ」
「というと」
「親愛なるあのドローレス・アンブr…」
するとミケルセンは手を挙げてスクリムジョールを制した。
「もう結構。しばらく見ないで済んでたのに思い出してしたではありませんか」
「何の話だね?」
大臣が耳打ちの内容に興味を示した。
「同僚として労っていた所ですよ。本当にご苦労だったスティーブン。ドロホフ逮捕は手放しでお手柄と言える。今度、一杯奢ろう。それで話によれば閣下のお身内に敵が潜んでいたと?」
「えぇ情けない話ですが。中神ですよ」
「何と!」
「彼が…詳しく伺いましょう」
ファッジは驚いたがスクリムジョールはどこか納得した顔をしていた。
「えぇ。それとファッジ大臣。後ほど、マグルの警察機関の方も交えて会談をしたいと思っているのですが構いませんか。今後について日本政府とも話し合わなければなりません」日本の魔法大臣は、あー今すぐ誰かが失神呪文を私に放ってくれればいいのにという顔で告げた。
「勿論ですとも閣下。スティーブンと少し話をしたらすぐに私も向かいます」
ファッジはにこやかに答える。
「ごゆっくりどうぞ。大臣室で茶菓子を用意してお待ちしています。ミケルセン君、本当にありがとう」
そうして神妙な面持ちのスクリムジョールと日本の魔法大臣はひと足先に大臣室に向かっていった。
「さてと…スティーブン。彼が君に今すぐ用があるそうだ」
ファッジが横を指すと黒い皮手袋が宙を浮かんでいた。聞き覚えのあるベルの音が聞こえた気がしたミケルセンは呆れるやら疲れたやらでみるみる仏頂面になるが手袋はお構いなしに手を振っていた。
「はぁ………大臣、東京観光ぐらいさせてもらいたかったのですが」
ミケルセンは不満を全く隠さなかった。
しかし、ファッジは小声で続ける。
「私に言わんでくれ。なんでもホグワーツに例のあの人が現れた」
「すると…あれを狙ったのですか」
ファッジは重々しく頷いた。
「賢者の石を奪いに来たが徒労に終わったそうだよ。既に逃亡したとの報告を受けて私とルーファスはこちらを優先させたんだ。だが例のあの人がイギリスで再び、動き出したということでもある。もし私たちの不在時に事が起きれば、抑えられるのは君だ。といってもしばらくホグワーツに滞在する事になるだろう。勿論、留守はボーンズ部長に任せている」
「………買い被りすぎです」
「行きたまえ。君の荷物はこちらで持って帰るから安心しなさい」
「どうしてもですか」
「どうしてもだ。そんな露骨に嫌な顔をするもんじゃない。文句はアルバスに。それが終わったら1週間の休暇を約束する」
「分かりましたよ大臣」
ミケルセンが渋々、手袋を握るとダンブルドア特製の移動キーが発動し、ミケルセンはファッジに見送られながらイギリスへ戻っていった。
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