HarryPotter 魔法省魔法法執行部公安局   作:Firebolt08

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原作ネタバレ注意。


アズカバンの囚人
10話 電話&訪問


ハリーは1日1日を耐え凌ぎながら宿題を進める生活を送っていた。ロンやハーマイオニーからのそして何よりジニーからの手紙だけを支えに生きていたある日、

 

『もし!もし!聞こえ!イタッ…何すんd…y』

突然の大声にバーノンは飛び上がり、受話器を耳に離したが続けて聞こえて来た声が普通の音量だったので怒鳴るのを我慢して聞くことにした。

『ロンの馬鹿…!貸して、えっと…突然、お電話して申し訳ありません。ダーズリーさんのお宅で間違いないでしょうか?』

 

「…だとしたら何の用だね。あーお嬢さん」

 

『あのえっと…私はジネブラ・ウィーズリーです。私、ハリーの友達であっ、ハリーポッターさんはご在宅でしょうか?少し話せるだけでもいいんです。お願いします』

 

「友達だと…?あの小僧…まぁいい。ちょっと待ってもらえるかな」

 

『はい』

ジニーは恐る恐る返事した。

 

バーノンは受話器を手で覆うとハリーを怒鳴りつけた。

「ハリー!勝手に家の番号を教えたな!」

 

「あの…すいま」

 

「ガールフレンドから電話だ…」

 

ハリーは腰を低くして受話器を受け取ろうとしたがバーノンの言葉に顔が熱くなった。

「え、いや…」

 

「いいか…少しでも変な会話をしてみろ?電話線を引きちぎってでも話を終わらせてやるからな。それと…あまり長電話をするな。分かったか?」しかし、ダーズリーにハリーをからかう意図は微塵もなかったようだ。ハリを指差しながら青筋を立てながら警告するとバーノンはハリーに受話器を渡した。

 

「はい、気を付けます……もしもしジニー?」

 

『ハリー…!その大丈夫だった?』

 

「うん大丈夫だよ。電話くれてありがとうジニー。もちろんロンも」

 

『ごめんなさい、最初にあのロンがうるさくして』

『なぁこれって普通に話せば聞こえるのか』

『だからそう言ってるでしょ。絶対大声出さないでよ。困るのはハリーなんだから』

『あぁハリー、その悪かった。元気か?』

 

「まぁ何とか元気だよ。そっちはどうだい」

 

『それが聞いてくれよハリー。パパが新聞の宝くじを当てたんだ』

 

「ほんとに?!おめでとう」

 

『それでビルが仕事してるエジプトに家族で旅行に行くんだ。それでイギリスから出る前にハリーに電話しようと思って。学期の1週間前に戻って来てそのままロンドンに行くらしいからハリーもこいよ』

 

「必ず行く。旅行楽しんでこいよロン」

 

『もちろんだ、お土産を楽しみにしとけよ。あぁジニーに代わるよ』

『………話したかったこと全部ロンが喋っちゃった』

 

「そっかフフ…そのジニーは電話の話し方とかアーサーおじさんから教わったの?」

 

『使い方はパパも教えてくれたけどほとんどミケルセン先生が教えてくれたの。学期末に何度か話す機会があってね。魔法省での事情聴取を先生が代わりにやってくれて、それで日記について話す代わりに好きなこと質問したりしていいって事でその時に色々聞いたの』

 

「なるほどね。先生はもう魔法省に戻ったのか」

 

『ちょっと前の新聞でアメリカの方に行ってる記事は読んだわ。写真も載ってたけど疲れてる顔だった。あ、待ってそろそろ電話の時間が切れそう。小銭あるロン?』

『もうないよ』

『……じゃあまた今度ねハリー。手紙の返事もありがとう。エジプトからだと送るのに時間かかりそうだけどまた書くから』

 

「ありがとうジニー楽しみにしとく。今日話せて嬉しかった。それじゃバイバイ。ロンもまたね」

 

『おう。またな』

『私も…バイバイハリー』

 

ガチャリ

 

ハリーは高揚感や喜びがスッと元に戻っていく感覚を覚えた。ついさっきまでロンと話せてジニーの声も聞けたというのに。それからの1ヶ月はハリーにとってなかなか辛いものだった。エジプトに行く前日に書いてくれたであろうとジニーの手紙と週に1回あるかないかのペースで電話してくれるハーマイオニーとの通話がハリーの心の拠り所だった。

 

ただただ時間が過ぎることを待つ日を過ごしていると色んな手紙が届いた。同封された新聞にはウィーズリー家の旅行が記事になっていた。写真にはウィーズリー家が勢揃いでペットのスキャバーズまで写っていて、皆楽しそうだった。ちょっと羨ましい。ジニーからの手紙を最後に読む事にするとハーマイオニーやハグリッドの手紙に学校からの封筒もあった。そこにはホグスミート行きの許可証の書類が同封されていた。

 

*  *  *

 

「どちら様でしょうな!」

ダーズリーは怒りと憔悴が入り混じった声で訪問者に声をかけた。

 

「あーミスターバーノン。私はスティーブン・ミケルセンという者です」

 

名刺を差し出されたバーノンは目を少し見開くと再び尋ねた。

「外務省の役人が家に何の御用ですかな」

 

「先程、飛んでいってしまった貴殿の妹君は無事に元通りになったという報告に参りました。恐縮ですがここで立ち話も何ですからお邪魔してもよろしいでしょうか?」

 

「なっ…!キサマ、まさか魔のつくあれの仲間なのか」

 

「再び恐縮ながら…そちらの名刺は三度振っていただくと」

 

バーノンが恐る恐る名刺を振ると外務省は魔法省へと代わり、魔法省魔法法執行部公安局と文字が代わりに浮かび上がった。同時にこめかみに青筋も浮かび上がった。なんせ名刺には魔がいっぱいである。今にも爆発しそうだったがペチュニアの声でそれは収まった。

 

「あぁ…ミケルセンさん」

 

「ペチュニア夫人。夜分遅くにすいません」

 

「しっ知り合いなのかペチュニア」

 

「そのっ…あの納得できないかもしれないけどあのあっちの人間の中ではかなりそのまともな方なのよ。それで昔、何度か妹の関係で何度か話すことがあったの」

 

「そうか…あぁまぁ話ぐらいは聞かせてもらう。紅茶で構わないかね」

 

「はい。お気遣いありがとうございます」

ミケルセンは居間に通された。ダドリーはペチュニア夫人に部屋に戻るようにキツく言われ、不服そうだった。この場合の両親が自分の駄々を聞き入れないことが分かっていたダドリーは渋々階段を上がって行った。

 

「それで?」

 

「現在、彼女は元通りになりまして聖マンg…失礼、こちらの病院で軽い検査を済ませた後、ご自宅にお送りすることになっています」

 

「そうですか。あのマージは覚えているのかね」

 

「いいえ。こちらで夕食を食べて帰ったということしか覚えておりません。m…事故惨事部の職員が全て対応致しました」

 

「そうですか。それであの小僧は」

 

「ハリーの身柄はこちらで既に保護しました。大臣…私のボスが直々に。それと失礼ついでに何があったのかお伺いできればと思いまして」

 

*  *  *

 

「そうでしたか。あまり聞いていて楽しい話ではありませんでしたが事情はよく分かりました」

 

「なっ…何か文句でもあるのかね」

 

「とんでもない。ただ事情を知らないにしろ度が過ぎているとだけ」

 

「マージが風船にされたことこそ度が過ぎている!」

 

「ジェームズの事はともかく…それでもペチュニア夫人。貴女だって妹を罵倒されて決して気分が良かった訳でははないでしょう。違いますか?」

 

ペチュニアはそう問いかけられると口を開きかけて、何か言おうとしたがそのまま黙って目線を下げた。

 

「彼が両親を侮辱されてその怒りがあのような形で出てしまったというのは我々としても謝罪しなければなりません。ですがその怒りは全くの見当違いとは言えない…ムシのいい話で申し訳ないがどうか来年の学期末に帰ってくる頃にはまた迎えてやってほしい」

 

「………分かっています」

意外にも答えたのはペチュニアだった。

 

「他に何かなければ私はこれで失礼致します。紅茶をありがとうございました」

 

ミケルセンはそう言うと立ち上がって部屋を出た。バーノンはそこを動かなかったがペチュニアは見送るべく後ろに続いた。ミケルセンが玄関を開けて外を出ると、ペチュニアが口を開いた。

 

「ブラックが…脱獄したって」

 

「そのようです」

 

「奴を捕まえてくれるんですよね」

 

「必ず、ブラックからは話を聞かなければなりません。あれは私にも責任の一端があります」

 

「えぇ」

 

「それではこれで。見送って頂いてありがとうございます」

そう言い残すとミケルセンは数歩、歩くと渦を巻くように消えて行った。

 

 

 

 

 




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