HarryPotter 魔法省魔法法執行部公安局 作:Firebolt08
『ギルデロイ・ロックハート逮捕!!』
2日前、ダイアゴン横丁のフローリッシュ&ブロッツ書店ではホグワーツの生徒以外にも多くのご婦人達で大いに盛り上がっていた。ギルデロイロックハートのサイン会である。そんな黄色い声が絶叫に変わる衝撃の逮捕劇があった。サイン会の最中、ロックハートは公安局の闇祓いによってその場で逮捕されたのである。何と出版されていた自伝の殆どが他人の業績を横取りして書かれていたものだと判明したのだ。更にその手柄を奪われた人間は皆ロックハートによる忘却術で全ての記憶を奪われていたのだ。現在、聖マンゴ総合病院には被害者とみられる人物が何人も入院しているとの事だ。このイギリス魔法界を大いに騒がせている事件に関して執行部の部長であるボーンズ女史は許されない蛮行で言語道断だとして次のように続けた。「忘却術を悪用した事件は決して少なくないというのが実情です。ですが本件はそれを自身の名誉や評判の為に利用し、社会的な地位を確立していた訳で極めて悪質な犯行であると言えます。これは第一次魔法戦争以前に死喰い人や例のあの人が仲間を増やす為に行ったプロパガンダに通ずるものがあるというのは明白ですが特に主婦層には絶大な支持を受けていた彼による社会的な影響力は大きく、野放しになっていれば恐ろしい事態になっていた可能性が多分にあります。」このように我々が考えるよりも事態は深刻であった事が窺える。また、彼はホグワーツの教授に内定していたが既に防衛術の教師には別の人物の就任が決定している。「ギルデロイロックハート、私は詐欺師だ!」特集は裏面に続く。
『ホグワーツ防衛術の教授に闇祓いスティーブン・ミケルセン氏が就任』
ロックハートの逮捕が確実となった事態を受けて魔法省は以前から防衛術の教師を探していたという。そこで名乗りを挙げたのが執行部公安局の局長で闇祓いのスティーブンミケルセン氏である。彼は第一次魔法戦争の際、「逃げ切った男」として「生き残った男の子」になぞらえた呼び名で一時期有名であり、隠れた英雄としてイギリス魔法界では知られている。最近では日本での国外逃亡していた死喰い人のアントニンドロホフ逮捕など今なお、実績を重ねる確かな実力を持つ闇祓いだ。ギルデロイロックハートを直接逮捕したのもミケルセン氏である。そんな彼がこの度、闇の魔術に対する防衛術の教授に正式に就任した。ホグワーツの校長、アルバスダンブルドア氏はこの人選を大いに歓迎し、魔法大臣には深く感謝していると述べた。それに併せて魔法省はホグワーツと協議のもと、理論と実践中心に実用的な学習を目的とした学習指導要領を作成していると明かした。内容としては今までのような教授によって指導内容が著しく異なるといった事態を防ぎ、座学と実技の授業に偏りが生まれない事を主な目的としており、今まで不安定な指導に生徒が振り回されていた科目に一石を投じる構えだ。既に闇祓い局監修の「闇の魔術に対する護身術」シリーズが書店に並ぶ予定である。これはホグワーツの指定教科書となることが決定しているが事務局の方から現役生は授業の最初に無料で配布されるので生徒用に購入する必要はないとの事だ。記者がひと足先に読むことができたのだが護身に使える魔法に留まらず、マグルの体術を含めた総合的な内容で大人の魔法使い達にも強くお勧めできる内容であった。本の帯には決闘チャンピョンとして有名だった現在もホグワーツの呪文学教授であるフリットウィック氏のコメントも添えられており、決闘マニアも是非、書店に立ち寄って欲しい。一方でその間、不在となる公安局局長には局長代理としてキングズリーシャクルボルト氏が新たに任命されている。何でもミケルセン氏の任期は1年のみなのだ。ボーンズ女史は職務上の都合としているが防衛術の教師が1年で辞めてしまうジンクスに先んじて手を打ったと私は考えている。例のあの人の死亡が確認されないまま十数年が経過した今だからこそ適切なファッジ大臣による人選であり、今後に期待したい。
『ニュート・スキャマンダー氏が新たな魔法生物を発見』
ポペンティーナ夫人との旅行で訪れた日本の北海道で…5面に続く
『ニコラス・フラメル氏 自身と妻の死亡を予告』
先日、賢者の石を破壊した同氏は最期の独占インタビュー取材に応じた…7面に続く
<ニンバス2001好評発売中!>
現在、ダイアゴン横丁の高級クィディッチ用具店ではニンバス2001を5本以上購入すると15%の割り引きをするプロチーム向けのキャンペーンを開催中。また、抽選でニンバス2002のテスターを募集中!
※ホグワーツ指定教科書変更に伴う対応とお知らせ
防衛術の教科書として指定されていたギルデロイロックハート著書にかかった費用は魔法省が全額補償致します!新しい教材は授業の最初に無料で配布されますのでご安心ください。ホグワーツに通う生徒を持つ保護者の皆様に限定して現物がなくとも申し込み可能です。8ページ記載の書類を切り取って魔法省までお送りください。また、省に直接きて申し込む事も可能です。虚偽の申告には厳しく対応します。この度はご不便とご迷惑をおかけしました。問い合わせは下記の所から!
(魔法省教育支援課・ホグワーツ事務局より)
ハリーはおやつの後に読んでいた新聞を丁寧に畳んでテーブルに戻した。
「う〜んニンバス2001かぁ…マクゴナガル先生が5本買ってくれないかな」
「どうだろうね。それよりテスターの募集が気になる。ぼく応募してみようかな」
「やめといた方がいいぜ」フレッドは大真面目にロンに言った。
「何でさ」ロンはムッとする。
「こういうのは出資してくれる人間をテスターにするのが大体なんだよ。経営は血も涙もないのだよロナウド」
ジョージは世知辛いなとしみじみした顔で返した。
「やけに詳しいじゃないかジョージ兄さん」
「こう見えても将来のことを常日頃から考えているのである」
「そして常にイギリス魔法界の未来を憂いているのだ」
「何をバカなことを言ってるんですか!それより頼んだお遣いは済ませたんでしょうね」
母モリーの登場である。
「やっべ、今から行ってくるぜママ」
「気を付けるぜママ」
フレッドとジョージは箒置き場に急ぎ足で駆けて行った。今回のお遣いは少し遠い場所なのだ。
「もう!気を付けて行ってきなさい」
「そうだハリー、少し家の周りを飛ばない?」
ロンは思いついたとハリーを誘った。
「いいの?」
「えぇ少しなら大丈夫ですよ。村の方には行かないようにしてくださいね」
「分かりました。ニンバス取ってくるよロン」
「庭で待ってる。動かない箒どれだったかな…」
庭でまだまともな箒を2、3本見繕っているとハリーがニンバス2000を抱えて出てきた。何と後ろに今にも逃げ出しそうではあったがジニーが着いてきている。
「ジニーも誘ったんだけど箒足りそう?」
「おっどろきー。調子いいのはフレッドとジョージが持ってったけど数は足りるよ」
ロンは妹がハリーの誘いに応じれた事に驚きと感動が混じった反応をしたが箒の数はギリ足りていることを伝えた。
「ちょっと待ってて。練習以来、1回も飛ばしてないから調子悪くないか試してくる」
「2人でメンテナンスはやったけどそういえばまだ飛ばしてなかったね」
「道具貸してくれて助かったよロン。まさかダーズリー家に忘れてたなんて。絶対捨てられたよ」
「逆にゴミに出せないんじゃない?」ロンは話を聞く限り、魔法のマの字も家で言わせないならハリーの部屋にいっさい触らないのではと思った。
「確かに」
一理あると納得したハリーは凄まじい初速で飛び出したが速度を落として隠れ穴を何周かすると綺麗に着地した。
「ジニーも乗ってみる?」
ハリーがニンバス2000を差し出す。ジニーは「え?」と小さいうめき声を出した。ニンバスシリーズに乗りたい気持ちとハリーの箒に自分が触っていいのかしばらく迷ったが小さな声で「いいの?」と尋ねた。
「ロンが箒上手だって言ってたからよかったら」
爆弾でも受け取るかのように震える手でハリーから箒を受け取ったジニー。ところが箒に跨がると震えは止まっていた。「あんまり最初は飛ばしすぎないように気を付けて」
緩やかな速度で離陸したジニーだったが家で乗ってきた箒とは段違いの安定感、乗り心地に速度にすっかり夢中になり、満面の笑顔で飛び回り始めた。
「「うっま」」
「めちゃくちゃ上手だねジニー」
「たぶん妹は家族の中でいちばん箒が上手い。あれはもう家の箒じゃ満足できないな。後で僕も乗っていい?」
「勿論だよロン。ねぇこの箒使っていい?」
ハリーは見た事ない形状の箒に乗りたくてうずうずしていた。
「ハリーが乗りたいなら。もし途中で動かなくなったらごめん」
「怖すぎるよそれは」
それから3人で編隊飛行をやってみたり競争したがニンバス2000に乗ってない2人が置いてかれがちになってしまい、楽しいと同時になかなか疲れる時間でもあった。しばらくのんびり飛行していると帰ってきたフレッドとジョージも混ざって適当ルールを設定してクイディッチを楽しんでいたが日が暮れても地上に帰ってこない子供達にモリーが大声で夕食を告げると皆降りて行った。箒が墜落する事はなかった。
泥や砂まみれの子供達にモリーは容赦なく魔法で水と石鹸の泡を被せると一瞬で服を乾かしてからキッチンに入ることを許した。ジニーは日記を書くと言ってひと足先に夕食を終えて部屋に戻っていった。
それからの夏休みはハリーにとってあまりにも楽しくあっという間に終わってしまった。汽車に乗る前日にハリー達はジニーと同じコンパートメントでホグワーツ特急に乗ろうと約束したがハリーとロンだけが何故か閉じられた入り口に阻まれ、ホグワーツ特急に乗る事ができなかった。
* * *
すっかり暗くなったホグワーツ城。その庭の暴れ柳に鉄の塊が突っ込んでいた。文字通り暴れ出した柳だったがすぐに静かになった。奇跡的に折れた枝が根元のコブに刺さったのだ。しかし、逆に車はその場から脱出できず、ハリーとロンは車内で動けずに時間が経っていった。
すると城から2人の人影が出てきた。暗くて誰が来たのかも分からなかったが近付いた人影が下から声をかけた。
「大丈夫ですかー!」
ミケルセンである。
「ミケルセン先生だ!」
「助かったー」
ハリーとロンは心の底から安心した。マクゴナガル先生やスネイプが来たらどうしたもんかと思っていたのだ。
「そこは駐車禁止ですよ!」
ミケルセンのひと言にハリーとロンは面白いやら呆れるやらだった。
「イテッ…何するんだよ。え?我輩をジョークを言う為に連れてきたのかって?違うけどだってほら絵面が面白い。やっぱり親子だなと。あぁだから機嫌悪いの?わかったわかった悪かったて。今から降ろすからな!!」
ハリー達はミケルセンが誰と話しているのか分からなかったがこれから降ろしてもらえる事実に安心した。
車が暴れ柳をこれ以上傷つけないようにゆっくりと浮き上がる。柳から離れた場所にゆっくりと降ろされ、無事に地面に着いて安心したのも束の間、ハリーとロンは車から吐き出され、続いて荷物を全て吐き出した車は禁じられた森に早すぎる自動運転の実用化で消えていった。
「いてて…パパに殺されるよ」
「大丈夫か」
「助けてくれてありがとうございました!駅の入り口が閉じてホグワーツ特急に乗れなくて車に乗ってきたのは良かったんですけど…」
「もしマクゴナガル先生とかスネイプ先生なんかが来たらどうしようかと」
「あーー……」ミケルセンが申し訳なさそうにロンの後ろに視線を移した。
「もしかしたらそのスネイプ先生は貴殿らが何故、車で暴れ柳に突っ込んだのかお伺いしようと心配で心配でこの場に駆けつけたかもしれませんな」
ロンは冷水をかけられたかのような表情で振り向くとスネイプはロンの手荷物をいくつか抱えて立っていた。
「ついて来たまえ。荷物は自分で持つように。魔法の使用は禁じる」
ハリーとロンは地面に散らばる荷物を集めたが全ては持ちきれず、残りはミケルセンが魔法で浮かせて運んだ。ミケルセンは眠っているネズミの檻を見た時、それを凝視して首を傾げたがすぐにロンに返した。それからスネイプは新聞を片手にこれでもかと説教しながら自身の研究室に2人を連行しようとしたが結局、校長室に行く事になった。
コンペイトウの合言葉でガーゴイル像の階段を登るとそこにはダンブルドアとマクゴナガルが待っていた。ダンブルドアは無表情でマクゴナガルが厳しい視線を2人に向けた。それに観念して荷物をまとめると言ったロンだったが罰則を受けてもらうと告げられ、退学は保留だと事実上の許しを得て談話室に戻った。そこでは熱い歓迎を受けたがハリーとロンだったがハリーはハーマイオニーからの冷たい視線と隣でほっと安堵していたジニーに気付くと盛り上がってた集団から抜け出し、約束を守れなかったことを彼女に詫びた。すぐに謝ったハリーにハーマイオニーは少し感心し、まだ揉みくちゃにされてニヤッとしていたロンにはより厳しい目を向けた。
誤字脱字等ありましたらご容赦ください。気づき次第修正して参ります。
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