魔法少女リリカルなのはA's〜紅い蛇と魔導神〜   作:ZERO 紅 零

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ザフィーラ
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「蒼き狼 盾の守護獣ザフィーラ」。

アルフと同タイプの獣人の男性で、人間時は筋骨隆々とした青年のような姿で、ヴォルケンリッターの中では最年長といった感じ。獣時は青い毛皮の大柄な狼の姿。召喚後は八神家唯一の男性であることへの配慮と、はやてが犬を飼いたがっていたという理由から、日常では基本的に獣の姿をとっている。


第四話

 

 管理局との邂逅から数日が過ぎた。メビウスは人目につきにくい管理外世界での活動を終え、帰宅。相方のシャマルははやてに頼まれた買い物を済ませるために商店街へと向かっている。

 

 

 

はやて「おかえり~」

 

 

 

 家に戻れば、相変わらずの笑顔ではやてが自分を迎えてくれる。最近、外で活動をするメビウスに対して、はやては相変わらず何の疑問も抱かず、むしろ外で活動的になるのが良いことだと喜んでいた。メビウスはそんな彼女の心に気がつきながらも、静かに返答する。

 

 

 

メビウス「ただいま」

 

 

 

はやて「メビウス珍しいやん、どこ行ってたん?」

 

 

 

メビウス「あぁ〜…気晴らしの散歩」

 

 

 

 メビウスは我ながらこんな嘘をよく言えるようになったと思いながらリビングに入る。すると、今日は来客者がいた。

 

 

 

?「あ、初めまして。おじゃましています」

 

 

 

 ニッコリと笑い、メビウスに向けてお辞儀をする、紫色のウェーブをかけた少女。年齢ははやてとそう変わらないだろう。しかし、メビウスやヴォルケンリッター以外の人間がここにいるのは初めての出来事だ。

 

 

 

メビウス「君は?」

 

 

 

すずか「月村すずかです。はやてちゃんと最近知り合いまして……えーと」

 

 

 

メビウス「メビウスだ」

 

 

 

 はやての話によると、図書館で知り合ったのだという。はやてはいつも通り、メビウスの事を遠い親戚だと誤魔化す。どう見ても怪しまれるのだが、すずかは特に疑いもせず笑顔でそんな言葉に頷いていた。

 

 

 

すずか「じゃあ、私はそろそろ。この後お稽古があるから」

 

 

 

はやて「メビウス、送ってあげてや」

 

 

 

メビウス「ああ、わかった」

 

 

 

 はやての言葉にメビウスは頷き、すずかと家を出た。すずかも最初は遠慮していたが、はやてとしては友達に自分の家族を知ってもらいたいし、またこの時間帯は夕方。子供の一人歩きも危ないだろう。

 

 

 

すずか「あの、メビウスさんは……えーと」

 

 

 

メビウス「なんだ?」

 

 

 

「いえ、あの……歳はいくつなのかなって……はやてちゃんよりとても上のお兄さんに見えるので」

 

 

 

メビウス「……さあ、ね。こうも年月が経ってはいちいち歳なんて数えていないのでな」

 

 

 

 メビウスは記憶を取り戻して思い出したが数百年も前に生まれた人間。本人の年齢を数えることは不可能だろう。そしてメビウスとしては記憶は万も超えていて年齢なんて覚えているわけがない。まあ、普通の人間だったら驚くだろうが、そんな言葉にすずかはクスクスと笑う。

 

 

 

すずか「面白い人ですね、メビウスさん」

 

 

 

メビウス「えっ?……そうか?」

 

 

 

すずか「ええ、とっても」

 

 

 

 すずかは楽しそうに笑い、メビウスもそんなすずかと会話をしながら歩く。すずか曰く、自分の家の迎えの車が来る場所があるのでそこまでで良いとのこと。そして、その場所に差し掛かろうとした、その時である。

 

 

 

――キキィィッ!

 

 

 

「「!?」」

 

 

 

 ものすごい勢いで接近し、止まったワゴン。突然すずかがその黒いワゴンに連れ去られる。数人のマスクをした男たちがすずかを連れて車を発進させる。メビウスも動こうとしたが、一瞬キラリとすずかに突きつけらたナイフに足が止まる。車は一目散に道路を走り去ってしまう。

 

 

 

メビウス「チッ……!」

 

 

 

 メビウスはその車を身体能力向上魔法をかけダッシュで追いかける

 

 

 

 

 

メビウス「特定魔法………追跡」

 

 

 

 

 

 特定魔法ですずかがいるであろう位置をサーチするためにその車をものすごい勢いで追い掛ける。それに続くように、メビウスはただひたすら、その道を走り続けた。

 

 

 

とある廃棄工場

 

 

 

1「くっくっく……月村家の令嬢か……」

 

 

 

2「ああ、身代金を取るにはいい感じだな。何日も張っていて正解だったぜ」

 

 

 

 そこは廃棄された工場である。そこですずかは手足を縛られ、口を塞がれていため、身動きすることが出来ない。しかしその男達に圧倒されてガタガタと震え、今にも泣いてしまいそうな表情である。

 

 

 

1「さて、身代金の要求は済んだし……この子を売る算段たてようか」

 

 

 

すずか「んー! んー!」

 

 

 

 首領と思わしき男の言葉を聞いたすずかは首を振ってもがこうとする。しかし、相変わらず固く縛られたロープは外れることはない。男はそんな様子を見てニヤリと笑う。

 

 

 

2「安心しなお嬢ちゃん、お嬢ちゃんくらいの可愛さなら、どこの奴らも悪くは……」

 

 

 

 そう言いながら、男が手を伸ばした瞬間だった。

 

 

 

――バシュウン!

 

 

 

 男の腕に向けて、何かの魔法弾がぶつけられた。それを喰らった男の腕は焼けるような嫌な匂いがすると同時に、その痛みに男はもがき苦しむ。

 

 

 

2「ぎゃああああ! 俺の、俺の腕があああ!」

 

 

 

1「誰だ!」

 

 

 

 仲間がやられたことで一斉にそのエネルギー弾が飛んできた方へと男達が武器を構える。

 

 

 

メビウス「……」

 

 

 

 そこにいるのは黒と赤の閃光。金髪に、黒と紅い服を纏った魔導神、メビウスだった。先程までとは違い、いつもの魔導士の服を身に纏うメビウス。メビウスは基本的に上着とズボンの下は魔法でいつも通りの魔導士の服を密着させている。それに加えて、戦闘時にすぐこれを纏えるように魔法陣に召喚魔法赤い蛇とお面や武器を展開させたのだ。

 

 

 

1「誰だテメェ!」

 

 

 

メビウス「……」

 

 

 

 メビウスは無言で駆け出し、近くにいた男を蹴り飛ばす。銃から弾丸が放たれるも、メビウスは魔法陣でそれを弾ぎ、ゆっくりと前進してくる。残る仲間達は焦りながらも、銃を構える。

 

 

 

2「な、なんだよアイツ! 弾が効いてねぇ!」

 

 

 

1「構わねぇ! 撃て!」

 

 

 

 男達が持つ銃は現代兵器の中でも優秀な物だった。普通の人間が一人でそれに向かって行けばまず助からないだろう。しかし、メビウスは普通ではないし、そもそも人間(昔は)ではない。弾丸が発射されると同時にメビウスは駆け出し、その弾丸を避ける。そして、残る男たちに接近して攻撃を加えた。

 

 

 

メビウス「ハァッ!」

 

 

 

1「ギャッ!」

 

 

 

 メビウスの飛び蹴りが炸裂し、男が吹き飛ぶ。通常ならこれで死ぬのだが、メビウスの身体能力魔法で最大限のパワーを抑えるという配慮により、気絶するだけで留まる。その後、同じように攻撃を加えられてボコボコにされる男たち……制圧には時間もかからなかった。

 

 

 

メビウス「大丈夫か」

 

 

 

 男たちを縛り上げ終えたメビウスは、言いながらすずかのロープを取り、猿轡を取った。すずかに怪我はないらしく、小さく安堵のため息をつきながらすずかを立たせた。

 

 

 

すずか「は、はい……」

 

 

 

メビウス「すぐに警察を呼ぶんだ…そうすればこいつらの対処をしてくれるだろう。それと、私の事は秘密にしてくれると助かる」

 

 

 

すずか「あ、あの……メビウスさん、あなたは、いったい……」

 

 

 

メビウス「……私は、メビウス。ただそれだけだ」

 

 

 

すずか「……」

 

 

 

 すずかの問いにそう言い放つメビウスをすずかはしばらくの間、頬を紅く染めて、ただひたすらメビウスの顔を見続けた。

 

 

 

 

 

 すずかが警察に通報し、事が片付いた後、メビウスは帰宅。部屋に戻ると手にしていた魔法弾の魔法陣を解析して調整を始めた。今回、本来ならば魔法弾はもっと出力が出てもおかしくはなかったのだが、どうも出力が弱かった。一応出力調整はしたのだが、メビウスが想定していたモノよりも弱かったことで、調整をすることにした。慣れた手つきで、メビウスは順調に魔法弾の調整を行う。

 

 

 

メビウス「ん?」

 

 

 

 魔法陣をいじくっていると、そこから何かが落ちた。それは3枚のタロットカード。

 

 

 

メビウス「これは…」

 

 

 

 ライセン、シオン、紅の堕天使のマークが入ったタロットカード。それぞれを使うことで召喚されるタロットカードであったが使って消えたと思っていたが……

 

 

 

メビウス「いずれ、使うだろ…」

 

 

 

 メビウスはそう言いながら収納魔法陣にそれらを入れ調整を続ける。すると、そこで部屋に来訪者が現れた。

 

 

 

――コンコンッ

 

 

 

メビウス「誰だ?」

 

 

 

シグナム「私だ」

 

 

 

 声の主は凛とした女性の声。シグナムだ。どうやら、彼女も今日の蒐集を終えて帰ってきたらしい。

 

 

 

メビウス「入れ」

 

 

 

 メビウスが言うと、シグナムが部屋に入る。少々疲れている様子も見受けられるが、メビウスはソレを気にせず、彼女に自分の部屋を訪れた理由を問う。

 

 

 

メビウス「どうした?」

 

 

 

シグナム「いや、ザフィーラに聞いたのだが……前に謎の人物らからの襲撃を受けたらしいな」

 

 

 

メビウス「ああ、一度な。それがどうかしたのか?」

 

 

 

シグナム「いや、ここ最近どうも妙な気配がある。結界を張ってはいるのだが……蒐集中にいくらか視線を感じることがあった。どう思う?」

 

 

 

 最近はメビウスが監視を強くしているため問題が無かったのだが、どうやらメビウス以外の守護騎士達に監視が回っていたらしい。メビウスは少し沈黙するが、答えを出した。

 

 

 

メビウス「闇の書を狙う者達の犯行かもしれないな」

 

 

 

シグナム「何?」

 

 

 

メビウス「いくつか思うものがある。まず一つ目。闇の書の存在を知る誰かが、その力を手に入れたいと思い狙っている。」

 

 

 

 かつて、自分の世界にいた…いやしていた。

 

 

 

シグナム「だが、闇の書は完成したら主はやてしか使えんぞ」

 

 

 

メビウス「……なら、二つ目だ。闇の書に恨みを持つものが狙っている」

 

 

 

シグナム「恨み……?」

 

 

 

メビウス「君たちと闇の書は主を失えば次の主を探すのに動くと、以前シャマルに聞いた」

 

 

 

シグナム「あ、ああ……」

 

 

 

メビウス「ならあいつが主になる前のことはどうだ?」

 

 

 

シグナム「……」

 

 

 

 シグナムはそこで黙った。確かに闇の書が起動するのはランダム。自分たちが何かをしたのか……いずれにしろそれによって誰かしらが死んだとしたら? その死んだ人間のために誰かが復讐しようと考え、動くかもしれない。

 

 

 

メビウス「シャマルに聞いたが、闇の書は破壊不可能。ならば、あいつごとどこかに闇の書を封印しようと考えているかもしれん。そのために詳しく観察し、見張っている」

 

 

 

 

 

 

シグナム「……確かに考えられる。だが……」

 

 

 

メビウス「ああ、それを誰がしているのか……だな」

 

 

 

 そう、闇の書を知り、メビウスがいったうちのどれかを実行しようとする誰か。それが誰なのかわからない。しかし、メビウスには一つ心当たりがった。

 

 

 

メビウス「誰かというよりも、組織……」

 

 

 

シグナム「組織?」

 

 

 

メビウス「時空管理局」

 

 

 

シグナム「何……?」

 

 

 

メビウス「何故、奴ら、時空管理局がこの世界に来たのか分からなかったが、この世界に干渉しているなら、理由も合うかもしれん」

 

 

 

 確かに、とシグナムは考える。自分達がいくら行動していたとはいえ、シグナム達が人を襲ったのは数回。その後はすぐメビウスから人を襲うことを禁止された。彼らが警戒をしていたかもしれないが、それなのにわざわざ魔法と言う概念がない地球に来るというのは何かがおかしい。もし、彼らの目的が闇の書であり、管理外で時空管理局を名乗り現われるなら、そういう理由かもしれない。

 

 

 

シグナム「組織的にこちらを攻撃していると?」

 

 

 

メビウス「さあね……組織的なのか、それとも組織にいる人間が複数あるいは個人で行っているのか……いずれにしろ」

 

 

 

 言いながらメビウスは立ち上がる。

 

 

 

メビウス「私があの子も、君たちも守ればいい」

 

 

 

シグナム「……ふふっ」

 

 

 

メビウス「どうした?」

 

 

 

シグナム「いや、頼もしいと思ってな……頼むぞ、メビウス」

 

 

 

メビウス「ああ」

 

 

 

 シグナムは思う……メビウスは本当に、私たちを救ってくれるかもしれない……と。だからこそ、あんな風に自然と笑みが零れたのかもしれない。 

 

 

 

 




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赤い蛇
メビウスと共に居る蛇
説として使い魔だと思っている。詳しい説明なし
赤き蛇(メビウスの二つ名の一つ)のシンボル
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