魔法少女リリカルなのはA's〜紅い蛇と魔導神〜   作:ZERO 紅 零

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データベース
メビウス ①
種族 人間
武器 聖魔杖カドゥケウス
必殺技 アポカリプス・ロード
人間でありながら神になる事を欲した魔導師の始祖」、「赤き蛇」とも呼ばれる。
本当の望みは「あらゆる真理を解明し、知的欲求を満たす事」であり、上記の凶行もその為の手段でしか無いというマッドサイエンティスト的思考の持ち主である。
メビウスは、前世と生まれ変わりの様な関係であり、厳密には全く同一人物というわけでもないのだが、所業は1000万年以上も経った時代でも「最も罪深い人間の名」として(かなり悪辣に誇張されて)語り継がれている。


第五話

 

 12月半ばに差し掛かり、蒐集も順調に進んでいたころ、メビウスは家で4人の帰りを待っていた。

 

 

 

メビウス「…」

 

 

 

はやて「メビウス、どないしたん?」

 

 

 

 どこか心配している様子のメビウスにはやてもまた心配そうな顔をする。メビウスがそんな表情をするのが珍しいと思ったのだろう。だが、メビウスはすぐに首を振る。

 

 

 

メビウス「いや…」

 

 

 

 そういうメビウスだが、その理由は心配の簡単だ。シグナムたちの帰りが遅い、ということ。この時間帯なら、予定ではもう帰ってきてもおかしくはない時間。しかし、帰ってきていない。ちなみに、最近メビウスは働きすぎということで、今日は家で留守番となっていた。神羅神であり魔導神の彼には特に休日というものはいらないのだが、彼女たちなりの配慮ということで、メビウスははやてと共に一日を過ごしていた。すると、そんなメビウスの携帯電話に、シャマルから連絡が入った。はやてに聞こえない場所に移動し、メビウスは電話のプッシュボタンを押す。

 

 

 

メビウス「…どうした?」

 

 

 

シャマル『大変なの…シグナムとヴィータちゃん、ザフィーラが結界に閉じ込められて』

 

 

 

メビウス「わかった、すぐに行く。合流地点を教えてくれ」

 

 

 

 シャマルと数秒の打ち合わせをして電源を切り、リビングへ戻った。

 

 

 

メビウス「あの子らの帰りが遅い、探してくる」

 

 

 

はやて「ほえ?」

 

 

 

メビウス「夕食の準備をして待っていろ」

 

 

 

はやて「う、うん…気をつけてな」

 

 

 

メビウス「ああ…」

 

 

 

 こうしてメビウスは、八神家を飛び出した。

 

 

 

海鳴市 某所 ビルの上

 

 

 

 合流地点に辿りつくと、心配そうに闇の書を抱えているシャマルの姿があった。

 

 

 

メビウス「シャマル」

 

 

 

シャマル「あ、メビウス・・・ごめんなさいね、せっかく休んでもらっていたのに」

 

 

 

メビウス「いや・・・それより状況は?」

 

 

 

シャマル「どうやら管理局の魔導士に囲まれたみたいなの」

 

 

 

 結界が張られているらしく、メビウスたちの目の前にはドーム状の物がうっすらと見えている。どうやらそれによって転送が封じられているらしく閉じ込められしまっている。

 

 

 

メビウス「なら、この周囲にもじきに敵が来る。移動するぞ」

 

 

 

シャマル「ええ…」

 

 

 

?「待てっ!」

 

 

 

 移動しようとするメビウスたちに、声がかかった。そこにいるのは黒髪で、杖を持ったやや小柄な一人の少年だ。どうやらその様子から彼も時空管理局の局員らしい。

 

 

 

クロノ「時空管理局執務官のクロノ・ハラオウンだ…ロストロギア不正所持の容疑で君たちを拘束する。投降をすれば弁護の機会もある。直ちに武装を解除しろ」

 

 

 

メビウス「…」

 

 

 

 そう言いながらクロノはデバイス「S2U」を向ける。その目にはどこか怒りのような物がメビウスには見て取れる。そして、クロノは低い声でシャマルを睨みつけた。

 

 

 

クロノ「それと、闇の書の主はどこだ…教えろ」

 

 

 

 メビウスはその問いを拒むかのようにシャマルの前に立ちはだかる。

 

 

 

クロノ「何のつもりだ」魔法陣を小さく展開

 

 

 

メビウス「お前に言う義務はない…失せろ」

 

 

 

 冷たく、鋭い視線がクロノに向けられた。しかし、クロノはそれをモノともせずにメビウスを睨み返す。

 

 

 

クロノ「義務ならある!僕は時空管理局の執務官だ!」

 

 

 

メビウス「この世界はお前達にとって管理外だろうに。ならばこの世界で、お前たちの法律は利かないはずだ。ロストロギア?お前達が勝手にそう呼んでいるだけだろう」

 

 

 

クロノ「なんだと!」

 

 

 

メビウス「もしこいつらや私たちが何かをした場合、裁くのはこの国、この世界の制度だ」

 

 

 

クロノ「貴様っ・・・!」

 

 

 

 クロノのデバイス「S2U」を持つ手の力がこもる。それと同時に、後ろで聞いていたシャマルはメビウスに対して驚いていた。いつも口数が少ないはずのメビウスが、ここまで多弁なこと。そして彼がそこまで自分たちを守ろうとしてくれていること。シャマルはソレが嬉しく感じる。そんなことを余所に、メビウスはそのまま言葉を続けた。

 

 

 

メビウス「この世界でお前たちに活動する権限はない。お前たちはただ力を誇示し、都合のいいように動かしているだけだ。そんな連中に話すことなど何もない」

 

 

 

クロノ「黙れっ!」

 

 

 

 メビウスの言葉に対して我慢が出来なくなったのか、クロノが叫び、魔力弾が飛んだ。その弾丸の起動は真っ直ぐにメビウスを捕え、それが命中する。普段なら避けるか受けることをするはずのメビウスがソレをしない。シャマルはソレを見て悲鳴を上げそうになるが、メビウスはシャマルに動かないように手で静止させる。そしてメビウスは上空を見た。

 

 

 

メビウス「赤い蛇」

 

 

 

蛇「シャァー」

 

 

 

クロノ「何!?」

 

 

 

メビウス「世界を管理する世界の人間が管理外の人間に攻撃する…お前たちの世界のメディアが知ったらどうなるだろうな…」

 

 

 

 そう、メビウスの狙いは管理局員が無抵抗の人間に対して攻撃をするということだった。後にメビウスの魔力の編集によってメビウスが無抵抗に攻撃を受けるように変わるその映像。その入手が必要だった。メビウスとしてはしゃくなやり方だが、組織を相手に交渉する材料を手に入れるには必要なことである。

 

 

 

メビウス「真実を知らない国同様、力を誇示して他者を制圧しようとする行為、褒められたものではないな…」

 

 

 

 メビウスは小さく呟く。そう、メビウスにとって管理局の行動はあまり快く思うことはなかった。というのも、その行為がメビウスは気に入らない。管理外世界に誰の許可もなく結界を張り、人々の生活に害をなし、それを力でもみ消す………

 

 

 

クロノ「貴様ぁ!」

 

 

 

 クロノが激昂し、再びメビウスに向けて魔力弾であるスティンガーを無数に出現させて放つ。しかし、交渉材料を手に入れたメビウスにとって、もう手加減などは不要。

 

 

 

メビウス「シャマル、下がれ」杖を取り出す

 

 

 

シャマル「え、ええ!」

 

 

 

 空間収納魔法陣から杖を取り出し球を弾き飛ばすと、魔法弾形を変え威力を高めてメビウスはクロノに向けてそれを投げた。

 

 

 

メビウス「ハアッ!」

 

 

 

クロノ「何!?」

 

 

 

 さらに左手に持ってあらかじめチャージした魔法弾をさらにクロノへとぶつける、変化魔法弾を回避した後の攻撃だったがクロノはソレを避けてメビウスにデバイスを向ける。

 

 

 

クロノ「こんなもの、当たるか!これで…」

 

 

 

メビウス「どうだろうな」

 

 

 

 この時クロノは魔法弾を避けたことで忘れていた。変化という魔法弾の特性を。そのクロノの構えていた所へ、変化魔法弾が戻ってくる。

 

 

 

クロノ「うわぁ!?」

 

 

 

 戻ってきた変化魔法弾が命中し、クロノは地面に叩きつけられた。

 

 

 

クロノ「ぐ…あ…」

 

 

 

メビウス「同じ魔道士として恥だが油断したな」

 

 

 

 クロノは苦虫を噛み締めるような表情でメビウスを睨みつける。クロノの『油断』を作らせたのはもちろんメビウス。理由は簡単だ。変化魔法弾と同じ機動に普通の魔法弾を放つ。魔法弾を放てば遅い変化魔法弾よりもそちらに目が行くだろう。だが変化魔法弾は機動を曲げ、魔法弾はあさっての方向へ行ってしまう。そうなればメビウスは方法を一つ失う。そこでクロノは勝機を見つける。さらに相手のチャージされた砲撃を見れば、メビウスが無防備だと錯覚し、完全にクロノは油断をして変化魔法弾の攻撃を受けたのである。普段のクロノであればすぐに対処できただろうが、現在頭に血が上っている彼では、そこまでに考えが至らなかった。

 

 

 

メビウス「悪いが、時間もない。通らせてもらう」

 

 

 

クロノ「ま、まだだ…!ここでお前を通らせるわけには…」

 

 

 

 そう言ってクロノが立ち上がった瞬間だった。突然クロノの前に人影が現れる。そしてその影に衝撃を加えられ、クロノが吹き飛んだ。

 

 

 

クロノ「がっ!」

 

 

 

 クロノが蹴り飛ばされ、ビルへと直撃。そしてそこにいたのはかつてメビウスを襲撃したあの仮面の男だった。

 

 

 

メビウス「お前は…」

 

 

 

 突然の乱入者に身構える二人だが、男はソレを無視してシャマルが持っていた闇の書を指差した。

 

 

 

仮面の男「使え・・・」

 

 

 

シャマル「え!?」

 

 

 

仮面の男「仲間を助けたければ、闇の書を使え…ページはまた集めればいい」

 

 

 

シャマル「ページを…」

 

 

 

 シャマルは悩む。せっかくここまで集めたページだ。果たしてソレを使ってしまって良い物なのだろうか?しかし、仲間たちを逃がすためには強力な力がいる。ならば使うしかない。しかし、そんな悩んでいたシャマルに声がかかる。

 

 

 

メビウス「シャマル」

 

 

 

シャマル「え?」

 

 

 

メビウス「撤退しろ」

 

 

 

 声の主は自分の家族であるメビウス。メビウスは言いながら逃走ルートを指差し、男を睨みつけていた。

 

 

 

シャマル「でもっ…!」

 

 

 

 3人を逃がすための方法が他に見つからない今、シャマルの選択肢には闇の書を使う以外に方法はない。だが、メビウスはシャマルに言う。

 

 

 

メビウス「私に考えがある。ここは私を信じろ…何とかしてやる」

 

 

 

 『何とかしてやる』今まで散々迷惑をかけてきた自分に、メビウスはそう言った。ヴォルケンリッターとして目覚めてから、そして蒐集を始めてから。メビウスと何度かぶつかってきた自分達。それでも、メビウスは自分に対して信じろという。ならば信じたい。この状況をきっと打破してくれると。シャマルはメビウスを信じ、逃走ルートへと体を向ける。

 

 

 

シャマル「…ええ、わかったわ。あなたを信じる」

 

 

 

メビウス「結界を破壊したら、すぐに転移して逃げろ。私も終わったら連絡する」

 

 

 

シャマル「わかったわ…急いでね!」

 

 

 

 こうして、シャマルは逃走ルートから逃走、後に転移してその姿を消した。そんな様子を見ていた仮面の男は低い声で唸る。

 

 

 

仮面の男「貴様…」

 

 

 

メビウス「悪いが、思い通りにさせるつもりはない」

 

 

 

 メビウスは言いながら聖魔杖カドゥケウスを男に向け、男もまた戦闘態勢を取る。

 

 

 

仮面の男「我々にとってイレギュラーなお前にこれ以上邪魔をされたくはない…ここで死ね」

 

 

 

メビウス「…イレギュラー、か」

 

 

 

 男の言うとおり、確かにメビウスは世界ではイレギュラーである。だがそんなメビウスにとっては些細なことはでしかない。そう、少なくとも、今のメビウス自身にとっては。

 

 

 

メビウス「イレギュラーと呼ばれようと、知ったことか…邪魔をするなら斬る」

 

 

 

――輝く長い金色の髪がなびき蒼い丸のピアスが光った!――

 

 

 

メビウスは男に向かって駆け出し、構えていた聖魔杖カドゥケウスを魔力刀にし男に向けて振り下ろした。

 

 

 

メビウス「せあっ!」

 

 

 

 男がガードするも、メビウスの連続で繰り出される斬撃に対処しきれていない。メビウスは相手に反撃の暇を与えず、そのまま強烈な一撃を与えるために一閃。しかし、間一髪の所で男は回避し、距離を取った。

 

 

 

仮面の男「ぐっ・・・!」

 

 

 

メビウス「浅いな・・・」

 

 

 

 間一髪で避けたことで男は致命傷を避けた。メビウスは聖魔杖カドゥケウスを構え直し、目だけを動かしながら周囲の様子を探る。

 

 

 

メビウス「二人いないところを見ると、一人はどこかで俺を見張っているな」

 

 

 

仮面の男「っ!」

 

 

 

 周囲を探り終え、発せられたメビウスの言葉に、男が反応を示した。どうやら図星らしい。仮面を着けてはいるが、男からは若干の焦りを感じ取ることが出来る。

 

 

 

メビウス「二人がかりで私に勝てなかったのに、一人で勝てるわけがない。諦めて引け」

 

 

 

仮面の男「黙れっ!」

 

 

 

 男はメビウスの言葉に対して一蹴すると、再び駆け出して拳を突き出す。しかし、メビウスはその攻撃を受け止める。

 

 

 

メビウス「そんな攻撃、私には効かん」

 

 

 

 言いながら男の手を掴み、手に持っていた聖魔杖カドゥケウスを構えて魔法弾を至近距離で向け、発射した。

 

 

 

仮面の男「ぐあっ!」

 

 

 

 男はその至近距離からの魔法弾を防ぎきれず吹き飛ばされ、地面に転がる。ほぼ、戦闘不能と言っていい状態だろう。

 

 

 

メビウス「終わりだ」

 

 

 

 メビウスはその地面に転がった男にゆっくりと近づき、トドメを刺すために聖魔杖カドゥケウスを向ける。しかし、そこで乱入者が現れた。

 

 

 

仮面の男2「はあっ!」

 

 

 

メビウス「!」

 

 

 

 同じ姿をしたもう一人の仮面の男が乱入し、倒れている男を担ぎあげる。そして、そのまま転移して消えてしまう。

 

 

 

メビウス「…逃がしたか」

 

 

 

 そんなことを言っている場合ではない3人のことが心配だった。

 

 

 

 

 

メビウス「……あれを使うが」

 

 

 

 

メビウス「コア・キューブよ…一時的に魔力を」

 

 

 

 

 コア・キューブから魔力が放出され、それがメビウスの身体に溶けて行く。それによって魔力が集中し、そのままメビウスはその魔力の全てを右腕へと集中させた。それは聖魔杖カドゥケウスへと駆け巡り、普通のアポカリプス・ロード以上の究極魔法を今創り出した

 

 

 

メビウス「ハアアァァァァッ!」

 

 

 

―― インフィニット・アポカリプス・ロード・ブレイク

 

 

 

 メビウスの振り下ろした巨大な究極魔法が結界に直撃する。結界は砂のような音を立てて崩れだし、ソレを確認したメビウスはフラつきながらもしまっていた携帯電話でシャマルに連絡する。

 

 

 

メビウス「シャマル、3人の転送と、私の転送を、頼む」

 

 

 

シャマル『了解!』

 

 

 

 こうしてメビウスたちは多重転移により撤退し、難を逃れるのだった。

 

 

 

 

 

八神家

 

 

 

 幾重にも転送して管理局の追跡を撒いた後、メビウスたちは無事に帰宅した。

 

 

 

メビウス「帰ってきたぞ」

 

 

 

はやて「あ、お帰り!」

 

 

 

 リビングでははやてが夕食の準備を終え、座って待っていた。ちなみに、この時の時間はすでに10時を過ぎていた。そのためか、少々はやてが怒っているように見える。

 

 

 

はやて「もう、みんな遅いで!」

 

 

 

メビウス「すまない、探すのに時間がかかった」

 

 

 

シャマル「ごめんなさいねはやてちゃん」

 

 

 

ヴィータ「ごめんはやて…」

 

 

 

シグナム「主はやて、すみません」

 

 

 

ザフィーラ「主、申し訳ない」

 

 

 

 怒っている様子のはやてに対して、メビウスを始め、シャマル、ヴィータ、シグナム、ザフィーラが謝罪する。すると、はやてはニッコリと笑って車いすを動かして食卓テーブルへと移動した。

 

 

 

はやて「ほな、夕飯にしよか」

 

 

 

 こうしてヴォルケンリッターとはやて達は遅い夕食取りながら、一時の楽しい時間を過ごす。メビウスは席に座りながら、その団欒を静かに見守るのだった。

 

 

 

 

 

 はやてがシャマル、ヴィータと風呂に入っている同時刻。メビウスはシグナムとザフィーラから今日の戦闘についての話を聞いていた。先日の少女たち…高町なのはとフェイト・テスタロッサが自分たちと同じくカートリッジシステムをデバイスに導入することで大幅な戦力強化を施し、対抗してきたことを。そしてメビウスもまた、今日戦った仮面の男についての話をした。

 

 

 

メビウス「なるほど…強力なものを手に入れたのか…」

 

 

 

シグナム「ああ、次回以後、敵と戦うのが厄介になる」

 

 

 

ザフィーラ「だが、お前たちなら負けないだろう」

 

 

 

メビウス「そのつもりだ」

 

 

 

 メビウスの言葉に、シグナムは短く笑う。すると、シグナムはその後に「しかし」と付け加える。

 

 

 

シグナム「それ以上にだが…」

 

 

 

メビウス「?」

 

 

 

シグナム「奴と、テスタロッサと戦うと心が躍る」

 

 

 

 そんなシグナムの様子にメビウスは「そこは相変わらずか」とため息をつき、赤い蛇も「ブレないよね、シグナム」と、言いたそうに少し呆れている様子であった。そんな二人の対応にシグナムは少々恥ずかしくなっていると、ザフィーラが話を戻す。

 

 

 

ザフィーラ「それにしてもメビウス、お前にまた奇襲があったと聞いたが」

 

 

 

メビウス「ああ、前に話した襲撃犯だ」

 

 

 

ザフィーラ「確か、二人組だったな…それにしても」

 

 

 

シグナム「シャマルに闇の書の使用を促したり、メビウスを倒そうとしたり…なんなんだ、奴らの目的は」

 

 

 

 ヴォルケンリッターである二人はそう言いながら唸る。そう、謎だ。闇の書を知っていることは間違いないが、行動の理由が不明すぎる。協力するなら戦力となるメビウスをイレギュラーとして処分しないだろうし、敵なら脱出の方法を促さない。彼らの目的がいまいち理解できない一同。しかし、メビウスにとってはそんなことは関係ない。

 

 

 

メビウス「とにかく、今後もあいつらの対応は私がやる」

 

 

 

シグナム「ああ、そのほうがよさそうだな…それと、メビウス」

 

 

 

メビウス「なんだ」

 

 

 

シグナム「今日はお前に助けられたな」

 

 

 

 シグナムが少しだけ嬉しそうにほほ見ながら言う。メビウスは相変わらず特になんでもないという表情だが。

 

 

 

メビウス「別に大したことじゃない」

 

 

 

シグナム「いや、闇の書のページは減らなかったし、みんな無事だった。ありがとう」

 

 

 

メビウス(ありがとう…か)

 

 

 

シグナムに言われ、メビウスはその言葉が少しだけ嬉しく思えた。

 

 

 

メビウス「ああ…」

 

 

 

 今まで自分があの事件から転生してからの中でその言葉に嬉しさを感じていた

 

 

 

 

 

運命の時は回り続け、歯車は崩壊の音を奏で続ける

 

 

 

紅き蛇の魔導神はそのゆっくりと崩壊を続ける世界の中で変わり始めた

 

 

 

後に世界を変える紅き蛇の魔導神は静かに思う

 

 

 

この平和が少女とそれを守ろうとする家族達に長く続くようにと

 

 

 

魔導神の願いは、果たしていつまで続くのか?

 

 

 

闇の書のページ蒐集完了まで、あと少し




データベース
クロノ・ハラオウン
次元航行艦「アースラ」艦長、リンディ・ハラオウンの息子で、14歳にしてアースラ所属の時空管理局執務官を務める『A's』時ではAAA+クラスの魔導師。

クールで無口、かつ生真面目と人当たりのきつい性格でジェエルシードを一気に手に入れようとするフェイトを助けようとしなかったり、ヴォルケンリッターに対して強い憎悪を抱くなど正義感が非常に強い故に冷徹さもあるがたとえ理に適っていても自分の信念に反すれば突っぱねる強さ、熱血さを持ち、フェイトやはやて、ヴォルケンリッター達の罪の軽減のために尽力するなど、普段は表に出さないが深い優しさを持つ。またエイミィの寝癖が気になって直してあげるなどお茶目な一面もある。

エイミィとは士官学校での同期で、お互いに姉弟のように心を許し、『A's』時点でほぼ唯一の立場を超えて気兼ねなく話せる腐れ縁のような間柄。
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