ダンジョンにELSクアンタが居るのは間違っているだろうか 作:ユーグクーロ
今まで放置していた自分が言うのもなんだけど最後の投稿日が半年前ってマ?
時は遡り、
「やぁ、初めまして!!」
羽根つき帽子を被った
俺はそれに対して軽く会釈を行い、速やかに立ち去ろうとするも神ヘルメスは声色を変えながらも追撃を逃さなかった。
「まぁ待ちたまえよ、刹那・F・セイエイ君?」
「…………………」
わざとらしくフルネームで再度呼び掛けられた事により、その場を去りたいという足の動きは止められてしまった。振り返ると其処に居たのは女風呂を覗こうとする変態でも、歓喜を振りまきながら奇行に走る変人でもない、まさに神と呼ぶにふさわしい風格を滲みだしている存在がこちらを捉えていた。
「ここではなんだ、ちょっと向こうで話そうか?君の望む対話とやらで」
そう言い残した神は歩き出し、足先を完全に牛耳られた俺はその足跡を辿っていくという選択肢しかなかった。
歩くとってもそう距離は無かったらしい、出会った場所が遠目で確認できる程度に離れた喫茶店らしき建物、テラスらしき屋外に連れられた。
人払いをしているのか洒落た内装を施しているにも関わらず昼間の太陽が照らす屋外に俺と神ヘルメスは対面する形で椅子に座っていた。
「ここは良いねぇ、本日は燦燦と降り注ぐ太陽の光があるというのに涼しい風が打ち消してくれる!実に快適日和だ!そうは思わないかね?」
「………要件は何だ?」
(……で?話って?)
道化を演じている男神は悪びれることも呆気になることもなく淡々としている。だがその表情は僅かにばかり笑みを浮かべながらこちらをジッと見詰めてくる。
「分かった、茶化すのはここまでにしようか………単刀直入に聞こう、以前アスフィ達から送られてきた署名の無い伝文、君が送り付けて来たんだろう?」
「…………」
神を前にして無言の肯定を促されたのはこれで二度目だ。神々の前では人の子は嘘をつく術はない。最もフレイヤと同様、今世では人ならざる者として生まれてきてしまった自分にとって当てはまるかは疑問ではあるが。
神ヘルメスは当を得たように言葉を繋げた。
「以前から僕達は違法な事に手を染める者達を追っていてね、
「………………身に覚えはないな」
(さぁ、何のことかな?)
「誤魔化さないでくれ、今回君に会おうとしたのは別に咎める為じゃない、むしろ感謝している方だ、お陰でうちのアスフィちゃんがまともに睡眠が取れると歓喜していた位にはね?」
「…………」
「君はどうしてこの街に?」
「…………何が言いたい」
(質問の意図が分からん………)
「なに、ただの興味本位さ、これなら答えれるだろう?」
こちらの心情を覗かれてしまったのか、ゆっくりと着実にこちらの回答が狭まれていくのが実感できる。やはり神と対談するのは骨が折れるものだ。
「………ただの観光だ、オラリオという街がどんなものかこの目で確かめたかったからだ」
(別にこれといって理由は無いよ、強いて言うなら好奇心によるものだよ)
そう受け答えすると目の前に居る神はふーんとつまらなそうな反応を見せた。
数年前、アルテミスの救出から間もない頃、フェルズからの報告でヘルメスがやたらとその件で関わろうとしていたらしいというのは聞いている。
彼女の異変にいち早く気付いたこの男なら
そしてこのタイミング………間違いなく今後引き起こされるであろうウィーネの暴走を始めとしたオラリオでのモンスター騒動もすでに目前といったところか。
そしてヘルメスにとって俺みたいな存在は厄介な事この上ない事だろうな。きっと何かしらの形で排除してくると考えておいた方が良い。
出来る事ならあまり神々との接触は避けたいところだが、フレイアという前例もある、この男はこちらの正体がガンダム………モンスターだと言い触らすような真似はしないとは思うがベル・クラネルを
「………話はそれで全てか?」
(要件は終わり?)
「…………そうだね、今はそれだけかな?」
思慮深い素振りを見せた後、帽子から覗く表情は愛想よく振りまく笑顔そのままだった。恐らく………いや、ほぼ確実と断言していいくらいに妨害工作を施してくるのは明白だ。
だがそれも想定内、それならこっちとしても思う存分ガンダムムーブで脅威を跳ね返すだけの話。
時間にして僅か数分、道化を演じる神との対談を済ませたのでさっさと仮拠点である宿屋に身を置いた。そこからは定期報告という形でフェルズと連絡からは以前と同様大人しく身を潜めてくれとの一点のみ。もはや指令というより嘆願にも近い声色で何度もしつこくそうお願いされ、そこまで信用を無くしてしまったのかと少しばかりしょんぼりしてしまいそうになった。
そこから僅か数日後、街中にギルドからのサイレンが響き渡る。
睡眠不要となった今、この瞬間が訪れるのに時間の流れが一入長く感じたものだ。待ちに待ったこの時が来た。
恐らくヘスティア・ファミリアを中心に取り巻く環境に事が運んでいることだろう。暴走したウィーネを背にベル・クラネルが有力派閥のロキ・ファミリアを始めとしたオラリオの冒険者達という全勢力に啖呵を切っていること筈だ。
『エルスクアンタ!聞こえるか!!』
通信機器からフェルズの慌てふためく声が聞こえてくる。それに応じるとイケロスファミリアによってウィーネが暴走状態に陥ってしまったと、つまりは原作通りに話は進んでいるとのこと。
出来る事ならウィーネに苦しい思いはさせたく無かったのが如何せんオラリオに置いてガンダムという存在は想像以上に大きかった。それこそすべての悲劇をたった一人で解決出来てしまう程にチート過ぎるからだ。
例えるならほぼすべての能力を極めたRPGの主人公が二週目に突入するくらいに呆気ないつまらなさがある。それでは意味を成さないというもの。
こちらはあくまで裏方、黒子に徹して物事の裏側で暗躍し、片隅かつ間近で見物したいそんなオタクムーブで過ごしたいのが本音。
モニター越しでしか見れなかった光景が臨場感を通り越して舞台劇を見るかのような、アニメ好きとしては願ったり叶ったりの状況なのだ。
リド達がベル・クラネルを始めとしたゼノスとの遭遇からしばらく経ち、現在はオラリオの街はとある騒動で騒ぎ上げている。ある暴走状態の
ディックスを始めとしたイケロスファミリアの術中によってウィーネを始めとしたゼノスが襲撃された。そこから先は原作通りの展開が起こるのは想像に難くない。いや、この場合襲撃させたと表現した方が正しいのかもしれない。
まぁ前置きはこの程度として早速ガンダムに姿を変え、量子テレポートを展開して彼らの手助けをするとしよう。
いざ!レッツガンダムムーブ!!
そしてゲートの出口から出て周囲を見渡した。
そこには多くの人だかりが出来ており、真後ろには暴走したであろうウィーネとそれを庇うように前に立ちはだかるベル・クラネルが居た。
うんうん、物語の進行は滞りなく進んでいる様子だ。ただ、流石にこちらが唐突に表れた所為でその場に居る者達の視線は全てこちらに釘付けとなっている。流石にもう少し離れた所から現れるべきだったか。
まぁ過ぎた事はどうしようにもないし、このままアドリブでハナシアイをするとしようかな。
「い、いきなりモンスターが!?」
「待て、こいつ……ダンジョンで噂になってたガンダムってやつじゃあ………」
おぉ、懐かしい反応を見せて来るねぇ。始めて冒険者達と戯れていた頃を思い出す。えーと、向こうの勢力としては・・・・・・ロキファミリアにアストレアファミリア、そしてその他名も知らぬ冒険者に一般人が多勢と。
うん、まぁアストレアファミリアの皆さんに関してはこちらがジャガーノートの脅威から助けたから今この場に居合わせても何ら可笑しくは無いね。
それから遠くにもう一団体、少し離れた通りにはアルテミスファミリアかぁ、中々に手強いメンツが…………何だって?
え?アルテミス?何故??あのファミリアは主にオラリオの外で活動してるって話じゃなかった?フェルズからの報告では確かにこちらの捕縛に協力体制だって聞いていたけどまさかオラリオに来ているなんて一言も知らされていないよ?
というかその主である女神様に関しては眷属達よりも目を輝かせながらこちらを見つめてきてんだけど、漸く獲物を見つけたと言わんばかりに表情が明るくなっているのが遠くからでも分かるんだけど!?怖いよ!!?貴方そんなキャラだったっけ!?
と、兎に角ウィーネから注意を逸らすことは成功したとしよう。
「オラリオに住む冒険者達に告ぐ、こちらに戦闘の意思は無い、武装を解除して欲しい…………」
(あー………皆さん?出来れば争いたくは無いから武器を仕舞ってくれない?)
「っ!?喋った!!?」
「やっぱり噂は本当だったのか!?」
未だガンダムの情報が錯綜しているのかこちらの言動に集団は警戒態勢を解く様子は無いがやや混乱気味だ。ロキファミリアを除いては……‥
屋上から微動だにしない彼らは終始こちらの様子を伺っているだけだがその瞳が微動だにする気配はない。特に剣姫に関しては特に。
この後は絶対戦うんだろうなぁと内心愚痴を漏らしそうになるが取り敢えず彼らは放置しても問題はなさそう。
冒険者達を他所に振り向くと先程まで孤立無援の立場に置かれていたベルは極度の緊張感からかその表情は酷かった。
「迷うな………」
(ほら、何もたもたしてんの)
「え?」
「守りたいと決めたのなら、戦え………!」
(助けたいんでしょ?ならさっさと動く!)
優柔不断に陥った英雄に憧れる少年を鼓舞しようとしていたら後ろで肩を串刺しにされていた
「ウィーネ!!」
その後を追いかけるようにベルもまた走り出した。しかし一連の流れをただ黙って傍観している程冒険者達も馬鹿ではないようだ。ロキファミリアの
このままベル達を追いかけてあわよくばウィーネを討伐或いは捕縛する魂胆だった筈だ。
そうはさせまいと脅し代わりに足元に捨てられた槍を持ち上げ、彼らが佇んでいる屋上の一角に目掛けて投げつけた。
建造物が音を成して崩壊する様に反応したロキファミリア団長はこちらに皺を寄せた。少なくともこれで邪魔をするなというこちらの意図は通じたと思いたい。
しかしそれが彼らを大いに刺激してしまったのだろう。そこから怒蛇のティオネ、大切断のティオナ、凶狼のベートが飛び降りて来た。
「可能な限り生け捕りにしろ!」
狙いとしては上々というべきか、これで向こうの標的は完全にこちらに向いた。
流石にファミリア全戦力をぶつけたりは………しないか。
そして肝心の団長さんがどう動くつもりか様子を伺っていたらそこに女神アルテミスがフィンに詰め寄り、何かを訴えて始めたのだ。
「話が違_____対話___し合った筈だ!」
「___テミス様、事態は___争う__今は_____」
街の騒ぎも相まってか此処からはうまく聞き取れない。ファミリア同士で何か食い違いでもあったのだろうか?
そう思い耽ってると頭部が物理的に衝撃が走った。我に戻って視線を戻すとベート・ローガが蹴りを食らわせてきていた。
「チッ!」
思っていた以上の強度だったのだろうか仕留めれなかったことに舌打ちをし、後方に飛び去ったと思ったら今度はアマゾネス姉妹による斬撃の嵐が襲い掛かってくる。流石にダメージは無いとはいえやられっぱなしという訳にはいかない。
迫りくる刃にブレードと触手で応戦していくがやはりオラリオの中でも最有力冒険者、ダンジョンで出会ってきたそこらの冒険者とは大違いだ。
「このぉ!!」
妹ティオナが大双刀を大振りに振り回してきたところを白刃取りで受け止め、姉ティオネに振り回す形で打ち付けた。
流石は力に定評があるアマゾネスでも放り投げられた人ひとりを受け止め、倒れることは無かったが大きく後退する形で押し退けられた。
「やっぱ一筋縄じゃいかないわね………」
「クソが!」
どうにかしてこの場を無力化してウィーネとベルの所に急行しなければ。
そういうことだから致し方ないが少しだけ荒っぽいやり方で押し通るとしよう。
「これより戦闘を開始する………」
(それじゃあ!いっくよー?)