糸織一の日常と非日常【更新停止】   作:夕暮天

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オリジナルです。


1話 始まり

俺は清水(しみず)陽都(はると)。悪さをする妖怪や幽霊を退治する陰陽師であることを除けば一般的な男子高校生だ。

 

こんな俺には不思議な幼馴染みがいる。俺の席の右前の席に座る糸織(いとおり)(はじめ)君だ。愛称は一から取ってイッチと呼ばれている。

そんな彼のどこが不思議なのかと言えばまずマスクだろう。よくある不織布の使い捨てマスクを彼は毎日着けておりご飯を食べる時や水を飲む時すら目で追えないスピードでそれを済ませるためまともに顔を見れるのは水泳の時位だ。

 

そして……"普通の人には視れない幽霊や妖怪を視れる"という疑いがある。

例えばある日の屋上での昼食では

「なんだありゃ」

「どうした?イッチ?」

「いや何かが見えた気がしたんだが……気のせいみたいだ」

「どんな見た目だったんだ?」

思わず聞いてみる

「二本角の生えた幽霊っぽいやつ」

周りを視れば確かにその特徴を持った幽霊がいた。

「へえ……(目そらし)」

しかし確信には至れなかった。なぜなら怨霊がイッチの前を通りすぎたのを何食わぬ顔で読書していたからだ。

妖怪や幽霊が視れてしまうと呪われたり魅入られて死ぬことがあるため、その前に守ることにする。

陰陽師ということもあるが、幼馴染みを失いたくないからな。

 

 

 

 

 

 

──────────────

一方、一は…………

はぁぁぁぁァァッ(クソデカため息)

 

あの顔面国宝野郎!!顔が近過ぎるだろうがぁぁ!!!

あ、どうも陰キャ転生者こと糸織一です。転生だなんていうおかしなことを言っている哀れなやつというレッテルは張らないでくれ。俺の場合、転生手順はトラックにはねられていつの間にか「オギァ」だった。

チート?強いて言うなら知識だけだな。

それはそうと、俺が先程発狂していた理由は俺の幼馴染みこと清水陽都のことだ。まず顔が良い。10人の男女がいたとしてそのうち11人があいつはイケメンと言うと予測できるほど。ちなみに増えた1人は俺だ。

と、そんなイケメン幼馴染みは今、オカルト部なるものに所属しており、帰宅部である俺とは放課後会うことは稀である(オタク特有の早口)。

そんな陽都には"鬼沢(おにさわ)(さくら)"という幼馴染みのクラスメイトがいて2人がラブコメ的会話をする光景はとても素晴らしく、ブラックコーヒーが甘く感じる。

かのマックスコーヒーは甘すぎるのが陽都と桜によりさらに甘いので飲むのは辞めた。

使い捨ての不織布マスクをいつもつけている俺だが昔中学の頃、陽都と桜の会話と光景を見てニヤケたところ近くの男子生徒と女子生徒が倒れてしまったことがあった。そんなに俺のニヤケ顔はキモかったのかそれとも不気味だったのかは不明だがマスクを着けた後は俺がニヤケても倒れる人はいなかったので今でも着けている。もちろん毎日替えているから安心してくれ。

 

おっと、近くの席の剣道部だ。俺に何か用があるのだろうか?

 

え?剣道の練習手伝ってくれ?仕方ないなぁ…。

 

 

 

 

 

空が暗くなり俺は家に帰り始めた。

そしてふと、剣道部所属のクラスメイトが言っていたことを思い出した。

 

~回想~

「おい、知ってるかイッチ。最近夜中に現れる怪人の話。」

「夜中の怪人?なんだそれ。」

「先輩から聞いた友人からの又聞きなんだがどうやら夜中になるとパンツ一丁と変なマスクを着けた変態が現れるらしい。」

「本当にそんな奴がいるなら会いたくないな」

~回想終了~

「ま、そんな変態が現れるわけないか」

 

「私を呼んだか少年よ」

声のした方を見れば噂通りの変態がいた。

「呼んでないです、あともしもしポリスメン?」

通報して、あとは逃げるだけである。

全力疾走の7割で逃走する。

「まあ待ちたまえ少年よ」

嘘だろ……………

 

 

 

家の玄関

 

何とかあの"へ"で始まり"い"で終わる類いの変質者から逃げることができた。それほど必死だったのか家の前までの記憶がない。それにいつの間にかマスクを外してポケットに突っ込んでいた。

「兄ちゃんお帰り。」

出迎えてくれたのは一歳下の弟"糸織剣"(つるぎ)。王子様系イケメンである。

「おう、剣。」

「疲れてるみたいだけど何があったの?」

「変質者に絡まれて全力で逃げてきた」

「あの変態怪人とか何とかってやつ?」

どうやら知っているようだ。

「ああ」

 

リビングに移動すると四人の兄妹達が出迎えてくれた。

「たで~ま。」

「お帰りなさい!」

「お帰りなさい!」

「おかえり!」

上から三男の時雨(しぐれ)、長女の天夏(あまか)、次女の真奈(まな)だ。時雨と天夏は13歳の二卵双生児の兄妹であり、見た目は服装や髪の長さを同じにすれば俺ですら見分けるのが難しい。20回やって16回しか当てられなかったのは恥ずかしい思い出。

真奈は……うん純粋な小学生だ。とんでもなく精神が幼い気がする。

 

「母さんと父さんは?」

「仕事で帰ってこれないみたい。」

母の名前は糸織茨(いばら)。父の名前は糸織群青(ぐんじょう)という。母は事務仕事、父はファストフード店で働いているらしい。どこかで聞いたような職業の組み合わせだが触れないでおこう。

「夕飯はカレーだよ」

「やったぜ」

「お兄ちゃんカレー好きだねぇ」

「旨いからな」

「「「「「いただきます」」」」」

今日の夕飯は俺の大好物カレーである。

「うっっま!」

やはり旨い。

「兄ちゃんが笑った!?」

「え?俺笑ってた?」

「うん」

そうか笑ってたのか俺………。

 

そんなこんなで夕飯食べて、風呂に入り、そして弟と妹の宿題を手伝ってから就寝した。

 




糸織一
男性
転生者。中学の頃ニヤケたところ近くにいた男子と女子が倒れてしまったので不織布マスクを着けている。
麦茶とコーヒーをよく飲む。

清水陽都
男性
糸織一の幼馴染みで、陰陽師の一人。
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