「・・・帰ってきたか」
そう言いながら、俺はこちらに向かってくる気配を感じながら、空を見つめていた。
コカビエルによって、身体はあまり動けない状態だったが、ハーフとはいえ、吸血鬼という事もあってか、なんとか回復した。
そして、エピソードもドラマツルギーもいない現状で、俺はただ寝転がっていた。
「まったく、面倒な事を頼んでくる」
「お帰り」
その言葉と共に、キスショットはこちらを見つめる。
同時に俺の隣に来た影響もあってか、手首に巻かれている鎖は再び伸び、俺の影に拘束される。
それによって、力が出なくなったのか、その姿は忍へと戻った。
「それで、久し振りにどうだった」
「別に変わらん。面倒な事には変わりない。
何よりも、別に元の姿に戻りたいとは思わないからな」
その言葉と共に、忍は何か買ってきたのか、地面に置く。
見れば、それはドーナツだった。
「まさか買ったのか」
「これぐらいの報酬は良いだろ」
そのまま、ドーナツを一口、食べ始めた。
「ふむ、やはりドーナツはぱないのぉ」
「昔は食べなかったのにな」
「昔は食べる暇などなかったからな。
お前も知っているだろ」
「あぁ」
伝説の吸血鬼。悪行を重ねた最強の吸血鬼。だが、世に言う吸血鬼に比べれば、彼女は自分から積極的に殺すのは、血を欲した時、つまりは生きる為に必要な時であった。
それ以外は決して襲わなかった。
同時に、それは、吸血鬼からしたら異端扱いであった。
だからこそ、彼女は日々狙われていた。
「あの時に比べれば、自由はない。
だが、それは同時に、安らぎがある」
そう言った忍の顔はどこか落ち着いていた。
「夜空を見ながら、ドーナツを食う。
それこそ、お前と出会う前には考えられなかった程にな」
そう言った忍の言葉は確かに本当だと感じる。
「そういう意味では感謝している」
「こっちこそ、色々と助けてくれて、本当にありがとう。
けど、どうしようか、忍の事、なんて説明すれば」
「別に気にする必要などないじゃろう。
そこら辺の詳しい説明は、あのシスターがやってくれるだろう」
「うわぁ、こっちに文句言う姿が目に浮かぶよ」
忍の一言に対して、俺は思わず苦笑する。
「まぁ、どちらにしても、今回の1件は、おそらくは世界を大きく変えるじゃろうな。
良くも悪くも、そして厄介な事は確実にな」
「まぁ、だとしても、大丈夫だろ」
その自信はどこから来るのか分からない。
それでも、俺は、この平穏が。
「んっ、スマホ?」
そう考えていると、俺のスマホに着信が来た。
気になって見てみると。
「どうしたんじゃ?」
「・・・帰ってくるって」
「はぁ?」
「アルクェイドさんが、帰ってくる」
そう、俺は見せる。
そこには。
『今度の授業参観に帰ってきます』
その一言に対して、忍は明らかに顔を歪ませる。
ドラルクの作戦は
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笛で渡達を呼ぶ
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鬼舞辻を噛んで、支配下に
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下剋上しそうな鬼達を仲間にする
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アーカードの旦那を呼ぼう