「紹介したい奴?」
その日、俺はなんとかアルクェイドさんから逃げる事に成功した。
その放課後に呼び出された場所へと向かう。
そこにいたのは。
「吸血鬼か」
「ヒイイィィ」
そこには女子制服を身に纏っている吸血鬼がいた。
だが、雰囲気的には、リアス先輩の知り合いのようだが。
「この子はギャスパー。私の僧侶で、その吸血鬼なんだけど」
「ふむ、女装癖があると」
「一目で、分かった」
そう、リアス先輩は何やら驚いている様子だ。
だけどな。
「いや、俺からしたら、まだ常識範囲というか」
「あぁ」
見れば、ギャスパーという子はかなり臆病な様子だが、それだけだ。
「臆病で、女装癖。
別に良いじゃないか、それで誰にも迷惑をかけないならば」
その一言を告げると同時に、俺達の脳裏に思い浮かんだ吸血鬼達と比較した。
「そうだよな、悪かったな」
「えっ、どういう事」
「まだ、これだったら、うん」
「だからっどういう事ですかっ!」
未だについて来れていない状況に、ギャスパーは驚きを隠せない様子だった。
「あの、さっきから、何が、どういう訳か」
「いやな、この町にいる吸血鬼達がとにかくやばくて、植物を自在に操ったり、人間をマイクロビキニを着せて操ったり、野球拳を仕掛けて、絶対に破れない結界を張ったり」
「えぇぇぇ!!」
その事に、ギャスパーは驚きの声を出していた。
「ギャスパーは元々はルーマニアにいたからな。もしかしたら彼らよりも強い吸血鬼がいたかもしれないわね」
「いえ、その、話を聞いている限りだと、ルーマニアでも、それだけ強い能力を持つ吸血鬼はいません」
「・・・強い?」
それには、兵藤は疑問の声を出した。
「えっ、強いの?」
「いや、確かに苦戦はしたけど、本当に」
「えっえぇ、僕が知る限りでも、ルーマニアでもトップクラスの能力の持ち主でないと」
それに対して、その場にいた全員が頭を抱えた。
「いや、渡達が強いならば、納得出来る!教会から来たエピソードさん達が強いのも納得出来る!けど、あの吸血鬼達が強いのは、なぜか納得できない!!」
「まぁ、実際に能力を趣味に走らなければ、強いからね」
「・・・実際に、兵藤先輩も、その類いですからね」
かなり大声で叫んだ兵藤だが、そこには塔城の言葉が突き刺さる。
「それにして、先輩も吸血鬼なんですねぇ」
「んっ、あぁ」
そうしていると、ギャスパーが俺に話しかけてきた。
「何かついているのか?」
「いえ、その、僕が知っている吸血鬼とは、イメージが違うので」
「そうなのか?」
「あの、その、やっぱり血を吸ったりするんですか?」
そう、俺に質問してきた。
「別に吸いたければ吸えば良いけど、俺は基本は別に良いかな」
「そっそうなんですか!」
「ヴァルバトーゼさんは魚強だし、ナズナちゃんはビール、忍はドーナツばかり食べているし、スタズも基本は嫌っている。
ドラルクは血の味が濃すぎて、牛乳ばっかりだし、アルクェイドさんなんて、吸血自体、嫌っているからな」
「僕以外にも、血が苦手な吸血鬼がいるのか」
それに対して、ギャスパーは、どこか安堵した様子だった。
「それで、強くなるって」
「その神器の制御が難しくて」
「ふむ、ならば」
そう、俺は懐からフエッスルを取りだそうとする。
そこで兵藤が止める。
「どうした?」
「いや、あのカオスな城を呼ぶ出すつもりか!」
「えぇ、だって、特訓には一番良いだろ」
「その前に、ギャスパーが混乱してしまうわ!」
「特訓?それは一体何なんだ?」
「その、渡さんの使い魔で、キャッスルドランでして」
その話を聞いていたゼノヴィアは興味を持って、聞いてきた。
「キャッスルドラン。かつて、キバの鎧の持ち主が捕らえたドラゴンを改造した最強のドラゴンの城だったな」
「んっ?」
聞こえた声、それと共に見つめた先には、金髪の男がいた。
だが、その雰囲気は。
「堕天使か?」
「おっ、さすがはキバの鎧の持ち主は違うな。
俺はアザゼルだ、よろしくな」
その言葉と共に警戒を露わにした。
「そう、警戒するなよ。俺の目的は以前にも言っただろ。それに、俺としても気になる所だったんだよ、二つ目のキバの鎧の持ち主をな」
「二つ目?」
それは、俺も初耳だった。
「なんだよ、二つ目って」
それは、キバットも初耳だったのが、聞いてきた。
「まぁ、お前達の事情を考えれば、知らされていないのは無理はないな。
キバの鎧というのは吸血鬼達が、他の勢力に対抗する為に造られた王の鎧というのは知っているか?」
「えぇ、そういう噂だと」
「あぁ、だけど、最初に造られた鎧、吸血鬼の資質に呼応し、その力を無制限にまで高める力を持つ」
「それって、つまりは神器」
「あぁ、恐ろしい事に、奴らは人工神器。
いや、既にその力は神滅器と同じ性能まで造らせた。
ある意味、執念深い奴らだ」
それには、俺達も言葉が出なかった。
「だがそれがかなり危険な代物だった。
なんだって、装着した奴らのほとんどの命を喰らい尽くす闇の鎧だったからな」
「闇の鎧」
それには、俺も驚きを隠せなかった。
「だからこそ、その鎧の力を制御しやすくしたのが、現在のキバの鎧。
だけど、それでもさらに制御を行いやすいように、カテナと呼ばれる鎖で封印している」
「まぁ、未だに使いこなせていないとは思ったけど、それ程とはなぁ」
「アザゼル、なぜ、あなたがそこまで知っているの?」
「少し前にアルクェイドの奴に言われたからな、何よりも」
それと共にアザゼルは冷や汗をかいていた。
「言ったはずよ、その子に手を出すならば、殺すと」
その言葉を発したのは、アルクェイドさんだった。
何時の間にか、アザゼルの背後にいた。
それは、その場にいた全員が動けなかった。
「ここで戦う訳ないだろ」
そう、アザゼルは、慣れたように言う。
「そっ、だったら良いわ」
それと共にアルクェイドはすぐに殺気を収めた。
「んっ、この子」
「ひぃ」
すると、アルクェイドはギャスパーに目を向ける。
「ふぅん、そういう事」
「えっと」
「もしかして、力を操るのに困っているの」
「えっはい」
「それじゃ、特訓にレッツゴー!」
「あっ」
そうしている間にも、アルクェイドはそのままギャスパーを連れ去っていった。
「えっと、これはその、大丈夫なの」
「・・・」
リアス先輩からの質問に対して、俺もキバットもまた目を合わせない。
そして、アザゼルは手を合わせていた。
それが、既に答えである。
「アルクェイドさん、人当たりは良いし、実際に良い人だけど」
「やる事はもはや災害なんだよなぁ」
ドラルクの作戦は
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笛で渡達を呼ぶ
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鬼舞辻を噛んで、支配下に
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下剋上しそうな鬼達を仲間にする
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アーカードの旦那を呼ぼう